特集 2018年7月14日

6月の記事ベスト5発表!&「家族をとるかダムをとるか」

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なんか暑いと思ったらもう8月です。いや違った。まだ7月か。普通に間違えました。

昨日、セミの幼虫が樹に登ろうとして出てきたところでアリの大群に捕まっているのを見ました。アリの好感度がすごい下がりました。うまく動けないところを襲うのは最低です。

やり場のない怒りを読者の皆様にぶつけたところで、まだジメジメしていた6月の記事を振り返ってみましょう!
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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PVランキング

アクセス数ランキングです。最古のWindowsに触れる記事が1位。3.1まではたまに聞きますが、1.0は初めて見ました。いっぽう平坂さんは海底2.0キロから魚を釣り上げてます。
デスクトップOSの世界シェアで、88%以上を誇るWindows。最新のバージョンはWindows10だが、いちばん最初のWindowsをご存知だろうか。
知らない道を歩いて心細くなったあと、知ってる大通りに出る。そんなとき人は言う。「へえ~、ここに出るのか~」と。あの感動だけを純粋に味わえないか。
オフィスや駅のトイレについているあれ。あれの名前はサニタイザー。全国に25万個もあるヒット商品だった。
水深2000メートルで魚釣り。もしも魚が釣れたら水深に関しては世界記録モノかもしれない。
鳥取にあるフィギュア工場見学し、想像以上に手作業が多いことに驚いた。

SNSランキング

TwitterやFacebookなどのシェア数のランキングです。「飲み会はもう外歩くのでよくないすか考」が1位。まだ涼しい当時はよかったのですが今や熱帯夜になってしまいました……。
飲み会を店でなく遠足化することによって、外のよさと店のよさが見えてきた
老人の写真をコントラスト強めにして、黒い枠にはめ込めば横溝正史の本みたくなるのではないか。知らないおばあちゃんの写真で、横溝正史風の表紙を作ってみた。
デスクトップOSの世界シェアで、88%以上を誇るWindows。最新のバージョンはWindows10だが、いちばん最初のWindowsをご存知だろうか。
オフィスや駅のトイレについているあれ。あれの名前はサニタイザー。全国に25万個もあるヒット商品だった。
鳥取にあるフィギュア工場見学し、想像以上に手作業が多いことに驚いた。
次はライター井口さんのインタビューです。
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鳥取にあるフィギュア工場見学し、想像以上に手作業が多いことに驚いた。
橋田
3月に取材依頼開始し、6月に記事が無事公開され、長丁場の作業お疲れ様でした。
無事育てあげて世に出せたって感じで、感慨深いですね。

井口
そうですね、準備期間も長い記事で思い入れがあります。そして、フィギュアに関してはいつかガッツリ記事を書いてみたいとあたためていたので、それがかなってとてもうれしいです。


橋田
鳥取の工場見学最高に興奮しましたね。
車社会だからなのか、バスの少なさには驚きました。工場に到着するまでにドキドキでしたが、なんとか行けました。本社の方に、「飛行機に合わせてのバスしかないので絶対に乗ってください」と教えていただきました。
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井口
そうですね、鳥取行くにあたり不安だったのは車が運転できないという点でしたよね!
でも事前に調べて行ったしタクシーとか駆使してなんとかなったから謎の自信につながりました。
タクシーの運転手さんやグッドスマイルカンパニーのスタッフさんがすすめていた牛骨ラーメンが食べられなかったことだけが唯一の心残りです(笑)

橋田
バスの時刻表も事前に調べられたし、ネットに情報が載っているのがありがたかった。
飛行機、バス、電車を駆使して時間通りに移動できて完璧だったし、楽しい旅でした。


井口
本当に鳥取楽しい旅でした!工場のある倉吉もいい街でしたね、瓦もつやつやしていて。

橋田
そうだ、瓦がピカピカだって往路のバスで井口さんが気づいたんですよね。それからずっと気になってました。石州瓦という瓦らしく、凍害に強く、日本海側の豪雪地帯や北海道などの寒冷地方でシェアが高いそうです。
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橋田
工場見学で、私が一番印象に残っている行程はタンポ印刷でした。
仕組みがわかるまでは、なんか上下に動いてるなって不思議でしたが、印刷面を見せてもらって感動しました。井口さんはどうですか?

