特集 2017年9月4日
 

自給自足のザリガニパーティーをやってみたい

捕まえてきたアメリカザリガニで、念願のザリガニパーティーを開催しました。
捕まえてきたアメリカザリガニで、念願のザリガニパーティーを開催しました。
子供の頃によく捕まえて遊んだザリガニ。日本ではあまり食べられていないけど、北欧では夏になるとザリガニを食べるパーティーを開くのだとか。

そんなに人気の食材ならばと、捕まえるところから始まる自給自足型のザリガニパーティーをやってみることにした。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

前の記事:「オオサンショウウオの観察会で匂いを嗅いできた」
人気記事:「河原で採ったカラシナの種で粒マスタードを作る」

> 個人サイト 私的標本 趣味の製麺

夏のIKEAはザリガニ押し

2年前の夏の話になるが、新三郷のIKEAにいったら、やたらとザリガニをプッシュしていた。スウェーデンの夏といえばザリガニらしく、期間限定メニューが登場している。なんだよ、ザリガニウィークって。

外国にはザリガニを食べる食文化が存在するのは知っていたが、パーティーってどういうことだ、日本人が土用の丑の日にウナギを食べたり、節分に恵方巻きをほおばるようなものだろうか。
2015年夏のIKEA。早めのハロウィンかと思ったら、まさかのザリガニだった。
2015年夏のIKEA。早めのハロウィンかと思ったら、まさかのザリガニだった。
ザリガニプレートという単語が強い。RPGの中盤に活躍する防具みたいだ。
ザリガニプレートという単語が強い。RPGの中盤に活躍する防具みたいだ。
プレートの上にはザリガニが2匹。細かい品種まではわからないが、真っ赤に茹ったその姿は、まさに私が子供の頃にさんざん捕まえたマッカチン(でかいアメザリ)である。食べてもいいのか、こいつ。

殻を外して食べてみると、可食部分こそちょっと少ないけれど、同じプレートに盛られたエビやカニ爪に負けない味だった。なんだ、ザリガニ、おいしいじゃないか。
記憶にあるザリガニの姿そのままだ。赤くなっているのでオモチャみたいでもある。
記憶にあるザリガニの姿そのままだ。赤くなっているのでオモチャみたいでもある。
身はエビに比べると柔らかく、カニとかシャコっぽいかな。
身はエビに比べると柔らかく、カニとかシャコっぽいかな。
驚きのザリガニ押しはこの年だけでなく、今年はザリガニフェスティバルと銘打たれて開催されていたようだ。パーティーを通り越して、もはや祭りである。

ザリガニがうまいとわかれば、自分で捕まえて食べるザリガニパーティーを開きたいと思うのは当然のこと。そんな構想2年の野望が、今年になってようやく開催されたのである。

ザリガニが見つからない

ザリガニパーティーといえば夏のイベント。そこで開催日は、子供の頃に夏休み最終日だった8月31日とした。場所は友人宅。夏の最後の思い出作りだ。社会人にとっては月末の平日という、単なる休みづらい日だが。

パーティー当日にももちろん捕るが、事前にある程度はザリガニをキープしてきたい。きれいな水で泥抜きをさせておいた方がおいしいだろうし。
子供の頃に憧れていたリール竿を使って釣りまくってやるぜ。
子供の頃に憧れていたリール竿を使って釣りまくってやるぜ。
こういう用水路を網で攻めれば、バケツ一杯も余裕だろう。
こういう用水路を網で攻めれば、バケツ一杯も余裕だろう。
そこで開催日の少し前に適当な用水路を見て回ったのだが、なぜかザリガニが全く見当たらない。さんざん歩き回ってゼロ匹である。底が見えないような深場にスルメを落としても反応なしだ。

子供の頃はいくらでも捕れた記憶があるのだが、あれは毎日のようにザリガニを追いかけて現場を知り尽くしていたからこその成果だったのだろう。常に海へ出ている現役漁師と、たまに釣りをするだけのアマチュアの差と同じである。

