特集 2017年8月17日
 

穴を掘る(デジタルリマスター版)

!
何かを掘り起こす訳ではなく、何かを埋める為でもない。何の目的もない穴掘り作業にただ没頭してみたい。

説明し難い衝動にかられて穴を掘る。「もうこれ以上は掘れない」「いや、まだいけるはずだ!」。数時間に渡る穴との格闘、地への冒険。男たちの熱いドラマが今始まる。

※2003年8月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。

前の記事:「気になっていたバスの車内放送広告の店へ行く」
人気記事:「コンビニのレシートで川柳を詠む」

> 個人サイト すみましん

荒川河川敷にて

江戸川区は荒川の河川敷に穴を堀りにやって来た。
天気予報では曇りのち雨と言っていたが、照りつける日差しがジリジリと肌を焼きつけ、じっとしているだけでも汗がにじんでくる。

住「厳しい1日になりそうですね」
林「まめに休憩をはさみながら掘っていきましょう」
2017年8月の住から補足です。デジタルリマスター版を掲載、ということで過去の写真データを探しましたが全く見当たず、再撮することになりました。管理能力のなさが悔やまれます。
唯一、当時のデータが残っていた4ページ目の最初の写真だけが14年前の僕たちです。林さんのカメラで撮影していたので、データが残っていました。

14年前、この記事を撮影した日はとても暑い日でしたが、再撮したこの日は小雨が降って少し肌寒い天気でした。林さんと二人、なるべく14年前と同じ写真を撮るべく頑張りました。それでも、どうしても整合性が取れない部分が出てきます。「ローラーブレードで疾走する若者」という写真は、僕が若者役で疾走しています。それ以外、再現不可能な場面にはスカイツリーの写真をあてています。14年前、この地で穴を掘った時はスカイツリーが建つなんて想像すらできませんでした。

そして、かつて穴を掘った場所に生えていた木が、驚くほど育っていました。年月は確実に進んでいます。そして、これがデジタルリマスターではないことにも、僕たちは薄々気づいています。デジタルでもリマスターでもなく、単なる再撮です。
あの日から14年経った
あの日から14年経った

では続きをお楽しみください。
荒川の河川敷
荒川の河川敷
僕たちは額から流れ落ちる汗を拭い、穴掘りのポイントを探しながら土手沿いを歩く。
犬を散歩させているオバサン、上半身裸で走る若者、空缶の山をリヤカーに積んでゆっくりとひいている老人……。

住「結構、いますね、人」
林「平日の午前中なのに……」

なるべく人知れず穴を掘りたい。
そう思っていた僕たちは、土手に集まる人々の姿を見て少し気後れする。
ローラーブレードで疾走する若者
ローラーブレードで疾走する若者
しばらく呆然と立ちつくしていると、前からローラーブレードを履いた若者が全力疾走で向かって来た。フワーッと生温い風を残し、僕たちの横を抜ける。

2人「……」

住「まあ、悪いことする訳じゃないし……」
林「そうですね、ただ穴を掘るだけですから」

土手沿いを更にズンズン進む。
適当な場所を見つくろい、荷物を降ろしレジャーシートを敷いた。
このシャベルで掘る
このシャベルで掘る

 ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