広告企画♪ 2018年2月15日

金沢ではニンニクたっぷりのステーキに気をつけろ!~地元の人頼りの旅 in 石川県金沢市~

容赦ない量のニンニク!
容赦ない量のニンニク!
ガイドブックに頼らずに、地元の人にお薦めの場所を聞いて周る旅はたのしい。

どんなところにたどりつくか分からないドキドキと、地元の人しか知らないような情報が得られて嬉しいからだ。

今回やってきたのは、金箔や美味しいお寿司で有名な金沢市。いったいどんな旅になるのだろうか。

※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。

愛知編:名鉄のナナちゃん人形の股を覗いてはいけない
鳥取編:まさか鳥取でうどんを食べるとは
滋賀編:彦根の心霊スポットが本気で怖い
宮城編:冷やし中華の元祖店では具を自分で乗せる
神奈川編:小田原にはトリックアートみたいな不思議な景色がある
佐賀編:佐賀には深夜23時から開く甘味処がある
静岡編:浜松で一番人気なのは小さな絵本屋さんだった
福岡編:福岡では70歳のおじいちゃんが作るハンバーガーを食べるべし
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好きなものは犬と酸っぱいもの全般。そこらへんの人にすぐに話しかけてしまう癖がある。上野・浅草が庭。(動画インタビュー)

前の記事:福岡では70歳のおじいちゃんが作るハンバーガーを食べるべし~地元の人頼りの旅 in 福岡市~

> 個人サイト twitter

駅自体がおすすめの金沢

真冬の金沢にやってきた。記録的大寒波で体が固まりそうなほど寒い。
さむい! 雪が降ったりやんだりの不思議な気候。
さむい! 雪が降ったりやんだりの不思議な気候。

お薦めスポット1:駅前の鼓門(つづみもん)と雪吊り

さてさっそくだが、金沢駅前の立派な鼓門はのちほど地元の人に薦められた場所の一つである。「世界で最も美しい駅14選」に選ばれたこともあるそうだ。

そして手前にある「雪吊り」も金沢の冬らしい光景とお薦めされた。雪吊りとは木の枝が雪の重みで折れないように縄で保持することだ。街なかをよく見ると低木まで雪吊りされていて、とても可愛らしい。
下はツルツルなのでコケないように気を付けよう。
下はツルツルなのでコケないように気を付けよう。
いつもは自転車で周るところ、雪があるため今回はバスを使うことにした。金沢市内には周遊バスや路線バスがたくさんあって、主要な所はたいていバスで行くことができる。
やってきたのは「ひがし茶屋街」。重要伝統的建造物群保存地区に選定。
やってきたのは「ひがし茶屋街」。重要伝統的建造物群保存地区に選定。
駅前で会った女性に教えてもらったのは、ひがし茶屋街。空襲を免れた金沢は、こうした古い町並みが多く残っているのだという。

お薦めスポット2:加賀棒茶とお菓子がいただける「茶房 一笑」

そして中でも薦めてくれたのは、1863年創業の老舗「丸八製茶場」が営む茶房である。お薦めされてなかったらビビッて入れないような店構えである。
無駄な装飾の無い建物。ドキドキ・・・
無駄な装飾の無い建物。ドキドキ・・・
中はモダン。喫茶は今年から予約制になっていた! ガーン。
中はモダン。喫茶は今年から予約制になっていた! ガーン。
残念ながら喫茶は予約制のためにいただくことはできなかった。なんでも今年から、こちらで作っている3種のお茶とそれに合うお菓子をじっくり味わう1時間半のコース(2,000円)のみとなったそうだ。雪の降る茶屋街を見ながらティータイム…贅沢な時間が過ごせそうだ。
「献上加賀棒茶」を試飲させてくれる。雑味の無い、スッキリと香ばしいほうじ茶。おいしい。
「献上加賀棒茶」を試飲させてくれる。雑味の無い、スッキリと香ばしいほうじ茶。おいしい。
色々なお茶が並んでいるのだけれど、特にイチ押ししているのは、ほうじ茶を好んだ昭和天皇の為につくられたという「献上加賀棒茶」。一番摘みの上質な茎を芯から浅く焙じているそうだ。そのままかじって食べる事もできるらしい。
手軽に飲めるティーパックタイプ。絵柄が可愛い缶に一目ぼれしてお土産として購入。
手軽に飲めるティーパックタイプ。絵柄が可愛い缶に一目ぼれしてお土産として購入。
そんな一笑の店員さんのお薦めは、すぐ近くの「福光屋」さん。

