広告企画♪ 2018年6月21日

崖の先から地獄をのぞく~投稿頼りの旅in千葉~

千葉には地獄と、うまいラーメンがありました。
千葉には地獄と、うまいラーメンがありました。
みなさんからの投稿だけを頼りに旅に出る企画、それが投稿頼りの旅。

第一回は千葉県を旅してきました。崖、城跡、シンプルな駅、あの味のパン、何味かわからないラーメンなどなど。これは確かに人に教えたくなる、そんな場所ばかりでした。






※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。

※姉妹企画「地元の人頼りの旅」もよろしく。
行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

前の記事:文字から「しみ出た」味を楽しむ~手書きの文字をさがしています~

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

たくさんの投稿をありがとうございました

千葉のおすすめを教えてください!そんな呼びかけに本当にたくさんの投稿が集まりました。

みなさんありがとうございます。すべて読ませていただきました。その結果、あれ?おれって千葉に住んだことあったかな?と勘違いするほど千葉のことを理解したつもりになれました。その中からいくつか実際に行ってみたので報告させてください。

西船橋にある坂が急

船橋市東中山2丁目のどこかに、「ジェットコースターの坂」というとてつもなく急な坂があります。名前の由来は、ブレーキをかけずに自転車で走るとジェットコースターのようになることです。
坂である。一つ目にしてはいきなりローカルすぎる情報かなとも思ったけれど、これぞ地元ネタではないだろうか。おそらくガイドブックはおろかネットにすら詳しい情報はない。行ってみなくちゃわからない、これぞ旅の醍醐味である。

というわけで西船橋駅までやってきた。
西船橋。
西船橋。
住所的にはこのあたりのはず。
住所的にはこのあたりのはず。
西船橋駅は聞いたことはあれど降りるのは初めてだと思う。この企画がなければこれから先も来るかどうかわからない場所だな、と思っていたのだけれど、降りてすぐのスーパーに売られていた野菜が新鮮で安くて、いっぱつで住みたくなった。
単純に美味しそうな野菜が安くて買ってしまいそう。
単純に美味しそうな野菜が安くて買ってしまいそう。
投稿いただいた住所を頼りに坂を探す。千葉は正直平らなイメージがあったのだけれど、歩いてみるとそこらじゅうにちょっとした坂があるものである。
だらっと続く坂。
だらっと続く坂。
長くだらだらと登る坂、歩くと5分くらいでいったん休憩したくなる斜度だ。計ってみるとだいたい4~5度くらいの傾斜だった。
だいたい4~5度くらい。数値にすると意外と小さいですね。
だいたい4~5度くらい。数値にすると意外と小さいですね。
それにしても気持ちのいい天気である。

これは千葉だからというわけではないかもしれないけれど、はじめて降りる駅がいい天気だとそのあとずっといい印象が残ると思う。僕にとっての西船橋は、スカッと晴れて気持ちのいいイメージです。

で、坂である。
住所的にはこのあたりのはずなのだけど。
住所的にはこのあたりのはずなのだけど。
坂が見つからずに住宅街をぐるぐると歩いていた時である、前を歩いていたおばあちゃんが突然消えた。
消えた!
消えた!
おばあちゃんが消える、これは宇宙人のしわざか坂があるかのどちらかだろう。

近づくにつれ後者であることがわかってきた。前の道ががくっと降りているのだ。これが投稿にあったジェットコースター坂なんじゃないか。
伝わるだろうか、この斜度。
伝わるだろうか、この斜度。
坂の斜度がうまく写真に写らないのが残念だけれど、この坂、実際に立つとちょっと怖いくらいの急坂である。

