みじかい記事 2017年6月6日
 

ヘビイチゴを食べてみる

子供の頃から気になっていたヘビイチゴを、とうとう食べてみました。
子供の頃から気になっていたヘビイチゴを、とうとう食べてみました。
河原や空き地などでよく見かける、ひときわ目を引く赤い果実。それがヘビイチゴ。いかにも美味しそうな見た目をしているのだが、親から食べられないと教わったので、これまで食べたことはなかった。

ヘビと名がつくくらいだから、きっと人間が食べるべきイチゴではないのだろう。そう固く信じていたのだが、意外と食べた経験のある人も多いらしい。ならば私も食べてみようか。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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半分以上の人はヘビイチゴを食べたことがあるらしい

見た目は小さなイチゴであり、甘くてうまそうだけど、食べたらきっと後悔すると思っていたヘビイチゴだが、ツイッターで簡単なアンケートをとってみたところ、食べたことがあるという人が過半数を超えていた。

マジか。
みんな食べたことあるのか!
みんな食べたことあるのか!
想像以上に食べられていたヘビイチゴ。あれを食べるということは、ツツジの蜜を吸ったことくらいにカジュアルな挑戦だったのか。

一応ちょっと調べてみたところ、心配していたような毒性はないものの、特に美味しくないため、一般的に食べないということらしい。

美味しくないイチゴってどんなんだろう。あの見た目から想像する味と、どれほどまでに違うのだろうか。

ヘビイチゴは見つけやすい

子供の頃はそこらじゅうにあったイメージのあるヘビイチゴだが、いざ探してみるとなかなか見つからないかなと思ったら、河原であっさりと見つかった。

これだけ派手で見つけやすいターゲットも珍しい。これで実は美味しかったら最高なのだが。
枯草の中で隠れるように生えていたけれど、赤いので目立ちまくり。
枯草の中で隠れるように生えていたけれど、赤いので目立ちまくり。
久しぶりにじっくりと見るヘビイチゴは、実に美味しそうだった。

おままごとで食べるマネならしたことがあるヘビイチゴは、ある意味では馴染みが深い存在である。ただ、食べられるとは思っていなかっただけ。

40歳を過ぎて、ようやくその味を知る時がきたのだ。
甘くてうまいか、毒がたっぷりか、どっちかにしか見えないヴィジュアル。
甘くてうまいか、毒がたっぷりか、どっちかにしか見えないヴィジュアル。

ヘビイチゴを食べてみる

では摘んで食べようかと、完熟したヘビイチゴに触った瞬間、表面の種らしきパーツがポロポロとこぼれて焦る。イチゴやキイチゴにはない驚きの機能だ。

一瞬このツブツブが全部赤いダニかと思って、見事な鳥肌が立った。
触っただけで種がとれるよ。
触っただけで種がとれるよ。
ヘビイチゴを手に持ってみると、見た目よりも軽く感じる。単純にイチゴよりも小さいから、そう感じるだけだろうか。

公園の水道でよく洗い、そのままガブリと食べてみる。
ジャー。
ジャー。
パク。
パク。
うわー。

味が薄ーい。

うっすらと甘味を感じるのだが、その僅かな甘さが逆に切ない。いっそ酸っぱかったらとも思うのだが、酸味は一切ないのだ。

そして果肉の密度が薄く、スカスカになったスイカや安いスポンジのような歯触りで、あんぱんについているケシの実のような種だけがブツブツと静かに主張している。
まずくはない。
まずくはない。
なるほど、これがヘビイチゴの味なのか。なんとなく記憶にあるような、ないような味がする。

甘そうで甘くないほんの少しだけ甘いイチゴ。

もしかしたら周りの種がなければ、もうちょっとだけうまいかも。
種を洗い流してみました。
種を洗い流してみました。
種をとったヘビイチゴは、ブツブツ感がなく食べやすくなったのだが、さらにスポンジっぽさが強調されてしまった。

うっすいイチゴ味のシロップを掛けた、「無」を食べている感じである。
「無」だね。
「無」だね。
何個か食べているうちに好きになるかなと思ったが、やっぱり好きにはならなかった。なんかごめんね。

私の舌が甘い果物やお菓子に慣れ過ぎていて、ヘビイチゴの繊細な甘さを理解できないだけなのかもしれない。

帰り道に見つけた桑の実を食べてみたところ、ギュッと詰まった甘酸っぱさに驚いた。なるほど、これが味というものなのかと。
ヘビイチゴの後に食べると、味が濃くてびっくりする。
ヘビイチゴの後に食べると、味が濃くてびっくりする。

この日の夜、あの味と同じものを食べたことがあることを思い出した。そうだ、子供の頃に食べたヘビイチゴの味だ。

ようやく思い出したが、親に黙って一人でこっそり食べてみたけど、まるで味がなかったので、私の中で食べた記憶を封印していたのだ。そりゃ子供の頃の私なら一度は食べるよなと、一人で納得した。
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