特集 2018年8月1日
 

新書―テーマ・タイトルをどう決めるのか

気になる「新書」の話をきいてみた
気になる「新書」の話をきいてみた
いま、書店で売られている書籍のフォーマットとして、まずおもいだすのは、単行本、文庫本、新書。あたりだろうか。

単行本で出た本は、数年後、文庫化されて、文庫本として発売されるんだな。というのはなんとなくわかる。

気になるのは新書である。じつにさまざまな出版社が、いろんなレーベルでもって毎月何冊も新書を出版している。

この、新書という本は、いったいどんなふうに企画されて、どんなふうに出版されているのか。話をきいてきた。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。

前の記事:「こんなにいろんな物が写っているのに手がかりが無い~ここはどこでしょう? 39回」
人気記事:「あの「HG創英角ポップ体」の元となった直筆生原稿を見た」

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中公新書の編集者にはなしをきいた

ちょっとまえのことになるけれど、不肖この私めも、著書を新書で出版させていただいた。『ふしぎな県境』という書籍である。

先日は、印刷と製本をしているところも見学させてもらい、記事にした。

印刷、製本工場見学の記事でも少しふれたのだが、この本、執筆の依頼がきてから出るまでに、実に3年ぐらいかかっている。

これに関しては、たんに、ぼくが遅筆だということなのだけれども、他の新書はどれぐらいのスピードで執筆されているのか、そもそも、新書の企画はどんなふうに決めているのか。新書の編集まわりの話も聞いてみたくなってきた。

そこで、ぼくの『ふしぎな県境』を編集してくださった、中央公論新社の方に、そのあたりを伺ってみることにした。
右から、酒井さんと田中さん
右から、酒井さんと田中さん
お話を伺ったのは、ぼくの『ふしぎな県境』を編集してくださった酒井さん、そして、中公新書編集部部長の田中さん。

執筆依頼から出版まで3年ぐらいはよくある

新書の新刊って、めちゃめちゃ出てるイメージがありますけれど、中公新書は年間に、何冊出しているんですか。
毎月4、5冊出てて、年に55冊ほど出てますね。新書の編集部は8人ですから、だいたい1年でひとり7冊ぐらい出すわけですね。
ひとりで同時に7冊も……いや、執筆依頼してから進んでないものもあるから、ひとりで進めている案件は7冊どころじゃないのか。
私が担当している案件、数えてみたら、50件近くありました。
えぇ……。
……、それ、全部本になる予定ですか……。
いや、ならないものもあります。
話が立ち消えになるやつですかね……ライターやってると、身に覚えがある話ですね……。
いちばん多いのは、自然消滅する感じですね、はっきり「とりやめましょう」というのはあまりないんです。執筆を依頼していた著者の方が、執筆する気がなくなってしまったとか……理由はいろいろですが。
西村さんの『ふしぎな県境』も、わたし途中で「あれ、あの県境の本はもうでないのかな?」って思いましたよ。
えーと、そうですね……執筆にたいへん時間がかかりまして……最初にお話頂いたのが2014年の終わりですね、ほんとは2015年の秋には出る予定だったんですけども、他のこともいろいろやりながらだったので……いやでも出てよかった。
結果として柳生の三県境が話題になったりして、タイミングはすごく良かったんじゃないですか。
執筆依頼から、実際に本が出るまで、普通はどれぐらいで出るものなんですか?
もう、それは様々です、でも、2年、3年かかるのは普通ですよ。中には30年かかった本ありますから。
30年……それ、編集のひとが代替わりしますよね確実に……、ちなみになんて本ですか?
『吉田松陰』(田中彰・中公新書)ですね。
「刊行までに30年かかった新書がある、2、3年かかるのは普通」という事実をもって、私の仕事の遅さが免罪されるわけではなが、さすがに30年はすごい。書く方もだが、原稿を待ち続ける編集者の方もすごい。だって30年って、「笑っていいとも」が始まって終わるまでぐらいの期間とほぼ同じですよ。

