特集 2017年8月15日
 

ただティッシュを配りたい(デジタルリマスター版)

大盤振舞いしたい。配るぜティッシュ。
大盤振舞いしたい。配るぜティッシュ。
街角でよく見かけるティッシュ配り。アレを見るたびに凄いな、と思う。なんせタダでたくさんティッシュを配っている。「大盤振舞い」という言葉がぴったりではないか。

広告は付いているものの、見知らぬ他人に対してティッシュを配り、幸福を与える。素晴らしい精神だ。

そんな精神にあこがれて、ティッシュ配りをやってみた。

※2006年5月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。

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ティッシュ配りの聖地にて

善は急げとばかりに、早速新宿駅にやってきた。新宿駅南東口にある階段の下には、宣伝のためのティッシュを配る人たちがいつもたくさんいるからだ。ここでならティッシュを配ってもなんら問題無いであろうと思う。
この階段の下では、
この階段の下では、
仁義無きティッシュ配りたち。
仁義無きティッシュ配りたち。
聞いた話によれば、ティッシュ配りのプロともなると、1時間に数百個のティッシュを配ってしまうという。

とりあえず今回は近所の100円均一からポケットティッシュを買い占めて、100個程用意してみた。1個当たり6円くらいだ。ちなみにちゃんと仕入れると1個当たり3〜4円くらいらしい。

ティッシュの表面には「Pocket Tissue」と書いてある。分かりやすくて良い。また、いちいち取りに戻らなくてもいいよう、カゴも用意してきた。準備は万端だ。早く配り始めよう。
Pocket Tissue
Pocket Tissue
いつもはもらう側、今日は配る側。
いつもはもらう側、今日は配る側。

ティッシュ配りの技術

配り始めてみたが、なかなかうまく受け取ってもらえない。態度が悪いのか。いや、違う。

通り過ぎていく人に対して、こちらは停止した状態でティッシュを配るわけだ。邪魔にならないようにしつつ、受け取りそうな人にはしっかり渡す、2つの相反する動作のバランスが難しいのだ。
間合いとタイミングがつかめない。
間合いとタイミングがつかめない。
しかし、技術は習うものではなく盗むものだというではないか。

そう思って隣でちゃっちゃと手際良くティッシュを配っている男性のやり方を観察してみることにいした。すると、いくつか見えてくるものがあった。
なるほど、手のひらが全開だ……。すごいや、イケメンの師匠……。
なるほど、手のひらが全開だ……。すごいや、イケメンの師匠……。
ティッシュは相手に気づいてもらえるよう、大きな動作で渡した方がいいようだ。僕自身、ティッシュを配っている人に遭遇したとき「何だ、このオーバーなアクションは」と思ったことがあるが、それは一つの技術だったのだ。 アピールが大事なのである。

また、男性と女性は受け取り方が違う傾向があるように思えた。よって、男性には腰の辺り、女性には胸の辺りで渡すといい、という気がした。
師匠のテリトリーは犯さないようにする弟子。
師匠のテリトリーは犯さないようにする弟子。

実践ティッシュ配り批判

さて、ティッシュが欲しい通行人は一つの選択を迫られることになる。彼らはどちらのティッシュを手にしたほうがよいといえるか。つまり、僕が配ったティッシュと彼が配ったティッシュ、どちらの方が、よりよいティッシュであると言えるだろうか。

彼のティッシュには企業の広告が入っていて、いうなれば宣伝のために配られたティッシュである。それに対して、僕のティッシュは単に「ティッシュを配りたい!」という考えの下に配られたティッシュだ。

偉大なドイツの哲学者カントはこう言った。「汝の意志の格率が、常に同時に、普遍的立法の原理として妥当しうるように、行為せよ」

で、まあ、結論。通行人が受け取るべきティッシュは、僕の方と言える。何故なら僕のティッシュは10枚入りで、彼のティッシュは8枚入りだからである。カントは黙ってろ。
どっちをとる?
どっちをとる?
それにしても配ったティッシュを受け取ってもらうと、とても嬉しい。僕の配ろうとする意思と道行く人の受け取る意思とが、自分の手と彼の手を通じて直接繋がっているようだ。

思い込みに過ぎないかもしれないが、それでもティッシュをガシっと取って行ってもらうと、「おおっ」という満足感が得られる。にやっとする。にやにや。
渡る瞬間、伝わる瞬間。
渡る瞬間、伝わる瞬間。
そして、いつの間にかテンポよくティッシュを配っている自分に気がつく。

1時間ほどしたところでちょうど100個のポケットティッシュを配ることができた。1度に2個渡してしまったこともあったが、概ね100人の人にティッシュをプレゼントしたことになる。社交性の無い僕でもやればできるもんだな、と思った。
やったよ!
やったよ!
が、まだまだ足りない。僕のティッシュ配りたい欲に火がついた。

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