特集 2017年5月23日

【検証】路上ライブをやっている人をカラオケに連れて行ったら高得点がでるのか?

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僕は路上ライブで歌を聴くのが好きだ。渋谷や池袋に行った帰りには、わざと電車を30分程遅らせて見ていくこともある。そして毎回どの人を聴いてもうまくて感動する。

路上ライブで歌を聴いていて、あるときふと「路上ライブをやっている人はカラオケで高得点がでるんじゃないか?」と思った。

この疑問を解決するために、実際に路上ライブをやっている人に声をかけて、カラオケボックスで採点付きカラオケをやってもらうことにした。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。(動画インタビュー

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路上ライブを見るのは楽しい

僕は渋谷で働いているのだけれど、帰り際にときどき路上ライブを聴いていくことがある。意識して聴きに行っているわけではなく、歌声に思わず足を止めてしまうことが多々ある。

路上ライブをやる勇気がすでにすごいし、やはり何よりその歌声に感動する。これだけうまい人ばかりであれば、「誰を連れていってもカラオケで高得点がでるんじゃないか?」という疑問が僕の中に湧いた。
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ということで実際に検証してみようと思った。方法として、路上ライブをやっている人に直接声をかけて、カラオケに連れていって採点をするという、かなり無茶なやり方をする。

今思えば初対面の人間に「カラオケに一緒に行って採点させてください」とわけがわからない提案をされるのである。恐ろしさしかない。「ラッセンの絵を高額で買いませんか?」と声をかけられた方がよっぽど安心感がある。
今回は路上ライブをしていた3組に協力してもらった。よくこんな突拍子もない企画に参加してくれたなと思う。心が広すぎる。
今回は路上ライブをしていた3組に協力してもらった。よくこんな突拍子もない企画に参加してくれたなと思う。心が広すぎる。
この企画をやってものすごくラッキーだと思ったのは、きちんと音楽をやっているアーティストの方たちの歌を、カラオケで独占して聴けたことである。

月1くらいでこの企画をやりたいくらい贅沢な時間だった。人生で初めて「耳が幸せ」という言葉を実感できた瞬間かもしれない。

一人目: 亡くなった友人の一言がキッカケで歌手を目指した

多くの人に囲まれていたバンドを見つけた。たまたま立ち止まっている人だけでなく、女性ファンも多くいたようだ。羨ましい。
多くの人に囲まれていたバンドを見つけた。たまたま立ち止まっている人だけでなく、女性ファンも多くいたようだ。羨ましい。
ボーカルの岩越涼大さん
ボーカルの岩越涼大さん
岩越涼大(@RyOtA1854)
1994/7/3

SLOWBIRDというバンドに所属し、キーボードボーカルを担当。キーボード以外にもコーラス・ギター・作詞・作曲・編曲・DTMまでマルチにこなすシンガーソングライター。
一組目はSLOWBIRDというバンドでボーカル/キーボードを担当している岩越涼大さん。SLOWBIRDはなんと渋谷のタワレコにもCDが置いてあるほどの実力者だ。プロのアーティストだ。カラオケで歌ってもらうのが恐縮すぎる。

偏見だけれどバンドマンというだけで怖くて破天荒なイメージがあったので、声をかけるときに「いきなり殴られたらどうしよう」と思っていたのだけれど、物腰も柔らかく爽やかな青年だった。

むしろ「声をかけてくださりありがとうございます!」と言ってくれるほどであった。爽やかすぎて僕の心の汚い部分が浄化されるようであった。合掌。

そんな爽やかボーイとカラオケに移動して、さっそく企画に挑戦してもらうことになった。
今回は上記のようなルールで行う。
今回は上記のようなルールで行う。
…と今回の企画はこんな感じのルールになっています。
いきなりこんなわけのわからない企画に参加してもらって、本当にありがとうございます!
全然大丈夫ですよ!
ただ、カラオケの採点で高得点は出ないかもしれません…
もし低かったらすいません!
むしろ、協力してもらっているのにプレッシャーを与えてしまう企画で申し訳ありません…!

