特集 2017年4月14日
 

温水洗浄便座には水の勢いを「強」より更に強くする裏技がある

温水洗浄便座の強さを計測するシステム
温水洗浄便座の強さを計測するシステム
事務所の温水洗浄便座は水の勢いが強い。強さレベルが3段階しかなく、一番弱い「弱」でもかなりの勢いだ。初めて使った時は「ヒャッ」と声が出た。

なんとかならないものかと頭を悩ませ、取扱説明書を読んだら驚いた。「おしり洗浄を『強』にしてもまだ弱いと思われる方」に向けて、「強」をさらに強くする方法が載っていたのだ。なんだ、その「温水洗浄便座、覚醒」みたいな機能は!
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。
> 個人サイト すみましん

洗浄便座の覚醒モード

温水洗浄便座の「強」をさらに強くする方法は、以下の通りである。
温水洗浄便座を覚醒させる方法
温水洗浄便座を覚醒させる方法
「止」スイッチと「ビデ」スイッチと「強」スイッチ、3つのスイッチを同じタイミングで2秒以上押し続ける。それだけで温水洗浄便座は覚醒して「強」がさらに強くなるという。

これはLIXILの「シャワートイレUH10タイプ」の取扱説明書に記載されていた内容で、他の商品にそのような設定があるかどうかは分からない。僕が使用している温水洗浄便座にはそんな機能が搭載されているのだ。「弱」で悲鳴を上げている僕にとってはおよそ縁遠い機能である。

とはいえ、どれくらい強いのか試してみたい気持ちはある。

しかし、いま僕は持病の椎間板ヘルニアが悪化している。そういう時は決まって、もう一つの持病「いぼ痔」も悪化するのだ。体調における負の連鎖である。今のところ、いぼ痔は大丈夫なのだが温水洗浄便座の覚醒モードを試したりしたら、きっと寝た子を起こすことになる。

自分のおしりを使わずに、温水洗浄便座覚醒モードの強さを試す方法を考えたい。

洗浄便座の強さを新しい単位であらわす

また椎間板ヘルニアの話で申し訳ないのだが、以前、椎間板ヘルニアで入院していた時、毎朝看護婦さんから「今日の痛み具合はレベルいくつですか?」と聞かれていた。痛さレベルが5段階に設定されていて、その日の痛さは5段階中いくつなのか聞かれるのだ。自覚症状を5段階で表現するのが難しく、「4くらいですかね」といつもフワッとした回答しかできなかった。

温水洗浄便座の強さも感じ方は人それぞれだ。僕にとっては「弱」でも強いし、「強」でも物足りないというツワモノもいる。人によって変わってしまう強さを数値化することはできないだろうか。今までにない新しい単位を使って。

そこで思いついたのが、障子だ。
障子紙を使う
障子紙を使う
一定間隔で配置された障子紙を温水洗浄便座の洗浄水で何枚破くことができるのか。それを検証し、破れた枚数を温水洗浄便座の強さの単位、SHG(しょーじ)とするのだ。1枚破けたら、その温水洗浄便座の強さは1SHG、といった具合である。
温水洗浄便座の強さ(SHG)計測システムの概念図
温水洗浄便座の強さ(SHG)計測システムの概念図
なぜ、障子紙なのか?

温水洗浄便座は日本が発祥だと聞いている。一般家庭への普及率も77.5%にも達しているという(2015年3月末現在)。そんな日本の技術力を数値化するには、古くから日本の家屋で使用されている障子を使うべきだろう。直感的にそう思いついたのだ。

