特集 2018年7月11日
 

街のパン屋、ヤマザキショップが懐かしかった

手作りのサンドイッチ、COOK33

「この店は中途半端なんだと思います。コンビニでもないし、駄菓子屋でもない。でも店を開ける以上は、がんばっているんですけどね」
この商店街は本屋もおもちゃ屋も豆腐屋も消えたそうだが、ヤマザキショップは元気に営業中。
この商店街は本屋もおもちゃ屋も豆腐屋も消えたそうだが、ヤマザキショップは元気に営業中。
ちょっと寂しそうに語るおばちゃんだが、駄菓子屋にもコンビニにもない、この店だけのオリジナル商品がちゃんとある。

それが手作りのサンドイッチだ。
ハムで卵をくるんと巻いて挟んだハムエッグサンドのボリューム感。野菜の仕入れにもこだわっているそうです。
ハムで卵をくるんと巻いて挟んだハムエッグサンドのボリューム感。野菜の仕入れにもこだわっているそうです。
「サンドイッチは昭和56年から始めました。『COOK33』っていう店内で手作りするシステムができて、ヤマザキも力が入っていて『クックしてください!』って。それでお義母さんが東京の晴海ふ頭まで講習会にいって、店を改装して厨房を作って。その頃はまだコンビニがなかったので、よく売れました」
焼いたパンで挟んだハム玉トーストは、孫に食べさせるんだと遠方から買いに来るお客さんも多いとか。
焼いたパンで挟んだハム玉トーストは、孫に食べさせるんだと遠方から買いに来るお客さんも多いとか。
「毎日、朝4時半から作っています。安いですか? もうだいぶ前の値段ですね。値上げできないですよ。基本は習った作り方ですが、具なんかはある程度自由にやってます」

コンビニなどで売られているのとはちょっと違う、店内で作られる手作りのサンドイッチ。絶対にうまいやつだ。

ヤマザキショップというのは、どこもヤマザキから仕入れた商品を並べているだけかと思ったら、そういうわけでもないのか。
後日、大阪在住のスズキナオさんに食べていただいたところ、「そもそもパンがうまい。サンドイッチのためにあるかのようなしっとり感。さすがヤマパンです。具材は素朴な家で作ったような味わいがあってバランスも最高!」とのことでした。
後日、大阪在住のスズキナオさんに食べていただいたところ、「そもそもパンがうまい。サンドイッチのためにあるかのようなしっとり感。さすがヤマパンです。具材は素朴な家で作ったような味わいがあってバランスも最高!」とのことでした。

ヤマザキにまつわる思い出あれこれ

ヤマザキのパン屋さんに話を聞ける機会なんてめったにないと思うので、もう少し話をさせてもらった。

ヤマザキといえば、日本三大まつりのひとつともいわれる『春のパンまつり』でおなじみだが、あれは今も人気なのだろうか。うちの母親が毎年シールを集めていて、春になるとやたらパンを食べていた覚えがある。
さすがヤマザキショップ、食パンだけで何種類もある。
さすがヤマザキショップ、食パンだけで何種類もある。
月に2回だけ入荷がある最高級のパン、ゴールドソフトは一斤540円。3斤分の1本は豪華な箱入りだ。
月に2回だけ入荷がある最高級のパン、ゴールドソフトは一斤540円。3斤分の1本は豪華な箱入りだ。
「パンまつりは昭和56年からですかね。最初の頃はみんなすごく喜んで集めてくれましたけど、今はもう家の食器棚に白いお皿が何枚もあるから、もういいわーっていうお客さんもいます。でも毎年楽しみにしている人もたくさんいますから、この時期の売り上げはやっぱりいいですよ。白いお皿、フランス製でものはいいですから」

