特集 2017年9月29日
 

フグの卵巣の糠漬けをタラモサラダにするとうまい、他の魚卵もね。

ふぐの子(卵巣)の糠漬け。毒は抜けているので安心。ジャガイモと合わせタラモサラダにするとうまいのです。
ふぐの子(卵巣)の糠漬け。毒は抜けているので安心。ジャガイモと合わせタラモサラダにするとうまいのです。
「タラモサラダ」という料理があります。タラコや明太子を蒸して潰したジャガイモと混ぜ、マヨネーズやオリーブオイル、塩、胡椒などで味付けしたものです。

この料理、タラコとジャガイモだからタラモと思っている方は結構いるようなのですが、実は違います。本来はギリシャやトルコの料理で、「サラダ」ではなく「サラタ」。タラモ(タラマ)は魚卵の意味。現地では塩漬のコイやボラの卵を使い、それをパンやジャガイモと練り合わせて作られます。タラコは日本での代用品ということになります。

代用品ということで、他の魚卵でも美味しく出来るのかなと、試しに石川県の珍味、「ふぐの子(卵巣)糠漬け」で作ってみたら大変おいしかった。各種魚卵で試してみました。概ね美味しかったです。
1972年生まれ。体力系、料理系の記事を多く書いています。ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しています。利き酒師で、元機械設計屋で元プロボクサー。ウルトラマラソン走ります。米の飯と日本酒が有れば大体なんとかなります。

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日本のタラモサラダの作り方を再確認

まず、日本でいうところの「タラモサラダ」の作り方を確認しておきます。
辛子明太子とジャガイモ。普通のタラコでも構いません。
辛子明太子とジャガイモ。普通のタラコでも構いません。
材料や作り方は様々なレシピにより微妙に違いますが、明太子またはタラコ、ジャガイモはどのレシピでも同じです。ジャガイモは皮がついたまま蒸して、熱いうちに皮を剥いて潰しておきます。

明太子は薄皮に切れ目を入れて中身を出します。
マヨネーズを使えば簡単。
マヨネーズを使えば簡単。
ジャガイモと明太子を、マヨネーズ、塩、胡椒などと共に混ぜ合わせれば出来上がりです。
ポテトサラダもいいが、こっちもうまいよね。
ポテトサラダもいいが、こっちもうまいよね。
刻んだ玉ねぎやキュウリを入れたり、マヨネーズではなくオリーブオイルやバター、牛乳を使うレシピもありますが、シンプルに混ぜる程度で十分美味しく作れます。
まずはビールですな。 
まずはビールですな。 
タラコの魚卵の旨味がジャガイモの甘味に包まれ、塩気と共にバランスよく感じられます。マヨネーズのコクや、黒胡椒のスパイシーさも合わさり、ご飯によし、酒のよし。男女問わず、幅広い年齢層に好まれる味です。
大人だからご飯じゃなくて、ビールと一緒に食べるさ。
大人だからご飯じゃなくて、ビールと一緒に食べるさ。
材料も作り方も簡単なので、ちょっと1品欲しい時には丁度いいかもしれません。

塩と糠で毒が消えた珍味

本場のコイやボラの塩漬けの卵に代わり、タラコで美味しく出来るならばと試してみたのが「ふぐの子糠漬け」です。名前は聞いたことがあると言う人はそれなりにいると思いますが、食べた事のある人は少ないのではないでしょうか。石川県の珍味です。
ふぐの子糠漬け。糠は洗わずにそぎ落とします。
ふぐの子糠漬け。糠は洗わずにそぎ落とします。
フグの卵巣には猛毒のテトロドトキシンが含まれ、調理の際には厳重な管理の下、廃棄処分されます。この卵巣を大量の塩で1年から1年半ほど塩漬けにして、さらに1、2年糠漬けにするとなぜか毒が消えます。江戸時代には既に作られていて、毒の消える原理はいまだによく分かっていないそうです。

石川県の中でも、白山市の美川地域、金沢市の金石、大野地区など、限られた地域の許可を受けた業者のみが、今も伝統の製法を守って製造しています。出荷の際には公的な機関により毒性検査を受け、安全性が確認された物だけが出荷されているので安心して食べられます。
そのままでも食べられるが、ちょっと炙った方が美味しい。
そのままでも食べられるが、ちょっと炙った方が美味しい。
味の方ですが、濃厚なチーズというか、濃い味噌とでもいいましょうか。強い旨味を感じます。ただ、かなり塩辛いので、そのままよりかは、お茶漬けにするなどして食べられています。

このふぐの子糠漬けをタラモサラダのタラコの代わりに使います。タラモならぬフグモサラダです。
小ネギの風味が全体をまとめます。
小ネギの風味が全体をまとめます。
分量の目安以下になります。
【材料】
・ふぐの子糠漬け:1cm厚ぐらいのものを1、2切れ。お好みの量で。
・ジャガイモ:2個
・小ネギ :大さじ2ぐらい
・マヨネーズ:大さじ1/2
・黒胡椒 :小さじ1/2
ふぐの子糠漬けは、軽く焼いてほぐしておきます。あとの作り方は通常のタラモサラダ同様。蒸して潰したジャガイモと各種材料を混ぜわせれば出来上がり。
酒の肴に最高です。
酒の肴に最高です。
ふぐの子の塩気がジャガイモの甘味で程よく感じられ、旨味も穏やかに味わえます。小ネギが入ることで、いいアクセントとなり、味にメリハリが出ます。
ビールでもいいですが、これは日本酒ですね。
ビールでもいいですが、これは日本酒ですね。
タラコを使ったタラモサラダと比べて旨味や塩気が強めなので、ご飯向けというよりも酒向けの1品です。
いやー、酒がススム味だねえ。 
いやー、酒がススム味だねえ。 
ふぐの子糠漬けは、通販で手に入れるか、東京ならば有楽町の交通会館に入る物産店で手に入ります。試してみたい方は、その辺りで入手してやってみてください。

他の魚卵でもやってみよう

今回はふぐの子糠漬け以外にも幾つかの魚卵でタラモサラダを作ってみました。以下の4種類です。
チョウザメの卵。キャビア。
チョウザメの卵。キャビア。
トビウオの卵。トビコ。
トビウオの卵。トビコ。
ニシンの卵。カズノコ。
ニシンの卵。カズノコ。
ししゃも(カペリン)の卵。
ししゃも(カペリン)の卵。
結論を先に言いますと、トビコとカズノコあたりが良かったです。

魚卵とジャガイモの組み合わせなので、不味くなる要素も少なく、概ね美味しいものとなりました。

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