特集 2018年5月27日
 

肝臓みたいない赤いキノコ、カンゾウタケは予想外の味

鮮やかな朱色で、不思議な形で、予想外の味がするキノコ、カンゾウタケを採ってきました。
鮮やかな朱色で、不思議な形で、予想外の味がするキノコ、カンゾウタケを採ってきました。
キノコ好きの友人から、カンゾウタケを採りに行こうと誘われた。カンゾウという草の生える場所に出るからカンゾウタケではなくて、肝臓の形をしているキノコらしい。

私は見たことも食べたこともないのだが、世界中に広く分布する食用キノコで、アメリカではBeefsteak Fungus(ビーフステーキの菌)、フランスではLangue de boeuf(牛の舌)と呼ばれるのだとか。

ステーキで牛タンでレバーなキノコ、一体どんな姿で、どのような味なのだろう。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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カンゾウタケはスダジイの大木に生える

案内してくれた友人達によると、カンゾウタケが関東で発生するのは5〜6月頃で、他のキノコがあまり採れない狭間の季節。珍しく二期作タイプのキノコなので、秋にもまた生えてくるらしいのだが、その頃は他のキノコ狩りで忙しくて、探しに行っている暇がないそうだ。

スダジイなどシイの仲間の大木に生えるキノコなので、そういう木がある場所をどれだけ知っているかが勝負の分かれ目となる。
これがスダジイの木。幹がちょっと白いのが特長。
これがスダジイの木。幹がちょっと白いのが特長。
スダジイは食べられるドングリとして有名な木で、わざわざ山の中とかに行かなくても、その辺にけっこう生えている。ドングリ好きなら何か所か思い当たる場所があることだろう。

ただしカンゾウタケが好む大木となると、これがなかなか見つからない。うちの近所では未だに発見できていないので、案内してくれた友人には大感謝である。
スダジイ、このような特徴になっております。
スダジイ、このような特徴になっております。
幹や葉だけではどの木がスダジイかわからなくても、下を見ればドングリが落ちているのでわかるはず。
幹や葉だけではどの木がスダジイかわからなくても、下を見ればドングリが落ちているのでわかるはず。

カンゾウタケを探しにいく

都内某所にカンゾウタケを探しに来たのは5月10日。まだちょっと盛りには早いかな、でもきっと出てるでしょう、というタイミングとのこと。

予報では朝には止むはずだった雨が、昼になってもシトシトと降り続けていたが、マイタケ狩りみたいにハードな山登りをするわけではないので、我慢さえすれば問題なし。
今年は降って欲しくない日にばかり雨が降る。
今年は降って欲しくない日にばかり雨が降る。
最初にチェックしたのは、去年カンゾウタケが生えていたという大木だ。ちょうど我々3人が手を繋ぎ合ってようやく抱えるくらいの巨木で、本当に抱えられるか試したかったが、言い出すのが恥ずかしいのでやめた。

「ほら、やっぱり今年も生えていた!」

おっ。
いきなり発見したらしい。
いきなり発見したらしい。
この中央にあるのがカンゾウタケだそうです。
この中央にあるのがカンゾウタケだそうです。
カブトムシやクワガタを探す時にチェックするような木のウロから、ピョコッと生えている赤っぽい塊。ほほう、これがカンゾウタケなのか。すごい色だな。

なんだか肝臓というよりは、巨木にできたカサブタとかニキビみたいなヴィジュアルだ。あるいは動物に吸い付いたマダニ。
あえて肝臓らしさを探すとすれば、表面を炙ったレバーっぽいかな。
あえて肝臓らしさを探すとすれば、表面を炙ったレバーっぽいかな。
下から覗くとこんな感じ。
下から覗くとこんな感じ。
普通のキノコは下から上へ、あるいは木の真横に生えているが、どうもこのカンゾウタケはコウモリみたいに上から下へと生えているようだ。さてこれをどうやって採ったらいいんだろう。

「これいいよ、ベトナムで買った中国製の安物のスプーン。使うのは曲げた柄の方」
安物の薄っぺらいスプーンが最高だそうです。こういうこだわりグッズの話を聞くのが好き。
安物の薄っぺらいスプーンが最高だそうです。こういうこだわりグッズの話を聞くのが好き。
森の中に隠されたマイクロチップを探すスパイみたいだ。
森の中に隠されたマイクロチップを探すスパイみたいだ。
こうしてお気に入りのスプーンで剥がされたカンゾウタケを持たせてもらったら、これが意外と重くて驚いた。
雨の日なので湿気を吸っているためか、かなりの重量感だ。
雨の日なので湿気を吸っているためか、かなりの重量感だ。
裏側はキノコというよりも断熱材っぽい。
裏側はキノコというよりも断熱材っぽい。
キノコなのでシイタケとかマイタケくらいの重量をイメージして受け取ったのだが、小振りの桃くらいずっしりしている。

もぎ取った部分をみてみると、なかなかのジューシーさだ。カンゾウタケってなんだか桃っぽいんだなと、図鑑に載っている写真を眺めただけでは伝わってこない感想が湧いてくる。
もし私に命名権があったなら、カンジュクモモタケっていう名前にするな。
もし私に命名権があったなら、カンジュクモモタケっていう名前にするな。

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