傾斜を計ってみた。
13度。
13度。
だいたい10~15度くらいの間だった。スキー場でいうと中斜面、滑っていてちょうど気持ちいいくらいの斜度だろうか。

これが日常にあるとちょっとしたアトラクションとなる。
わーい。
わーい。
この辺りは主に平地で、特に山を切り開いてできた住宅というわけでもなさそうなのだけれど、なぜかこの一帯だけ空間がゆがんだみたいに坂が多いのだ。巨人がつまんで引っ張り上げたみたいにとつぜん地面がうねっている場所もある。
さっきの坂を下から見上げるとこんな感じ。
さっきの坂を下から見上げるとこんな感じ。
言ってしまえば普通の坂道である。しかしそれが誰かの思い出の場所だとわかると、歩いていてもとくべつな気分になる。はじめて来たから思い出もなにもないわけだけれど、なぜか懐かしさに目を細める。目を開けると投稿をくれた人が自転車で走り降りてくるような気すらした。

この旅、おもしろいかもしれないぞ。

次の投稿はこちら。

通り抜けられる小学校がある

葛飾小学校は通り抜けられる(15年前の情報ですが)。
千葉にある葛飾小学校です。
千葉にある葛飾小学校です。
葛飾と聞いて東京かと思った人がいるかもしれないが千葉にもあるのだ。さっきのジェットコースター坂からほど近い住宅街に「通り抜けられる小学校」はあるという。

いただいた投稿は15年前の話らしいのだけれど、はたして今でも通り抜けられるのだろうか。
この先が小学校。
この先が小学校。
いまでも通り抜けられる!
いまでも通り抜けられる!
小学校の正門には「通り抜け以外に立ち入ることをご遠慮願います」と書かれていた。通り抜けはオッケー、それ以外は立ち入り禁止。はて。一休さんに相談したい案件である。

通り抜けは禁じられていなさそうだったので、おじゃましてみた。
正門を入って学校の中を通り抜けて、本当に裏門から出られました。
正門を入って学校の中を通り抜けて、本当に裏門から出られました。
さすがに校内の写真は撮らなかったが、普通のきれいな小学校である。グラウンドでは子どもたちが走り回っていた。

ぼく以外にも近所の方がひっきりなしに通り抜けていたので、きっと生活に必要な通り抜け道なのだろう。

正門から入り、校舎の脇を通って裏門から出る。たったそれだけのことなのだけれど、このご時世である、これを公に許している学校というのは珍しいのかもしれない。これが出身者と話た「千葉のおおらかさ」だろうか。
電車に乗って次の場所へ。
電車に乗って次の場所へ。
僕にとっての千葉といえばなんといってもディズニーランドと成田空港だったのだけれど、どちらも不思議なくらい投稿にあがってこなかった。そんなのいまさら投稿しなくても知ってるでしょう?ということなのかもしれない。それとも地元から見るとそれより他に見どころがあるよ!ということなのかもしれない。

期待は増すばかりだ。投稿頼りの旅はここから徐々にハードな場所へと向かっていきます。


次はちょっと不安になる感じの駅へ。


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・大佐倉駅です。

・大佐倉駅にとにかく行ってみてください。
理由が書かれていないのが気になったけど、とにかく行けと書いてあるので乗り換え案内で調べて向かうことにした。今回の企画は投稿だけを頼りに、というコンセプトなので、なるべくネットや本で事前に調べないようにしている。現地の人に聞くのは投稿みたいなものなのでアリとします、いま決めた。

向かう電車ですでに不安になる

大佐倉駅は京成電鉄の駅で、上野から成田へ向かう途中にある。特急も止まるのでやばいことはないだろうと思っていたのだけれど、窓から見える景色に町と町との間が広がり、土が見え森が見えだしたあたりから、これはちょっとおかしいぞ、と思いはじめる。
途中で一人になったけど大丈夫なのだろうか。
途中で一人になったけど大丈夫なのだろうか。
しかし強い気持ちでそれ以上調べることなく降りた。こんにちは!大佐倉駅。
だいさくら、と読んでいたけど、おおさくらでした。
だいさくら、と読んでいたけど、おおさくらでした。
電車を降りるとこんな感じである。
スカッとしてる。
スカッとしてる。
ホームのはるか先に鉄道模型の情景セットみたいな駅舎が見える。

