特集 2018年4月27日
 

「量産型ダム」の見分けかた

量産型ダムを見分けよう

最後に、ここで取り上げた量産型4ダムをじっくり観察して、似ていても非なるところを探し、見分けかたを見つけたいと思う。

まずは上から、ダムのてっぺんの通路(天端といいます)あたりにあるものを見比べてみる。
松田川ダムは右岸側(向かって左)にエレベーター塔、左岸側(向かって右)に取水設備がある
松田川ダムは右岸側(向かって左)にエレベーター塔、左岸側(向かって右)に取水設備がある
大仁田ダムも右岸側に青い三角屋根のエレベーター塔、あと非常用洪水吐の上に展望台のような出っ張りがある。そして貯水池がめちゃくちゃ小さい
大仁田ダムも右岸側に青い三角屋根のエレベーター塔、あと非常用洪水吐の上に展望台のような出っ張りがある。そして貯水池がめちゃくちゃ小さい
古谷ダムはエレベーター塔がない。もしや階段のみ?あと横の道路からダムが一段低くなっている
古谷ダムはエレベーター塔がない。もしや階段のみ?あと横の道路からダムが一段低くなっている
琴川ダムはエレベーター塔、取水設備ともにモスグリーンの屋根がかわいい
琴川ダムはエレベーター塔、取水設備ともにモスグリーンの屋根がかわいい
ダムの中にはさまざまな観測機器が埋め込まれていて、それらをチェックしたりメンテナンスするためのトンネル通路がある。たいていのダムには、そこに降りて行くためのエレベーターが設置されているのだけど、古谷ダムにはそれが見当たらない。もしや階段のみだろうか。小さいとは言え40m以上のダム。日々の点検作業は大変そうだ。

古谷ダムの予備ゲート室?というのは、下の方に放流バルブがあるのだけど、バルブの点検作業のときに水を止めるための水門があるはずなので、その水門を動かすための機械室なのではないか、という予測。

続いては量産型ダムのアイデンティティとも言える、常用洪水吐周辺を観察してみる。
松田川ダムの常用洪水吐はとにかく細い!調べたところ高さ70cm、幅60cmでこれまで見た中でいちばん小さいかも
松田川ダムの常用洪水吐はとにかく細い!調べたところ高さ70cm、幅60cmでこれまで見た中でいちばん小さいかも
大仁田ダムの常用洪水吐。ぽっかり空いた穴でこれといって特徴がない
大仁田ダムの常用洪水吐。ぽっかり空いた穴でこれといって特徴がない
古谷ダムの常用洪水吐は非常用から流れてきた水を分けるための屋根(デフレクター)がついている。あと位置がけっこう下の方で、洪水調節容量が大きいのかも知れない
古谷ダムの常用洪水吐は非常用から流れてきた水を分けるための屋根(デフレクター)がついている。あと位置がけっこう下の方で、洪水調節容量が大きいのかも知れない
いちばん特徴的なのが琴川ダムの常用洪水吐。4つ並んだ非常用洪水吐の端についていて、さらに穴ではなく切り欠きである
いちばん特徴的なのが琴川ダムの常用洪水吐。4つ並んだ非常用洪水吐の端についていて、さらに穴ではなく切り欠きである
常用洪水吐はそれぞれ個性が出ていた。松田川ダムはとにかく細くて、放流していないと遠目からは気がつかないくらい。調べたところ最大放流量が毎秒4?で、これだけの規模の治水ダムで最大放流量ひと桁は本当に珍しい。確かに松田川の下流は住宅街の中の細い流れだったけど。

特徴的だったのは琴川ダム。穴ではなく切り欠きだった。実際に洪水調節で大量に放流しているところを見てみたい。

というわけでいろいろ観察してみたけれど、ところどころ個性的な分はあるものの、量産型ダムの見分けはヒヨコの牡牝判定くらい経験が要求される、という結論を出したいと思う。ふつうの人、見分ける必要ないし。

地味だけど光を当てたい

一部の巨大有名ダムたちはともかく、多くのダムは裏道沿いの工房で黙々と働く職人のように、人知れずその役割を果たしている。その中でも量産型に分類されるダムたちは個性すらほとんど与えられず、ファンですらその名を覚えるのが難しい存在である。そんな彼らをこうして紹介できて、どこまで認識してもらえたか分からないけれど僕は満足です。
今回すべてのダムでドローン飛ばす許可は出たのでドローンパイロットにはおすすめです
今回すべてのダムでドローン飛ばす許可は出たのでドローンパイロットにはおすすめです

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GWにダムめぐりは超おすすめです
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