特集 2017年10月14日
 

沖縄唯一の釣り堀酒屋は本物の漁船が刺さっている

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店内で釣り堀ができるという居酒屋は全国でちらほら見かけることができる。しかし(たぶん)沖縄で唯一の釣り堀居酒屋はなんだか色々不思議な感じが漂っていたのだ。
新潟出身。沖縄に来てそろそろ15年くらい経つのに泳げないため全然沖縄を満喫できていない気がする。最近の悩みは高血圧。

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その名は居酒屋「ぐるくん」

四方を海で囲まれているのに沖縄には釣り堀がほとんどない。あったとしてもちょっとしたテーマパークの池でティラピアっぽい魚を黙々と釣るようなものだったりする(前にデイリーで沖縄の釣り堀を紹介したが無くなってしまった模様)。そんな中で実は前々から気になっていたのだが釣り堀を備えた居酒屋というものが沖縄にもあるという。

今回、機会があってずっと気になっていたその居酒屋「ぐるくん」に行くことができたのだ。まずはその外観と中を見て頂きたい。
外観
外観
お店から入ったところ
お店から入ったところ
お分かりだろうか、居酒屋の店内から外にかけて結構大きな船が刺さっているのである。船の下部分が生け簀になっており、そこで釣りが楽しめるというシステムらしいが釣り以前にもうなんだか色々すごいことになっている。

ちょっと入り口から圧倒されてしまったが、中の様子もご紹介していこう。
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こちらが船の上。カウンター席と調理スペースになっている。
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話を聞いてみると、もともと居酒屋自体は36年前からやっていて、29年前に現在の場所に居酒屋を作ったのだそうだ。その時に当時のオーナーがマグロ漁船を一隻買い取って持ってきて、その漁船を囲む形で居酒屋ができたという(オーナーは何を考えていたのだろうか)。

もうエンジンなどはないが、今でも場所によってはオイルのニオイが染みこんでいたりするのだそうだ。去年には船の持ち主の息子さん(70歳くらい)が来て、「久しぶりに父の船を見た」といって喜んでいたらしい。
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船の形をうまく使ったレイアウトで、操縦席ブリッジも座席スペースに(その名も「ブリッジ見張りの間」)。
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現在は老朽化のため無くなってしまったが、以前は船の中にも席があったらしい。
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この記事を書くために釣り堀居酒屋について調べてみたのだが、全国展開されている釣り堀居酒屋がファミリーも楽しめそうな明るい雰囲気のものなのならば、こちらはなんだか荒廃したちょっと廃墟っぽい落ち着いた雰囲気。床などの板張りも年季が入っていてどこかの漁村の民宿にいるような不思議な気分になってくる。まぁお客さんがそんなにいなかったのもあるけれど。

出てくる料理もなんだかすごい

さて、まずは中のすごさを知ってもらったところで料理についても紹介したいと思う。
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沖縄の居酒屋といえば定番メニューはちゃんぷるー系の料理だったり、普通にポテトフライだったりするのだが、メニューのラインナップがこれまた不思議なのだ。
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例えば、イラブー汁。沖縄料理店にはあるけど居酒屋ではまぁ見かけることがない。横にはジーマミープットゥルーという謎の料理が。どうやら温かいジーマミー豆腐(ピーナッツの豆乳をデンプンで固めたもの)のことらしい。
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店名にもなっているぐるくん(タカサゴ)の唐揚げはステーキのごとく、レア・ミディアム・ウェルダンから選べる仕様。なんだそれ。
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メニューには説明書きが付されているのだが、料理の説明じゃなくて店主の感想みたいなものも多い。
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このお店はホームページがあってそこにクーポンが乗っているのだが、クーポンの内容は「人数分のウムクジプットゥルーをサービス」。ハリー・ポッターの魔法みたいな言葉だが、「ウムクジ」は芋のデンプンで「プットゥルー」は粘り気のあるものが煮たってふつふつする様の事を指す。つまり芋のデンプンを加熱してとろりと仕上げた料理である。これもあまり居酒屋では見かけない。
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釣り堀居酒屋といえば海鮮。その日仕入れた魚を調理してくれるらしく、メニューに魚の一覧も乗っていた。40番のマンボーはちょっと食べてみたい。
島豆腐のウニソース焼き
島豆腐のウニソース焼き
イカ味噌
イカ味噌
この日はあまり魚の仕入れもなかったようで、メニューにないものもあったので結局割と普通の料理を頼んでしまった。

釣り堀で魚は釣れるのか

盛り上がった勢いで3階も見せてもらった。建物は4階建てで4階は前のオーナーの住居とのこと
盛り上がった勢いで3階も見せてもらった。建物は4階建てで4階は前のオーナーの住居とのこと
なんだかもうお店の雰囲気と料理だけでワクワクしすぎて忘れていたのだが、ここは釣り堀居酒屋。釣りをしなくてはいけない。
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お店の方から「試してみますか?」と餌(刺身にも入ってたエビだった)を頂いたので、2階から生け簀に落としてみることに。
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餌を落とすとすぐにめちゃめちゃデカい魚が餌に食いついていた。これは大物が釣れる予感しかない。
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さっそく釣りも体験してみることに。
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餌はやっぱり刺身で出てきたエビ。だがここで衝撃的な事実が発覚。
値段が書いてるけどよく見えない
値段が書いてるけどよく見えない
本日生け簀にいるデカい魚(ミーバイ)はかなり前から生け簀にいるヌシ的なやつで、アレをつり上げて調理してもらった場合4-5万円くらいの値段になるそうなのだ。

生け簀に生息するヌシは餌をやっていたらいつの間にか大きくなってしまったらしく、仕入れた魚もたまに食べられたりして困っているらしい。
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「あれは釣れないと思いますけど、万が一はリリースもできますので」と言われたのでドキドキしながら釣りにチャレンジ。

しかし、ヌシくらい長生きだと客釣りをしているタイミングが分かるのか、釣り糸を垂らして待てどもいっこうに魚が食いつく気配はなし。釣り上げたら釣り上げたで一大事になっていたと思うので結果オーライな気もしたが、はてここは釣り堀居酒屋じゃなかったか。

夢のような不思議な釣り堀居酒屋

というわけで多分沖縄で唯一の釣り堀居酒屋の様子をお届けした訳だが、今原稿を書いていて「あれは釣り堀居酒屋だったのか」とぼんやり思っている。なんだか不思議な事が多すぎてひょっとしたら何かに化かされていたのではないか。真相を確かめるためにもまた行ってみたい。

ぐるくん
沖縄県那覇市 若狭3丁目20番8号
TEL:(098)866-3667
http://www.gurukunmaru.com
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