特集 2018年5月30日

鳥貴族の注文をドラフト会議で決めたら盛り上がった

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僕もドラフト会議がしたい。プロ野球チームのオーナーになって、意外な選手を指名して会場をざわつかせたいし、くじ引きで当たりを引いてガッツポーズをしたい。そこで、鳥貴族のメニューでドラフト会議をすることにした。めちゃくちゃ盛り上がったし、楽しかった。
1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。


> 個人サイト ほりげー

ドラフト会議

ドラフト会議というものがある。毎年秋ごろ、プロ野球チームのオーナーや監督たちがホテルにあつまり、来シーズン獲得する新人選手を指名する。運悪く指名する選手がほかのチームと被ってしまった場合はくじ引きで決める。最近だと清宮幸太郎選手に7球団の指名が集まり、くじ引きの末日本ハムファイターズが交渉権を獲得したことが記憶に新しい。
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あれをやりたいのだ。でもそれはたぶん無理だ。この先の人生でプロ野球チームのオーナーや監督になることはきっとないだろう。そこで、身近なものとして、鳥貴族のメニューでドラフト会議をした。ただし、単純に鳥貴族で食べたいメニューをドラフト会議にするのでは、個人の好みの問題になってしまう。(監督だって単なる好みじゃなく「勝てる選手」を選んでいるはずだ) 。そこで、ドラフト会議ならでは戦略の楽しみを味わうため、次のようなテーマを設けた。
テーマ
「会社の飲み会の幹事を任されたときに、鳥貴族で頼むメニュー」
ルール
・プロ野球のドラフト会議のルールに従い、鳥貴族のメニューを1位から順に4位まで指名する
・ドラフト会議終了後、指名したメニューを実際に鳥貴族で注文し、誰が一番幹事としてふさわしいかを決定する。

参加チーム

鳥貴族ドラフト会議に参加するチームは次の5チーム。
ドラフト会議らしく、ちょっときれい目の服でお集まりいただいたライターの方々。三土パイロンズの由来は三角コーン が好きだからだそう。筆者のホリ・タケノコズの由来はたけのこの里が好きだからです。
ドラフト会議らしく、ちょっときれい目の服でお集まりいただいたライターの方々。三土パイロンズの由来は三角コーン が好きだからだそう。筆者のホリ・タケノコズの由来はたけのこの里が好きだからです。

鳥貴族ドラフト1巡目

さて、いよいよ始まった。待ちに待った鳥貴族ドラフト会議、注目の1巡目である。
指名候補メニューのリストが配布される。
指名候補メニューのリストが配布される。
真剣に考えるとすごく難しい。
真剣に考えるとすごく難しい。
5分ぐらい真剣に悩んだ末、各チームのメニュー選択が終了。いよいよ発表である。
本物のドラフト会議っぽく、指名したメニューをスライドで発表していく。
本物のドラフト会議っぽく、指名したメニューをスライドで発表していく。

鳥貴族ドラフト会議、第1巡選択希望メニュー

さて、各チームの1位指名は以下の通り。
本物のドラフト会議では協賛社である大正製薬のリポビタンD が表示されているところ、今回はデイリーポータルZになっていますね。
本物のドラフト会議では協賛社である大正製薬のリポビタンD が表示されているところ、今回はデイリーポータルZになっていますね。

