特集 2017年5月17日
 

北限のハブに会いに行く

なんか違う枝をさがせ

--見つけるコツはあるんですか?
「枝にとまった小鳥を狙うわけだから、実がなっていたり、小鳥がとまりたくなる木に来やすいです。ハブがよく通る”ハブ道“があるようにハブがよくのぼる木もあります」
--ハブ木(き)!
「というかどうかは知りませんが」
桑の木にいた若者。
桑の木にいた若者。
「あと道沿いの木々の繁り方みたいなのはだいたい頭に入っています。ハブが細い枝に乗っかったりするとしなりがいつもと違う。ハブを探すというより木の違和感を見つける感じです」
--うわー習得できる気がしない。
「またいましたよ」
言われてみればたしかに、枝のたわみ具合に、銀座ルノアールをルノワールと打ち間違えた程度の違和感を感じる。
アンニュイなポージング。シッポの先がちょんとツタにからんでるのがかわいい。
アンニュイなポージング。シッポの先がちょんとツタにからんでるのがかわいい。
「白いやつはかわいいけど黒いのはね、悪いですよ悪い」
トカラハブには今まで見てきたバーバリーのコートの他に黒い個体が存在する。だいたい4~5匹に1匹くらいの割合で捕れるという。ほどなくしてそれは我々の前に姿を現した。
うおー黒い!ブラックレーベルか。
うおー黒い!ブラックレーベルか。
悪い顔だなー。アウトレイジだな。
悪い顔だなー。アウトレイジだな。
--悪い、これは悪いですねー、同じトカラハブとは思えない。
うっすらと斑紋が見える。これはこれでかっこいい。
うっすらと斑紋が見える。これはこれでかっこいい。
「気性が荒いのは黒いほうが多いですね」
私も見つけたいなー。
私も見つけたいなー。
いた!ブラックレーベル!
いた!ブラックレーベル!
結局、岩下さんのおかげで9匹ものトカラハブに出会う事ができた。
「ここのハブは餌が少ないので何でも食べます。さばいた魚の内蔵を置いておいたら食べていた事もあったし、道路で轢かれたカニやウミヘビの死体を飲み込んでいるのも見ました」
--えー屍肉食ですか。それは図鑑にも載ってないですね。
「学者の先生も信じられないと言ってましたよ」
こっちはこっちで苦労してるんですよ。
こっちはこっちで苦労してるんですよ。
--ハブも大変なんですねえ…っていうか道路にウミヘビ上がってくるんですか!?
「秋になると産卵で上がってくるエラブウミヘビがよく見られます。運がよければ、今の時期でも見られるかな」
翌日の夜、奇跡はおこった。
おー夜道にエラブウミヘビ!毒の強さでいえばこちらのほうがはるかに上。
おー夜道にエラブウミヘビ!毒の強さでいえばこちらのほうがはるかに上。
興奮しながら写真を穫っていたら通りがけの住民の方も一緒に喜んでくれた。翌日、港で会った時に「昨日すごく喜んでたよね」と言われた。
いよいよ島を離れる。来た時とは違う角度から接岸を見学。
いよいよ島を離れる。来た時とは違う角度から接岸を見学。
皆が手を振って送り出してくれる。名残惜しゅうございます。
皆が手を振って送り出してくれる。名残惜しゅうございます。
島を去る旅人達の視線を残しながら、フェリーとしまは港を離れ、宝島へとむかった。


ハブ旅は続く

小宝島で遭遇した念願のトカラハブはおしゃれで気品にあふれ、そして餌事情の厳しい環境で一生懸命木に登り、鳥や雲や夢までもつかもうとしていた。
トカラハブは毒が弱いといってもやはりハブ、咬まれたらそれなりに大変な事になるので観光の際は注意が必要である。ただ島を歩き回った実感では、わざわざ探しに行かなければ、ハブに出会う事も、被害に会う事もほとんどないだろう。神経質になりすぎずに他にない島の風情をのんびり楽しみたい。
次は宝島でおんなじ事をします。
次は宝島でおんなじ事をします。

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