特集 2018年4月28日
 

大阪には日本一長い商店街と日本一短い商店街がある

長短に関わらずオンリーワンの魅力がありました
長短に関わらずオンリーワンの魅力がありました
日本全国には12,000を超える商店街がある。のんべい御用達の商店街、そこを通るだけで何でも揃う商店街、店舗が減り少し寂しさの漂う商店街など、その姿は千差万別だ。想い出の商店街や好きな商店街がある人も少なくないだろう。

そんな商店街だが、なんと大阪には日本一長い商店街と日本一短い商店街がどちらも存在する。それも地下鉄で3駅程度の近距離に。日本一を一気に見られるお得感に引き寄せられるように2つの商店街を訪ねた。
1992年東京生まれ。普段は商品についてくるオマケとかを考えている会社員。好きな食べ物はちくわです。最近子どもが生まれたので「人間ってすごい」と本気で感じています。

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例えるならばガンダムとスカイツリー

実際に歩く前に2つの商店街を地図上で見てみよう。
長さに差がありすぎて短い方の商店街がすこぶる見つけにくいがどうにか探してほしい
右側の赤いラインが日本一長い商店街である天神橋筋商店街、左下の青いラインが日本一短い商店街の肥後橋商店街だ。どちらも“自称”日本一なのでもっと長い/短い商店街はあるかもしれないが、今回は自称に全面的に乗っかって記事を進めていきたい。
看板に書かれた「日本一長〜い」の「〜」にどれだけ長いかが表れている
看板に書かれた「日本一長〜い」の「〜」にどれだけ長いかが表れている
天神橋筋商店街は天神橋一丁目から八丁目まで全長約2.6キロにも及んで続く商店街だ。東京の有名な商店街であるアメ横は山手線沿いを上野駅から御徒町駅まで続いているが、天神橋筋商店街が同じ場所にあったとすると御徒町を越えて秋葉原、さらには神田をも通り越し東京の手前まで届くことになる。それを聞くとどれだけ長い商店街だか実感できるだろう。
実は数年前まで肥後橋商店街にもアーケードがあったのだが、今は撤去されてしまっている。詳しくはのちほど。
実は数年前まで肥後橋商店街にもアーケードがあったのだが、今は撤去されてしまっている。詳しくはのちほど。
一方の肥後橋商店街は全長約80mにも満たない長さで、頑張って歩けば1分もかからずに端から端まで歩き切れてしまう。天神橋筋商店街と比べるとおよそ32分の1という短さだ。ガンダム(約20m)が東京スカイツリー(634m)を見上げているようなものである。

リアルとファンタジーが交差した絶妙に分かりづらい例えはさておき、百聞は一見に如かず、実際に現地を歩いてみよう。

占い屋から額縁専門店まで何でもそろう天神橋筋商店街

というわけで、まずは日本一長い天神橋筋商店街の南端、天神橋1丁目へとやってきた。先ほど写真を載せた「日本一長〜い商店街」と書かれた看板を通ると延々とアーケードが続いている。
どこまでも続くアーケードはどこか夢の世界っぽい
どこまでも続くアーケードはどこか夢の世界っぽい
天神橋筋商店街は一つの商店街と言っても、さすがに長すぎるので丁目毎に「天神橋○丁目商店街」というかたちで区切られている。観光客はまだしも、周辺住民で端から端までを日常的に踏破している人はほとんどいないだろう。実際、丁目単位であっても一般的な商店街として成り立つ長さがあるので大体のものは揃ってしまう。

しかし中には離れた丁目の商店街まで「遠征」が必要な特殊なお店もある。
おそらく商店街でここだけの額縁屋
おそらく商店街でここだけの額縁屋
例えば額縁を買おうと思ったら4丁目にあるこのお店まで来なければいけない。とはいえそもそも商店街の中に額縁屋がラインナップされていることが珍しい。ちょっとした商店街であればありふれた飲食チェーン店に取って代わられてしまうところを額縁屋が存続できるのも、その長さゆえに許された多様性だろう。流行りのダイバーシティだ。

その他にも
とうふ屋と美容室が並ぶ「古き良き商店街」な一角
とうふ屋と美容室が並ぶ「古き良き商店街」な一角
大阪が誇るぶっとび激安スーパー玉手
大阪が誇るぶっとび激安スーパー玉手
占い屋は4つもある。テレビで評判なのではなくテレビ情報誌で評判なのがポイント
占い屋は4つもある。テレビで評判なのではなくテレビ情報誌で評判なのがポイント
美容院と小籠包が隣り合って匂いがすさまじいことになっている一角
美容院と小籠包が隣り合って匂いがすさまじいことになっている一角
などなど、本当に多種多様なお店があり歩いてるだけで楽しめる。これは日本一長い商店街ならではの醍醐味と言っていい。