お薦めスポット3:「福光屋 ひがし」の甘酒

1625年創業の金沢で最も長い歴史をもつ酒蔵「福光屋」さんが営むお店だ。こちらでは日本酒はもちろん、麹をつかったスイーツもいただける。
毎回ちょっと緊張しちゃうな
毎回ちょっと緊張しちゃうな
一笑さんはこちらで「こぼれ梅」と言われるみりんのしぼり粕を買ったり、甘酒をたまに買うのだそうだ。気軽に入れるのでお薦めなのだとか。
甘酒と、酒粕ソフト(黒みりんがけ)をいただいた。
甘酒と、酒粕ソフト(黒みりんがけ)をいただいた。
一笑さんで甘味がいただけなかったので、ソフトクリームをオーダーしてみる。金沢には金箔を乗せたものや、甘めの醤油をかけるものが多くある。しかしこちらのお店では珍しい「黒みりん」がかかっていた。

黒砂糖のようなまろやかな甘み。全体的にはキャラメルのような普通に美味しいアイスだった。
こちらのお店の方にも聞こう
こちらのお店の方にも聞こう
福光屋さんのお薦めは、少し歩いたところにある金箔屋さん。特に用事が無くてもフラっと立ち寄るのだという。

お薦めスポット4:金銀箔工芸「さくだ」

向かってみると店内には外国人を含む観光客がたくさんいて、店員さんは慣れたように金箔の工房を案内していた。どうやら人気観光コースの一つになっているらしい。
金箔が入った化粧品から小物、工芸品などたくさん売られている。
金箔が入った化粧品から小物、工芸品などたくさん売られている。
お茶に金箔!
お茶に金箔!
国内で生産される金箔の99%は金沢で作られているそうだ。そういった説明や工程見学は無料でしてくれる。しかも、金箔入りのお茶まで出してくれて旅をしているものとしてはとても嬉しい。
装飾に使う用の金箔を一枚一枚切り出している工程。残った部分は細かくして、化粧品やお酒などに入れるそうだ。
装飾に使う用の金箔を一枚一枚切り出している工程。残った部分は細かくして、化粧品やお酒などに入れるそうだ。
そしてこのお店に来たら立ち寄っておきたいのが黄金のトイレである。手洗い所から中のトイレの部屋まですべて金ピカである。
トイレの芳香剤まで金!
トイレの芳香剤まで金!
カジュアルに金箔を使っているところに、生産量99%以上の凄みを感じた。

お薦めスポット5:宝泉寺からの景色

次のお薦めは、ひがし茶屋街をちょっと上がっていくとあるお寺からの景色。あまり人が通らないため除雪されていない階段を登っていく。
雪が無ければ大したことの無い坂道だが。
雪が無ければ大したことの無い坂道だが。
誰も踏んでいない雪に、あえてムギュムギュ言わせながら自分の足跡をつけていった。東京の水分多めな雪とは違い、メレンゲのような、砂糖のような、ふんわりとした雪が気持ちよかった。

境内からは、近隣一帯が一望できた。どの家も雪をかぶっていて可愛い。
何人かに薦められた金沢市の一望スポット。芥川龍之介も絶賛したのだとか。
何人かに薦められた金沢市の一望スポット。芥川龍之介も絶賛したのだとか。
ついでにお参りしたら忍者の人形があってギョッとした。
ついでにお参りしたら忍者の人形があってギョッとした。
金沢の冬は寒い。だけどそのお陰で雪化粧をしたいつもとはまた違った美しい町並みが見られるのは良い所である。


寒いから次はステーキ食べるぞ!


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食事処を聞こう

さて、そろそろお腹が空いてきた。近くを歩いていた方にお薦めの食事処をきこう。
この辺の人ならみんな知っているというお店情報をゲット!
この辺の人ならみんな知っているというお店情報をゲット!
人通りは少なそうな場所にある、六角堂さん。
人通りは少なそうな場所にある、六角堂さん。
でも店内にはたくさんの客。目の前で焼いてくれるタイプのステーキ屋さんだ!
でも店内にはたくさんの客。目の前で焼いてくれるタイプのステーキ屋さんだ!

