特集 2017年8月18日
 

表情豊かな羅漢像を愛でる川崎のお寺「浄慶寺」が楽しすぎる

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「寺院」というと厳粛なイメージがあるのではないだろうか。少なくとも私はそうだった。

だが、つい先日そんなイメージを大きく覆すような「楽しすぎるお寺」との出会いがあったので紹介させてもらう。
1986年生。大人げない大人を目指し、日夜くだらないことを考えています。ちぷたそ名義でも活動しています。

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仏像が祀られ、仏教の出家者が起居して修行を行う施設としての「寺院」。

観光地になっているような、観光拝観を行っている寺院が有名だが、「寺院」というと先祖代々のお墓や位牌がある、お墓参りがメインとなる菩提寺や、その宗派の人しか入れない非公開の寺院なども含まれる。私が寺院に対して「参拝するハードルが神社よりも高い」と感じているのは、そうした背景があるからだと思う。
小田急線柿生駅
小田急線柿生駅
川崎市麻生区にある小田急線柿生駅。寺院に対するイメージが変わる楽しすぎるお寺・浄慶寺はこちらから徒歩で行ける範囲にある。
浄土宗 麻生山 浄慶寺
浄土宗 麻生山 浄慶寺
駅から歩いて10分ほどで、浄慶寺の入り口に到着した。
境内には神社もある
境内には神社もある
さらに進むと鳥居が見える。浄慶寺の同じ境内には秋葉山神社があり、神仏習合の影響が見られる。上の写真も鳥居と塔が同時に写っているのでお得感がある。
羅漢像発見
羅漢像発見
秋葉山神社も参拝しようと思い階段を上がると、胸元を開いて仏さまを見せてくれる羅漢像(悟りを開いた昔の修行者の像。釈迦の十大弟子なども「羅漢」には含まれる)が待っていた。
こちらの秋葉山神社は江戸時代、領主三井家が火防、厄除け、五穀豊穣、諸民安穏を祈願して遠州秋葉神社の火伏の神を勧請したもの。境内の素朴な顔をした狛犬は、関係の深い東京小石川傳通寺(徳川家康の実母の菩提寺)より移されたものだという。
鈴ではなく、鐘なのがお寺的である。そして羅漢像の近くには、紫陽花が浮かぶ涼しげな手水鉢が。

ここ浄慶寺は「柿生のあじさい寺」として有名なお寺なのだ。特に有名なのは一千株を超える壮観な紫陽花だけど、それ以外にも春は桜、秋は紅葉、冬は梅、と四季折々さまざまな花を楽しむことができる。
一見普通の寺院です
一見普通の寺院です
そんな緑あふれる浄慶寺をさらに見ていく。こうして見ると、一見普通のお寺に見えるが……。
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足元に蛙と一緒に呼びかけてくる羅漢像がいました。楽しそうで癒される。
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その近くには優しげに亀を抱く羅漢像がいるし、
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なんでそんなに楽しいのか話を聞きたくなる羅漢像もいる。この方、話しだしたら長そう。
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唐突なたけのこ! とまあ、こんな感じで境内にはたくさんの羅漢像があって、歩いているだけで楽しいのである。では、どんどん見ていこう。

表情豊かな羅漢像

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めっちゃ打算的な悪い顔してる。
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「あーーー肩凝ったなーーー」という声が聞こえてきそう。
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「おう、お前あの話知ってる?」「ん?」
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巻物を持つ羅漢像。額に刻まれた皺が険しい。
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腕相撲をする羅漢像と、行司をする羅漢像。
「むんっ」「ギャアアアアアア」
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かと思うと、こっちでは将棋をしている。なんというか、自由だ。

食べ物を食べる羅漢様

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美味しそうに食べ物を食べる羅漢像もたくさんいる。石なのにお団子の柔らかそうな感じが見事。
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美味しそうにお酒を飲む羅漢像。良い表情だな〜。お酒のCMに出られるんじゃないのかな。
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ここでも酒宴がはじまっている。お酒の名前がさりげなく寺の名前。
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お蕎麦を食べる羅漢像。お蕎麦めっちゃおいしそう! 
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あまりにもユニークな像ばかりなので、お抹茶を飲む羅漢像が普通に見える。

文明の機器を操る羅漢像

個人的に面白かったのがハイテク機器を使いこなす羅漢像シリーズ。「羅漢」というと昔の人のイメージなんだけど、ここにいるのは現代的で見たこともないような羅漢様たちばかり。
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個人的に一番お気に入り。パソコンを使いこなす羅漢像。キーボードもしっかり造形されている。
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正面に回ると、パソコンに「JOKEI」の文字が。細かい……!
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携帯電話で話をしている羅漢像とスマホをいじる羅漢像。
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デジカメで写真を撮る羅漢像とは一緒に写真を撮った。一人で行ったので、別の参拝客の方にお願いして撮ってもらった。楽しい。
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ミュージックプレイヤーで音楽を聴く羅漢像は若干土に還りそうになっている。

何故こんなにユニークな像がたくさんあるのか?

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なぜこんなにユニークな羅漢像がたくさんいるのか? 住職はご不在だったのだがお寺の方に話を伺うことができた。

――何故こんなにユニークな羅漢像がたくさんあるのでしょうか?

お寺の方「懇意にしている石屋さんの紹介で、住職の「何かこういうのいいなあ」という発言からこうした羅漢像を彫って下さるようになりました。敷地内にある羅漢像は十何年もかけてこの数になりました。」

――よく見るとかなり年季が入っていそうな像もありますもんね!
携帯電話で通話中の羅漢像、よく見ると結構苔むしていて年季が入っている感じがある
携帯電話で通話中の羅漢像、よく見ると結構苔むしていて年季が入っている感じがある
お寺の方「だいたい毎年増えていて、でもここのところは来てなかったんですけど、つい一か月ほど前に来た新しいものもありますよ。こちらのトランプで遊ぶ羅漢像が一番新しいものです」
カードで遊ぶ羅漢像
カードで遊ぶ羅漢像
だから、顔! 目見開きすぎ
だから、顔! 目見開きすぎ
――こちらが2017年最新モデル羅漢像なんですね。ちなみにこれもかなりユニークだと思うんですけど、デザインってどうやって決めているんですか?

お寺の方「こっちからこういうデザインでとお願いしてるわけではなく、向こうにお任せです。それで出来上がるのを楽しみにして、実際に到着して『今年はこういうのなのね』という感じですね」

ちなみに、たくさんの羅漢像の中でのお気に入りも聞いてみたのですが、「全てを等しく愛している」ということでした。なるほどー。
キャプション!
個人的お気に入りはこのノマドワーカーの羅漢像(今勝手に名づけた)。真剣な表情だけど開いているサイトがYoutubeとかだったらさらに親しみがわいてしまうと思う。

花とユニークな像を楽しもう

紫陽花もきれいでした
紫陽花もきれいでした
この浄慶寺、石像がユニークなだけではなく、神奈川県の花の百選に指定されている。

私が訪問した時期は紫陽花の時期で、羅漢像のほかたくさんの紫陽花を楽しむことができた。どの季節も魅力的だが、お寺の方に特に桜をすすめられたので、花見の季節に行ってみようと思う。「花より団子より羅漢像」を楽しみたい!

■取材協力
浄土宗 麻生山 浄慶寺

■住所
神奈川県川崎市麻生区上麻生6-34-1

■交通
小田急線「柿生駅」より徒歩10分
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