特集 2017年11月18日

たこパ、なべパの次は「固形燃料パ」です

特殊環境下でしかあらわれないこいつ!
特殊環境下でしかあらわれないこいつ!
「修学旅行の旅館で食べた一人用の鍋」の話で最近盛り上がった。女将さんが鍋の固形燃料に火をつけてまわるあれだ。

あのテンションをいつでも味わえればな~ということで燃料と鍋ごと買ってただの鍋パならぬ固形燃料パをすることにした。結論から言うと、この冬流行ります。
1990年沖縄生まれ。営業日のお昼休みに(ほぼ)毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。

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Amazonに売ってた

まずあの小さめ鍋と固形燃料を手に入れなければならない。

うわー探し回らなきゃ、と「旅館 固形燃料 鍋」とかで検索したらすぐにセットが見つかった。
これです。「いろり鍋」が正式名称だそうです。2000円ぐらいでした。
これです。「いろり鍋」が正式名称だそうです。2000円ぐらいでした。
このセットが入ってるのでこれを組み立てると
このセットが入ってるのでこれを組み立てると
はい!知ってるやつの完成~!
はい!知ってるやつの完成~!
こちらは固形燃料です。大人なので40個入りを買いました。家の中の火事確率が上昇する。
こちらは固形燃料です。大人なので40個入りを買いました。家の中の火事確率が上昇する。

絶対に怒らない人をよびたい

パーティーと言えど、初めてする形態のパーティーだ。ちゃんと楽しいかとか、おもてなしできるかどうかなど全くわからない。失敗したり、変な空気になっても大丈夫な人を呼びたい。
ということでこの人を呼んだ
ということでこの人を呼んだ
「なんだこの若者は」「イカ食べてるぞ」「背景が家すぎる」などいろんな感想がある写真だと思う。この方は5個離れている私の弟である。

家にいるとこんな感じだが、外向けのスイッチがはいると
突然こうなる。(與座亘、で検索してください)
突然こうなる。(與座亘、で検索してください)
上京してすぐミスター慶応候補になり、今は舞台に出たりしている。なんというか住む世界が圧倒的に違う家族である。

弟が華やか活動をはじめた頃は「SNSをひらくと弟の自撮りが流れてくる」という状況にアワアワが止まらなかった。しかし今は慣れ、自撮りにいいねを押すこともできるようになった。人間は成長する。

と、弟の話は置いといて、燃料に火をつけますね。
つけるとすぐ目の前に修学旅行があらわれた。今すぐ浴衣か学校指定のジャージに着替えたい。
つけるとすぐ目の前に修学旅行があらわれた。今すぐ浴衣か学校指定のジャージに着替えたい。
「これもう楽しいよ!ね!」とテンションが上がる姉をよそに、弟はイカを炙っている。
「これもう楽しいよ!ね!」とテンションが上がる姉をよそに、弟はイカを炙っている。
1人用の鍋なので、今回はコース形式で料理を入れ替えていくことにした。まず一品目はやさしめに
湯豆腐だ!わー!
湯豆腐だ!わー!
一方「カニとか牛肉の鍋を食える」のテンションで家に来たので「湯豆腐か…」となってしまった弟。
一方「カニとか牛肉の鍋を食える」のテンションで家に来たので「湯豆腐か…」となってしまった弟。
火をつけて7分、なかなか沸騰しない。小鍋に浮く野菜。真顔でテレビを見つめる弟。「絶対楽しいよ」と煽りすぎてしまった姉。変な時間が続く。
「とりあえず何か食べるものを」と焦った母が、夕飯の序盤なのにキウイとりんごを切って持ってきた。お腹がすいたので渋々果物を食う。
「とりあえず何か食べるものを」と焦った母が、夕飯の序盤なのにキウイとりんごを切って持ってきた。お腹がすいたので渋々果物を食う。
だが目の前はずっと旅館状態である。
だが目の前はずっと旅館状態である。