お薦めスポット6:六角堂のステーキランチ

ひがし茶屋街の厳かな雰囲気とはまた違った高級感のあるステーキ屋さんである。夜は目を細めたくなる価格帯だが、ランチならばお手頃にとても美味しい肉がいただけるのだという。

しかしこのシェフと1対1スタイル…超緊張する!
一番お手ごろなロースステーキ150g(オーストラリア産牛)をオーダー。少しでも焦げた油をすぐ取り除き、丁寧に焼いていく。
一番お手ごろなロースステーキ150g(オーストラリア産牛)をオーダー。少しでも焦げた油をすぐ取り除き、丁寧に焼いていく。
まずは大量のスライスしたニンニクを丁寧にこんがりと焼いた後、ロース肉をこれまた丁寧に焼いていった。両手に持った返しのさばきには無駄がなく、良い感じに焼けていく肉に見惚れるばかりだ。
最後にモヤシと青菜を炒めたものを乗せて完成! これで2200円
最後にモヤシと青菜を炒めたものを乗せて完成! これで2200円
洋ワサビを少し溶かしたタレに、ジューシーなステーキ&カリカリのニンニクコンビをつけていただく。なにこの相性のよさ!

いや、ステーキとニンニクが合うのは知ってたけど、こんなに大量のニンニクで食べる事はなかったので衝撃だった。
合うの知ってはいたけど、この量よ!
合うの知ってはいたけど、この量よ!
とても美味しかった。それに、お店に入った時だいぶ緊張しながら撮影していた私にシェフが「私が手のモデルになりましょうか?」「食べてるとこ撮りましょうか?」などと気さくに声をかけてくれて和やかな気分にしてくれたのも嬉しかった。

味だけじゃなくて、スタッフの雰囲気も含めてお薦めしたくなるのが分かるお店だった。
こちらのお店でも聞いておこう
こちらのお店でも聞いておこう
次にやってきたのは、ひがし茶屋街から浅野川大橋を挟んで対角線上に位置する、もうひとつの茶屋街だ。

お薦めスポット7:主計町(かずえまち)茶屋街の坂

こちらはお土産屋さんは無く、昼に開いているお店が少ないとあって観光客が一気に減る。それがまた風情あって良いのだそうだ。
芸妓さんの稽古場があり、三味線の音が聞こえることもあるらしい。
芸妓さんの稽古場があり、三味線の音が聞こえることもあるらしい。
そして、この茶屋街に来たら皆が撮影していくスポットがあるという。それは路地裏をよく探さないと見つけられない。「暗がり坂」と「あかり坂」と呼ばれる階段である。
左が暗がり坂、右があかり坂。どちらも人知れず花街(茶屋街)に入れる裏道だ。
左が暗がり坂、右があかり坂。どちらも人知れず花街(茶屋街)に入れる裏道だ。
こういう細い抜け道を知っていると一気にツウっぽい気分になれて嬉しいものである。

お薦めスポット8:KUTANI SEAL(クタニシール)が可愛い

八百萬本舗。実はここは自分で見つけたスポットです。
八百萬本舗。実はここは自分で見つけたスポットです。
次の場所に向かおうとしていた所、先ほど一笑さんで買ったお茶缶のイラストに似た可愛い雑貨が並んでいるお店を発見。思わず入ってしまった。

実はあのお茶缶は、お茶屋さんとクタニシールというブランドのコラボだったようだ。
こちらは札の所に好きな名前を入れられる湯のみ。可愛い!
こちらは札の所に好きな名前を入れられる湯のみ。可愛い!
クタニシールは「九谷焼を身近に」をテーマに転写技術を使った小物商品を作ったり、ワークショップをしているそう。
こちらはワークショップ用のお皿。シールをお皿に貼って転写させ焼き付ける事で、左側のお皿のようになる。
こちらはワークショップ用のお皿。シールをお皿に貼って転写させ焼き付ける事で、左側のお皿のようになる。
たまたま見つけたけど、直営店は今の所ここしか無いとのこと。おめでたいし可愛いし、石川県らしさが出てお土産にはもってこいである。
そしてここの店員さんの発言が面白かった。
そしてここの店員さんの発言が面白かった。
さて次に向かったのは、多くの人が薦めてくれた場所である。