新書の歴史についてざっくり説明

新書に関しては、過去に「新書のタイトルを考えよう」という記事でもとりあげたことがある。が、せっかくなので、ここで中公新書を中心に新書の概要と歴史をざっくり紹介しておきたい。

新書とは、サイズが文庫よりも大きく、単行本よりも小さいソフトカバーの判型のものが「新書」と呼ばれている。
新書の大きさ
新書の大きさ
1938年に岩波書店が、このサイズの書籍を「新書」として「岩波新書」を創刊したのが新書のはじまりといわれている。

ただし、当時は、新書というのは岩波書店の岩波新書の固有名詞というイメージが強かったようで、「単行本よりかろやかで、文庫判よりは『本』らしい」この判型のことを一般に「軽装版」と呼んでいたという。(加藤秀俊『創刊のころ』中公新書総解説目録 2012年)

中央公論社が、新書を創刊したのが、1962年(昭和37年)。当初、ビジネスマンが、出張に出たさい、東京―大阪間の6時間30分の車中で1冊読み通せる内容と分量を目安につくられたという。
新幹線開通(1964年)前の1962年は、東京―大阪間の特急列車は6時間半かかっていたが、新幹線で一気に4時間まで短縮された
新幹線開通(1964年)前の1962年は、東京―大阪間の特急列車は6時間半かかっていたが、新幹線で一気に4時間まで短縮された
中公新書には、発売された順番で通し番号がつけられており、1962年11月に発売された1番は桑原武夫の『日本の名著』である。番号ひとケタ台の他のラインナップには、会田雄次『アーロン収容所』(3番)、林周二『流通革命』(4番)、三田村泰助『宦官』(7番)などがあり、いずれも新書史に残る名著だ。
特に、『日本の名著』、『アーロン収容所』、『宦官』は、今でも版が重ねられており、書店で入手が可能である。
編集部には、いままで発売されたすべての新書が保管してある。
編集部には、いままで発売されたすべての新書が保管してある。

どんなテーマが新書になるのか

さて、新書の企画は、いったい、どんなテーマをどこからどうやってみつけてきて、本にしているのか。きいてみた。
そうですね、まず、ネタが先にあるのと、著者が先にあるのとでパターンがふたつあるんです。
こういうネタを本にしたいけれど、適当な著者がいないか探す、というパターン。もうひとつは、この著者がいて、なにか書いてほしい、というパターン。
『ふしぎな県境』は、テーマが先にあった?
西村さんの本は、もともと仕事とは関係なく、デイリーポータルZを読ませてもらっていて、当時、他社の書籍ですが『ふしぎな国道』(佐藤健太郎・講談社現代新書)という本があって、これが本になるなら西村さんがデイリーポータルZでよく書いてらした県境の話も本になるのでは? と思ってお声がけしたんです。
ほんとうに、ありがたいことです。
いや、私はね、もう正直、いいかげんいいんじゃないかって思ってたんですよ。
また県境かーという感じでね。
でも、ずーっと書いてて、最終的に本が出てよかったですよ。
じゃっかん、疎まれながらも、続けてきたかいがあった。仕事でもなんでも、続けることが大事だという話を最近いろんなところで見聞きするけれど、まったくそのとおりである。

著者と編集者は恋愛関係にちかい?