さっそくですけど曲は何を選びますか?
KinKi Kidsの「ジェットコースター・ロマンス」と、サザンオールスターズの「いとしのエリー」でいきます!

僕はそんなに最近の曲ではなく、懐メロばかり歌うんですよね
おお!たしかに懐かしいチョイス!
音楽を本気でやっている人の歌を、カラオケで独占できるという至福の時間。
音楽を本気でやっている人の歌を、カラオケで独占できるという至福の時間。
岩越さんが歌いだすと思わず聞き惚れてしまいそうになる。企画のことなんか忘れて2時間くらいずっと聴いていたくなる歌声だった。

透き通った甘い声で、高音の響きがものすごくキレイだし、特にビブラートがすごく心地よい。このままこの声に抱かれたい。

サザンオールスターズの「いとしのエリー」を聴いているときは思わず頬が緩んでいることに気づいた。うますぎる歌を聴くと、人間は自然と笑ってしまうということに初めて気がついた。
結果は「いとしのエリー」は92点!「ジェットコースター・ロマンス」は94点!!
結果は「いとしのエリー」は92点!「ジェットコースター・ロマンス」は94点!!
2曲続けて歌ってもらったが、やはり連続で高得点であった。路上でも聴いていたが、カラオケで改めて聴かせてもらうと圧倒される。

僕の友人にもカラオケがうまい人は何人もいるが、やはり本気で音楽をやっている人の声量や声のノビが段違いだ。素人とは違い、やはり聴いているときの心地よさも圧倒的が差がある。ずっと聴いていたくなる。
うますぎる…そしてやっぱり高得点ですね!!

これだけうまかったら、歌っているとき相当気持ち良いんじゃないですか?
自分の歌には満足いったことがないですね、全然まだまだですね
向上心がすごい…!

友人が亡くなったのがキッカケで歌を始めた

路上ライブはいつからやっているんですか?
一番初めは高校を卒業したくらいのときに、地元の駅でギターだけ持って1人でやっていました
そのときは本当に練習というか、何も考えずに「ただ聴いて欲しい」という気持ちでやっていましたね
路上ライブを初めにやろうと思える勇気がすごいですよね
心が折れそうになる瞬間も多そうですし…
いっぱいありますね(笑)
罵声がくることももちろんありますし、置いてあるCDを蹴られることもあります。

1回だけやるのは簡単なんですけど「続ける」ということが難しいですね
バンドでの路上ライブは1年ほど前から行っているとのこと。最初はメンバーから「やりたくない」「無理だ」と拒絶されたらしい。
バンドでの路上ライブは1年ほど前から行っているとのこと。最初はメンバーから「やりたくない」「無理だ」と拒絶されたらしい。
昔から音楽で何かやろうと思っていたんですか?
僕はそもそも高校時代までは音楽とは程遠い生活を送っていました
中学は部活でバスケをやっていて、高校はアメフト部に入っていましたし、キーボードを初めたのもここ1年くらいですね
え?意外ですね!?
じゃあ学生時代はまったく音楽活動してなかったんですか?
高三のときに、みんなでカラオケに行くようになってきて、そこで「歌うまいね」って友達から言われる程度でした

そのカラオケに一緒に行っていた仲の良い友達が、卒業式前に病気になってしまったんですよ

それでみんなで卒業式の日はそいつのところに行って、歌を歌ってあげようという話になりました。そこで僕がピアノを弾くことになったので、初めて楽器もちゃんと練習しました。
良い話…
ドラマみたいですね
それでその友達に「お前は歌手になれ!」と言われたんですよ。その友達は亡くなってしまったんですけど…

身近な人が亡くなったのが初めてで、衝撃がすごすぎてずっとその言葉が心に残っていました
進路をどうするか考えたときに、友達の言葉を思い出して音楽の道に進もうと自然と思いました
音楽をやり始めたキッカケはドラマのような出来事があった。
音楽をやり始めたキッカケはドラマのような出来事があった。

