特集 2018年4月10日
 

自分で書いたラブレターを他人に清書してもらう

ラブレターを書いてもらいました。
ラブレターを書いてもらいました。
ラブレターをもらったことはあるだろうか。今の時代、LINEやTwitterなどのSNSで好意を伝えることが多く、急に手紙をもらったら「怖い」と思う人が多いそうだ。ラブレターの文化が失われつつある。

絶滅しそうなラブレターだが、無くなってしまう前にどうしてもほしい。そこで自分宛てのラブレターを他人に清書してもらうことにした。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。

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ラブレターはビジネスメールと似ている

清書をしてもらうためにまずは自分でラブレターを書く。大事なのは恥ずかしがらずに「ラブレターほしい。100通ほしい」と思い続けながら書くことだ。
まず、自分が好きな理想の女の子をイメージして、その子からもらったらこういう内容だろうなーと妄想しながら書きます。
まず、自分が好きな理想の女の子をイメージして、その子からもらったらこういう内容だろうなーと妄想しながら書きます。
恥ずかしいだろうが、夢に向けての大事な準備なのだ。恥を捨てながらラブレターを書いていて思ったが、ラブレターの文章構成は仕事で送るような営業メールとだいたい同じであることを発見した。
株式会社○○
△△様

突然のご連絡、失礼致します。
私、株式会社□□の江ノ島と申します。

本日、御社のホームページで拝見させて頂きまして、是非とも、御社のケチャップをご紹介させて頂きたく、ご連絡差し上げた次第です。
いつも愛用しており、その魅力に取り憑かれまして、是非とも紹介させて頂きたく、取材させて頂ければ幸いです。

ご検討頂きまして、お手数ではございますがご連絡頂けますと幸いです。

何卒、よろしくお願いします。
これがビジネスメールである。特徴として、自己紹介、失礼しますという文章、どこで商品を知ったか、何をしたいか、などの文章で構成されている。そして、これが強風の中、書いたラブレターである。
できあがったのがこちらのラブレターです。
できあがったのがこちらのラブレターです。
強風に負けないぐらいの愛のあるラブレターが書けた。とくに「でもでも」の部分が渾身のでき。
強風に負けないぐらいの愛のあるラブレターが書けた。とくに「でもでも」の部分が渾身のでき。
これを夜中のテンションで校正したらこうなった。
江ノ島くんへ

突然、びっくりさせてごめんね

私、○○の△△って言います。

同じクラスだけど、今までちゃんとしゃべったことなかったよね

いつも面白くて、楽しそうでいいなーといつも遠くから見て思っていました。

こんな人と、一緒にいたら毎日楽しいだろうなーと江ノ島くんを見るたびに思って、
付き合うならこんな人だろうなーとなんとなく考えていたら、
ドキドキしてきて、でもこの気持ちを直接なんて恥ずかしくて言えないから
手紙で伝えたいと思います。

好きです、付き合ってください。

恥ずかしくて変な文章になってしまったかもしれないけど、
気持ちが伝わればいいな。

お返事待ってます。
書きながらにやにやしちゃうほど良いラブレターができてしまった。これを清書してもらう。清書をしてもらうぞ!(興奮のあまり2回目書いた。)

清書するメンバーのラブレターの思い出

清書してもらうのは左からトルーさん、與座さん、井口さん、北向さん、ネッシーさん。
清書してもらうのは左からトルーさん、與座さん、井口さん、北向さん、ネッシーさん。
書いてもらうのは男女5名のライター。気になるのは、トルーさん、北向さんがいることだ迷惑メールの女性っぽいメールは男性がほとんど書いているというのを聞いたことがあるので参加してもらった。

今回、本当に知らない人からもらった感じにしたい。そこでただ単に清書してもらうだけではなく、先ほどのラブレターに各自で内容のアレンジを考えてもらい、封筒と便せんも用意をしてもらった。最終的にどのラブレターが一番よかったかを独断で私が決める。「怖っ」と誰か言っていたがそういう企画だからしょうがないです。
清書中も「うわっ・・・」という悲鳴が途切れることがなかった。
清書中も「うわっ・・・」という悲鳴が途切れることがなかった。
今回、想定は学生のときのラブレターである。全員に「学生の頃、ラブレターって書いてことありますか?」と聞いたところ、北向さんが小学生の頃に書いたことがあるらしい。
「へー、書いたことあるんですねー。どうでした?」と詳細を聞こうとする。
「へー、書いたことあるんですねー。どうでした?」と詳細を聞こうとする。
「返事はありませんでした・・・。」と言う北向さんに「えー、ダメだったんですかー」と言いながらのぞこうとしたが、冒頭で止まっている。