いきなり競合発生

なんといきなりホリ・タケノコズとニューヨーク・メガヤンキースの指名が競合してしまう。
まさかの競合に「おお!」と歓声が上がる会場。
まさかの競合に「おお!」と歓声が上がる会場。
さて、競合したらくじ引きで決めるのがドラフト会議のルールである。
ちゃんとくじ引きを用意しました。
ちゃんとくじ引きを用意しました。
これだ。このくじ引きがやりたくて仕方なかったのだ。ああ最高だ。夢がかないつつある。当たりを引いてガッツポーズしたい。
先にくじを引くニューヨーク・メガヤンキース代表取締役のmegayaさん。
先にくじを引くニューヨーク・メガヤンキース代表取締役のmegayaさん。
残ったくじを引くホリ・タケノコズ監督の筆者。
残ったくじを引くホリ・タケノコズ監督の筆者。
同時にくじを開封します。
同時にくじを開封します。
とり釜飯はニューヨーク・メガヤンキースに決定
とり釜飯はニューヨーク・メガヤンキースに決定
白紙のくじを引き落ち込む筆者
白紙のくじを引き落ち込む筆者
あたりくじはこんな感じ。はずれくじは白紙です。完全に白紙なのであたりくじと間違えてぬか喜びすることはありません。
あたりくじはこんな感じ。はずれくじは白紙です。完全に白紙なのであたりくじと間違えてぬか喜びすることはありません。
外れたホリ・タケノコズは「はずれ1位」として残りのメニューから「よだれどり」を選択。正直、ほかのチームの1位指名と比べると明らかにレベルが落ちる。だが仕方ない。これがドラフトである。
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ドラフト1巡目終了。さっと出てくる「キャベツ盛り」「枝豆」を指名する藤原マリナーズ、辰井ユーキーズ。メインメニューの獲得に成功したニューヨーク・メガヤンキース、三土パイロンズ、くじ引きを外し早くも迷走し始めたホリ・タケノコズ。

これを4巡目まで繰り返す。

鳥貴族ドラフト2巡目

1巡目が終了し、お互いのチームの意図や戦略が見えてきた。ここからが面白い。互いの心理の読みあいが始まるのだ。実はまだ誰も揚げ物を注文していない。ポテトや唐揚げは次あたり競合しそうだ。競合覚悟で人気メニューに飛びつくか、隠れた良メニューを確実に狙うか。全員が競合を恐れるあまり指名を避けるということもある。ドラフト会議は奥が深い。
毎回スライドに指名するメニューを入力するのがとても面倒なので、ここからは画用紙に指名するメニューを記入するスタイルとします。
毎回スライドに指名するメニューを入力するのがとても面倒なので、ここからは画用紙に指名するメニューを記入するスタイルとします。
せーの!、どん!!
ホリ・タケノコズ「ふんわり山芋の鉄板焼」 ニューヨーク・メガヤンキース「チャンジャ」 藤原マリナーズ「ポテトフライ」 辰井ユーキーズ「もも貴族焼(たれ)」 三土パイロンズ「ポテトフライ」
ホリ・タケノコズ「ふんわり山芋の鉄板焼」 ニューヨーク・メガヤンキース「チャンジャ」 藤原マリナーズ「ポテトフライ」 辰井ユーキーズ「もも貴族焼(たれ)」 三土パイロンズ「ポテトフライ」
やはりここは藤原マリナーズと三土パイロンズがポテトフライで競合。飲み会に欠かせない定番メニューである。
本物のドラフト会議は2巡目以降はくじ引きをしませんが、今回はくじ引きをやります。なぜなら盛り上がるからです。
本物のドラフト会議は2巡目以降はくじ引きをしませんが、今回はくじ引きをやります。なぜなら盛り上がるからです。
くじ引きの結果は…
くじ引きの結果は…
三土パイロンズ、交渉権獲得!
三土パイロンズ、交渉権獲得!

こんな感じで4巡目まで鳥貴族ドラフト会議を続けた。非常に楽しかったが似たような絵が続くので、ここは割愛し、一気に最終結果をご覧いただきたい。

鳥貴族ドラフト会議 最終結果

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途中から無難な選択に切り替えたホリ・タケノコズ。バランスよく指名したニューヨーク・メガヤンキース。チーズを2つ並べた藤原マリナーズ。デザートを添えた辰井ユーキーズ。強運を見せつけた三土パイロンズ。最も優れた幹事に選ばれるのは誰だ!?

いざ実食!