路上ライブを通した出会い

路上ライブをやっていて、良かったことや変わったことはありますか?
やっぱり新しい出会いはたくさんありましたし、自分たちの音楽で足を止めてくれるのはうれしいですね
今日も見ている人が多くて驚きました!
だんだんと見てくれる人も増えましたね。初めはやっぱり誰も見てくれませんでした。
「なんで立ち止まってくれないんだろう」「どうやったら名前を知ってもらえるんだろう」と試行錯誤しました。

考えてやっているので、自分たちのバンドの成長には繋がっていると思います
今日見ていた感じだと、たまたま見ていた人もいそうでしたが、SLOWBIRDのファンの人も多そうでしたね
ありがたいですね
ライブハウスに来てくれるお客さんも、路上ライブで好きになってくれた人が多いです
その結果が身を結んで、渋谷のタワレコにCDが置かれるまでに成長した。僕ももちろん買った。
その結果が身を結んで、渋谷のタワレコにCDが置かれるまでに成長した。僕ももちろん買った。
僕は路上ライブを通して人生が変わったといえると思います
もしやってなかったら、もっと暗い人間だったと思います
おー!そこまで言い切れるのはすごいですね。
いろんな人と関われたのも良かったですね。
「こういう人はこう対応した方が良いんだ」というような人間関係の勉強にもなりました。

あとは毎日海外旅行のような旅をしている気分になります
外国のお金ももらえますし、海外の人に話しかけられることもありますし、色んな人に出会えて楽しいです
どれだけ歌がうまくても、もし自分だったら絶対に路上ライブなんてやる勇気がでない。毎回やれる勇気がすごい。

家に帰ってからSLOWBIRDのCDを聴いてみたけど、オリジナル曲も良い。キャッチャーで耳に残りやすいし、楽曲の幅も広い。今度ライブ行こう。もはやただのファンだ。
SLOWBIRD 公式ホームページ
http://artist.aremond.net/slowbird/

SLOWBIRD Twitter

岩越涼大 (ボーカル/キーボード) Twitter

やごたける(ドラム) Twitter

寿 (ギター) Twitter

二人目:東北、関西、九州を旅する行動派の女性

二人目は路上でギターを弾きながら力強く歌っていた「かさね」さん。ものすごく楽しそうに歌っていたのが印象的だった。
二人目は路上でギターを弾きながら力強く歌っていた「かさね」さん。ものすごく楽しそうに歌っていたのが印象的だった。
かさねさん
かさねさん
かさね(@scope_2w
1994/3/18

2014年6月よりギター弾き語りシンガーとして活動をはじめる。

4月から12月20日までに『ライブハウスだけで』ライブ100本ノック達成を掲げ、無事初企画として12月20日満員御礼で100本目を達成し、2017年3月18日渋谷チェルシーホテルにて1年で200人を動員した。
声をかけたらさすがに怪しまれたのか、連絡を取って後日待ち合わせをしてから受けてくれることになった。そりゃいきなり見知らぬ男とカラオケに二人きりになるのは怖いよな…
今日はよろしくお願いします!
こんなわけのわからない企画に参加してもらって、ありがとうございます!
直接お会いしたときになんとなく怪しい感じはしませんでしたし、話を聞いておもしろそうだなと思ったので、受けさせてもらいました(笑)
毒にも薬にもならないような中途半端な見た目でよかった…

さっそくですけど、今日は何を歌っていただける感じでしょうか?
miwaさんの「ヒカリへ」という曲と、エヴァンゲリオンのオープニング曲の「残酷な天使のテーゼ」を歌います
タイプがバラバラな2曲ですね…!エヴァンゲリオンが意外すぎる
好きなんですよね、エヴァンゲリオン(笑)
2曲がまったくタイプの違う歌であったが、どちらも声にあっていて圧巻だった。音域がすごい。
2曲がまったくタイプの違う歌であったが、どちらも声にあっていて圧巻だった。音域がすごい。
聴いているときは、仕事だということを忘れて思わず聴き入ってしまった。
聴いているときは、仕事だということを忘れて思わず聴き入ってしまった。
まったくタイプの違う歌でどうなるのか想像ができなかったのだけれど、「ヒカリへ」の方は柔らかく軽やかに歌い、「残酷な天使のテーゼ」は曲のテンポを自分でさらにあげて、力強く激しく歌い上げていた。表現力の幅がすごい…!