最初にテーマがある場合は、そのテーマを研究しているひとや書けそうなひとを探して、連絡して、依頼する。著者が先の場合は、その著者の他の本などを読んで依頼します。
論文や既刊の書籍を調べるわけですね。たいへんですよね。
でも、新書の編集ってあるいみ楽なんですよ。つまり、これが例えば、週刊誌の記者だったら、会いたくないと言っているひとのところにも行って、無理やり話を聞き出さなきゃならない。
そうか……週刊誌の記者は心労がたまりそうですね。
その点、新書の編集者は、自分が会いたいと思っているひとのところに行って、執筆をお願いするわけですから。で、著者も書きたいと言ってくれて、こちらも書いてほしいということになれば、相思相愛なんですよ。
相思相愛かー。著者と編集者の関係って、恋愛感情にも似たものあるのかな? 著者の書きたいという気持ちが薄れてきたら、自然消滅するわけですし。
著者に、お願いするときは、あなたの論文のどんなところがおもしろい、とか、こんなテーマでぜひあなたの本を出したいといったふうに、お願いするわけです。まさにラブレターですよ。
場合によっては、執筆依頼の連絡で、蛇腹の便箋に筆で手紙をしたためたりするひともいますよ。こうなると恋文ですね。
本を書いてもらうように口説くとかいいますもんね……。
執筆をお願いしているあいだは、こちらから、厳しく催促するようなことはあまりしませんから、著者の方が原稿を送ってくださってやり取りして。必要であれば、お会いして打ち合わせして。というのを繰り返して、遠距離恋愛みたいな感じですね。
あまり、催促をしない。というのはたしかにそうで、ぼくも、原稿の催促はまったくされなかった。

とはいえ「ぜひ書いてください」と、お願いされているわけで「まだ書いてない原稿がある」と、原稿のことは常に心のかたすみにあった。

だから、恋愛感情といっても、頻繁に連絡をとりあうような、青春時代の甘酸っぱい恋愛という感じではない。付き合ってもう何年も経ったカップルの恋愛感情に近いといったほうがいいかもしれない。べったりではない、適度な距離感はあった。
たまに、催促ではない、私が興味を持ちそうな話題についてメールで情報を下さったりと、つかず離れずの間合いのとり方は絶妙であった。

新書のテーマについて

酒井さんによると、新書のテーマには大きくわけて、だいたい7種類ぐらいのテーマにわけられるという。
@「入門書」

『日本の名著―近代の思想』桑原武夫編
『音楽の聴き方』岡田暁夫
A「名前ぐらい知っているけれどよく知らないもの」

『シュメル―人類最古の文明』小林登志子
『応仁の乱』呉座勇一
B「著者の最前線の研究の紹介」

『贈与の歴史学』桜井英治
『人はなぜ集団になると怠けるのか』釘原直樹
C「今の話題」

『小惑星探査機はやぶさ』川口淳一郎
『ポピュリズムとは何か』水島治郎
D「ハウツー」

『「超」整理法』野口悠紀雄
『理科系の作文技術』木下是雄
E「大家の思想」

『日本人と日本文化』司馬遼太郎/ドナルド・キーン
『漢字百話』白川静
F「エッセイ的な読み物」

『アーロン収容所』会田雄次
『酒場詩人の流儀』吉田類
以上である。
Aの「名前ぐらいは知っているけれど、よく知らないもの」というのは、当サイトでも得意な分野かもしれない。
例えば、トイレの便器の上にある「カルミック」とか、創英角ポップ体みたいな記事はよく読まれる。

ただ、中公新書のいう「名前ぐらいは知っているけれど、よく知らないもの」は、「シュメル」とか「応仁の乱」といった、百科事典の項目になっているようなものである。こちらのほうが、高尚さがある。
名前は知っているけどよく知らないもの(作者 Rosemaniakos from Bejing (hometown) (Flickr) [CC BY-SA 2.0  (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0)], ウィキメディア・コモンズ経由で)
名前は知っているけどよく知らないもの(作者 Rosemaniakos from Bejing (hometown) (Flickr) [CC BY-SA 2.0], ウィキメディア・コモンズ経由で)
C「今の話題」というのは、いわゆる時事ネタというものだ。

例に挙がっている『ポピュリズムとは何か』については、もともと、トランプが大統領選に出る前から企画されており、時期を狙ったものではなかったという。それが、あれよあれよというまにトランプ大統領が誕生し、偶然にも「今話題の!」となったのだそうだ。