お薦めスポット9:解放的すぎる金沢21世紀美術館

やってきたのは美術館だ。ステーキの六角堂さんが「東京の美術館に比べたら大きくはないけど、なんか良いんだよ、20分あれば周れちゃうし」と絶賛していた所だ。
今回の旅で一番多くお薦めされた場所だ
今回の旅で一番多くお薦めされた場所だ
確かに、特別展を見ずに中や周りを散策するだけならすぐに見終える程度の敷地の広さだ。

だが、360度ガラス張りの窓は解放感がすごくて、外で雪遊びをしている家族の光景がまるで巨大な絵画のように見える。とても素敵な空間だった。
解放感がすごい
解放感がすごい
他にもアートライブラリーや小さい子たちが遊べるキッズスタジオなんかがあり、どんな年代でも楽しめるような美術館だ。
プールに入っているように見える仕掛けも大人気。
プールに入っているように見える仕掛けも大人気。
次に向かったのはすぐ近くにある兼六園と金沢城だ。両方とも、金沢の一大観光地である。

お薦めスポット10:ド定番だけど兼六園と金沢城公園

だが、そんな場所にもまだあまり知られていないスポットがあるというのだ。
雪吊りが美しい兼六園。池が凍ってて、風情ある。
雪吊りが美しい兼六園。池が凍ってて、風情ある。
すぐ隣には金沢城公園。
すぐ隣には金沢城公園。
石川門口から入ると観光客はみな五十間長屋へとまっすぐむかっていくのだが、あえて左にまがっていくと休憩所がある
石川門口から入ると観光客はみな五十間長屋へとまっすぐむかっていくのだが、あえて左にまがっていくと休憩所がある
そこには21世紀美術館と同じく、ガラス張りの休憩所があり、最高の角度で美しい城郭を眺められる場所があるのだ。


次はほくほくのたい焼き!


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お薦めスポット11:美しい城郭を見ながらの上生菓子

この休憩所には金沢の名店から取り寄せた銘菓やお寿司がいただける喫茶「豆皿茶屋」がある。
抹茶と上生菓子をオーダー。なにこのクオリティ!
抹茶と上生菓子をオーダー。なにこのクオリティ!
そしてこの絶景。うっすら涙が浮かんでしまった。
そしてこの絶景。うっすら涙が浮かんでしまった。
もったいないので上生菓子をちょぴっとずついただきながら、抹茶をすする。一面のガラス窓は視界一杯に、贅沢に雪景色を見せつけてきて、これ以上ないくらい「和」や「日本の美」を感じさせられた。

雪の合間から見えるグレーの城郭、抹茶の緑、上生菓子のオレンジ。どれを見ても、上品で優しい日本の色だ。旅のテンションもあるだろうけど「日本に生まれて良かった!」などとシミジミ思った。
そして元気な店員さんにも聞いた
そして元気な店員さんにも聞いた
店員さんに聞いて向かったのは、金沢大学の学生さんたちが多く住むという小立野(こだつの)というちょっとディープなエリア。

そこには学生たちに人気のたい焼き屋さんがあるというのだ。

お薦めスポット12:あんこがはみでる「中尾」のたい焼き

ギリギリセーフ! 最後の一個にありつけた
ギリギリセーフ! 最後の一個にありつけた
中尾さんは日曜と祭日が休みで、日程的にこの日を逃すとありつけられない。急いでバスに乗ったけど、間に合うかどうかの時間だった。しかも電話予約不可なためか、つながらず。

行ってみるっきゃないのだ。こういう時、道の不慣れさと、なかなか思うように歩けない雪道がもどかしい!
羽根つきのたい焼き。あんこは自家製で薄皮、焼き方も独自のものらしい。
羽根つきのたい焼き。あんこは自家製で薄皮、焼き方も独自のものらしい。
そんな心境でたどり着いたとあって、ラスト一個のたい焼きは一層美味しく感じた。ホクホクの小豆が羽根の部分にまではみ出てて、薄皮と一緒に押しつぶされた「焼きあんこ」部分はまた違った食感が楽しめた。

