特集 2018年7月11日
 

スリランカカレーには調和と自由と優しさがつまっている

スリランカカレーは自由

スリランカカレーは複数のカレーや付け合わせを混ぜて食べるスタイルなので、混ぜ方によってその人独自の自由な食べ方が出来るのも特筆すべき点だ。
さらなる自由を求めてやってきたのは蒲田にあるアーユルヴェーダカフェDidean
さらなる自由を求めてやってきたのは蒲田にあるアーユルヴェーダカフェDidean
Dideanはアーヴェストホテルというビジネスホテルの1階に入っており朝の6時からカレーを楽しむことができる。このお店の特徴は何といってもこれだ。
自分で盛り付けることができる「セルフ・ワンプレート」です!
自分で盛り付けることができる「セルフ・ワンプレート」です!
何度でも盛れるブッフェではないので注意
何度でも盛れるブッフェではないので注意
自由な食べ方ができるスリランカカレーだが、ついには盛り方まで自由なお店が出てきてしまった。普段、何かと制約の多い社会で生きる僕らにとってこのスリランカカレーの自由さはまぶしすぎる。生まれ変わったら、鍋の底で物言わぬスリランカカレーになってもいいかもしれない。
自由に不慣れな現代人のために盛り方の説明はちゃんと用意されている
自由に不慣れな現代人のために盛り方の説明はちゃんと用意されている
早速盛り付けスタート。セルフスタイルってそれだけでテンションがあがるのはなぜだろう。
早速盛り付けスタート。セルフスタイルってそれだけでテンションがあがるのはなぜだろう。
ここではメインのチキンカレーだけは別に出してもらえるのだが、それ以外のメニューはセルフで盛り付けていく。ここでもいくつか付け合わせを紹介しよう。
これはスリランカカレーでは割と定番のビーツのカレー。カレーといっても辛さはほとんどなく、むしろ野菜の甘みが感じられる
これはスリランカカレーでは割と定番のビーツのカレー。カレーといっても辛さはほとんどなく、むしろ野菜の甘みが感じられる
右側にあるのがココナッツサンボール。ここのは酸味が強めで個人的に好きな味
右側にあるのがココナッツサンボール。ここのは酸味が強めで個人的に好きな味
一番記憶に残ったのが、中央にあるキュウリのライタ。ヨーグルトにキュウリを漬けたもので酸っぱいのだが、これがカレーにすごく合う。
一番記憶に残ったのが、中央にあるキュウリのライタ。ヨーグルトにキュウリを漬けたもので酸っぱいのだが、これがカレーにすごく合う。
このような付け合わせを盛り付けていき完成したのがこちら。
かなりインスタ映えなプレートができあがった。
かなりインスタ映えなプレートができあがった。
今回は初めてということもありお手本に忠実に盛り付けてみたが、次回以降は好きな付け合わせを多くとるなど自分の色を出していけるはずだ。仲間で集まって自分だけのワンプレートを作り、その良さを互いに発表するのも楽しいだろう。
一口食べてこの顔である。
一口食べてこの顔である。
相変わらず満足度が高い。チキンカレーはハーブが多く使われているのか少しとんがった味でけっこう辛いが、そこに豆を使った優しい味わいのカレーや甘みのあるビーツのカレーを混ぜることで辛さと甘みのバランスが釣り合い、奥深い味わいとなる。そこには紛うことなき相乗効果が生じている。
そして先ほども書いたキュウリのライタがいいアクセントになっている
そして先ほども書いたキュウリのライタがいいアクセントになっている
さらに言うと、スリランカカレーには自分だけの相乗効果を見い出せる余地があるのだ。普通の料理は食べる以前に作り手側から「ラーメン×煮玉子」「明太子×高菜」などと「この組み合わせ良くないですか?」というものが提示されていることが多い。

しかしスリランカカレーはそんなヒントはないのである。どんな組み合わせでも美味しいのだが、その中から自分だけの相乗効果を探し出すことが求められている。必要なのは探求する心だ。スリランカカレーはそんなことまで僕たちに教えてくれる。
食後にはデザートとコーヒーも出してくれます
食後にはデザートとコーヒーも出してくれます

スリランカカレーは優しい

最後は少し変わり種を紹介したい。
青山一丁目にあるタップロボーンというお店
青山一丁目にあるタップロボーンというお店
こちらも人気店でお昼時の店内はいつも混み合っている。パキスタン出身のオーナーは日本に住んで20年以上、いまや日本国籍を取得しており、スリランカ料理本来の味を日本人に伝えるためにこのお店を開いたという。
スパイスは実家の母親が選び3週間に一度直輸入しているらしい。規模のでかい仕送りだな。
スパイスは実家の母親が選び3週間に一度直輸入しているらしい。規模のでかい仕送りだな。
そんなインターナショナル仕送りによって届けられたスパイスを使って作られるのはもちろんワンプレートスタイルのスリランカカレーだが、この店では変わったメニューが食べられる。それがスリランカ式お弁当「ランプライス」だ。
がっつり「現地」っぽさのあるビジュアル
がっつり「現地」っぽさのあるビジュアル
このランプライスはワンプレートと同じく数種類のカレーと付け合わせをあぶったバナナの皮の上に盛り付けたものである。つまり違うのは容器だけなのだが、思わず手で食べてしまいそうになるくらいの異国ムードが漂っている。
バナナの皮を開くとこんな感じ
バナナの皮を開くとこんな感じ
ぎゅっと押し込められてどこかちまきのような雰囲気も醸し出しているが、正真正銘のスリランカカレーである。お米も本場通りのインディカ米を使用しており、バナナの皮で包んでいるだけあって、忠実に現地の味を再現していることが分かる。

押し込められているので一見量が少なそうだが、カレーも豆、野菜、魚と3種類入っていたり、その他にもチキンやゆで卵が入っていたりとボリューミーな一品だ。ただ全体的にあっさりめの味付けなのでぺろりと完食できてしまう。
少しずつ混ぜて食べても結局すぐに全体が混ざってしまう不思議
少しずつ混ぜて食べても結局すぐに全体が混ざってしまう不思議
それぞれのカレーもそこまでエッジが立っているわけではなく、仲良くバナナの皮に収まっている。一つ屋根の下の大家族といった趣がある。きっとスパイスと一緒にお母さんの優しさも一緒に送られてきたのだろう。まさにスリランカの母の味だ。そういえば母の味ってもう何年も食べていないな…。

スリランカに縁もゆかりもないのにうっかりセンチな気分になってしまった。スリランカカレー恐るべしだ。

スリランカカレーは調和で、自由で、優しい、と書いてきたが、それってつまり「愛」だ。スリランカカレーはつまるところ愛なのだ。

カレーを食べると元気が出るとよく聞く。多種多様なハーブや香辛料によって胃の中がすっきりするから、という理由だと言われるが、一番のスパイスになっているのは「愛」だろう。これからも嫌なことがある時や怒りが収まらない時はスリランカカレーを食べて元気を出そう。
タップロボーンでは普通のワンプレートも食べられます。こっちも美味しいです。
タップロボーンでは普通のワンプレートも食べられます。こっちも美味しいです。

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