特集 2018年7月31日
 

文明として高度! 札幌のシメのパフェとは

札幌の人はお酒とアイスを愛してる

加速度的に一気に定着したのは、磯崎さんたち委員会が「シメパフェ」という言葉を作ってとりまとめをしてPR活動を行いだしたというのも間違いなく大きいようだ。そこから札幌のフードフェスや全国の催事に広まったという。

とはいえそれ以前からシメにパフェを出す店があり食べる人もいたわけで……。その理由、ポイントは「アイスクリーム」ではないかと磯崎さん。
「札幌のパフェってほかの地域のフルーツパーラーのフルーツたっぷりのパフェと違ってアイスクリームが多めなんです。

そもそも札幌の人はアイスクリームが好きなんです。冬でもアイスクリームをすごく食べるんですね。

アイスクリームとかソフトクリームが入ってるパフェを年中食べるのも不思議じゃないんですよ」


よく聞く話だが、北海道の住宅というのは保温と暖房に強烈に特化しており厳寒期も室内はぽかぽかにあたたかい。半袖で過ごすこともあるくらいだそうだ。

もともとお酒を飲んだあとにちょっとアイスを買って食べることが多い流れがあったため、お酒のあとにアイス中心のパフェというのも唐突に感じない土壌があるのではということだった。
北海道には雪印パーラーという雪印の喫茶店チェーンがあるのだが……
北海道には雪印パーラーという雪印の喫茶店チェーンがあるのだが……
ここのパフェのいち推しは「スノーロイヤル」という特別なアイスクリームを使ったパフェ。注文から3分くらいだろうか、驚くべき速さで出てきた
ここのパフェのいち推しは「スノーロイヤル」という特別なアイスクリームを使ったパフェ。注文から3分くらいだろうか、驚くべき速さで出てきた
下から上までほとんどアイスというパフェだった。めちゃめちゃに濃い! これまた体験としてぜいたくすぎた
下から上までほとんどアイスというパフェだった。めちゃめちゃに濃い! なるほど札幌のパフェはアイスに力が入っている
「札幌は国内の都市の中でもアルコールの消費量がかなり上位なんだそうです。パフェも好きだし、お酒も良く飲むんですよね。

アイスクリームというのは糖質もたんぱく質も含まれていて、肝機能を高め、二日酔いの防止に効くらしいという話もあるようです。いろいろと理にかなってる。

お酒を飲まない人も増えてきているので、基本的にお酒も出すシメパフェのお店はお酒を飲む人と飲まない人が共存しやすい部分もあったんだと思います。」


アイスクリームもお酒も身近であり、食べ合わせとして間違っていない。さらに昨今のアルコール離れも意外に一役買って……。なるほど……これは追い風吹きまくりだ。
「白い恋人」の石屋製菓のカフェにもパフェが。ソフトクリーム中心だ
「白い恋人」の石屋製菓のカフェにもパフェが。ソフトクリーム中心だ

「パフェの値段についても、バー行くかもう1軒居酒屋行くかってなったときに入れる選択肢としては高くはないと思うんですね。お酒とパフェのセットで少し安くして提供しているお店もありますし」


なぜシメにパフェなのか。そしてなぜ札幌なのか。解けないパズルが解けてしまいそうではないか。

ブームではなくもはや普通にいちジャンル

ガチャンガチャンとはまるパズルのピースはまだある。


・小豆(あんこ)や大豆(きなこ)の生産量は多いが和菓子よりも洋菓子に脈々と人気がある。
→甘味よりもパフェ

・道民性として流行ものが好きな人が多い
→行列もへっちゃら
すすきのは雑居ビルのテナントが多い。パフェ専門店もそういうところによく入っていて座席が少なく勢い行列ができやすいんだそうだ。さきほど開店前の写真をのせたななかま堂もそうだった。
すすきのは雑居ビルが多い。パフェ専門店もそういうところによく入っていて座席が少なく勢い行列ができやすいんだそうだ。さきほど開店前の写真をのせたななかま堂もそうだった。
・すすきのは飲んで地下鉄やタクシーで帰る人が多い、自分で運転して帰らない
→夜の文化が発達しやすい

・一大観光地だが今まで光の当たらなかった喫茶文化に光があたり関係者も発奮
→魚介、ジンギスカン、ラーメン、スープカレー以外に観光客を呼ぶチャンスがやってきた

様々な要因がきれいにつながり盛り上がったのが飲んだ後のパフェだったのだ。

「ブームという感じじゃなくてジャンルとして定着した感じがしますね」

もろもろ、ものすごく納得させられてしまった。

素材にこだわりオーナーさんが牧場を買いそうになっているお店があったり、チョコレートを極めるためにベトナムへ行く店主がいたりと店側の熱いパフェ向上心のようなものも高まっていっているという。

名物の台頭としてものすごくうまくいっているのだ。ふるえる。
冒頭でも掲載した「夜パフェ専門店 パフェテリア パル」のパフェ。カクテルのゼリーがひらひらかぶさっている。芸術性がすごい
冒頭でも掲載した「夜パフェ専門店 パフェテリア パル」のパフェ。カクテルのゼリーがひらひらかぶさっている。芸術性がすごい
「幸せのレシピ スイート」には味覚を変化させる実(ミラクルフルーツ)を使ったパフェがあった。実験的だ
「幸せのレシピ スイート」には味覚を変化させる実(ミラクルフルーツ)を使ったパフェがあった。実験的だ
磯崎さんにももはやシメにパフェを出す店をすべては把握できないレベルだそうだ。

「このあいだはキャバクラの看板に『シメパフェ付き』って書いてあるのを見かけて。ここまできたか! と笑」

流行り、そして定着し、一大観光地の強みで観光客を巻き込んでさらに拡大しようとしている。パフェと札幌の街のケミストリーがすごい。

興奮した。誰か煮え湯を持ってきてくれ! 俺は飲む!(おなかが冷えたから……!)
お話を聞かせてもらった磯崎さんの所属会社が運営するMIRAI.ST cafe & kitchenのパフェ
お話を聞かせてもらった磯崎さんの所属会社が運営するMIRAI.ST cafe & kitchenのパフェ
標茶町という酪農の街の牧場に作ってもらった乳脂肪の高いソフトクリームがバターのような味わいなのにあっさりしていて、北海道の地肩が強すぎる
標茶町という酪農の街の新鮮なミルクで作ってもらっているという乳脂肪の高いソフトクリームがバターのような味わいなのにあっさりしていて、北海道の地肩が強すぎる

「年越しパフェ」もきている……!

・夜
・高額
・行列

シメのパフェをとりかこむこの3つの要素。すべてを乗り越えてよくぞ流行したものだと驚いたのだが、むしろすべててが流行のための必然であった。

昨年末、磯崎さんの同僚の方は年の最後を締めくくるためパフェを食べようと考えたらしい。飲みのシメではなく、1年のシメのパフェを、と。

しかし同じことを考える人で店はいつも以上の大混雑、5軒をハシゴしてようやく食べられたのだそうだ。

いまやシメのラーメンに肩を並べたシメのパフェ、次に狙うのは年越しそばの座である。年越しパフェ、語呂も悪くない。麺類をまさかパフェが脅かすとはだれが思っただろう。

札幌シメパフェ、興味深すぎる高度文明を見た。


取材のご協力ありがとうございました!
 「札幌パフェ推進委員会」
雪印パーラー、食事は11時からだがパフェは10時から食べられる。朝パフェも行ける札幌クオリティ
雪印パーラー、食事は11時からだがパフェは10時から食べられる。朝パフェも行ける札幌クオリティ

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