井口
タンポ印刷私も実際に見てみて驚きました。フィギュアの顔とか、着物の柄とかどうやって印刷しているんだろう?ってずっと思っていたんですよ!!答えはタンポ印刷でしたね。
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橋田
上下に一定の速度で動いている機械をずっと眺めちゃいました。

そして、細かい部分を塗装するためのマスクの繊細さ、「この細かい部分だけのため!?」って。感心しましたよね。生産終了するとそのマスク本体も、スキルも不要になると聞き、震えました。

井口
手作りなの!?ってなりましたね。大きいメーカーだからもっと機械がウィーンガッシャやってると思ったんですが、手作業がほとんどで驚きました。
梱包もそうだし、フィギュアの顔とか、いろんなところに色が移らないようビニールがついてるんですけどそういうのもすべて人の手でつけてるのか!そうだよなーでもすごいなーってなりました。

そして私が一番興奮したのは塗装でしたね!
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橋田
そりゃー販売価格高くなるよな…、と納得のクオリティでしたよね。
あのリンゴ飴みたいな頭部に吹きかける技術、感心するしかなかったですね。

井口
一個一個塗装するのも早いんですよね。迷いがない。

橋田
とくに専門学校などで技術を磨いたわけでない方が作業されてて、これまた驚きでした。
そして、この技術もこの生産が終われば必要なくなる技とのことで。

井口
工場ではじめてフィギュアに触れる方が多いんですもんね。作る製品が変わる度に一から技術を習得しなきゃいけないの大変そうです。でも楽しそう。

橋田
そして、めっちゃ細かいチェック作業が行われていましたね。私には務まらなそう…と思いました。

井口
私も就活生のような気持ちで話聞いてましたけど好きだけどそれで働いていく、っていうのはまた別物だから悩ましいな…と勝手に一喜一憂してました。

橋田
「この工場にもう二度と来られなないんだろうな。」という気持ちから、再度見せてもらっちゃいましたよね。

井口
相当見せてもらいましたね。工場のみなさんにはめちゃくちゃお世話になりました…
工場のラインで見せていただいたのとは別のやつが、東京帰ってから増産決定していて嬉しくなりました!!見てきちゃったぜと誇らしげな気持ちに…!

橋田
そうなんですね!フィギュア増産決定してたんですね。

井口
そうそう人気のアレが!

橋田
鳥取倉吉について、何の期待もしていなかったせいか、夜食べたごはんがうますぎて泣きましたよね。海のものがうますぎでした。
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井口
ランチで入った店が良かったんですけどフリーダムすぎて倉吉大丈夫か…からの何食べてもおいしい!魚おいしい!で唸りましたね。また倉吉の魚食べたいです。

橋田
西村さん、先に言っておいてよ~。案件ですよね。

井口
ほんとですよ、西村さん倉吉は最高だって言っておいてほしかったです!

橋田
本社でのインタビューも、井口さんちょっといつもと違いましたよね。静かにですが、興奮しているのが伝わってきました。本社のビル受付でずらっと並んでいるフィギュアたち、かわいかったし、数の多さに圧倒されました。
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井口
本社でのインタビュー後、今日自分気持ち悪かったな……とひとり反省会やりました。

橋田
なんと!反省会!そこまでじゃなかったですよ。

カホタンさんかわいかったですね。そしてしっかりしてる!とくにフィギュアが好きじゃないのに、ブログ担当引き継いだっていうところが驚きポイントでしたね。

井口
可愛らしくて、記事では伝わらないのですが声もかわいかったです。そしてしっかりしているのに話を聞くとドジっ子属性で最強かよ!と。ネット上の人が目の前にいる!!という感動もすごかったです。

橋田
担当に任命されたものの初めての経験で、撮影の仕方にいろいろ苦労されていたようでしたよね。毎日やっているのでパネルの持ち方上手でしたよね。そんな持ち方して、一人でシャッター押せるの?っていう持ち方が素敵でした。そして、ハレパネをレフ版代わりにしてましたよね。
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井口
引き継ぎしてもらった時から設定変えてないからカメラ壊れたらピンチだし、席替えも光源が変わるから大変と言っていたのも印象に残っています。

橋田
設定はメモしておいたほうがいいですよね…

>オフィスフィギュアいっぱいで住みたい……住める……
最後のこのキャプション好きです。住める……、というより「住みたい」でしょうか。

井口
「住みたい」よりも重いのが「住める」です。「住みたい」は口をついて出ちゃうものですけど、「住める」は一瞬、水とか電気とか、交通アクセスを考慮したうえで「住める」と言ってしまう…

