日本式ホテルの場合
気になってるホテルがある。北京にある「北京虹端和宿」という宿だ。
その宿は北京のビジネス街からちょっと入った住宅地にひっそりとあった。外観からしてそこだけ日本で、隣は豚まん屋だった。
夜になると豚まん屋のライトが侵食するけど雰囲気がでる
入るとスリッパが並んでいる。もうこの時点で中国では大冒険なんですよ!
玄関ではスリッパが並べられていて、ここで靴を履き替える。そして靴を脱いだらフロントの人が「私がやりますので」と中国語で話しかけてやってきては、靴を下駄箱に入れた。
日本人にとっては違和感がないけど、中国のホテルにはない習慣をいきなり持ってくる。形も踏襲していてすごいよこのホテル!
北京の宿なのに日本の旅行ガイドが並ぶ。日本フェチにはたまらない
チェックインを済ませたら、フロントの人が荷物を代わりに持ってくれて部屋まで案内する。今の中国のそこそこエコノミーなホテルではありえないことですよこれ!
部屋までの道ではスリッパの独特な足音が響く。聴覚にも日本らしさがきてます。
ドンドンドンの足音でなくドスドスドスという感じとスリッパ独特の足裏感で部屋に
食事は提供しないから、日本の匂いこと醤油の匂いはないけど、それでもすでに十分に日本的。
部屋にはそれぞれ中国語の名前があって、何号室ではなかった。そこもまた考えてみれば日本らしさなんだろう。
そして部屋に着いてドアをあけるとそこには頑張った日本があった。
なんということでしょう!
これだ!中国で日本のこの内装を実現するってすごいですよ! (ちなみに日本式の部屋だとホテルでなくても入口にだいたい段差アリ)
テレビの周囲には掛け軸や小物が置かれている
サムスン製のテレビかと思ったらサムスンの最後のGが抜けている。リモコンにもサムスンの字はなく。細かいことは気にしないことにしよう。
開閉できないが障子があり、その先に机がある
机は部屋にももうひとつ。頭が日本になり、心が茶菓子が欲しいと訴える
机の上にはファイルとボタンが。
ファイルには無線LANのつなぎ方が書いてあった。たいていこの手のモノには備品を壊したり紛失した際の弁償金リストが書かれてるのだが、これには一切書いてなかった。客を信用する日本式おもてなしだろうか。
またボタンを押すとスタッフがやってくるという。いわく、何かあればボタンを押してほしいとのこと。どことなく居酒屋チェーン店と混在してる感じがするがそれがまたいい。
ふとん。寝た後で写真とったけど、使う前はもっとしっかりしてました
ふとんは最初からひいてある。マットレスの上にシーツをかけたものなので寝心地は相応なんだけど、よかったのがライトのスイッチ。枕の先に、寝ながらライトをつけたり消したりできるように低く設置してる。
日本人にはない発想だらけで、満足でした!
夢の日本と現実の境界線
日本式民泊の場合
次の物件はどことは言えないのだけど、中国のとある民泊に泊まってみた。
日本風内装の民泊は予約サイトを見ると結構出てくるけど、その中でもとびっきりの部屋を予約してみた。
狭小住宅を日本風に大胆に改装した部屋だったのだが見て驚き。
なんということでしょう!!
横1畳半の細長空間に和のテイストを詰め込んだ。日本風というより日本マニアの空間だ。
部屋から玄関を見るとこんな感じ。小物類が賑やかすぎる。
入ると日本人風にコスプレもできるようゆかたらしき服も用意されてた。
段差があるけど、段差の上にはきものがある。これをスリッパ代わりにということか
ついたての先にはマットレスとふとんの空間が。寝た時の頭上が落ち着かない(笑)
ふとんの先から玄関方面をみる。桜の枝のオブジェはここにも。
そして小石を詰めた石庭的な川がある。間違えて蹴って石を出したらもとに戻しましょう。
寝て横を見ると、こんな感じで紅き空に鶴が舞う。
小物を見てみよう。おちょこがある。液体はない。
とりあえず鯉のぼりが子供の日と関係なくつるされている。鯉のぼりは日本の代名詞。
ざぶとんにも鯉のぼり。桜と鯉のぼりはマストアイテムなのだ。
この民泊用にリフォームされた劇的アフターの部屋は、リアル志向ではなく、中国人が好きな日本らしさを詰め込んだ方向に思いっきり動かした部屋だった。
天井の一部がガラスとなっていて、太陽がでると問答無用で部屋が明るくなる。太陽とともに起きる健康生活な1日がはじまる。
起きた時は周囲を見まわしてひとり驚くとともに、こんなとこに蛍光灯はあったか?ライトをつけっぱなしで寝たか俺?と頭の整理ができなかったことを補足しておく。
民泊はよい
民泊ははじめての経験だったけど、キッチンもあるし洗濯機もあるので、自炊できるだけでなく服まで洗えて、とくに暑い夏場はいいなと思った。
個人個人が大胆な内装をするので、旅行する先々で個性的な民泊に泊まって、宿主(リフォーム主)の想いを全力で受け止めたいと思う。