特集 2017年4月21日
 

香港は撫でまわしたくなる街だ

香港で地下鉄空間を愛でていたら、こういうビルを「撫でまわしたくなった」という話です。
香港で地下鉄空間を愛でていたら、こういうビルを「撫でまわしたくなった」という話です。
東京以外で住んでみたい都市は? と聞かれたら迷わず「香港!」と答えるだろう。いや、ちょっと迷うかな。ロンドンもいいな。いずれにせよどっちも家賃がたいへんそうだけど。

で、これまで何回かぼくなりの香港の愛でっぷりを記事にしてきたが、今回は地下鉄だ。香港の地下鉄構内のカラーリングには特筆すべきものがある。

さらに、色だけでなく「触りたくなる」。しまいにはビルに対しても「触るとどんなだろう?」と思うようになった。その顛末を聞いてください。

わけわかんないでしょうが、聞いてください。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。
> 個人サイト 住宅都市整理公団

アグレッシブなカラーリング

まずはとにかく地下鉄構内がどんなかご覧ください。
ぼくが魅入られるポイントはたくさんあるのだが、まずは見ての通り、赤い。赤というより朱色か。いずれにせよこの大胆な色づかい。すばらしい。
ぼくが魅入られるポイントはたくさんあるのだが、まずは見ての通り、赤い。赤というより朱色か。いずれにせよこの大胆な色づかい。すばらしい。
そしてこの空間のTUBE具合がたまらない。シンメトリーで真ん中が階段っていう異国情緒もいい。
そしてこの空間のTUBE具合がたまらない。シンメトリーで真ん中が階段っていう異国情緒もいい。
そういえばロンドンの地下鉄エスカレーターもこの形式だった。(これはロンドンのTUBEの写真)
そういえばロンドンの地下鉄エスカレーターもこの形式だった。(これはロンドンのTUBEの写真)
"Mind the gap"っていう言い方も同じだ。さすが元イギリス領、というわけか。地下鉄にかつての歴史が表れる、って面白い。
それにしてもどこもかしこも朱で徹底されている。すごい。かっこいい。地上にでて灰色を見たら補色の緑が浮かぶのではないか。
それにしてもどこもかしこも朱で徹底されている。すごい。かっこいい。地上にでて灰色を見たら補色の緑が浮かぶのではないか。
エスカレーターに乗って横を見ると、こんな感じ。
エスカレーターに乗って横を見ると、こんな感じ。
あがって、ふり返る。いい。すばらしくすてき。
あがって、ふり返る。いい。すばらしくすてき。
改札フロアも、このように全体的に赤い。
改札フロアも、このように全体的に赤い。
赤い中に、地元小中学生の絵の展示。こういうのって日本と同じなのね。
赤い中に、地元小中学生の絵の展示。こういうのって日本と同じなのね。
以上が Tai Koo 駅。
以上が Tai Koo 駅。
別の駅、こちら Jordan 駅はまた全然違う色。そう、駅によって色が違うのである。
別の駅、こちら Jordan 駅はまた全然違う色。そう、駅によって色が違うのである。
車内から駅が一目で判断できていいな、と思う。ときどきアナウンス聞き漏らして、駅着いても駅名の表示が見えなくて困ることが、日頃よくあるので。
車内から駅が一目で判断できていいな、と思う。ときどきアナウンス聞き漏らして、駅着いても駅名の表示が見えなくて困ることが、日頃よくあるので。
あと、改札の中と外とでおしゃべりしている人たちをよく見かけた。
あと、改札の中と外とでおしゃべりしている人たちをよく見かけた。
一転してシックな色合いでぼくをうっとりさせる、Mong Kok駅。この色も、いい。
一転してシックな色合いでぼくをうっとりさせる、Mong Kok駅。この色も、いい。
こういう、間のフロアをスキップしていくエスカレーターって、なんかいいよね。上野駅とか、京阪の京橋駅とか。
こういう、間のフロアをスキップしていくエスカレーターって、なんかいいよね。上野駅とか、京阪の京橋駅とか。
ほかの駅でもちょくちょくこういうスキップするエスカレーターをみかけた。いい。なぜかどきどきする。
ほかの駅でもちょくちょくこういうスキップするエスカレーターをみかけた。いい。なぜかどきどきする。
ある理由から、こういうスキップするエスカレーターが香港の地下鉄には多い(後述)。

このどきどきする感じは、東京モノレールが、昭和島駅と整備場駅の間で、高架から水面に開いた穴に飛び込んでいって、水の下に入っていくあの感じに似ている。

よく分からない喩えで申し訳ない。

細かいタイルがいい。これが今回最も言いたいことです

このように、まず色に惚れた。徹底してどこもかしこもテーマカラーで統一しているのがいい。すばらしいと思う。

そしてこれらがタイルであるのがポイントだ。細かいタイルなので、さわり心地が良い。つるつるとざらざらの両立。

建築とか空間のデザインって、もっぱら視覚によって語られ・味わわれがちだが、「触りたくなる」ってだいじなんじゃないかと思った。香港の地下鉄は、触りたいデザインだ。それはタイルだから。

とはいえただ、けっこう痛みがきているようで、改修に伴ってこのタイルも消えつつあるようだ。
たとえばこのAdmiralty駅。こちらはブルー。ご覧のように他の駅と同様、びっしり貼られたタイルがキュートなのだが……
たとえばこのAdmiralty駅。こちらはブルー。ご覧のように他の駅と同様、びっしり貼られたタイルがキュートなのだが……
いくつかの柱が、こんなことに。タイルじゃないのー!?
いくつかの柱が、こんなことに。タイルじゃないのー!?
忍び寄るパネル化の波。まあ、パネルの方がらくちんですよね……わかるけど。タイルいいのになー。
忍び寄るパネル化の波。まあ、パネルの方がらくちんですよね……わかるけど。タイルいいのになー。
改修工事のお知らせと、タイルをはがされた後とおぼしき光景をちょくちょく見かけた。
改修工事のお知らせと、タイルをはがされた後とおぼしき光景をちょくちょく見かけた。
「香港の地下鉄といえばカラフルなタイル」というのも、もうしばらくの間だけかもしれない。タイル好きは今のうちに見に行った方が良いと思う。

ちょっと前まで東京メトロでもこういう細かいタイル貼りがあちこちで見られたが、いまやほとんど残っていない。結果として、あまり触りたいと思えない。まあ、そんなのメンテナンスの簡便さに比べれば二の次以下なのは承知しておりますが。

ところで、乗り換えがちょう便利

ここでちょっと色や空間の形、タイルの官能などから話を脱線させます(列車の話題で「脱線」ってちょっとなんだかあれですね)。

このAdmiralty駅には3つの地下鉄線が通っているのだけれど、その乗り換え経路が興味深い。

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