橋田
「住める」の方が上だったんですね。本社受付の置いてあるくらいのフィギュア集められるといいですね。

橋田
フィギュアに全く興味なかったんですが、ねんどろいど、今は欲しいです。取材前に、井口さんが「フィギュアの良さを知ってほしい」と言ってたのですが、その通りになりました。

井口
魅力が伝わってよかったです!私も150センチくらいのフィギュアケース×2を埋めてしまってからそんなにフィギュアをそんなに買わなくなっちゃっていたんですけど、フィギュア情報自体はチェックし続けていてまた欲しいなと思っています!

橋田
鳥取の二日目の三朝温泉も最高で癒されましたね。また機会があったら遠出取材ご一緒させてください!!
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井口
三朝温泉もよくて、また機会があれば理容博物館でレディース顔そり体験したいところです…!本当にありがとうございました!本当に楽しい取材で、またぜひご一緒していただけると幸いです!!


次のページはライター萩原さんのインタビューです。
いったん広告です
群馬県の北西部にある長野原町の「八ッ場ダム」工事の夜間の現場を見学させてもらった。
石川
八ッ場ダム3本目ですね。
1本目:八ッ場ダムはいまどうなっているのか(2015年7月21日)

2本目:八ッ場ダム工事、進んでいます(2016年11月11日)
現地には何回くらい行ってるんですか?

萩原
記事にしていないのも2、3回あるので工事始まってから5回くらいでしょうか。
本当は半年に1度くらい書きたいのですが

石川
過去の3本を読み返してみると、1本目がまだダム自体作ってないところ、2本目が地面掘ってるところ、そして今回が7割方できたところ、という感じでした。

萩原
実は毎回あまりに景色が変わりすぎてて、各回の場所と時間が頭の中でぜんぜんリンクしないんですよね。

石川
確かに。僕も記事読んでて、これは連続を感じるのが難しいなと思いました
萩原さんが比較写真入れてくれてるから、「そもそも面影がないんだ」ということがなんとかわかるという感じで

萩原
特に工事始まる前と基礎掘削始まった頃、この記事の2ページ目と3ページ目の間が同じ場所と思えないほどすごかったです。
こんな感じだったところが
こんな感じだったところが
こんな風に(※まったく同じ場所ではないです。同位置の比較は記事にて</a>)
こんな風に(※まったく同じ場所ではないです。同位置の比較は記事にて
石川
端っこから順番に作っていって、いまここまで出来たよー、みたいな感じじゃないんですよね

萩原
さいしょに全部なくすところからはじまるので景色の予備知識がリセットされちゃうんですよ

石川
あっ、ない!っていう

ない、というか「ここどこ?あ!え?え?」という感じですね。猿の惑星のラストのイメージ。
数回しか行っていない上にダム好きの僕でも「あーこうなっちゃうのかー...そうだよねー...」という感傷が湧くので、地元の方の感情は推し量れないです。

とはいえ八ッ場ダムの出現にはいろいろな意味で期待してますが!

石川
そこは複雑な問題がありますよね

萩原
それもあって、毎回記事の最後に「是非はともかく見に行って」と書いてるんです。

石川
なるほどー

育っとるな

石川
前回のわりと更地になってから今回っていうのは「育ったなー」って感じですか?

萩原
育ってきたなーとは思いますね。工事中のダムって本当に「親戚の子供」並みにあっという間に大きくなるんですよ。
こないだ幼稚園に入ったと思ったら、もう成人してたの?みたいな。ポチ袋握りしめながら。

石川
完成予定はいつなんでしたっけ?