また、今ならば、AIやビッグデータ、フィンテックあたりの「横書きの流行り言葉を縦書きで解説」するようなものが、いいらしい。

しかし、すぐに話題が廃れがちな昨今、あるテーマで執筆依頼をしてから、数ヶ月で原稿をかきあげ、出版にまでこぎつけたとしても、そのテーマが下火になっているリスクもあるという。

ただ、「新書」の本来の意味ではこういうものを出すが本道なんですよ、と酒井さんはいう。
偶然、時勢に乗った『ポピュリズムとは何か』
偶然、時勢に乗った『ポピュリズムとは何か』
D「ハウツー」は、そのままハウツーものだ。
『「超」整理法』や『理科系の作文技術』などをみてみると、こういったジャンルの本は、ものすごく売れているようなイメージがある。ところが、やはりその後ろには死屍累々の「売れてないハウツーもの」もあるそうだ。

その他、ハウツーものといえば、健康モノというのもよく売れるらしい。いろんなところをもんだり鍛えたりするやつだ。

ただ、こういった健康ものは、中公新書ではあまり扱わず、どちらかというと、医学の学術寄りな話題がテーマになることが多い。
グーでもむ腎臓
グーでもむ腎臓
E「大家の思想」
著者ありきの企画だ。司馬遼太郎とドナルド・キーン、白川静といった、おじいちゃん大家が総まとめ的な感じで執筆するイメージだ。
去年、売れた新書で、大家の思想にあたるやつって、ビートたけしの『バカ論』(ビートたけし・新潮社)なんかがそれにあたるのでは? ビートたけしが大家という状況、タケちゃんマンをみてた小学生の俺に教えても信じないと思いますが。
あと、これは、伝えきいた話なんですが、各社が「おばあさんの著者」を一生懸命探しているって話を聞きますね。
おばあさん?
おばあさんが叱るとか、『置かれた場所で咲きなさい』みたいな人生訓の本を、著者よりすこし年下の女性が買うという
あー、おばあさんをリスペクトするって方向性ありますよね。わかります。すごく層として厚いと思う、瀬戸内寂聴とかまさにそうだし。おばあさんじゃないですけど、美輪明宏なんかも同じ立ち位置にいませんか?
美輪さんは『婦人公論』の表紙に登場していますもんね。
やはり、自分たちがそのうち体験するであろう境遇のひとの話というのは、興味があるのだろうか。集団予防接種を先に受けたやつに「痛かった?」と聞くやつである。

タイトル案過去最多

実際に、著者に執筆をお願いし、編集部や会社での会議で企画が通ったら、あとは執筆のみである。
新書は、表紙のデザインを決めたり、判型(本の形)をどうするか。といったことは考えなくてよいので、気をつかうのはタイトルと帯ぐらいだ。

タイトルに関しては、著者にいくつか案を出してもらい、編集と営業の会議で案を考えて決める。
『ふしぎな県境』の、タイトルを決めるときに西村さんからきたタイトル案がこちらですね。
タイトル案
タイトル案
わ、なんだこれ。漫☆画太郎みたいなタイトル案あるじゃないですか。
新書のタイトルに☆が入ってたらおもしろいかなって思ったんですよ。正直、最初の10個以外はもう、パクリですね。
「ノー県境、ノーライフ」は意味がわからないし「欲しがりません県境までは」ってなにを我慢してるんですか?
なんかひとつぐらい会議で「あはは」って笑ってもらえればと思ってバーっと適当に出したんです。
いやでも、普通こんなにタイトル案出ないですよ。研究者の方だと多くて5つぐらいですから。過去最多では?
結局、『ふしぎな県境』はタイトル案の中にあった「ふしぎな県境の謎」を元に、決まったんです。サブタイトルの「あるける、またげる、愉しめる」で内容をちょっと説明という感じですね。
『ふしぎな◯◯』というのは、流行ってたんですよね。最初は『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎、大澤真幸・講談社現代新書)だったかな、そのあと、『ふしぎな国道』(佐藤健太郎・講談社現代新書)があって、完全に乗っかった感じで先行の著者の方にたいへん申し訳ないんですが……。
中公新書は、そんなにとんがったタイトルはつけないんですが、これでもかなり頑張ったほうです。サブタイトルで「またげる」って宣言しましたけど、べつに、みんなまたぎたいってことないですよね。でも、あえて言っているというわけです。
まあ、読んでいただければ、またぎたくなると思います……。

