特集 2017年10月17日
 

インスタ映えする写真を撮っている人を撮る

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「インスタ映え」という言葉が最近では誰でも通じるようになった。遊びに行く目的や、食事に行く目的が「インスタ映えする写真を撮りに行くため」という人がいても何ら疑問を抱かないほどだ。

僕もインスタはやっているが一眼で撮った写真を雑多に上げているだけなので、今の若い人がどんな風にインスタ映えする写真を撮っているかが知りたい。

なのでインスタ映えする写真が好きな人達と一緒に行動し、「インスタ映えする写真を撮っている人を写真で撮ってみる」ということをやってみようと思った。「ミイラ取りがミイラ」みたいな言葉だ。ややこしい。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。

前の記事:「水族館にいる魚の解説を聞いてから寿司で食べる」
人気記事:「ふりかけの「ゆかり」が最高の調味料だと教えたい」

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インスタ映えする写真を撮る人を撮る

上記のように写真をいっぱい撮るようなイメージです
上記のように写真をいっぱい撮るようなイメージです
池袋のサンシャインシティ付近でインスタ映えの写真を撮る。展望台や水族館、ナンジャタウンやレストラン街、噴水のある広場…などなどインスタ映えしそうな場所が盛り沢山だ。
池袋のサンシャインシティ付近でインスタ映えの写真を撮る。展望台や水族館、ナンジャタウンやレストラン街、噴水のある広場…などなどインスタ映えしそうな場所が盛り沢山だ。
「インスタ映えする人を撮る」ということをやってみれば普段インスタ映えする写真をどういう風に撮っているのかがわかるはずだ。

今回は大学生などがどういった風にインスタ映えする写真を撮っているのか知りたかったので「ファッションが好きでインスタを活用する大学生」と、「自撮りのプロである地下アイドル」と一緒にいろんなところを周ってみることにした。
参加者その1:ファッション好きでインスタを活用する大学生
参加者その1:ファッション好きでインスタを活用する大学生
インスタ好きと言えば僕の中ではやはり「大学生」だ。お金もそこそこ自由に使えて遊ぶ時間もあり、おしゃれにも気を遣うこの時期はインスタ映えの写真が大好きなはずだ。ということで、弟(写真←)の力を借りてインスタ好きな友達の森岡くん(写真→)を呼んでもらった。

どちらも大学1年生だ。フレッシュすぎて果汁が飛んできている気がしする。眩しくて目が痛い。
森岡くんのインスタ。これがいまどきの大学生のインスタなのか…といろいろとジェネレーションギャップを感じた
森岡くんのインスタ。これがいまどきの大学生のインスタなのか…といろいろとジェネレーションギャップを感じた
森岡くんはファッションが好きで、特にスニーカーにハマっている今時の大学生だ。27歳の僕の全身ユニクロファッションが恥ずかしくなってきた。月とスッポン、ジャスティン・ビーバーと西ローランドゴリラのように対極だ。
参加者その2:自撮りのプロである地下アイドル
参加者その2:自撮りのプロである地下アイドル
インスタ好きの大学生とはまた違うタイプのインスタ映えも見たかったので「自撮りのプロ」である地下アイドルにも来てもらった。

二人ともラストクエスチョンというグループとして活動しており、写真右は僕の高校の後輩だ。今日は月見むぎ(写真左)さんの付き添いできてもらった。

(高校の後輩については、「後輩が地下アイドルになったのでライブに行ってきた」をよかったら読んでください)

インスタ映えにも色んな撮り方がある

サンシャイン60は地上高239.7メートルあり、完成当時はアジア1位だったこともある。この日は天気が悪いのが残念であった。
サンシャイン60は地上高239.7メートルあり、完成当時はアジア1位だったこともある。この日は天気が悪いのが残念であった。
展望台には鏡張りでライトアップされる部屋があったり…
展望台には鏡張りでライトアップされる部屋があったり…
VRの体験ゾーンがあったりする
VRの体験ゾーンがあったりする
サンシャイン60の展望台はただ外の景色を見るだけでなく、様々なアトラクションも用意されている。インスタ映えしそうな写真が色々と撮れそうだ。楽しみだ!
さっそく散り散りになって写真を撮り始める。
さっそく散り散りになって写真を撮り始める。
まず目についたのはファッション好きの大学生組だ。
まず目についたのはファッション好きの大学生組だ。
弟がスニーカー好きの森岡くんの写真を何枚も撮っていた。普段からこうやって友達に写真を撮ってもらうことが多いようだ。ちなみに基本的には数十枚撮ってその中から良いものを選ぶらしい。やっていることがもうモデルと一緒だな…
写真は背景をすべて白黒にしてインスタに上げる。ファッションを際立たせるようにしているようだ。
写真は背景をすべて白黒にしてインスタに上げる。ファッションを際立たせるようにしているようだ。
ちなみにインスタでは相当なイケメンでない限りは顔をだすとフォロワーが急激に減るらしいので、森岡くんも顔を出さずにやっているとのことだ。うーん、森岡くんもイケメンだと思うけどなぁ…厳しすぎる。Twitterやブログで何の憶測もなく顔を晒している僕にはよくわからない世界だ。インスタ怖い。
これは森岡くんのインスタのとある一枚
これは森岡くんのインスタのとある一枚
ふらふらと歩き周る月見むぎ
ふらふらと歩き周る月見むぎ
鏡に向かって写真を撮っていた
鏡に向かって写真を撮っていた
月見むぎさんが外の景色を気にせずふらふらと室内を周り、ふと立ち止まったと思ったら数秒ボーっとしてから写真を撮りだした。独特な空気の子だなぁ…