萩原
本体は今年か来年にはできる予定...だった気がします。確か来年のどこからかで水を貯め始めて満タンまで貯めて安全が確認されたら晴れて管理に移行、という感じだと思います。

石川
そうか、水を貯めるっていうフェーズがあるんですね。それも見たい。

萩原
そうなんですよ。水を貯めるためにいま流しているトンネルの入り口を塞ぐ式典のときと、満タンになっていちばん上から最初の放流をするとき、そこは絶対見たいです。それを見逃さないためにこれまで何回も通って事務所の人に顔と名前を覚えてもらってる、というのもあるかもしれません。

石川
あはは、営業活動もかねて

萩原
八ッ場の最初の放流を見る、というのにいまダムライター人生を賭けてるようなところがあります。そういうときに限ってあっさり本業の仕事が入ってたりするんですが

石川
人生が…

萩原
あといつ満タンになるかが、それこそ自然任せなので直前まで分からないんですよね。
だから工事中のダムが満水近くなるとダム好き界隈はざわつき始めます。推理合戦が始まったり

石川
そもそもなんですけど、最初って川の水を入れるんですか?下流の水がなくなりそうですが

萩原
下流に必要な分は流しつつ、余分な分を貯めていきます。なので余計に分からない。
2、3年貯めて結局満水にならず、そのまま管理に移行したダムもある、と聞いたことがあります。これ言っていいのかな…

石川
管理に移行っていうのは?

萩原
最終的に安全や機能が確認されるまでは「工事」なので「工事事務所」が担当なのですが、それが終わると「管理」に移行して「管理事務所」が運営を始めるのです。引き渡しというか

石川
あー、じゃあ満水じゃないまま引き渡されたという

萩原
ふつうはいったん満水にして、また下げ切ってから管理に移行だったかな?

石川
それが、一回も満水にならないまま移行しちゃったと。へー
じゃあほんと今回も長い戦いになる可能性ありますね。ダムライター人生をかけた戦い

家族をとるかダムをとるか

萩原
あそこは湖も大きいし、なによりいい意味でも悪い意味でも注目されてるダムなので、安全性の確認はいつもより念入りにするのではと思います。
ただ逆に注目されてるので通常より早めに告知してくれるのでは、という期待も少ししています。そういう時に限って本業の仕事が入ったりするんですけどね。

石川
もう辞めるしかないですね

萩原
あっさり!言い切った!

石川
人生かかってるんですよ!

萩原
でも確かにいろいろなダムがらみの行事行けなくてここ数年何度もぐらついてるんですよね。

石川
マジな話になってきた。ご家庭もあるしよく考えた方が…(急に弱気)

萩原
家族をとるかダムをとるか、って会話、まじで何度か我が家で出てますよ

石川
わー

萩原
先日のイギリス行きはダムをとりました。半年くらい前から泣きながら嫁を説得して
石川
わー、と思うけど完全に分かります。
僕もヘボコンでアメリカ行ったりしてるので…どっち取るとかじゃないよ、両立だよ!!っていう。
ダムにたくさん行くと仕事が増えて家庭も潤うんだよ…!!

萩原
今しかないんだよ!頼む!みたいな。
ヘボコンはいちおう本業の業務扱いじゃないですか、ダムは完全に趣味ですからね

石川
あー、なおさら厳しい板挟み…。
そういうのの切り抜け方を共有するグループを作りたいですね。家庭持ちで取材とかイベントやってる人を集めた会

萩原
ホントみんなどうやって家庭と両立してるのか知りたいです。
さいきんDPZでみんなやたら海外行ってるじゃないですか、死ぬほど羨ましかったのと同時にどうやって家庭とやりくりしてんだ、とずっと思ってました。

石川
みんな苦労してるんじゃないかなと思います。言わないけど。僕は苦労してます。
今度ほんとに会をやりましょう。家庭調整の要らないオンラインで…

萩原
やりましょう。
そういう経緯もあって、今年下半期は家族最優先です

石川
水がたまる前に家族優先しておいてください。たまったときにダムを取るために…

萩原
八ッ場に関しては理解してもらってる..と信じたい。でもそういう時に限って子供の運動会とか入るんですけどね。
あ、いちおう誤解なきよう言っておくと、イギリス行きに関しても嫁は最終的に「それなら頑張って行ってこい」と納得して送り出してくれました。

石川
あはは
それは言っとかないと

萩原
記事になった時にこれ絶対入れてください

石川
萩原さんの海外記事出るたびに「裏で家族が泣いてるんだな…」みたいな印象になりますからね。超裏話、どうもありがとうございました。

7月の予定

来月になりますが、8/4~5はMaker Faire Tokyo。8/4~5、毎年恒例DIYの祭典。ヘボコン、デカ顔、記事で作った工作展示など。ヘボコンは事前登録も募集しております。さらなる最新情報はTwitterFacebookを御チェックのほどお願い申し上げます。
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