僕を乗せてきた電車が行ってしまうと周囲は無音だ。空は「かーん」と音が聞こえそうなほどに高く、そして青い。
情景シリーズ「駅舎」。
情景シリーズ「駅舎」。
確かに大佐倉駅、降りるだけでも体験しておくべき駅かもしれない。近くに佐倉駅という駅があって、その大きい版かと思っていると違うぞ。とはいえ時刻表を見ると1時間に3本くらい電車が来るみたいだから、それほど警戒することもないだろう。都内からも気軽にこられるシンプルな駅である。

駅を出てしばらく歩いていると、誰にも会うことなく神社に着いた。
なるほど、神社があるのか。
なるほど、神社があるのか。
この神社、子どもたちが学校帰りに遊ぶ感じの場所ではなく、ガチの祀ってるタイプだった。長い階段の先にあるのはきっとあちら側への入り口である。
これ、出るやつだよね。
これ、出るやつだよね。
出るよねこれは。
出るよねこれは。
お供えのように置いてある玉ねぎもまたいらぬストーリーを感じさせる。
お供えのように置いてある玉ねぎもまたいらぬストーリーを感じさせる。
写真を撮ることすらはばかられる感じの神社だったので、参拝だけして駆け足で階段を降りると、そこにはセキュリティに関する看板が立っていた。
5時になったら帰る、では遅いのだ。
5時になったら帰る、では遅いのだ。
怖い。

なにしろ静かなのだ。平日の昼間なのでこんなものかもしれないが、僕が大佐倉駅に着くのと入れ違いにみんなどこかへ避難しちゃったんじゃないかと思うほどである。おーい、誰かいませんかー。

そして歩くと次々と神社ばかりが現れる。どうなっているのか。

ただ、景色はすばらしい。
なんというか郷愁があるのだ。ゴッホが描きそうな郷愁だ。
なんというか郷愁があるのだ。ゴッホが描きそうな郷愁だ。
そのまま誰にも会わぬまましばらく行くと、看板を出している家を見つけた。
これはまさか。
これはまさか。
お店だ!
お店だ!
どうしてこんなに感動しているかというと、ここまでお店はおろか駅以外では自動販売機すら見つけられなかったからである。

もしかして誰かいるかもと思い「こんにちは!」の「こ!」の口で入口の扉を押してみたが閉まっていた。看板をよく見ると取材日は月曜日、定休日である。

絶望と孤独に打ちひしがれていると、そんな僕のただならぬ気を感じたのか奥の家から店主らしき方が出てきてくれた。泣きそうになった。
しかも周辺の地図をくれた。生きていてよかった。
しかも周辺の地図をくれた。生きていてよかった。
このお店「遊っ蔵(ゆっくら)」はこの周囲で唯一のお店とのことで(やっぱり!)、このあたりの人なら誰でも知っているお店。近所でとれたうまい野菜を使ったランチがおすすめで、夜もリクエストに応じて貸し切り営業もできるらしい。
近くでとれたというトマトがはちきれそう。
近くでとれたというトマトがはちきれそう。
定休日なのにコーヒーまで出してくれました。ありがとうございます!
定休日なのにコーヒーまで出してくれました。ありがとうございます!
お店の人いわく「他にお店がないからみんなイニシャルトークすらしないですよ。なにもかもオープン!」とのことだった。その輪に僕も入りたいと思ったが、それは地元ならではの楽しみなんだろう。
ネコもかわいい。ありがとうございます!
ネコもかわいい。ありがとうございます!
「遊っ蔵」さんによるとこの先に本佐倉城というお城の跡が残っているのだとか。それは行くしかないと思ったのだが、その前に気になっていたことを聞いてみた。

このあたり、神社が多すぎませんか?