鏡に向かってフラッシュも使用して撮影しており、僕はまったくやらない方法なので驚いた。
鏡に向かって撮った写真。
鏡に向かって撮った写真。
暗い場所で使う以外にフラッシュ使うって考えたことなかった。光が反射しておもしろい写真が撮れる。こういう撮り方もあるのか。僕もまだ20代なので若い部類には入ると思うが、やはり今の大学生くらいの年代の方がスマホのカメラを使いこなしているなーと感じた。

僕は「歳とったなぁ…」って絶対に言いたくないタイプなので、今日でこの10代の連中からすべて技術盗んでやろうと思った。30代後半になったときに「megayaさん若いっすね」って言われるために…!
インスタ映えする写真を撮る人を撮っている図。
インスタ映えする写真を撮る人を撮っている図。
「インスタ映えする写真を撮る人を撮る」というのがこの企画の主旨なので、常にこういったわけのわからない第三者がいる構図になる。端からみたら謎の連鎖だ。

この写真を一言で説明するなら「インスタ映えする写真を撮っている人を撮っている人を撮っている写真」になる。だんだん「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ」みたいになってきた。
鏡張りの部屋で斜め下に向かって写真を撮っていた
鏡張りの部屋で斜め下に向かって写真を撮っていた
スニーカーやパンツを見せるために下に向かって撮っている。
スニーカーやパンツを見せるために下に向かって撮っている。
余談だけど鏡張りの部屋に入ったときや、人が多い場所に行くと大学生男子二人が「いかちぃ〜」と連呼していた。今の10代がみんな使っているのか知らないが、彼らの大学では「ヤバイ」という言葉と同義で、「すごい」=「いかつい」というワードが使用されているようだ。やっぱり流行り言葉って常に変わっていくもんだなぁ…言葉の使い方がいかちぃ〜!
星型に光っている鏡。僕はただの飾りだと思っていた。
星型に光っている鏡。僕はただの飾りだと思っていた。
すぐに仕組みに気づいて写真を撮り初めるアイドル二人。
すぐに仕組みに気づいて写真を撮り初めるアイドル二人。
鏡の前に座って写真を撮ると目の中に星が入っているように見えるのである。おしゃれ可愛い。自撮りのインスタ映えだ。
鏡の前に座って写真を撮ると目の中に星が入っているように見えるのである。おしゃれ可愛い。自撮りのインスタ映えだ。
ちなみにアイドルの自撮りは多い人は同じポーズで30,40枚も撮る人はざらにいるらしい。むしろそれくらい撮っても普通で10枚以内だと少ない方らしい。自撮りでストレス溜まりそう。

いずれにせよインスタ映えする写真を撮るためには、何十枚も撮らなければいけないみたいだ。
インスタ映えの写真を撮るときは顔が険しくなる。
インスタ映えの写真を撮るときは顔が険しくなる。
インスタ映えの写真を撮るときは、良いものを撮るためにカメラの角度や明るさを気にするので真剣になり表情が険しくなる。もはやスナイパーの顔つきだ。ゴルゴ13が標的を狙っているときの空気感が出ている。

インスタのストーリーの基本は「ブーメラン」

次の写真は「食べもの」。ちなみにこの写真はインスタ映えを意識した。
次の写真は「食べもの」。ちなみにこの写真はインスタ映えを意識した。
場所を移動して次は「食べ物」である。インスタといえば景色や風景などもあるが、食べ物の写真もかなりの人気があるコンテンツだ。

食べ物は撮るのが難しいのか様々な角度から撮影する。
食べ物は撮るのが難しいのか様々な角度から撮影する。
僕は数年前まで「食べ物の写真撮っているやつはアホ。料理が冷めるから早く食べろ」と思っていたが、ブログを書くようになってからは誰よりも料理の写真を撮るようになった。そのため同級生と食事に行くと、写真を撮る時間が長いため白い目で見られるようになってしまった。