店長さんに今日ニンニク食べたでしょ? と指摘されてかなり恥ずかしかったけど、それはさておきうまかった。
キメ顔を見せてくれた店長さん。最初は怖めかと思ったけど面白い人だった
キメ顔を見せてくれた店長さん。最初は怖めかと思ったけど面白い人だった
ニンニク臭い上にもう閉店したというのに、店長さんご夫婦は地元ならではのお薦めは何かねえ、といろいろと考えてくれた。そして、夜のこの時間でも楽しめる場所をひねり出してくれたのだ。

お薦めスポット13:坂から見た金沢の夜景

土地勘が全くない私。ご夫婦に教わった通りに向かって歩いていく。
土地勘が全くない私。ご夫婦に教わった通りに向かって歩いていく。
あった! 坂から見下ろす金沢の夜景スポットだ。
あった! 坂から見下ろす金沢の夜景スポットだ。
たい焼き屋さんが「万華鏡見てるかのよう」と表現していた夜景。
たい焼き屋さんが「万華鏡見てるかのよう」と表現していた夜景。
バスに乗って、いつの間にか自分が高い所に来ていたのだと知る。

白い雪に埋もれた坂道の上から見た夜景は、私には宇宙の銀河のように見えた。白くなった屋根が窓からの光をほのかに反射させているようで、それらが一つのおおきな塊のようにも見えてとてもロマンティックだった。

ちなみに、よーく見ると一番輝いているのはニトリである。

さて翌日。次はちょっと珍しい神社に向かった。

お薦めスポット14:ステンドグラスがはめこまれた神門

西洋風な門構えの尾山神社
西洋風な門構えの尾山神社
奥は普通の神社。
奥は普通の神社。
やってきたのは、ステンドグラスがはめ込まれた神門が目を引く尾山神社だ。加賀藩祖・前田利家と正室のお松の方をまつっている神社でもあるらしく、行っておいた方がいいとのことだった。

境内では地元の中学生たちがとてもキレイな声で歌の練習をしていて、まるで讃美歌のように聞こえて尾山神社の雰囲気にマッチしていた。
矢をよけるため赤い母衣(ほろ)を背に乗せていたという前田利家像。めっちゃ狙われそう
矢をよけるため赤い母衣(ほろ)を背に乗せていたという前田利家像。めっちゃ狙われそう
次に向かったのは、ステーキ屋さんで出会った方のお薦めだ。

お薦めスポット15:鈴木大拙(だいせつ)記念館の建物

ちょっと変わった形の建物。静かな場所にあるのだけど、来館者はけっこういた。
ちょっと変わった形の建物。静かな場所にあるのだけど、来館者はけっこういた。
金沢市出身で日本の禅文化を海外に広くしらしめた仏教哲学者・鈴木大拙さんの文化施設である。資料が置かれていたり、大拙さんの思想を学び、自ら考えられる空間がつくられているのである。

である、と書いたけど、なんの予備知識もなく行ったのもあってそこまでは理解できなかった。だが純粋に、建物のつくりが面白い。
色々な角度から建物が眺められるつくり。
色々な角度から建物が眺められるつくり。
お薦めされていた角度はこちら。「水鏡の庭」の上に立つ真四角の「思索空間」の部屋。ぼんやりするにはいい場所かも。
お薦めされていた角度はこちら。「水鏡の庭」の上に立つ真四角の「思索空間」の部屋。ぼんやりするにはいい場所かも。
すぐお隣には、中村美術館という施設があるのだけれど、そっち側から見た建物が好きなのだと言っていた。

この時は水に氷が張ってしまっているけれど、天気のいい日にはきっと、青い空や周りの木々たちが水面に反射しより美しいのだろうなと想像できた。
館内で出会った人に教わったのはすぐ近くのお店。
館内で出会った人に教わったのはすぐ近くのお店。
次のおススメは、すぐ近くにある地元で人気のおにぎり屋さんだ。


やっぱり金沢は雪が似合う(今年は降りすぎですが)


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お薦めスポット16:石川の味をおにぎりで知れる「釜炊きおにぎり みつや」