「残酷な天使のテーゼ」は僕も好きな歌で、たまにカラオケでも聴くけれど、初めてこの歌で感動した。歌が上手い人って声が透き通っているから、早口で歌っていても一音一音がキレイに聴こえる。それでいて力強い。CDに録音して欲しいくらいだった。
「残酷な天使のテーゼ」は92点!「ヒカリへ」は95点!!
「残酷な天使のテーゼ」は92点!「ヒカリへ」は95点!!
やはり2曲続けて高得点だった。聴いていて「これは高得点でるだろうな」という安心感があった。

やっぱり「路上ライブをやっている人はみんな高得点が出る」という説は正しいのかもしれない。

各地を飛び回ってわかった路上ライブの楽しさ

路上ライブを始めたキッカケって何かありますか?
ギターを練習するためです
私の性格が逆境の中で追い込んだ方が練習できるタイプなので、とにかくやってみようと思いました
路上ライブはずっと都内でやっているんですか?
最近は都内を中心に路上をしていますが、初めて路上をしたのは東北でした!
県外に出たことがなかったので、旅もしてみたくて1週間かけて東北を一周路上ライブをしながら周りました。
行動力がすごいし、唐突ですね(笑)
実際に東北を路上ライブをしていたときの写真
実際に東北を路上ライブをしていたときの写真
ただ初めは誰も止まってくれませんでした。
場所によっては人が全然いなかったり、いても止まってくれなかったです泣
途中で辞めたくなりそうですね…!
そんな中でもうれしい出会いもたくさんありました
CDを買ってくれる人がいたり、バス待ちのおばあちゃんが声をかけてくれて聴いていてくれたり、SNSを見て13時間かけて自転車で見に来てくれた人もいました
13時間!?
すごいですよね(笑)その1人の出会いだけでも、感動するほどうれしいじゃないですか?

あとは最後に仙台でやったときも、とある広場でやったんですけど、誰も私の周りに集まってなくて、「今日も誰も聴いてくれなかったな」と思ってたら、終わった瞬間にその広場で拍手が起こりました
実はみんなこっそりとかさねさんの歌を遠巻きに聴いていたんですね(笑)
そうみたいでしたね(笑)
届いている人には思いが伝わっているんだな…と実感できました。CD買いに駆け寄ってくれる人もいて、すごくうれしかったです
僕のわけのわからないこの企画にもすぐにOKしてくれたし、行動力というか実行力がとにかくすごい
僕のわけのわからないこの企画にもすぐにOKしてくれたし、行動力というか実行力がとにかくすごい
それでそのあと都内で路上ライブをやり始めるわけですね?
いいえ!
そのあとその東北の旅をSNSで知ってくれた大阪のアーティストの方がいて、その人に「一緒に関西を路上ライブで周ろうよ」と誘ってもらって、すぐに関西の路上ライブの旅をしました
え!?
東北から戻ってきてすぐですか?
はい、すぐです!(笑)
奈良、兵庫、大阪、京都などを1日のうちに飛び回って、1日9時間以上も歌う日もありましたね
うわ…本当にすごいですね!
それでやっと都内に戻ってくるわけですね
そうですね!
ただそのあとしばらく経ってから、今度は九州一周もしました(笑)
行動力がひくくらいありますね(笑)
そういった活動の成果もあって、ライブハウスに足を運ぶお客さんも増えた。
そういった活動の成果もあって、ライブハウスに足を運ぶお客さんも増えた。
路上ライブをやり続ける原動力って何かあるんですか?
一番は路上ライブでの人との出会いかなと思います。
今年の1~3月はワンマンライブがあったので毎日やろうと決めて路上ライブをずっとやっていたんですけど、沢山の人と出会いました。