ドラフト会議を終え、場所を鳥貴族に移す。指名したメニューをすべて注文し、誰が一番幹事としてふさわしいかを決定する。
とりあえずビールで乾杯したあと、
とりあえずビールで乾杯したあと、
デジタルな注文装置で指名したメニューを次々に注文していく。注文するメニューが既に決まっているので「何を注文しようかな~」というワクワク感が全くない。
デジタルな注文装置で指名したメニューを次々に注文していく。注文するメニューが既に決まっているので「何を注文しようかな~」というワクワク感が全くない。
一通り料理がそろったところで、指名したメニューの意図について各チームにプレゼンしてもらうことにした。

ホリ・タケノコズ(ほり)のプレゼン

ドラフトは終わったが、ある意味ここからが本番。
ドラフトは終わったが、ある意味ここからが本番。
ほり:鳥貴族ということで、鶏料理を中心に並べました。まずはよだれどり。すぐに出てくるので最初にさっぱり食べます。そして、焼き鳥の店なのでその中でもおいしいかわ塩とぼんじりを入れています。最後に炭水化物がほしくなるのでイモである山芋の鉄板焼きを入れました。
ホリ・タケノコズの指名した料理。よだれどり(写真上部)の量が少ないのは撮影前に少し食べてしまったからです。本当は倍ぐらいあります。
ホリ・タケノコズの指名した料理。よだれどり(写真上部)の量が少ないのは撮影前に少し食べてしまったからです。本当は倍ぐらいあります。
~みんなの意見~
megaya:全然惹かれない!(笑) 色が白いですね
藤原麻里菜:全部薄いんだよなあ
酷評されてしまった。確かに色が薄い。ひとつひとつの料理は確かにおいしいはずなのだが、並べてみるとビジュアル的な魅力が低い。そこまで考えられてなかったなあ。最初のくじ引きの負けを最後まで引きずってしまった。

ニューヨーク・メガヤンキース(megaya)のプレゼン

megaya:酒のつまみはチャンジャ。そして鳥貴族と言えば焼き鳥なので、むね、砂ずり。で、飲み会で何が重要かというと「このメニュー何?」というサプライズということで、とり釜飯。おつまみを食べている間に30分経って、ちょうどいいところでとり釜飯が炊き上がる。おいしいうえに、エンターテインメント性もあります。
ニューヨーク・メガヤンキースの指名した料理。とり釜飯の存在感。
ニューヨーク・メガヤンキースの指名した料理。とり釜飯の存在感。
~みんなの意見~
ほり:とにかくプレゼンがうまいですね
藤原麻里菜:プレゼンで勝とうとしている!
くじ引きの末獲得したとり釜飯を軸にチャンジャと焼き鳥で無難にまとめている。ビジュアル的にも鮮やかだしとり釜飯の存在感がすごい。あれ美味しいし盛り上がるんだよなあ。
とにかくプレゼンがうまいmegayaさん
とにかくプレゼンがうまいmegayaさん

藤原マリナーズ(藤原麻里菜)のプレゼン

藤原麻里菜:スピートメニューとして、キャベツ盛りを最初に出して、これを食べながら串物を待ちます。お酒を飲んでいると味の濃いものが食べたくなるので串物は味の濃いつくねチーズ焼もちもちチーズ焼きにしました。締めラーメン。完璧なコースです。
藤原マリナーズの指名した料理。ラーメンがすごくおいしそう。
藤原マリナーズの指名した料理。ラーメンがすごくおいしそう。
~みんなの意見~
(一同拍手喝采)
megaya:構成がすごい!
ほり:ちゃんと全部根拠があって選ばれている。もう負けたわ 。
お酒を飲むと味の濃いものがほしくなることまで想定されている。キャベツ盛りはおかわり自由なのでコスパもいいし、串物をあえてチーズでそろえるという遊び心もある。くじ引きでフライドポテトを逃した時点でスパッとチーズ路線に切り替えたあたり、采配がうまい。

