特集 2017年9月12日
 

プラネタリウムでイベント開催した話&宇宙ヘボコン

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3年前にヘボコン(詳しくは次ページで説明する。ロボット相撲のイベントだ)をはじめて、それ以来いろんな会場に呼んでいただいている。その中でも今回はとびきり珍しい場所である。それがプラネタリウム。

こんな機会もなかなかなさそうなので、今回はレポートの半分を「プラネタリウムでイベントをやること」について紹介したいと思う。なんせ星を見せるための専用施設である。イベント会場としてはめちゃくちゃに癖がある。しかし、だからこそ面白い面もあるのだ。そして後半はヘボコンのレポートです!
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。

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会場は佐久市子ども未来館(sakumo)

sakumoは長野県の佐久市にある子ども施設である。建物の1/3くらいをプラネタリウムが占めている。
建物に入る前からわかるドームの存在感
建物に入る前からわかるドームの存在感
手前の歩道橋にはプラネタリウムの上映情報が
手前の歩道橋にはプラネタリウムの上映情報が
このプラネタリウム、ふだんは毎日4回ほど上映されている。各回、最初に職員の方による星空の生解説があって、後半は妖怪ウォッチなど(今夏の場合)のプラネタリウム用特別番組。下見のついでに見せてもらったのだけど、ドームの内側をジバニャンが縦横無尽に駆けまわったりして、普通の映画館にはない迫力があった。

そういうのを見ると「簡単にものすごいイベントができそうだな…」と思ってしまうが、見るのとやるのは大違いなのだ。

なんでも流せるわけではない

プラネタリウムは星を投影するための装置なので、出せる映像が限られている。
ジバニャンが走り回ったりするのはもちろん特別な映像があってのことなので、普通にカメラで撮った写真なんかは出せない。(パワーポイントを出してみたけど、絵がゆがんで大変なことになった)

ドーム全体で使えるのは、星空と、プラネタリウム用にあらかじめ用意された素材(夜景とか)いくつか。それだけだ。もちろん機材や予算によって変わってくるだろうけど、今回の場合。

で、代わりに教えてもらったノウハウがこれである。
夜景の360度背景に、プロジェクターを足した
夜景の360度背景に、プロジェクターを足した
普通のプロジェクターを置いて、ドームを大画面として使う方法。これだと前方しか写らないけど、なにぶんでかいので大迫力である。
矢印が本物の人間
矢印が本物の人間
でかいだけでなく、ドームなので映像の上のほうはこちらにせり出してくる。3D映像も顔負けの没入感である。今回はステージ上の試合の様子をプロジェクターで投影、さらに通常のプラネタリウムも組み合わせることにした。「星空をバックにプロジェクターで試合の様子を投影する」のだ。

都会で星が消える理由

話が逸れるが、田舎の星空は美しいけど東京には星が少ない。これはなぜだろう?答えは、東京の夜は明るすぎるからだ(大気汚染の話は今は置いておこう)。

同じことがプラネタリウムでも起こる。プロジェクターの映像が明るすぎると、すぐに星が見えなくなるのだ。

そういうわけで我々は、できるだけ映像の光量を抑える工夫をした。ロボット相撲の土俵を黒くして、それを置く台も黒くして、そうすると土俵が見えなくなるので…
LEDテープで囲った
LEDテープで囲った
さらにロボットが見えなくなると元も子もないので、上からも照らす。試行錯誤の末、マイクスタンドにLEDライト1本つけて照らすのが一番よかった
ベストコンディション!
ベストコンディション!
するとどうだろう。光量を抑えたことの副産物として、プロジェクターの映像の輪郭が消え、星空に土俵の長方形とロボットだけが浮かび上がるような、スペーシーな絵が完成した。
※あいにくそのベストショットを撮り忘れていたので、かわりに星空でなく異次元に迷い込んだ犬の様子を見ていただきたい。このエフェクトはラスボス戦ということで決勝戦で使用した
※あいにくそのベストショットを取り忘れていたので、かわりに星空でなく異次元に迷い込んだ犬の様子を見ていただきたい。このエフェクトはラスボス戦ということで決勝戦で使用した
星空でぶつかり合うロボットたち。……宇宙戦争!

こうして今回のヘボコンのテーマは「宇宙」に決定。
1回戦は夜景+星空…つまり大気圏内を舞台に、2〜3回戦は惑星+星の宇宙空間、そして3回戦は上記の異次元空間、と3つのステージを用意した。

みんなで星を作りたい

そしてもうひとつ、今回のイベントの目玉として考えていたのが、「お客さんが星を作る」演出。レーザーポインタを会場で配ってドームに当ててもらうのだ。

ヘボコンでは最後に、受賞ロボットを決める観客投票をする。そのときにみんなにベストロボットをレーザーで指してもらい、最もたくさんの星を集めたロボが勝ち、という演出をしようと思っていた。

……めちゃくちゃいいアイデアでしょう?

レーザーポインタは海外の通販サイトで1本2ドルくらいで買える。しかし調べるうちにそれらは日本の安全基準を満たしていないことがわかる。かといって国内で買うと予算の10倍だ。

予算10倍オーバー VS 失明。この天秤はどっちを選んでも問題ありすぎということで、妥協点としてたどり着いたのがこちらである。
100均のライト
100均のライト
キャンドゥのオンラインショップで180本注文した。投影した光はレーザーみたいに点にはならなそうだけど、少なくとも本体が光る様子は星っぽいのではないだろうか。

で、以下は本番で実際にやってみた結果。
けっこうきれい!(ピントあってなくてぼやぼやですが実物は…!)
けっこうきれい!(ピントあってなくてぼやぼやですが実物は…!)
低い位置で光るので、星というより、その下で輝く夜景のようである。後ろでモヤッとしてる陰影が、ライトの光が当たってる部分。これがみんなのライトの動きに合わせてフワフワ動く。なんだか幻想的な絵だった。

そして投票では、ロボットの説明とともに番号つきの矢印を投影。
この矢印はパワーポイントで長方形の4辺に並べていたのに、投影するとこれだけゆがむ
この矢印はパワーポイントで長方形の4辺に並べていたのに、投影するとこれだけゆがむ
そしていよいよ、自分が選んだロボットの矢印の先にみんなでライトを当ててもらう。どうぞ!
ポワーン……
ポワーン……
わ、わからない!静止画で見るとなんとなく2が明るい気がするが、実際にはこのライトが常に動くので全然わからなかった。みんなたくさんの光のうちどれが自分のだかわからず、動かして確かめようとするからだ。
結局あきらめて、1個ずつ読み上げて挙手してもらった
結局あきらめて、1個ずつ読み上げて挙手してもらった
結果、「なんか新しいタイプのきれいな光」は見ることができたが、投票としては失敗であった。
でもこういうことがあっても「ヘボコンだからね」で笑って許される。つくづく主催者には優しいイベントなのだった。

そういうわけで、プラネタリウムで開催した宇宙ヘボコン。次のページからはそのレポートです。

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