そのときにある方が「雨がふろうが、雪がふろうが、風が強かろうが、毎日やっているかさねちゃんを見て元気がでました」って言ってくれて、うれしかったです!
私がやっている行動で元気づけられる人がいるんだなと実感できました
いいですね!
僕もたまに路上ライブ見ますけど、やっている勇気がすごいなと毎回思いますね
あとはとにかく楽しいです、人との出会いもたくさんありますし!
言葉がいらないってすごくないですか?歌って言葉より身近なものだと思っています

私は初対面でコミュニケーション取るのが苦手なんですけど、歌を通じればすぐ仲良くなることができると思っています
たしかに洋楽とかも歌詞の意味がわからなくても「良い曲だな!」って思いますしね
旅をしなければ路上ライブの楽しさも気づけなかったと思います。

東京の良さや、地方のありがたさも旅や路上ライブを通じて知ることができました。やっぱりやってよかったなと思います!
かさねさんは歌に対しての熱量がすごかった。年齢もまだまだ若いし、行動力もあるので、これからますます活躍していきそうな勢いを感じた。

今度また路上ライブをやっているのを見かけた時はサインしてもらおう。

三人目:人を笑顔にしたい、幸せにしたい、元気にしたいために歌う

路上ライブでは珍しくMCを長時間する明るい人を見つけた。「あ、この人ならカラオケについて来てくれそう」と思って声をかけてみた。
路上ライブでは珍しくMCを長時間する明るい人を見つけた。「あ、この人ならカラオケについて来てくれそう」と思って声をかけてみた。
yuriyaさん
yuriyaさん
yuriya
1988/9/7

2012年8月から2016年2月25日まで、バンドのボーカルとして活動していた。現在はシンガーソングライターとしてソロ活動をしている。
声をかけてみたらyuriyaさんは初め戸惑っていたものの、最終的には企画に参加OKをしてくれ、後日カラオケに集合することになった。
急に声をかけて参加してもらいありがとうございます!
私は自称ですけど変人を見極められることができるので、megayaさんに変人オーラがなかったので参加しようと思いました (笑)
初対面でカラオケに一緒に行くってめちゃくちゃですもんね…変人オーラが出てなくてよかったです(笑)

今日は何を歌っていただけますか?
YUIさんの「Good-bye days」と、大塚愛さんの「桃ノ花ビラ」を歌おうと思います!
おお!2曲ともめちゃくちゃ僕も世代です!
これは楽しみだ…
スローテンポな曲が声に合っていて最高だった。
スローテンポな曲が声に合っていて最高だった。
柔らかくキレイな歌声で、特に「Good-bye days」は声質に合っていて、思わず聴き入ってしまった。

声の好き嫌いは誰でもあると思うけど、yuriyaさんの歌声が嫌いになる人はいないんじゃないだろうかと思えた。子守唄のように優しい声で、ずっと聴いていたくなる。歌がうまい人って、ただうまいだけじゃなくて声が良いなぁ…。
「桃ノ花ビラ」は92点!「Good-bye days」は95点!!
「桃ノ花ビラ」は92点!「Good-bye days」は95点!!
ここまで3組に2曲ずつ歌ってもらったけれど、いずれもすべて90点超えであった。もうここまでくるとたまたまではなく、「路上ライブやっている人はみんなカラオケで高得点がでる」という説は、ほぼ確実に立証されたんじゃないだろうか。

テレビ出演からの路上ライブという異色の経歴

路上ライブを始めたキッカケって何かありますか?
私は少し特殊なんですけど、昔やっていた「素人が歌を披露する」深夜番組があって、それに縁があって出演する機会がありました
いきなりテレビですか!
すごい!!
女の子がたくさん出ている番組だったんですけど、そのテレビを見ていた人が、「合同路上ライブをやろう」って企画してくれたんですよ