うちにも実家からもらってきた白い皿が何枚かあるのだが、次のまつりには参加してみようかな。
春のパンまつり以外にも、今はほぼ年中なんらかのキャンペーンをやっている。また10個買うと1個プレゼントみたいなサービスもヤマザキ側から提案してくれるそうだ。
春のパンまつり以外にも、今はほぼ年中なんらかのキャンペーンをやっている。また10個買うと1個プレゼントみたいなサービスもヤマザキ側から提案してくれるそうだ。
パン以外は自由に仕入れ可能なので、鳥取の白バラ牛乳などこだわりのある商品を並べることができる。
パン以外は自由に仕入れ可能なので、鳥取の白バラ牛乳などこだわりのある商品を並べることができる。
そういえばヤマザキショップでは、レジのところで6枚切りとか8枚切りにしてもらって買っていた覚えがある。あのスライスをしているシーンが好きだったのだが、今もやっているのだろうか。

「あまり注文はないですが、サンドイッチ用に薄く切ってとか、耳を取ってとか言われたら、今もここでやります。こっちで一番売れるのは5枚切り。6枚とか8枚のメモリもありますけど、ほとんど出ないですね」

やっぱり大阪は5枚切りなんだ。
今もスライサーでお好みの厚さに切ってくれるそうです。
今もスライサーでお好みの厚さに切ってくれるそうです。
私が小学校低学年の頃、確か食パン(サンロイヤルだったかな)は、赤い袋が1斤150円で、青い袋が170円だった。

お使いで150円を持って6枚切りを買いに来たんだけど、お店の在庫が青しかなく、泣きそうな顔で家に戻って、お母さんからあと20円を受け取ったことがあった。
青い袋の長い食パン、懐かしい!
青い袋の長い食パン、懐かしい!
土曜日のお昼ご飯代として300円をもらって、いくらを主食のパンに使って、どれだけお菓子に割り振るかを悩んだのもヤマザキだった。

支払いの時に小銭を落としてなくしてしまい、泣いたこともあった。

人生において大切なことは、だいぶヤマザキで学んできた気がする。

クッキーシューが美味しかった

この店にしばらく滞在していると、なんだかこの街が地元なんじゃないかという気がしてきた。。そして今がいつの時代なのかが分からなくなってくる。時間と時空がふわっとゆがむ。

店頭にある保冷ケースには、お手頃価格のケーキや、ヤマザキショップとデイリーヤマザキでしか買えないシュークリーム、そして丸ごとバナナなどが並んでいた。なんだかすごくそそられる。
保冷ケースの中にある丸ごとバナナやケーキがいつもよりもうまそうに見える。
保冷ケースの中にある丸ごとバナナやケーキがいつもよりもうまそうに見える。
デイリーヤマザキやヤマザキショップでしか買えないクッキーシューやパイシューが人気商品だそうです。
デイリーヤマザキやヤマザキショップでしか買えないクッキーシューやパイシューが人気商品だそうです。
コンビニの手軽な今風のスウィーツもいいけれど、ヤマザキだからこその安定感ある生菓子というのもいいもんだ。せっかくの機会なのでクッキーシューを購入。

家に持ち帰っていただいたのだが、これぞちょっとうれしいお土産というクオリティ。すごく口に合うのだ。

いつかなにかとても良いことがあった日に、あの1斤540円のパンを1本まるごと買ってみたいと思った。
クッキーシューは皮がザクザクして想像よりも美味しかった。どっかで見かけたらまた買おう。
クッキーシューは皮がザクザクして想像よりも美味しかった。どっかで見かけたらまた買おう。
サンロイヤル河野
大阪府大阪市此花区梅香3丁目13?6
※決まった定休日はないけれど、用事があったら休む不定休

駄菓子屋とコンビニの中間みたいな存在で、どこか存在を忘れかけていたヤマザキショップ。お店の人から話を伺うことで、その生い立ちや町内での役割の一端を知ることができた。

だからなんだという話であり、もちろん店の数だけ歴史や事情はあるのだろうけれど、今後はヤマザキショップを見かけたら、なるべく入ろうかなというくらいに心が近づいた。

「今はお腹が空いていないから、サンドイッチはまた今度でいいか」と思ってしまうくらいの地元感だった。でもよく考えたらここは家から400キロくらい離れた大阪の地だ。なぜ買わなかったんだ俺のバカッ。
別の場所で店内でパンを焼いているヤマザキを発見。いろんな業務形態があるみたい。
別の場所で店内でパンを焼いているヤマザキを発見。いろんな業務形態があるみたい。

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