まっすぐなタイトルが多い中公新書

一時期流行った文章みたいなタイトルの新書。中公新書さんのもの見てると、そんなにないですね。あることはありますけど、サブタイトルで説明したりしてますね。
例えば、『人種とスポーツ』(川島浩平・中公新書)というタイトルの本のサブタイトルは「黒人は本当に「速く」「強い」のか」である。他の出版社だとサブタイトルをタイトルにもってきてもおかしくない。
これは各出版社のカラーによりますよね。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉・光文社新書)以降すごく増えましたけど、岩波新書や中公新書は文章みたいなタイトルはあまりつけないですね。『応仁の乱』とか、『定年後』みたいに、まっすぐなタイトルが多い。
『イタリア人と日本人、どっちがバカ?』(ファブリツィオ グラッセッリ・文春新書)とか。
そういうのは中公新書ではつけないですね……。

帯にも気合をいれる

タイトル以外で気になってるのが、帯なんですけど、最近、勢い余って、もう、カバーぐらいデカイ帯つけてるやつありませんか?
ありますね、でも、これよーくみてください。
どちらも、全面帯。カバーの意味とは
どちらも、全面帯。カバーの意味とは
ほんとうはこれが表紙
ほんとうはこれが表紙
でもよーくみてください
でもよーくみてください
カバーより少しだけ寸足らず
カバーより少しだけ寸足らず
これ、カバーより帯が少しだけ短いんです。
うわー、本当だ。カバーより1ミリほど短い。だから帯だと。
そうです、こうした全面帯は、売れている新書を新しい読者にも広げたいときに、巻いて出荷するんです。つまり、とくに販売に力を入れている本の目印でもあります。

3メートル離れてみてみる

やはり、新書って、装丁が一緒ですから、やっぱりタイトルと帯は凝って作ってますね。
例えばさっきの『地方消滅』(増田寛也・中公新書)は、タイトルが衝撃的ですもんね。
衝撃的なタイトルからの、サブタイトルで「東京一極集中が招く人口急減」で中身の説明。帯の日本地図の赤い場所は消滅する自治体! みたいなイメージで、たしかに凝ってますね。
これ、書店で手にとったら、ぜったい自分の地元調べますもん。
言いたいことが表紙に全部書いてある
言いたいことが表紙に全部書いてある
書店で、3メートルはなれたところから見て「なんだ?」と思ってもらえる帯を想定して作ってはいるんです。だから、インパクトのある写真を持って来たいんですね。
インパクトのある帯
インパクトのある帯
やはり、店頭で見てほしいのはタイトルと、帯。なんですね。サブタイトルはやっぱり「サブ」タイトルではある。
それって、あくまで書店用のデザインということですよね。
ただ、一応、最近はネットでどんなふうに検索されるのかを想定してタイトルもサブタイトルも考えるようにはしているんです。できるだけ固有名詞入れようとか。
あ、新書のタイトルでSEOしてるんですね。
ネットの記事も、タイトルに固有名詞入れるとたしかによく読まれるんですよね……ファミマとか、国会議事堂とか。
いちおう『ふしぎな県境』は、「けんざかい」として「けんきょう」としなかったのは、ネットで「けんきょう」でしらべると、同音異義語が多いから、県境にしましょうと。そういう意味で「けんざかい」なんです。ちょっとだけSEOを考慮した。
ただ、タイトルやサブタイトルにどんな言葉を入れたら、求めている読者に届くのかわからないので、手探りではありますね。
『応仁の乱』とか、これ以上ないってぐらいにまっすぐすぎるタイトルじゃないですか。それで大ヒットしたのがすごいなと思うんです。
ネットで検索したときに、タイトルが短いと新書の『応仁の乱』が探しにくいんですよね。ただ、そういう不利な条件をはねのけてヒットしてるのはすなおにすごい。
やはり、最終的にはタイトルじゃない、中身だということなんですよね。
中身で勝負。かっこいいことである。