だから初めての路上ライブは、1人じゃなかったし、テレビに出ていてファンが多い人も中にはいたので、最初から観客がたくさんいました
路上ライブって初めは人が集まらないのが普通ですもんね
たしかにそれは特殊なパターンですね!
そうなんですよ!
だから普通は路上ライブやっていると、右肩上がりにファンが増えると思うんですけど、私は逆にそのあと1人でやったので最高人数から、一気に0まで落ちました(笑)
それはつらいですね…!
心がやっぱり折れそうになる日もありましたね…
というより、今でも心が折れる毎日です!やる前に「今日は行きたくないなぁ…」ってなる日もありますね(笑)
とにかく明るくて快活な人だった。ときどき「ずるいやろう?」などといったように方言がでて可愛らしかった。
とにかく明るくて快活な人だった。ときどき「ずるいやろう?」などといったように方言がでて可愛らしかった。
逆に路上ライブやって良かったことはありますか?
やっぱりライブに来てくれる人が増えたことですね
というより、今いてくれるファンの人はほとんどが路上ライブで見てくれた人ですね
やっぱり地道な活動って大事なんですね…!

そもそも音楽をやろうと思ったのはいつ頃なんですか?
歌いたいと思ったのは小4ですね
SPEEDにものすごくハマって、ダンススクールにも通っていました
小さい頃はひたすら歌っていましたね…お母さんが子守唄で寝かせたりするじゃないですか?
ありますね
私の場合は、お母さんが料理や洗濯をしているときに歌っていたらしいんですけど、その自分で歌っていた子守唄で勝手に寝ていたらしいです(笑)
世界一楽な子どもですね(笑)
歌はずっと大好きで「ずっと別れられない彼氏みたいな存在ですね(笑)」と言って笑っていた。
歌はずっと大好きで「ずっと別れられない彼氏みたいな存在ですね(笑)」と言って笑っていた。
そのあとは高校生になってから、ギターが上手くなりたかったので軽音楽部に入りました
結局ギターを弾く機会が全然なかったんですけど、みんなでジャンジャンジャンとかバンバンバンと音を出して、バンドで音を作るすごさと楽しさを知りました
(擬音が多いな…笑)

そのときは路上ライブはやっていなかったんですか?
高校生のときに路上ライブはやりたかったんですけど、やっていませんでした

だから路上デビューは23歳になった頃なので、少し遅かったですね
なるほど!
路上ライブを通じて何か変わったことはありますか?
やっぱりやる度胸はつきましたね!路上ライブをやること自体はいまだに毎回怖いですけどね

罵声浴びせられたり、チキンの骨みたいなものを投げられたり、やじ飛ばされたり、酔っぱらいに絡まれたり色々とありますからね…(笑)
やっぱりつらいことも多いですよね…

それでもなにか続ける理由ってあるんですか?
やっぱり歌う理由は人を笑顔にしたいし、幸せにしたいし、元気にしたいということですね
それが私の根本です。というより、私にはそれしかできないんですよね(笑)
それができること自体がすごいと思います!なかなか出来ることじゃないじゃないですか
私からしたら路上でいきなり「カラオケに行こう」ってこうやって誘ったりする方がすごいと思いますよ!(笑)
いや、いつもやっているわけじゃないですからね!!

ただただ歌が上手い人はたくさんいるけれど、やはりプロとして活動している人のレベルは違う。得点が高いだけではなく、心から感動する何かがある。ずっと聴いていたくなる。

今回の「路上ライブをやっている人はカラオケで全員高得点がでるんじゃないか?」という検証は、正しいと言っても良いんじゃないかと思う。
検証結果
検証結果
あと路上ライブをやっている人は、それぞれドラマのような話があっておもしろかった。次は「路上ライブをやっている人に話を聞けば、必ずおもしろい話しが聞ける」というのを検証しても良いかもしれない。
「もしかして最近のカラオケは誰でも高得点がでるんじゃないか?」と疑って僕も後日やってみたけど、リアルな点数が出てなんとも言えない気持ちになった。
「もしかして最近のカラオケは誰でも高得点がでるんじゃないか?」と疑って僕も後日やってみたけど、リアルな点数が出てなんとも言えない気持ちになった。
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