常連さんが多いというこちらのお店。マスターは昔、老舗の料亭で勤めていたそうで本格的な味がたのしめるというのだ。
テイクアウトもできるけど、中でできたてを食べるのがいい。
テイクアウトもできるけど、中でできたてを食べるのがいい。
カウンターに座ると、目の前でおにぎりを握ってくれる。頼んだのは日替わりセット700円。おにぎり二つとお味噌汁、おかず一品とお新香にデザート付きだ。
「能登しいたけ」と「能登牛のしぐれ煮」。おかずは金沢市の郷土料理「治部煮(じぶに)」だ。とろけるような鶏肉とワサビが合ってうまい!
「能登しいたけ」と「能登牛のしぐれ煮」。おかずは金沢市の郷土料理「治部煮(じぶに)」だ。とろけるような鶏肉とワサビが合ってうまい!
まさかおにぎり屋さんでこんなに石川の味を味わえるとは! 海苔には塩が浮いてて、ふっくらと握られたおにぎりはそれだけで食欲がそそられる。上にも具が乗っているけどもちろん中にも具が詰まっていて食べごたえあった。
デザートは黒蜜かんてん。うれしい
デザートは黒蜜かんてん。うれしい
おにぎりの種類は梅や昆布といったメジャーなものから、ウニやイクラ、そしてふぐぬか(ふぐの卵巣のぬか漬け)といったココならではの珍味もあった。

金沢に来たらついお寿司に目が行きがちだけど、おにぎりも大いにアリだ。

お薦めスポット17:兼六園に続く「美術の小径」

おにぎり屋さんのお薦めは、お店から兼六園へと向かう途中にある階段のあたり。
おにぎり屋さんのお薦めは、お店から兼六園へと向かう途中にある階段のあたり。
うねった坂道があり、散策に良いコース。
うねった坂道があり、散策に良いコース。
そう、この辺はきのう訪れた兼六園にも近い。そして散策して気づいたけど、兼六園に入らずとも周りには緑が多くて雪吊りも多くどこを見ても景色に「金沢らしさ」がある。きれいな町だなあ。

お薦めスポット18:金沢神社の「いぼとり石」

いぼが無くなるという石。
いぼが無くなるという石。
道行く女性に聞いて次にやってきたのは、兼六園のはずれにある金沢神社の鳥居近くにある、いぼとり石。

その名の通り、いぼが取れると言われていて、お参りついでにいつもいぼとり石を触っていくのだという。立札に気づいた人は皆触っていて、石は凹凸が少なくツルツルしていた。
神社のお稲荷さん。雪除けかぶされてて凄く可愛い。
神社のお稲荷さん。雪除けかぶされてて凄く可愛い。

お薦めスポット19:忍者寺こと「妙立寺」

次にやってきたのは、外国人観光客にも人気のお寺。前田家の祈願所として歴代藩主が参詣したお寺で、何かあった時の出城として使われていた。

見た目は2階建てなのだけど、中は4階建ての7層になっていて23もの部屋と、29もの階段がある。敵に狙われた時に逃げる隠し階段や、隠し部屋がたくさんあるためだ。これが迷路のようで面白い。
実はここ昔来たことがあったのだけど何度行っても楽しめる場所だ。残念ながら撮影はNG。
実はここ昔来たことがあったのだけど何度行っても楽しめる場所だ。残念ながら撮影はNG。
寒さでたまらず寄った近くの「宝勝寺」の寺カフェで次のお薦めを聞いた。
寒さでたまらず寄った近くの「宝勝寺」の寺カフェで次のお薦めを聞いた。
この辺りは、和歌山の高野山かと思うくらい立派なお寺が密集していた。その数60以上である。御朱印集めをしている人には手っ取り早くて良いかもしれない。

さてそのお寺の方に聞いたお薦めは、こちらも観光地として人気の長町武家屋敷跡である。

冬は雪から土壁を保護する「こもがけ」がされており、その光景が好きだと言っていた。
繁華街からもほど近くにある武家屋敷跡。きれいに「こもがけ」されてるなあ。
繁華街からもほど近くにある武家屋敷跡。きれいに「こもがけ」されてるなあ。
一帯が昔のまま残ってる。
一帯が昔のまま残ってる。
お屋敷は一般公開している所や、休憩所に使われている所もあるけど、他は普通に市民が住んでいるらしい。観光地となっていながらも、まちの人たちが協力的でうまく共生している所がいい、と言っている人もいた。
小腹が減り買い食いに寄ったお土産屋さんのお姉さんにも聞く
小腹が減り買い食いに寄ったお土産屋さんのお姉さんにも聞く