「そう、誰もいないのに神社ばかりあるのよね。このへんは歴史が好きな人にはたまらないみたいなんだけど、私はまったく興味ないからよくわかんないです。」

この辺りには将門伝説が残っていたり、戦国時代に栄えた千葉氏に関する史跡がたくさん残されているのだとか。ということはやはり出るということかもしれないので、明るいうちに取材を終えたいと思う。
歩いてもすぐですよ!ということだったので本佐倉城跡まで行ってみることにした。地元の人頼りの旅みたいだ。
歩いてもすぐですよ!ということだったので本佐倉城跡まで行ってみることにした。地元の人頼りの旅みたいだ。

お城の跡がすごい

大佐倉駅から歩いて20分くらいの場所にある古いお城の跡、これが思いのほかすごかったので紹介したい。「遊っ蔵」さんは「行ってもただの丘ですけどね。」と言っていたけど、その丘がとんでもなくよかった。
WindowsXPかよ、という景色が目の前に広がる。起動音が聞こえるようだ。
WindowsXPかよ、という景色が目の前に広がる。起動音が聞こえるようだ。
ここがかつて城だった場所。兵どもが夢のあと、である。
ここがかつて城だった場所。兵どもが夢のあと、である。
青々と生え盛る夏草をかきわけて登ると、そこからは千葉の広さを見渡すことができた。
すっごい。
すっごい。
広さと平らさに感動していると、遠く遠く下の方から人の声がする。見るとおばちゃんがあぜ道をつつきながら僕に大声で何かさけんでいるのだ。

「まーむーしー!そこー、まーむーしーでーるーよー」

つまりこういうことである。そこ、マムシが出るよ、と。
確かにこんな道である。そりゃあマムシも出る。
確かにこんな道である。そりゃあマムシも出る。
確かに道々に「マムシに注意」という看板がいくつも建てられていた。しかしここまで来たからには行くもマムシ戻るもマムシである。おばちゃんにはOK!と手で合図を送り、城跡をぐるっと巡って(マムシに注意しながら)戻ることにした。

看板に沿って歩くと、あのすがすがしい夏の景色からは一転、暗い山道へと入って行く。
ゆく先々に看板が立っているので迷わないとは思うけれど。
ゆく先々に看板が立っているので迷わないとは思うけれど。
終始こんな感じの道なので注意です。
終始こんな感じの道なので注意です。
僕はトレイルランニングという山の中を走る競技をやっているので、このくらいの山ならば恐れずに入って行ってしまうのだが、普通に考えたらまず一人で近づくことはないだろうと思う。この深い森で聞こえてくるのはガサガサと遠慮がちに落ち葉を踏む自分の足音だけだ。
設定山。Windowsの裏側である。
設定山。Windowsの裏側である。
城跡ははっきりいってほぼ地形しか残っていないので、そこに城があったことを想像するしかないのだけれど、駅から続く神秘的な雰囲気のおかげだろうか、立派な天守閣を眺めるよりもずっと生々しく歴史を感じられたような気がした。これも行ってみないとわからない体験だと思う。

次も山ですが、今度のはとびきり高いやつです。


鋸山(のこぎりやま)からは地獄が見えました。


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ちょっと行きにくいけど鋸山最高

・なんといっても鋸山ですね。

・鋸山には行ってみてください。ちょっと行きにくいですけど最高です。
次のおすすめは鋸山(のこぎりやま)である。名前は聞いたことがあったけど、そして場所もなんとなく知ってはいたけど、投稿にもあるように、なかなか行きにくい場所にあるなと思っていた。

しかし今回の企画で実際に来てみると、フェリー乗り場からも駅からも、すこし歩けばロープウェイ乗り場だし、駐車場も広々としているのでなんてことはなかった。
ロープウェイで山頂まで連れて行ってくれます。
ロープウェイで山頂まで連れて行ってくれます。
これがなんとも快適なんだ。
これがなんとも快適なんだ。
ロープウェイには進行方向左側の窓の近くに乗ることをお勧めする。なにしろ景色がものすごいから。
ギアナ高地かな、と思う。
ギアナ高地かな、と思う。
まず目がくらむほど高い、そしてはるか眼下に広がる緑がゆでたてのブロッコリーみたいな濃さなのである。
行くと写真の50倍やばい。
行くと写真の50倍やばい。
崖の端からうっかり下をのぞき込むと縮み上がる。ただ高いだけではなく「垂直に」高いのだ。高さとか広さのスケールが今までの暮らしと全くもってかけ離れているので、違う星にぽーんと放り込まれたみたいな感覚になる。

