特集 2017年5月18日
 

洋風モツ煮込み、新感覚ういろ、鉄板小倉トーストで名古屋のすごさを再確認

一読してわからないメニューに奮える

思った以上の見ごたえ、食べ応えによぼよぼになりながら別件の取材をはさみつつおなかを減らし最後にやってきた名古屋クロスコートタワー。
2015年にできたそうで、まだまだ新しくパキッとしてる
2015年にできたそうで、まだまだ新しくパキッとしてる
地下が「チカマチラウンジ」という、ちょっと1杯気軽に飲めるようなお店がぎゅうぎゅう11軒も集まった最高のレストラン街になっていて、このなかの「ビアバル マ・メゾン」というところに「洋風モツ煮込みデミ味噌味」と「名古屋風味噌おでんポルチーニクリームソース」はある。

「マ・メゾン」は名古屋を中心に洋食店やとんかつの店を出していて、「ビアバル マ・メゾン」はそのうちの1形態なんだそうだ。
店頭メニューで「洋風モツ煮込みデミ味噌味」は人気No.1メニューと!
店頭メニューで「洋風モツ煮込みデミ味噌味」は人気No.1メニューと!
「ビアバル」というくらいだからおしゃれなお店だろう。普通にしゃれたおつまみが人気で、私がめあてにしている2つのメニューは観光客向けにひっそりと一応置いているレベルのものなのではないかと思っていた。それがなんと人気ナンバー1とは。

それにしても「洋風モツ煮込みデミ味噌味」。一読してのわからなさがすごい。

洋風のモツ煮込みというところでまず分からないのに、デミ味噌味なのだ。デミというのはデミグラスソースだろう。デミグラスソースってそもそも「味」の名前なんじゃないのか。それが味噌でいいのか。

「おれがあいつであいつがおれで」くらい混乱している。俺は誰なのか。そしてあいつは。

こんな不安なメニューが人気ナンバー1だとは。飛び道具的なメニューでは決してない。本気なのだ。
これがその「洋風モツ煮込みデミ味噌味」
これがその「洋風モツ煮込みデミ味噌味」
学生の頃、チェーンの安い居酒屋や大衆酒場が苦手な友達がいた。チェーンの店を嫌うのはなんとなく分かるが、大衆酒場なんて良さしかないと思っていたがそうではないのだ。やはりとことんクリーンでおしゃれなお店が好きな人もいる。

彼女は飲みに誘うといいね、じゃあカフェに行こうという子だったがそれを思い出した。モツ煮込みだがおしゃれである。彼女も黙って食べそうだ。
ガチの居酒屋でしょうか、ビアバルでしょうかクイズいける
ガチの居酒屋でしょうか、ビアバルでしょうかクイズいける
デミグラスソースに味噌だれが合わさって甘めのソース。味としてはハヤシライスだね! ということでいいと思うも、がっつりモツは入っているので「洋風モツ煮込みデミ味噌味」としかいいようがない。
当然しっかり大根は黒い。やっぱり本気なのだ
当然しっかり大根は黒い。やっぱり本気なのだ
そしてもうひとつ「名古屋風味噌おでんポルチーニクリームソース」はハッピーセットでついてくるくらいの推され方
そしてもうひとつ「名古屋風味噌おでんポルチーニクリームソース」はハッピーセットでついてくるくらいの推され方

おまえずいぶん変ったな、というおでん

名古屋には大なべに串にさして煮込まれる真っ黒い味噌おでんの古くからある店がたくさんある。コンビニでもおでんには味噌だれがついてくるし、そもそもコンビニ店内で味噌で煮込む店舗もあるといううわさを聞く。

そういう地域の伝統と人々の好みにぶつかってくるのがポルチーニクリームソースである。わかりやすい意外性に胸がすく。
おでんとしてはどう見ても「なにかあった感じ」
おでんとしてはどう見ても「なにかあった感じ」
外見の様子がかわり「何かあったんだろうな」と人に思わせる、よくいう夏休みが終わったあとのあの子、みたいな表現があるが、大根のおでんにそれを感じさせてくるとは思わなかった。

食べてみると「しゃれた食べ物」の味がした。大学の頃の例の友人が喜ぶ顔が2度、目にうかぶ。味としては味噌おでんとしての立場を守りながらもポルチーニのパンチが思いのほか強い。

しかし味噌を負かしているのではない。ポルチーニ味が過ぎ去ったあとしっかり味噌味が主張してくる。あくまでも味噌の胸をかりての、ポルチーニはあそびの部分のようだった。なにかあってもあの子は味噌おでんなのだ。
このだしの染み方!(さっきから大根に感激しすぎている)
このだしの染み方!(さっきから大根に感激しすぎている)
新しいタイプの名古屋メシをめぐるとあって、観光客を呼ぶための、いわばビジネス名古屋メシばかりなのではという思いもあったが、実際行ってみたらどれもちゃんとへんで、ちゃんとおもしろくて、ちゃんとおいしい王道の名古屋メシであった。

すごい。

最強伝説の上書き

このほか、ワインと一緒に味噌おでんを食べさせる店が何軒かあったり、名古屋ハヤシという、赤味噌を使って作る独自のハヤシライスを広めようという動きもあるようだ。

「かわっている」という状態がかわらないようにかわりつづける。しかもやってやろうとしてやってるんじゃなくって、それが素なのだ。

勉強しないのにいつも成績上位のやつがいて、おしゃれしようとしてないのにセンスいいねと言われまくる人がいる。そういうパターンがいつだって最強だ。

へんなことしようとなんて思わないけどいつもずっとかわってる。かっこいい。
何にでも赤だしがついてくるのも奮える(鉄板小倉トーストの「神戸館」のメニューにあった)
何にでも赤だしがついてくるのも奮える(鉄板小倉トーストの「神戸館」のメニューにあった)

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