温水洗浄便座覚醒モードの強さを測るため、SHG計測システムを制作することにした。

SHG計測システムの制作

SHG計測システムは、ヒノキと障子紙によって作ることにした。

ヒノキの木材を東急ハンズでカット加工してもらい44片の部品が出来上がり、合計金額は4444円と4並び。ハンズの女性店員さんが「あら、4並び!」と小さく興奮していた。
合計金額が4並び
合計金額が4並び
加工してもらったヒノキ
加工してもらったヒノキ
15センチにカットしたヒノキを四角く組み合わせて、障子紙を貼る木枠を作る。その際、環境を考慮して釘は一切使用しない工法をとることにした。釘の代わりに使用するのは木工用ボンドだ。
木工用ボンドで木枠をつくっていく
木工用ボンドで木枠をつくっていく
木工用ボンドで接着したヒノキ枠を全部で10個制作した。1SHGから10SHGまで計測できる仕様である。
ヒノキ製の木枠が10個
ヒノキ製の木枠が10個
続いて、ヒノキの木枠に障子紙を障子のりで貼っていく。障子のりの商品名は「ハケノン」。刷毛を使用しなくても塗れる! という商品特性を名前に込めているのだろう。
障子のり、ハケノン
障子のり、ハケノン
のりを木枠に塗っていく
のりを木枠に塗っていく
障子紙を
障子紙を
木枠に貼る
木枠に貼る
久しぶりに障子紙を手に取ってみて、「意外に頑丈」と感じた。子供の頃、障子はすぐに穴があくものだと思っていた。一休さんのアニメでも、指で障子に穴をあけて部屋の中を覗くシーンが良くあった。障子はもろい。ずっと抱いていたそんな印象を覆す頑丈さ。

温水洗浄便座は、この頑丈さを突破できるのだろうか?

一抹の不安を抱えながら、木枠に障子紙を貼る作業を終えた。
10個の木枠に障子紙を貼り終えた
10個の木枠に障子紙を貼り終えた
最終仕上げとして、170センチのヒノキを4本使って10枚の障子を等間隔で固定していく。障子と障子の間隔は15センチ。15センチにした根拠は特にない。
ボンドが乾くまで本で固定
ボンドが乾くまで本で固定
SHG計測システム完成
SHG計測システム完成
「なぜ俺は和モダンなインテリアをDIYしているのか? 俺は森泉か!」

仕上がりを見て、本来の目的を見失いそうになる。
貴方のお部屋に和モダンのワンポイントを
貴方のお部屋に和モダンのワンポイントを
いや、違う。

これは和モダンを追求したインテリアではなく、あくまでも温水洗浄便座の強さを計測するシステムである。

温水洗浄便座覚醒モードの強さを計測

いよいよ、取扱説明書にあった方法で温水洗浄便座を覚醒させる。
「止」スイッチ、「ビデ」スイッチ、「強」スイッチを同時に
「止」スイッチ、「ビデ」スイッチ、「強」スイッチを同時に
2秒以上押す
2秒以上押す
3つのスイッチを2秒以上押していると便座がウィーンと唸り始めた。

覚醒したのだ!

今、僕が対峙している温水洗浄便座はいつも僕が座っている温水洗浄便座ではない。覚醒し、モンスターと化したマシーンである。

SHG計測システムをモンスターマシーンに設置した。
SHG計測システム、設置完了
SHG計測システム、設置完了
便座に重みがかかっていないと洗浄器が作動しないようなので、右膝で便座を抑えながら「おしり」のスイッチを押す。
膝で便座を抑えながら
膝で便座を抑えながら
「おしり」スイッチ、オン!
「おしり」スイッチ、オン!
覚醒したモンスターマシーンは、どれくらいのSHGを叩きだすのか!

検証の様子を動画でどうぞ。
水の勢いはかなりのものだが、1枚目の障子紙が洗浄水を跳ね返し続けた。跳ね返った水を受けて僕のジーンズはびしょ濡れだ。

結果、「強」よりさらに強くなった温水洗浄便座の強さは0SHGであった。

10SHGまで計測できるこのシステム、どうしたらいいのだろう。
百均で植木とLOVEを購入し和モダンなインテリアとして活用しています
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覚醒後の温水洗浄便座であれば10SHGは突破するだろう。ズババババーン! と障子を突き破り天井に水がぶち当たるはずだ。今までの尻感覚でそんな画を想像していたが、結果はOSHG。残念ではあるが、良く考えたら障子を10枚ぶち抜く水の勢いでこられたら、人のおしりは壊れるだろう。

覚醒モードでもOSHGなのだ。恐れることはない。これからは積極的に「強」で洗っていきたい。

洗浄水を跳ね返す障子紙の姿に勇気をもらった。
はがし剤も一応買っておいた
はがし剤も一応買っておいた
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