遠くの崖の端に人がいるのが見えるだろうか。
なんだかすごい所に人がいるぞ。
なんだかすごい所に人がいるぞ。

崖の先から地獄を覗く

崖がぐっと外へせり出しているところに人が歩いて行けるようになっているのだ。どうかしてるとしかいいようがない。
僕も行ったけど。
僕も行ったけど。
飛行機から眺めるとはるか地上に町が見えることがあるだろう。あれって高さによる恐怖はさほど感じないと思う。高すぎると落ちるイメージとはすぐに結びつかないものなのだ。

そういう意味ではこのくらいの高さが一番怖い。これ、いま手すりが外れたらどうなるんだろうとか、考えるだけで手のひらがびっしょりになる。遠く聞こえる鳥たちの声も「ピーチク(危ないよ)、パーチク(危ないって)」と真顔で騒いでいるみたいに聞こえた。
先端から下を見るとこんな感じ。もうだめ。
先端から下を見るとこんな感じ。もうだめ。
ちなみにこれは鋸山の名所「地獄覗き」と呼ばれる場所である。いいタイトルつけたなと思う。

地獄覗きの崖の、その下にも見どころがあるので行ってみてほしい。
ヨルダンのペトラという遺跡がちょうどこんな感じです。
ヨルダンのペトラという遺跡がちょうどこんな感じです。
切り立った岩の壁を抜けると、そこには巨大な石仏が掘られていた。
ばばーん。
ばばーん。
ここは石好き、仏像好き、崖好きにはたまらない場所だと思う。

鋸山はこの先もハイキング程度の難易度で散策できる道が続いていて、時間さえあればもっとずっと奥まで入って行くことができる。今見た「地獄覗き」と「摩崖仏」はロープウェイを降りてわりとすぐなので軽い気持ちで来ちゃっても大丈夫である。
地獄を覗いたら、地獄アイス。
地獄を覗いたら、地獄アイス。
地獄でした(味は天国)。
地獄でした(味は天国)。

天然記念物もあるぞ

鋸山の帰りに見つけたヒカリモ。これは投稿にはなかった場所だけれど、気になったので寄ってみた。
帰りの道中みつけた。人は天然記念物という言葉に弱い。
帰りの道中みつけた。人は天然記念物という言葉に弱い。
なんでもこの辺りに生える藻が、洞窟内に入ってくる光を反射させて光って見えるのだとか。
この洞窟がヒカリモの生息条件にぴったり合っているらしい。
この洞窟がヒカリモの生息条件にぴったり合っているらしい。
確かになにか出そうな感じするもんな。
確かになにか出そうな感じするもんな。
この日は30℃近くまで気温が上がっていたのだけれど、洞窟に一歩入るとひんやりとした別世界だった。千葉はいろんな世界とつながっている。

で、肝心のヒカリモだけれど、どうだろう、これは光っているというんだろうか。
どうですか、光ってますか?
どうですか、光ってますか?
正直わかりませんでした。

今回は行く先々で千葉のすごさを体感している。すごいところだぞ、千葉。こんなむき出しのワイルドを内包する土地を地元に持つってどんな気分なんだろうか。お盆休みに帰ったら行くところだらけで困ると思う。

次は千葉のグルメいきます!


千葉の名物ラーメンにはあの人が登場。


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千葉駅構内にあるパン屋さん

続いては食べ物に関する投稿を2件ご紹介。
千葉駅エキナカの『カワシマパン』が面白いです。千葉好きなら要注目の『マックスコーヒーパン』は早い時刻に売り切れ必至ですので、訪問はお早めに!
ひらがなで書くとかわいい地名「ちば」。
ひらがなで書くとかわいい地名「ちば」。
「カワシマパン」は千葉駅の構内にあるパン屋さん。改札の中にあるのでカワシマパンにだけ行きたい人は改札を出なくても大丈夫です。
カワシマパンの朝は早い。
カワシマパンの朝は早い。
本当にホームのすぐ上にあります。
本当にホームのすぐ上にあります。
北関東名物マックスコーヒー。
北関東名物マックスコーヒー。
マックスコーヒーについては僕も茨城に住んでいたことがあるのでその存在にはなじみが深い。北関東限定の甘いコーヒーである。