辰井ユーキーズ(辰井裕紀)のプレゼン

辰井:さっぱりしたもの2つでこってりした2つを挟んでいます。枝豆でさっぱりとスタートした後、鳥貴族の代名詞でもある焼き鳥(もも焼)。カマンベールコロッケでは2種類のソースにつける楽しみがあります。最後はデザートの黒蜜抹茶きな粉アイスです。
辰井ユーキーズの指名した料理。単独指名したアイスがどう出るか。
辰井ユーキーズの指名した料理。単独指名したアイスがどう出るか。
~みんなの意見~
megaya:アイス、ドラフト会議のときはナシだと思ったんですけど、あると惹かれますね。
三土:アイスはいいね。華がある。
おつまみ、串、揚げ物、デザートのすべてがそろっている。特にアイス。テーブルにひとつだけアイスがあるとこうも魅力的に見えるのか。作戦勝ちである。

三土パイロンズ(三土たつお)のプレゼン

三土:僕はですね、とにかく茶色い。茶色はおいしい。
三土パイロンズの指名した料理。茶色い。
三土パイロンズの指名した料理。茶色い。
~みんなの意見~
ほり:たしかに茶色いし、おいしそうですね
辰井:「秘密のケンミンSHOW」でも茶色いのを出すと視聴率上がるって言われているんですよ
とり雑炊、ポテトフライ、トリキの唐揚、むねと魅力的な料理が並ぶが、共通項はまさかの「茶色」。なるほど確かに茶色はおいしそうだ。
茶色の魅力を語る三土さん
茶色の魅力を語る三土さん

順位を決めます

さて、プレゼンも終わったところで、どのチームの料理がいちばんおいしそうか、順位を決めてもらった。順位を決めるのは、この企画の撮影係をしてくださった編集部の石川さんである。
石川さんの独断と偏見で順位を決めます
石川さんの独断と偏見で順位を決めます
石川:1位は、藤原マリナーズ。野菜があるのがポイント高いです。
藤原麻里菜:ありがとうございます!!!
megaya:さすが!お店を一番知っている人だ。
見事1位を獲得した藤原麻里菜さん。勝因となったキャベツと共に。
見事1位を獲得した藤原麻里菜さん。勝因となったキャベツと共に。
石川:2位は…。ニューヨーク・メガヤンキース。やっぱりとり釜飯の サプライズ感があってよいです。
megaya:うれしい~!くじ引きで勝ってよかったです。
辰井:とり釜飯は育てるたのしさがあっていいですね
藤原麻里菜:盛り上がりますね

石川:3位は…。辰井ユーキーズですね。デザートがあるのがすごく良い。鶏度が低いのが若干気になる。

石川:4位は三土パイロンズ。ちょっとチョイスが男臭いです。でも、ほりさんよりはマシです。

石川:というわけで最下位はホリ・タケノコズです。
ほり:もうこうなったらディスりまくってください。
三土:チョイスが普通ですよね。
藤原麻里菜:なんか、薄いんですよね。
辰井:いろんな人を接待することを考えると物足りないですよね。
三土:1つ1つは好きなんですけど、全体で見るとなんだかなあ。
藤原麻里菜:草食系男子って感じ。ゆとり世代。
megaya:笑。同世代じゃないですか。
石川:確かに主役不在って感じがしますよね。

というわけで評価結果はこのようになった。
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この企画の発案者であるにもかかわらず、筆者のチョイスは散々な言われようだった。とはいえ、企画自体はとても楽しかった。戦略を立てて指名する喜び、相手チームと競合したときのドキドキ感。これこそがドラフト会議の醍醐味である。今回は鳥貴族をテーマにドラフト会議をしたが、他のテーマでも応用できそうだ。例えば、ドラえもんのひみつ道具やお寿司のネタなど、身近なテーマでドラフト会議をすると盛り上がると思う。
ドラフトで指名した料理を一度に注文したらテーブルが幸せで埋め尽くされた
ドラフトで指名した料理を一度に注文したらテーブルが幸せで埋め尽くされた
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