というわけで、今回のこの記事も中身で勝負すべく、タイトルはまっすぐでシンプルな、中公新書ふうのタイトルをつけてみた。伝わるかなー。伝われー。

謙遜しないでほしい

書店で手にとってもらったとき「はじめに」と「あとがき」を見る人が多いと思うんですが、その「はじめに」や「あとがき」を著者の方に書いてもらうときにお願いしているのは「あまり謙遜しすぎないでほしい」ということですね。
とくに研究者の方に多いんですが、「まだまだ足りない部分があるが」とか、「まったく不十分だが」といったような謙遜が過剰にあると、やっぱり読む気が削がれてしまうので。
あぁ、でも研究者の方の気持ちもわかります。ネットの記事でもよくあるんです。あえて省いたところを指摘して「◯◯が無い、やりなおし」とか、「◯◯のことが書いてない」みたいな感想をSNSで書くひと。予防線貼りたくなるきもちはわかります。
そういう感想を必要以上に気にすると、結局なにもかけなくなっちゃうんですよね。
ライターは、何もかけなくなるとまずいので、あるていどご意見として拝聴して、必要以上に考え込むのはやめましたって、なんでライター処世術みたいな話になってんだ。
以上、新書の編集まわりについてのいろいろの疑問を、現役の新書編集者にぶつけてみた。

全てではないものの、新書というものと、その編集の仕事について、ぼんやりとでも輪郭が浮かび上がってきたのではないか。

編集者は、文章かかないのに、なんでいるんだろう。と思っているひともたくさんいるかもしれないが、編集者がいなければ、本はできないのだ。

新書を見る目がかわる?

ところで、8月に出版予定の新書のタイトルが載っている取次の表がおもしろかった。

まったく違う著者で出版社も違うのに『長生きしたければのどを鍛えなさい』と『長生きしたければ股関節を鍛えなさい』という二種類の書籍が発売予定となっていた。すごくないですか? 『大便革命』も気になるが。
タイトルがどれも長め
タイトルがどれも長め
便革命『発酵編』すごいインパクト。
便革命『発酵編』すごいインパクト。

『ふしぎな県境』イベント開催します

来る8月4日(土)14時から、新宿紀伊國屋書店で『ふしぎな県境』のトークイベントを行います! ゲストに地理人さん(@chi_ri_jin)をお招きして、境界にまつわるいろんなことをお話させていただきます。

もう、後戻りはできません!

電話で予約というノスタルジックでトラディショナルなスタイルの参加方法ですが、アトラクションのひとつだと思い定め、歯を食いしばって予約電話をしてください!

それでは、よろしくお願いいたします! 

日 時|2018年8月4日(土) 14:00開演  13:40開場
会 場|紀伊國屋書店新宿本店9階イベントスペース
参加料|500円
受 付|7月9日(月)午前10時よりお電話にてご予約を受付いたします。(先着50名様)
ご予約電話番号:03-3354-0266
新宿本店 地図旅行ガイド売場(10:00〜21:00)
※当店に繋がる他の電話番号にかけられてもご予約は承れませんのでご注意下さい。
※間違い電話が頻発しています。上記の電話番号を今一度お確かめの上お掛け下さい。
※イベントに関するお問い合わせも、上記の電話番号までお願いいたします。

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