特集 2017年9月26日
 

デイリーポータルZの動画コーナーがしたコメ大賞2017グランプリの快挙!

©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会 当サイトのプープーテレビの特別企画がコメディ映画祭のグランプリを獲得した
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会
当サイトのプープーテレビの特別企画がコメディ映画祭のグランプリを獲得した
世界にはコメディ映画祭がたくさんある。そもそもコメディ映画が人気なのだという。そして日本でもしたまちコメディ映画祭という10年つづくコメディ映画祭がある。

もはやコメディの聖地といってもいいだろうしたコメであるが、そのコンペ部門したコメ大賞2017のグランプリをとった。他でもない私達の動画コーナー・プープーテレビが。ドーン(祝砲)。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます

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> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

オープニングのセレモニー。おおお、欽ちゃんも小松政夫も高橋一生もいるぞ…
オープニングのセレモニー。おおお、欽ちゃんも小松政夫も高橋一生もいるぞ…

したコメ9年、プープーテレビも9年

したコメは2008年、そして私達の動画コーナーも2008年からはじまった。

これはいい映画祭が始まったと思ったものの、私達はそもそもライターが「これからは動画もやらないといけないらしいぞ」と恐る恐る撮り始めたものである。

プープーテレビの最初期はこちらのページにある。荒々しくおもしろいが映画とかではもちろんない。

プープーテレビ2008年のころ
ちなみに今までのプープーテレビで一番再生回数が多かったのが北村ヂン作のこちら。このような1分のオリジナルおもしろ動画を毎日更新している

年末年始に長いのを撮り始めた

毎日1分の動画だが、年に1回くらい長いのやろうと、年末年始に20分くらいの特別企画をするようになった。西部劇だといって東京の西部(立川方面)を走り回る映像である。

せっかく撮ったのだから映画祭に出そう。そういってカンヌ映画祭に応募した。もちろん落ちた。(その後カンヌ映画祭応募作と名乗るようになる)

日本ならしたコメだろう、と応募してこちらももちろん落ちた。唯一米子映画事変という3分の映画祭で「馬の作り物ががんばっていたから」という理由で賞を頂いた。

馬の作り物は今でも大事に家においてある。
今までのポンコツっぷりを見ていただこう。かつてカンヌ映画祭に応募していた西部劇。立川で独り言を言うだけの動画である。したコメにも落選。
その翌年も長編企画を作る。この辺は心を入れ替えてネットではちゃんとヒットした。が、したコメには落選。翌年理由を聞いてみたら「意味がわからなかった」なるほど、意味はたしかに大事だな、と学ぶ。

ところがいきなり受かるようになってきた

その後もこりずに年末年始企画を出していた。そしてようやく去年、したコメ大賞2016でなんと10作品内に入選し、しかも会場でウケた。会場が沸騰するくらいウケたのだ。

これは……!! と思ったら観客賞と準グランプリ受賞! もしかしたらこれいけるんとちがうの? と調子に乗って今年も作ることに決める。
これが準グランプリまでいった。お、これはいけるのではないか

映画撮るのほんと大変なんです

そして我々は今年もまた大変な思いをして撮った。なんでこんなに大変なんだろう。毎年のテーマが「今年は大変にならないようにしよう」になるくらい大変なのだ。

「突然はじまるWindowsアップデートのいらいらを映像化しました」
今年は世界を狙うためにも世界共通体験の「WindowsUpdate」をテーマにした
したコメ大賞の会場となる浅草5656会館へ
したコメ大賞の会場となる浅草5656会館へ

したコメ2017へ

今年も会場となる雷5656会館へ。上映チェックを終えて、開場を待つ。今回の出演者は10人以上、関係者はそれ以上いるのだが、来たのは4人だけだった。いかに期待度が低いかがわかる。
司会の奥浜レイラさんが登場し、全部の作品を見る。ウケない作品は静かなのでめっちゃ怖い
司会の奥浜レイラさんが登場し、全部の作品を見る。ウケない作品は静かなのでめっちゃ怖い

コンペ開始、ウケるものもウケないものも

ここから入選10本と若手作家の1本でコンペが行われる。

ふつうの映画であれば会場がシーンとしてるのが正常であるが、コメディ映画祭ではちがう。笑いが起こるものもあれば起こらないものもある。笑ってもらえなければそれは監督にとってのホラー体験である。

ぼくの座る席は監督が11人順番に並んでいる。みな一様につらそうだ。こんなに心臓に悪い体験はない。
200人くらい入るとこなんですけどいっぱいなんですよ。みんな笑いたくて来てるからウケたときはすごい
200人くらい入るとこなんですけどいっぱいなんですよ。みんな笑いたくて来てるからウケたときはすごい

強豪がひしめく

学生映画っぽい映画もあれば、これは一体どういうスタッフを揃えたんだ?と思うような非常によくできた作品もある。後者はまた内容もよくてよくウケていた。

そしていよいよ我らの『WindowsUpdateは突然に』が始まった。

冒頭にFacebookのサングラスのスパムの実物が出てくるというギャグがあるのだが早速会場は沈黙であった。やばい。昨年末に撮ったものだからギャグの消費期限がきてた。

生きた心地がしない。これが20分つづくともう生きた心地がしないを超えて文字通りただただ「死んでいる」という状態になるか、奇跡的に生きのびてワンネスという言葉を持ち帰ってるかもしれない。
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会 そして上映が……う、ウケた、よかった!! なんていい映画祭だ!
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会
そして上映が……う、ウケた、よかった!! なんていい映画祭だ!

ウケた、200人が笑う、最高!

