特集 2017年8月14日
 

大きな帽子をさがして(デジタルリマスター版)

裏原宿の人気ショップ

2軒目の帽子専門店に移動しながら話をする。
「僕らってヘルメットもないんじゃないですかね」
「命にかかわるね」
「映画みたいにさ、地球に惑星が衝突するから別の惑星に逃げる、とかそんなことになったとき、僕らがかぶれるヘルメットはないよ」
「取り残されるんだ。地球に」
打ちひしがれた心は想像まで後ろ向きにする。

専門店ならばいろんなサイズがあるだろう。そのことを横山さんに聞くと
「いや、専門店のほうが地獄だよ」
専門店はデザインがたくさんあるがサイズはあんまりないらしい。
サイズがない地獄。ぬるいが当事者にとっては地獄だ。

「呼んでる」帽子

いわゆる裏原宿と呼ばれる場所にある帽子専門店。専門店だけあってかっこいい帽子がたくさんある。
裏原宿の某帽子専門店
裏原宿の某帽子専門店
「この帽子、呼んでないかな?」
横山さんはかぶれそうな帽子を見つけると「呼んでる」と言う。
「ウチら業界では『呼んでる』っていうから」
『業界』って頭のでかい人業界だろうか。認めたくないが僕は間違いなくそこにいるんだろう。
幹部になってもいいぐらいだ。

「呼んでる」帽子をかぶってみる。入りそうだと声が出てしまう
「あ!」
しかし頭の途中でつっかり、入らない
「あ〜」
その繰り返しだ。「あ!あ〜」「あ!あ〜」
Lサイズだが、頭に乗っている
Lサイズだが、頭に乗っている
XL でも、ちゃんとかぶれない
XL でも、ちゃんとかぶれない
いちおう店員にも聞く。
「これより大きなサイズはないですか」
「いや、ここに出てるだけですね」
「出てるだけですか………」
この日、何度この「出てるだけです」というセリフを聞いたか。
この帽子の入らなさっぷりはすばらしい
この帽子の入らなさっぷりはすばらしい

目的を見失う

このショップにはターバンもあった。ターバンの巻き方が書いてある。
「横山さん、僕らにはターバンがいいんじゃないですかね。サイズないし。巻くだけだし」
「いや、ターバンは巻きたくないよ」
………そうだった。

目的を見失っていた。今回はかっこよくてサイズがあう帽子を探すのが目的だ。入ればなんでもいいという気持ちになっていた。

目標はかっこいい帽子だ。入れる学校ではなく、入りたい学校を選びなさい。担任の教師がよく言っていた(でも、僕は入れる学校を選んだんだけどね)。
もうなんでもよくなってる
もうなんでもよくなってる

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