お薦めスポット20:千と千尋に出てきそうな犀川と山錦楼

次に向かったのは、近くを流れる犀川。医王山(いおうぜん)という山々が遠くに見える美しい場所だ。
お土産屋さんで買ったおやつをトンビに取られたけど、景色はきれい。
お土産屋さんで買ったおやつをトンビに取られたけど、景色はきれい。
そして、その川を目の前にして建っている山錦楼という料亭の建物もすごい。
建て増しを重ねた、大正時代からある建物。すごくかっこいい。
建て増しを重ねた、大正時代からある建物。すごくかっこいい。
正面。武家屋敷跡に向かう途中に前を通ったときも、存在感の強さから思わず写真を撮っていた。
正面。武家屋敷跡に向かう途中に前を通ったときも、存在感の強さから思わず写真を撮っていた。
ここをお薦めしてくれた人も言っていたが、なんとなく「千と千尋」に出てきそうな世界観だ。目の前を通る犀川も、川の神であるハクが飛んでいそうな雰囲気であった。
少し歩くとW坂と呼ばれるフォトジェニックな階段も。
少し歩くとW坂と呼ばれるフォトジェニックな階段も。
さて、暗くなってついに旅は終わりに近づいた。最後にとっておいたのは、「金沢の冬の夜は寝るのが一番いいです」と言っていたクタニシールの店員さんの提案である。

お薦めスポット21:牛乳飲みたくなるような銭湯

昔ながらの銭湯「あわづ湯」。未だに一部薪を使っているそうだ。
昔ながらの銭湯「あわづ湯」。未だに一部薪を使っているそうだ。
地元を感じたいなら銭湯巡りはどうかという提案だった。金沢には今でも脱衣所の真ん中に番台があり、常連さんの風呂道具が棚にキープされてるような、昔ながらの銭湯がたくさん残っているのだ。

で、たどり着いたのはあわづ湯。すぐ近くにスーパー銭湯がある立地にもかかわらず、根強いファンがいて生き残っている銭湯だそうだ。
年に2回ほどしかないというよもぎ湯の日だった。おばちゃんたちが「あんた運が良いよ!」とほめてくれた。
年に2回ほどしかないというよもぎ湯の日だった。おばちゃんたちが「あんた運が良いよ!」とほめてくれた。
ここをお薦めしてくれた地元の男性は「腰に手を当てて牛乳飲みたくなるような銭湯」と表現していた。すごくよく分かる。実際に牛乳を飲んだ。

飲みながら、金沢城公園の茶室で感じた「日本っていいな」という感情がまたぶり返してきた。古い町並みや和菓子の繊細さを愛でたり、銭湯行ったら牛乳飲みたくなるのは、日本人共通の感覚だ。昔から変わらない日本の良さをたくさん見せつけられ、再確認させられた旅だった。

という感じで今回も良い旅ができた。金沢の皆さま、ありがとうございました!

ニンニクにはご注意

食べる前に「いただきます」と手を合わせる。鳥居をくぐるとき一礼をする。自然とそういう仕草をする日本の文化が素敵だな、とたまに思う。同じように、古くから伝わっているものや景色に触れると日本て良いなあ、と思う事は日頃からたびたびある。

でも、今回の金沢は本当に、シミジミと感じてしまった。私は日本らしい景色を思い浮かべる時、金沢城でお茶すすりながら見たあの雪景色を思い出すのだろう。そしてニンニク臭いのに笑顔で対応してくれた店員さんや、偶然出会った人々の事も。ああ、せめて歯を磨くべきだった。
スマホで道を確認していたら車で近づいてきて地図をくれた人もいた。優しいなあ。
スマホで道を確認していたら車で近づいてきて地図をくれた人もいた。優しいなあ。


甘えびにギョーザなど。金沢対談はこちら


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