冒頭のギャグの沈黙のあともう見てられないとマンガのように手で目を塞いでいたが、主人公のWindowsUpdate途中にパソコンの電源が切られたとき、ドッと会場がウケた。よ、よかった……助かった。

その後も順調にウケる。200人近くがコメディを見にやってきてる映画祭なので本当によく笑ってくれる。見に来た出演者が「会場が揺れるってこういうことか」というほどにウケた。

やばい。最高だ。こっちはインターネットにむかってコツコツおもしろ動画9年やってきたのである。実際に会場がゆれるほどウケるのを目の当たりにするなんて。真顔で「おしっこがもれそう」と言い切れるほど最高の映画祭である。
そして審査員発表「したこめ大賞2017グランプリ作品は……WindowsUpdateは突然に!」
そして審査員発表「したこめ大賞2017グランプリ作品は……WindowsUpdateは突然に!」
ぐっわーーっっやったー!!
ぐっわーーっっやったー!!
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会 去年ふざけてタキシード着てきたのだが、今年はもしかしたらもらえるかもしれないと思いふだんの服で着た。逆のことをしている…
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会
去年ふざけてタキシード着てきたのだが、今年はもしかしたらもらえるかもしれないと思いふだんの服で着た。逆のことをしている…

そしてグランプリ!!

そして審査発表。隣の席の土肥監督が「グランプリはWindowsUpdateじゃないですか」という。彼は去年のグランプリ受賞監督だ。去年、審査員長の「あの大学生に50万円渡したらどうなるかを見てみたい」という普通の遊びに飽きた貴族の遊びみたいな理由でとっていった。グランプリをとるには技術や運だけでない「その場のノリ」みたいな要素が大きいようだ。

そして審査発表。準グランプリがあの作品ということは、グランプリは……WindowsUpdate!! きた!!
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会 人間に受賞や表彰なんてさせるべきではない。調子に乗って翌日以降独り言大会が3日つづく
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会
人間に受賞や表彰なんてさせるべきではない。調子に乗って翌日以降独り言大会が3日つづく

表彰は人間の承認欲求の限界値を超えている

「あれは感じ悪かったよ」と一緒に行った出演者が言っていた。自分の受賞コメントの「去年とれるはずだった」に対してである。

翌日以降、まる3日ひとりごとを言い続けた。思い出してはアーしていた。受賞や表彰といったものは人間がうけていい拍手の限界値を超えているのではないか。承認欲求が満たされすぎて人間のねじがバカになってしまったようだ。

ともあれ受賞コメントが終わったところで審査員から「藤原は?」「藤原はコメントなくていいの?」という声が上がった。

藤原とは役名「藤原」の出演者であり制作担当のプープーテレビの藤原浩一である。上映後の審査員の講評で「今日藤原は来てないの?」という伏線があり、その呼び捨てられ力に感心したものだが、まだ続きがあった。

藤原の藤原力とも呼ぶべき力のおかげで監督コメントの時間だというのに「藤原コメント」という時間が急遽もうけられた。なんだそれは。
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会 「あれ? 藤原は?」「藤原コメントしなくていいの?」と急遽呼ばれる藤原。初対面なのに全員呼び捨てである
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会
「あれ? 藤原は?」「藤原コメントしなくていいの?」と急遽呼ばれる藤原。初対面なのに全員呼び捨てである
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会 監督でもない人がスピーチするというなぞの時間がもうけられた
©「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会
監督でもない人がスピーチするというなぞの時間がもうけられた

おめでとう藤原浩一

審査員からの選評を聞いていると、他に映画としてすぐれた映画はあった。しかしこういう藤原みたいな人が出てるのがしたコメらしいなと思って選んだ、というようなことだった。

ポンコツが肯定されるところにコメディの美しさがある。あまり深く考えずにざっくり言うとそんなところだろう。いやー、最高、最高。最高な映画祭だ。
ありがとうしたコメ! そしておめでとう藤原浩一!
ありがとうしたコメ! そしておめでとう藤原浩一!
その打ち上げが停電
その打ち上げが停電

グランプリを生んだプープーテレビ

くだらない1分の動画でも毎日作っていいとか悪いとかああだこうだ考えていたらコメディ脳みたいなものはめちゃめちゃ鍛えられて気づくとグランプリをもらえたりする。(長年やってるとわかるが、おもしろい発想というのははっきりとした技術であり経験が必要だ)

優勝賞金50万円は次回作の制作資金に回すことになった。なんとまだまだプープーテレビは続くのである。次に撮るテーマはもう決まっている。「大変じゃないやつ」だ。

代表して賞はもらってきたが、プープーテレビはそんな鍛えられたポンコツの集まりなのでこれからも毎日見ていただきたい。デイリーポータルZのトップページに毎日20時になったら出てくる。YouTubeのチャンネル登録はこちらだ。

プープーテレビ


ライターからのお知らせ

プープーテレビで毎日おもしろ脳鍛えてるうちにコントとかお芝居とかも書けるようになりまして、主宰をしている明日のアーが今年も本公演をやります。

トリプルファイヤーの吉田、左右の花池のプープーテレビのともだち探そうコンビが初参加。WindowsUpdateに出てた、7A、宮部純子、スミマサノリ、藤原浩一、古賀及子も出ます。

チケット発売しました。あんまり他にはないタイプのコントをやってます。

明日のアー第三回公演『日本の表面』w/左右
日時:11月3日19:00、4日15:00、19:00、5日15:00、19:00の計5回(開場は開演の30分前)
料金:前売2700円(+1drink500円)当日3000円(+1drink500円)
会場:VACANT(原宿)

http://t.livepocket.jp/t/nihonno
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