特集 2018年7月17日
 

「どうだ明るくなったろう」をハイパワーにする

あの百円札で、こんなにも!
あの百円札で、こんなにも!
教科書にも載った有名な風刺画、「どうだ明るくなったろう」。第一次世界大戦の特需から生まれた成金オヤジが、百円紙幣に火をつけて暗い玄関を照らし、女性らにいい格好する、というものだ

しかし紙幣に火をつけても、まだ玄関は暗いのではないか。これくらい、明るくしたほうがいいのではないか。
1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。

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パワーLEDの威力をまとった「百円」

まずここで、和田邦坊画伯の手になる元絵を謹んで模写したので掲げておく。本物は各自でご検索ください。
このオヤジ、見慣れて安心感さえ覚える。
このオヤジ、見慣れて安心感さえ覚える。
やにさがった様子のオヤジ、あっけなく燃やされる百円札。妙に心に残る絵だ。
しかし、見るたび不安になるのだ。その火をつけたお札、熱くないのか。燃え移ったりしないか。消す時は踏むのか。水かけるのか。

Wikipediaによると、この絵のモデルは山本唯三郎という実業家だそうだが、彼が燃やしたのはペラ1のお札ではなく「札束」らしい。それでも、というかだからこそ、そんな束に火なんかつけたら大変なことになるのではないか。

そんなことはさておき。
もう一つ疑問がある。お札燃やしたくらいで、靴を探しだすに足りる光量はあるのか。

ここで参考までに、以前他の雑誌向けに作った、ローソク版「どうだ明るくなったろう装置」を示す。
この旧紙幣デザインは、時代考証的には違うらしいぞ。
この旧紙幣デザインは、時代考証的には違うらしいぞ。
どんだけ「どうだ明るく〜」が好きなんだ私は、ということはさておき、これは元絵に忠実に、炎を使って玄関を照らそうと、ローソクを固めて作ったものである。

お札燃やすよりは安心であるが、やはりこれでは、夜も眠らない現代の街において明るさがいまいち足りないように思える。

ならば、ものすごく明るいLEDを仕込んだ装置で「どうだ明るく?」(もう以後「D・A・N=Douda Akaruku Nattarou」って略していいっすか?)を作るのが、これからの時代、急務なのではないだろうか。

さっそく、テクノ手芸部のよしださんに教えを請うと、即答でパワーLEDを推薦いただいた。以前、メカシナガワンの目を光らせたときのテクノロジーをまるっと教えてもらったのだ。大変ありがたい。

当方、電子工作は太古の昔に挫折したので、その教えを一言一句忠実に守り、おそるおそる材料を購入した。
成功する気がしない。
成功する気がしない。
気が遠くなる。それでも、くさび文字を解読するような慎重さで説明書など読んで、のそのそと仮組みしていったら…
挫折はしたが、クリップや電池ボックスなど、夢の残骸は家にまだあるのです。
挫折はしたが、クリップや電池ボックスなど、夢の残骸は家にまだあるのです。
私にもできた!
私にもできた!

ビカビカ!
「ピ」じゃないですよ「ビ」ですよ。ビッカビカですよ!

ああ、ホッとした。これで電気的な部分は大丈夫である。

しかし、ガワという、これまたやっかいな山があるのだ。どうすべ。そういえば家に2mm厚のプラ板があったはずだ。
寸法測ってはカッターで筋を入れてパキッと折るお仕事。
寸法測ってはカッターで筋を入れてパキッと折るお仕事。
プラ板を強力接着剤でつなぎ、強化用角材をかます。
プラ板を強力接着剤でつなぎ、強化用角材をかます。
オヤジのモデルとなった、例の山本氏、彼が隆盛を誇っていたのは大正初期のようである。その時代の百円紙幣(大黒様の像が描かれた日本銀行兌換銀券)のサイズ縦116mm × 横186mmにて、各パーツの寸法を定める。厚さは、先に組んだ電気系統の寸法に合わせ、30mmとした。モデルは札束だし、ちょうどいい。
元絵をなぞるため、LED位置は正面左上の一角とする。
元絵をなぞるため、LED位置は正面左上の一角とする。
あれこれと場ミり中。
あれこれと場ミり中。
場ミッたとおりに固定できるよう、プラ板で細かく仕切る。お中元の箱みたいだ。
場ミッたとおりに固定できるよう、プラ板で細かく仕切る。お中元の箱みたいだ。
なんで私はこんなに精魂込めているのだ。よくわからなくなってきた。でもあのパワーLEDの輝きを最高に生かしたい、そしてかっこよく玄関で点灯させたい。その一念が、私を突き動かしていた。オレ、これが無事完成したら、アレをするんだ…!
スイッチの位置は、あの成金オヤジもたぶんここなら持ちやすいだろう。
スイッチの位置は、あの成金オヤジもたぶんここなら持ちやすいだろう。
ここ、本物の紙幣っぽくするか迷ったが、今回は風刺画にならってこのテイストで。けっしてめんどくさかったからではない。
ここ、本物の紙幣っぽくするか迷ったが、今回は風刺画にならってこのテイストで。けっしてめんどくさかったからではない。
さあ、ネオDAN、ネオ「どうだ明るくなったろう」ツールは、果たしてどんな輝きで玄関を、未来を照らしてくれるのだろうか。

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