食べ歩きのコスパが最強

多種多様なお店の中にはもちろん買ってその場で食べられる飲食店もいくつか存在する。商店街散歩の相棒としてはうってつけである。

天神橋2丁目商店街で目に入ったのが「一銭焼」という食べ物だ。
130円ということは13,000銭だが、それは言わないお約束
130円ということは13,000銭だが、それは言わないお約束
小麦粉の記事にキャベツなどの具材を挟んだお好み焼きの簡易版のような食べ物だ。関西ではメジャーなのかもしれないが、個人的に初めて見る食べ物だったので思わず買ってしまった。
構成要素としては広島焼とほぼイコールのようだ
構成要素としては広島焼とほぼイコールのようだ
トレイからはみ出さんばかりのこのボリュームで130円はかなりお得だ。材料を考えてみれば安いのも頷けてしまうが、ここではあくまで一銭焼という一つの完成された料理に目を向けたい。安価な食材をここまで昇華させて130円で提供していることがすごいのだ。改めて関西の粉もんのポテンシャルの高さに驚かされた。「鬼に金棒」よりも「関西人に小麦粉」を使っていきたい。

そんな一銭焼を売っているお店の対面に目をやると、何やら行列が出来ている。
長蛇の列だが回転は早そう
長蛇の列だが回転は早そう
ここは天神橋筋商店街でも有名な中村屋というお店でコロッケが人気らしい。食べ歩きといえばコロッケと相場が決まっている。猫も杓子も商店街を歩けばコロッケを食べるのだ。一銭焼を食べたばかりではあるが、迷わず列に並ぼう。

思った通り回転は早く5分くらいで買うことができた。このくらいの行列が一番ちょうど良い。待つのもそんなに辛くないし、一方で行列店のメニューという箔が付く。世の中のお店は全部5分待ちになればいいと思う。
受け取ったコロッケは衣のキツネ色が美しい
受け取ったコロッケは衣のキツネ色が美しい
出来立てのアツアツ・サクサクがたまらない。具材に肉は入っておらずじゃがいもオンリーなのだが甘みがきいていてとても美味しい。じゃがいもだけでここまで出来るとは、R1グランプリに出れば間違いなく優勝だ。
美味さと熱さで何とも言えない顔になった
美味さと熱さで何とも言えない顔になった
一銭焼130円とコロッケ70円、合わせてたったの200円でめちゃくちゃ楽しんでしまった。それにしてもコスパが最強すぎる。この一角はコスパの時空が歪んでいるのだろう。それも天神橋筋商店街の魅力のひとつだ。

丁目毎の違いを楽しもう

天神橋筋商店街は長すぎるがゆえに「○丁目商店街」というかたちで区切られていると前述したが、それぞれの商店街は丁目毎にその商店街ならではの色を出している。この違いを見ていくだけでも面白い。
2丁目〜3丁目にかけてはアーケード内に鳥居がぶら下がっており一定の間隔で色が変わるので見ていて飽きない
2丁目〜3丁目にかけてはアーケード内に鳥居がぶら下がっており一定の間隔で色が変わるので見ていて飽きない
4丁目は通称「てんし」なので天使のキャラがいるというダジャレ推し
4丁目は通称「てんし」なので天使のキャラがいるというダジャレ推し
6丁目は某ファッションビルを彷彿とさせる。6と9、これはいけると踏んだのだろう。
6丁目は某ファッションビルを彷彿とさせる。6と9、これはいけると踏んだのだろう。
この先の7丁目になるとアーケードがなくなってしまい人通りも6丁目までと比べるとガクンと減ってしまう。一瞬、この先は商店街じゃないのか!?と思ってしまうが、しっかり商店街として愛称もついている。
通称てんひち。街灯下の看板に描かれた7をかたどったキャラクターが可愛い
通称てんひち。街灯下の看板に描かれた7をかたどったキャラクターが可愛い
さらにその先、8丁目まで来ると商店街っぽさはほとんど残されていない。
しかし街灯をみるとちゃんと「天八」が隠れている。ここもしっかり商店街なのだ
しかし街灯をみるとちゃんと「天八」が隠れている。ここもしっかり商店街なのだ
そしてたどり着いた天神橋筋商店街のはじっこで記念撮影
そしてたどり着いた天神橋筋商店街のはじっこで記念撮影
同じ商店街なのに次々と移り変わる雰囲気に飽きることなく2.6キロ踏破することができた。

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