人間は常に進化して変わっていく生き物ものだからそれで良いのである。変わらないものはない。変わらないものがあるとしたら、おじいさんがくれた初めてのキャンディー、ヴェルタースオリジナルだけである。
今度は弟が拡大縮小を繰り返してピザを撮っていた。
今度は弟が拡大縮小を繰り返してピザを撮っていた。
弟に何をやっているのか聞いたら「インスタのストーリーに上げるためにブーメラン使っている」と言われた。何を言っているのかわからなかったけど、「分からない」というのは兄としてのプライドが許さないので、「オーストラリアのアボリジニが狩猟や儀式などに使っていた型が有名だよね」とブーメランの知識を披露したら鼻で笑われた。 
インスタの「ブーメラン」という機能を使っているとのこと。
インスタの「ブーメラン」という機能を使っているとのこと。
こういった拡大縮小を繰り返す撮り方はインスタのストーリーではよくある 
こういった拡大縮小を繰り返す撮り方はインスタのストーリーではよくある 
インスタには24時間で動画や写真が自動的に消える「ストーリー」という機能がある。そこにブーメランという短い動画を繰り返し再生させる機能がある。インスタのストーリーを使っている人に取っては、拡大縮小を繰り返す撮り方をするのは一般的な使い方だ。

これに関して個人的な謎が解けてよかった。あの拡大縮小を繰り返す動画を何度か僕も目にしたことがあって、「インスタ ストーリー バインバイン」などで検索したことがあり、そのときは何もわからなかったので今回スッキリした。
こういった食事前にスマホを構える動作も、今となっては当たり前の風景になってきなたーと感じる。この写真だけ見るとまったく楽しくなさそうである。
こういった食事前にスマホを構える動作も、今となっては当たり前の風景になってきなたーと感じる。この写真だけ見るとまったく楽しくなさそうである。

水族館は全員がカメラを構える

ラストは水族館
ラストは水族館
サンシャインシティには水族館もある。日曜日ということもありものすごく混んでおり、大学生男子二人がしきりに「いかちぃ〜」を連呼していた。本当は展望台のあとに入る予定だったが、14時頃は入るためだけに40分待ちだったため水族館は最後にした。いかちぃ〜!
そして…全員が一斉にカメラを構えた
そして…全員が一斉にカメラを構えた
水族館を見てキレイというよりも「スマホでキレイに写真が撮れた!」「見せて見せて!」という風に、スマホで撮った写真をその場で確認して盛り上がる光景をみる。目の前に実際の水槽があるのに、自分が撮ったスマホの写真の水槽を見せ合うのである。これが現代なんだな、とインスタ映えする写真を撮る人を撮っていて客観的に感じた。
近づいて撮ってみたり…
近づいて撮ってみたり…
水槽の上の方を撮ってみたり…
水槽の上の方を撮ってみたり…
水槽のヘリにスマホを合わせて撮ってみたり…
水槽のヘリにスマホを合わせて撮ってみたり…
またブーメランを使ってみたり…
またブーメランを使ってみたり…
水族館は全員がひっきりなしにカメラを構えていた。インスタ映えに関わらずやはり誰でも写真が撮りたくなるくらいキレイだ。ただ若者は水族館で水槽を見なくてもインスタ映えの写真が撮れるのだ。インスタ映えに場所など関係ないのだ。
こういった施設によくある植え込み
こういった施設によくある植え込み
インスタ映え撮影会場に早変わり
インスタ映え撮影会場に早変わり
加工してしまえばさらに場所などどこでも関係ない
加工してしまえばさらに場所などどこでも関係ない
アイドル二人はライトアップされた滝のように流れる水を背景に自撮り。
アイドル二人はライトアップされた滝のように流れる水を背景に自撮り。
たしかに「インスタ映え」する写真だ
たしかに「インスタ映え」する写真だ
水族館であろうがどこであろうが関係ないのである。インスタ映えする写真はどこでだって撮れる。むしろ自分でそれを探して写真を撮りに行くのが、「インスタ映え」の写真を撮る楽しさなのかもしれない。

帰りにサンシャインシティの通りでインスタ映えの写真を撮ってみた。
帰りにサンシャインシティの通りでインスタ映えの写真を撮ってみた。
「いい写真が撮れた!」と弟と森岡くんの二人で盛り上がっていた
「いい写真が撮れた!」と弟と森岡くんの二人で盛り上がっていた
インスタ映えの写真を撮る人を撮ってみて色々と分かることも多かった。大学生の文化に触れられてよかった。それだけでも個人的にかなり色々と学べた。

ただ、サンシャインシティの通りで最後に撮った写真であれだけ盛り上がれるのであれば、展望台や食事、水族館に連れて行く必要なかったなと感じた。その辺の駐車場でもよかったんじゃないかと思った。ただただ僕の財布が痛むだけの結果になってしまった。
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