火力は強くない

気づいたら20分ぐらい待っていた。コンロに比べると火力の点で劣る。固形燃料も2個目になった。そういえば旅館ではほぼ保温のために使われていたなと思い出す。
それでもできたので食べます。
それでもできたので食べます。
ウワッ?!?!
ウワッ?!?!
やさしい……あったかい…。
やさしい……あったかい…。
火、鍋、野菜、豆腐。通常の鍋条件と変わらないのに、食べた瞬間泣けた。なんなんだ。おいしい。やさしい。あったかい。感想がドリカムの歌詞みたいになる。
だいぶテンションが下がっていた22歳。どうでしょうか。
だいぶテンションが下がっていた22歳。どうでしょうか。
「…うまいな……」安堵の瞬間である。
「…うまいな……」安堵の瞬間である。
ゆっくり加熱したからおいしいのか、理由はよくわからない。しかしただの湯豆腐が、あの修学旅行の旅館で食べた、非日常の味に変化していた。おいしいのあとに懐かしさも襲ってくる。すごい体験だ。

「小鍋でコース」が楽しい

湯豆腐が成功し、次は鍋をさっとあらってミニすきやきにした。湧くまでは火をみたり、お酒を飲んだりする。
しばらくすると完成!これもいつものすき焼きと比べてどうだろう。
しばらくすると完成!これもいつものすき焼きと比べてどうだろう。
もう笑うしかないおいしさがまっていた。
もう笑うしかないおいしさがまっていた。
食べた瞬間、いきなり修学旅行になると人は笑ってしまう。最初は「大きい鍋で作ったらいいのに」と言っていた母も「確実にいつものとは違う味がする」と騒ぎ出した。
ちゃっかり陶板焼も買ってたのでステーキもかます。固形燃料1つでちょうど料理1つ分。お酒を飲みながら食べる形式として満点である。
ちゃっかり陶板焼も買ってたのでステーキもかます。固形燃料1つでちょうど料理1つ分。お酒を飲みながら食べる形式として満点である。

そして「正解」が出る

ステーキが終わって、なんとなく絵映えしそうということで買って来た冷凍餃子にうつった。
火が燃えていると、人はじーっと見てしまう。「焚き火の動画が世界中で人気」というニュースを思い出す。
火が燃えていると、人はじーっと見てしまう。「焚き火の動画が世界中で人気」というニュースを思い出す。
餃子を口に入れた弟。
餃子を口に入れた弟。
「正解」「これは正解」としか言わなくなった。どうした。
「正解」「これは正解」としか言わなくなった。どうした。
食べると「正解~~~!!」ってなった。
食べると「正解~~~!!」ってなった。
火の強さ調節ができない固形燃料。しかし冷凍餃子は、パッケージに「固形燃料で作るとちょうどいいです」と書いた方がいいレベルの満点焼き加減だった。こんなにふっくらパリっとする?うそ?

陶板の大きさもちょうどよかったのかもしれない。そして弟が餃子後、ついに「このパーティーは流行る」と断言した。

かさばらない・飽きない・癒される

最後はホットケーキです。
最後はホットケーキです。
餃子事変のあと、完全に固形燃料パに魅了されてしまった我々。何が良かったのか振り返ると

・小鍋なのでスペースを取らず、飲み会にちょうどいい
・大きめの火が中心にあると非日常感がうまれる
・電気、ガスいらず。終わったら捨てるだけ
・いろんな料理を楽しめ、飽きない

ともうべた褒めだった。固形燃料と鍋だけだと3000円で揃う。一家に一台!この冬流行!ただし序盤の空腹時は注意!おすすめもおすすめである。
途中こういうジュースも飲んだ。より一層あの頃感がでます。
途中こういうジュースも飲んだ。より一層あの頃感がでます。
そしてホットケーキもまあ綺麗にできた。さいごまでうまいうまいと言ってばっかりでした。
そしてホットケーキもまあ綺麗にできた。さいごまでうまいうまいと言ってばっかりでした。

火を囲むたのしさ

そういえば火があるイベントはだいたい楽しかった。理科のアルコールランプ、キャンプファイヤー、花火…。固形燃料パは、日常で簡単にあの気分を味わえる素晴らしいパーティーである。
今回は生活感がすごかったが、撮る人によってはインスタにも映えるだろう。すごくいい発見をした気持ちになりました。
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