今の私は、小学生の頃の自分よりもザリガニ力が低下していることを認めなければならないようだ。
用水路を諦めて池にきたが、こちらも無反応。
用水路を諦めて池にきたが、こちらも無反応。
昔はザリガニの巣穴に手を突っ込んで捕っていたが、今は手が大きくなりすぎて入らない。
昔はザリガニの巣穴に手を突っ込んで捕っていたが、今は手が大きくなりすぎて入らない。

ようやくザリガニのポイントを見つけた

全然ザリガニが見つからないよ〜という連絡をパーティーのホスト役である佐藤さんにしたところ、こっちもあまり捕れてないからドレスコードはザリガニ3匹以上だぞと、本気か冗談かわからない返信がきた。

ザリガニがなければパーティーの意味がない。そこで実家の近くにある子供の頃に通っていた場所に訪れてみたのだが、すべて暗渠になっていて、網も竿もまったく出せなかった。

こりゃどっかで買うしかないかなと諦めかけた頃、適当に走り回って見つけた用水路でザリガニの姿を発見!

絶滅したはずのカワウソが国内で発見されたニュースがちょっとだけオーバーラップした。
クワイ畑と田んぼの間を流れる用水路。ここは絶対にいるなとピンときたね。
クワイ畑と田んぼの間を流れる用水路。ここは絶対にいるなとピンときたね。
網は丸型ではなく角型を使うのがポイント。昔は安い丸網しか買えなくて、無理矢理曲げて角を作ったっけ。
網は丸型ではなく角型を使うのがポイント。昔は安い丸網しか買えなくて、無理矢理曲げて角を作ったっけ。
網を手に本気でザリガニを追いかけていると、あの頃の記憶や感覚がどんどんと脳裏に蘇ってくる。なんだか昔のアルバムを見ているみたいな体験だった。アンチエイジングにいいかもしれない。

気が付けば、網をくるっと時計回りにひっくり返して、ネットの中のゴミを落とす手さばきが自然に出ていた。すごい、今このザリガニ捕りは俺の中で時空を超えている。
ちょっと小さいけど、ちゃんとザリガニらしい握力だった(挟まれた)。
ちょっと小さいけど、ちゃんとザリガニらしい握力だった(挟まれた)。
ザリガニとタニシばかりの用水路だが、フナ、ドジョウ、タナゴもちょっとだけいた。
ザリガニとタニシばかりの用水路だが、フナ、ドジョウ、タナゴもちょっとだけいた。
あそことあそことあそこでドブに落ちたなーとか、ある時期だけナマズのいる秘密のポイントがあったなーとか、丸太のような雷魚を見つけて興奮したなーとか、そんなことを思い出しながら網を動かし、1時間ほどで十分な量の確保に成功。

ただIKEAで食べたような立派なサイズはおらず、殻を剥いたらカップヌードルに入っているエビくらいになりそうな大きさが多い。食べられるのか迷うところだが、逆に殻ごといけるかもしれない。
ザリガニが小さく感じるのは俺が大きくなったからだろうか。いや、実際に小さいだけか。
ザリガニが小さく感じるのは俺が大きくなったからだろうか。いや、実際に小さいだけか。
持ち帰ったザリガニは、三日後のパーティーの日まで泥抜きをしておく。共食いなどでザリガニが亡くなるリスクもあるのだが、日を追うごとに水の汚れ方が遅くなるので、それなりに意味はあるのだろう。泥抜きすればいいってもんでもないだろうが。
少しでもリラックスできる環境を作ってやろうと隠れ家を考えたりしていると、うっかり愛着が湧きそうになって危険。
少しでもリラックスできる環境を作ってやろうと隠れ家を考えたりしていると、うっかり愛着が湧きそうになって危険。
根本的にもっときれいな水が流れる場所で捕れよという話なのだが、自分の生活圏のザリガニを食べてみたかったのだ。

 ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