会社の新人寮の自動販売機に缶のマックスコーヒーがあって、ぼくらはそれをマッカンと呼んでいた。ある日、ブラックコーヒーの種類がひとつ減ってマッカンが増えていた。二段ある自動販売機の上段半分を占める黄色いマッカンに茨城が地元の同期は喜んでいたが、他県出身者としては何するんだよと思った。
ビン牛乳も充実。お店の人に3種類の違いはなんですか?と聞いてみたけど「特にありません!」ときっぱり答えられてしまった。ないのか。
ビン牛乳も充実。お店の人に3種類の違いはなんですか?と聞いてみたけど「特にありません!」ときっぱり答えられてしまった。ないのか。
投稿によると、ここで売られているマックスコーヒーパンは早い時間に売り切れてしまうほどの人気、とのことだったので、やる気を出して10時から来てみた。おかげでみごとゲットである。
マックスコーヒーパンとかずさ牛乳というザ・千葉という組み合わせ。
マックスコーヒーパンとかずさ牛乳というザ・千葉という組み合わせ。
マックスコーヒーパンが食べられるのは千葉広しといえどもここだけです。
マックスコーヒーパンが食べられるのは千葉広しといえどもここだけです。
マックスコーヒーだ!
マックスコーヒーだ!
マックスコーヒーパンは当たり前だけれどマックスコーヒーの味だった。悩みも疲れもふっとぶ甘さ。その力強い甘さの陰にコーヒーの香りとパンの柔らかさをかろうじて感じる。
もちろん牛乳にも最高に合う。
もちろん牛乳にも最高に合う。
これはいわばスイーツなのだ。パンとして考えるとやや戸惑うが、スイーツと思えば納得できる。おかげで午後もがんばれそうである。

大ちゃんラーメンは大ちゃんラーメン味

大ちゃんラーメンです。何味かと聞かれても「大ちゃんラーメン味」としか言いようのないラーメンです。
ラーメン好きは美味いラーメンのために他県まで遠征したり何時間も並んだりするらしい。ラーメン好きの友人が言っていた。
めっちゃ混んでますね。
めっちゃ混んでますね。
せっかくなのでそのラーメン好きの友人にも来てもらった。ライター江ノ島くんである。彼ならばきっと僕よりも正確にラーメン評をしてくれるはずだ。

お昼には少し早い時間帯に着いたのに、店内はすでに満席。外にも10組ほどが並んでいた。20分ほど並んで入店。
カウンターとテーブル席。席が多いのでお客さんの回転は速いです。
カウンターとテーブル席。席が多いのでお客さんの回転は速いです。
ゆで卵はサービス。
ゆで卵はサービス。
入口でサービスのゆで卵をもらって着席する。
これを食べながらラーメンを待つわけですね。
これを食べながらラーメンを待つわけですね。
カウンターの中ではご家族と思われるスタッフがあうんの呼吸でラーメンを作っていた。それを見ていると、まだ食べてもいないのに、きっとチェーン店では食べられない味なんだろうなと期待が高まる。

どうでしょう、江ノ島くん。
「このチャーシューを眺めながらいくらでも飲めますね(水を)」
「このチャーシューを眺めながらいくらでも飲めますね(水を)」
江ノ島くんは目の前に置かれたチャーシューに夢中だった。

そうこうしているうちにギョーザがやってきた。見るからに肉厚の皮に包まれた大振りのギョーザである。
ぷりぷりです。
ぷりぷりです。
これがうまいのだ。大げさではなく、今まで食べたギョーザの中で一番うまかった気がする。美味しそうに食べる人が隣にいたからかもしれないけれど。
うっま!
うっま!
ニンニクの効いたギョーザなのにパンチで味をごまかしているわけではなく、しっかりと肉の味自体がうまい。すぐに二人で食べ切ってしまった。