「転校するタイミングで書いたんですよ・・・」

そっと、北向さんから離れた。離れてのぞくことしかできなかった。

ラブレター欲しさを抑えきれない

ラブレターの清書をしてもらっているときは、とても落ち着かない。どんな内容を書いているのか気になってじっとしていられないからだ。
「今、どの辺書いてます? そこ好きなんですよー」、「へー、そういう文字で書くんですね。その装飾もいいなー」
「今、どの辺書いてます? そこ好きなんですよー」、「へー、そういう文字で書くんですね。その装飾もいいなー」
書いてもらって申し訳ないので書いている内容を褒めてみたのだが、企画のせいか変態な感じになってしまっている。
静かになり、いなくなったのかと井口さんが顔をあげると、
静かになり、いなくなったのかと井口さんが顔をあげると、
じっと黙って見ている男がいた。リアルでこういう人がいたら本当に怖いと思う。
じっと黙って見ている男がいた。リアルでこういう人がいたら本当に怖いと思う。
それぞれ書き進める中、「蛍光ペンを使った方がいいかな」「文字をちょっと丸くしてみよう」などそれぞれ積極的な試行錯誤をする様子が見られるようになった。

しかし、「付き合ってください」の部分で、悲鳴が再びあがる。嘘だとわかっていてもここで全員、苦悶していた。

「書くのにかなりの勇気と覚悟が必要」「感情を無にして写経しています」「ぞわぞわする」「別人にならないと書けない」「仕事と割り切ってます」などなど賞賛の声が止まらなかった。本当にありがとうございます。
その様子を遠巻きに見るジャージの男。
その様子を遠巻きに見るジャージの男。
撮影をしてくれた編集部の橋田さんはこの様子を「夢を見ている感じ」と表現していた。多分、悪夢だ。
撮影をしてくれた編集部の橋田さんはこの様子を「夢を見ている感じ」と表現していた。多分、悪夢だ。
全員が書き終わったようなので用意してもらった封筒に入れてもらう。どの人が書いたのかわからない方がドキドキするので、私は違う場所で待機している間に部屋のポストに投函してもらうことにした。

その間、橋田さんに撮影してもらった写真を見ると、
トルーさんは封筒に貼るシールを用意していた。女子力高い。
トルーさんは封筒に貼るシールを用意していた。女子力高い。
そして、そのシールはほとんどの人が使っていた。(受け取ったラブレターを見たとき、同じシールが多いなとは思っていた。)
そして、そのシールはほとんどの人が使っていた。(受け取ったラブレターを見たとき、同じシールが多いなとは思っていた。)
「シカ可愛い!」「このシール可愛い!」と女子みたいな会話が聞こえてきた。
「シカ可愛い!」「このシール可愛い!」と女子みたいな会話が聞こえてきた。
見ていない間、「この女の子、不器用なんだよなー」「黄色いワンピースが似合いそうなイメージ」など、各自がラブレターを書いた女の子を妄想していた。でも、原文は俺だ。
できたらしいのでポストへ入れてもらう。
できたらしいのでポストへ入れてもらう。

ポストに投函してもらう

待ちに待っていたラブレターがついにできた。早く読みたい気持ちを抑えながら、ポストに投函してもらう。
外にあったポストを借りようとしたが、レンタルスペースの持ち主の手紙が色々と入っていたので部屋の引き出しを使うことにした。
外にあったポストを借りようとしたが、レンタルスペースの持ち主の手紙が色々と入っていたので部屋の引き出しを使うことにした。
準備は整った。
準備は整った。
清書してもらったラブレターを受け取る時が来た! 学生の時の自分よ、ついに夢にまで見たラブレターが手に入るぞ!
すでに喜びが漏れ出ている。
すでに喜びが漏れ出ている。
「えー?本当にあります?」
「えー?本当にあります?」
先ほどまで興奮していたが冷静になって考えてみると、自分で用意した文章で、しかも書いているところも見ていたのだ。気持ちが冷めてしまう可能性もある。嬉しくなかったら申し訳ないなーと思いながら、引き出しを開けて受け取る。
自作自演なのにめちゃくちゃ嬉しかった。
自作自演なのにめちゃくちゃ嬉しかった。
書いているところも見ていたはずなのに歓喜だった。これはすごい。
「江ノ島くんへ」というのが、こうグッときますよね。
「江ノ島くんへ」というのが、こうグッときますよね。
他人なのだが心の距離を一歩詰め寄って来てくれた、そんな温かい気持ちが封筒からも伝わってきませんか?

こういう手紙を学生時代にもらえていたら、こんな記事を書くことはなかっただろうし、変な人がいたらじっと見てしまって絡まれることもなかっただろう。

母さん、産んでくれてありがとう。
嬉しすぎてしばらく見ていた。
嬉しすぎてしばらく見ていた。

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