続いてラーメンがやってきた。世界よ、これが大ちゃんラーメンである。
大ちゃんラーメン着丼!(「着丼」は隣にいるラーメン好きに聞いた表現です)
大ちゃんラーメン着丼!(「着丼」は隣にいるラーメン好きに聞いた表現です)
大ちゃんラーメンにはコショウが最初からかかっていた。何も知らずに来た僕たちは「たぶん二郎インスパイア系ではないか」と予想していたのだけれど、これはだいぶ違うぞ。
まずこのチャーシューがやばい。
まずこのチャーシューがやばい。
さっき江ノ島くんが眺めていたチャーシュー、これが角煮みたいに甘辛くふわふわなのだ。チャーシューってたまに油が抜けて硬いものがあったりするが、大ちゃんラーメンのそれは単品でもやっていける美味しさである。

そしてこのスープである。
美味いんだけど、何味かと聞かれるとたしかに困るスープ。
美味いんだけど、何味かと聞かれるとたしかに困るスープ。
スープはひと口目でニンニクとコショウの味を強く感じるのだけれど、ふた口目でそれが消えてスープ本来のうまさが心にしみてくる。ぼんやりしていると手が勝手に次のスープを口に運んでいた。そんな具合でするすると食べてしまうのだ。

無言で食べる様子をお互いに確認して、なぜか爆笑してしまった。
美味いと人は笑っちゃうのだ。
美味いと人は笑っちゃうのだ。
確かに投稿そのままである。うまいんだけど、大ちゃん味としかいえない味、それが大ちゃんラーメンだった。だいたい14時ごろにはスープが売り切れて終了らしいので早めに行くことをお勧めします。ここでしか食べられないラーメンですよ。
近所にほしいなー。
近所にほしいなー。

おまけだけどおまけじゃない、アクアライン

最後に僕から千葉のおすすめを載せておきたいと思う。

都内から千葉へ行くには電車もいいが、晴れた日にはぜひアクアラインを通ってみてほしい。
これぞロードトリップ!という興奮がある。
これぞロードトリップ!という興奮がある。
アクアラインは川崎側から行くと最初海底トンネルを通っていて、中間地点の「海ほたる」で地上に出たかと思うとそこから先、千葉の木更津まではスカッとまっすぐに伸びる海上の橋を走っていく。海底から地上へ、そして海の上へと移動するコントラストが進化を早回しにしているみたいで気持ちいいのだ。

そして忘れちゃいけないのが「海ほたる」である。
休憩所、海ほたる。
休憩所、海ほたる。
四方を海に囲まれているのでどこを撮っても絵になる、それが海ほたる。
四方を海に囲まれているのでどこを撮っても絵になる、それが海ほたる。
海ほたるは天気のいい休日にはものすごい混み合うのだけれど、その人ごみに負けないほどの収容力がある。買ったものを座って食べられるイスがいたるところに設置されていてそのほとんどから海が見える。

アクアラインも海ほたるも、きっとこれを目的に来る人はあまりいないんじゃないかと思う。あくまでも交通手段、休憩所、千葉か東京に行くための通過点である。これから行く人も帰りに寄る人も、ここで期待感を高めたり楽しかった思い出を再確認したりできるだろう。

なにせ極めつけがこれである。
足湯があるのだ。
足湯があるのだ。
足湯はなんと無料で入ることができる。広い海を眺めながらの足湯は、気持ちよさを通り越して感謝すらしたくなる。
ありがとう!
ありがとう!

みんながオススメする気持ちがわかる

みなさんからの投稿だけを頼りに現地に行くことで、今までまったく知らなかった千葉を体験することができました。次は逆に人に勧めたいと思います。次の投稿頼りの旅は8月に埼玉県を予定していますので、次回も投稿よろしくお願いします!
鋸山にあったポストは。
鋸山にあったポストは。
ダジャレでした。シャロン・ポストーン。
ダジャレでした。シャロン・ポストーン。


千葉県出身の岩沢さんに、さらに深い深い千葉の話を聞きました。対談編はこちら。


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