特集 2018年8月10日
 

チキンカツカレーはフリーズドライにできる

おみそ汁のフリーズドライは奥さまの一声から

井口:実は以前、お店で「フリーズドライの一人鍋」(現在は販売していない)も見たことがあります。チキンカツカレーといい、改めてアマノフーズではいろんな食品をフリーズドライにされているところに驚いたのですが、そもそもフリーズドライをはじめたきっかけってなんでしょうか。

土屋:弊社のフリーズドライは、創業者である天野辰雄が機械を導入したのがはじまりですね。最初はカップラーメンの具材のエビをフリーズドライにしました。

井口:カップラーメンのエビから!
土屋:もともとBtoB向けにフリーズドライ商品の製造をさせていただいておりましたが、ある夏の暑い日に社長の奥様が「暑い時に台所でおみそ汁を作るのが大変だから、フリーズドライでできないかしら?」と発したひと言からフリーズドライのおみそ汁の開発がはじまりました。それでできあがったのですが、最初はお取引先お客様にプレゼントしていたんです。それでおいしいと評判になり、ついに1983年に商品化して通信販売をはじめました。ちなみに最初のおみそ汁は「あんじょう」という名前で具材はほうれん草でした。

井口:最初はなすではなかったんですね。あと、店内いろんなところにいるおじさんのキャラクターはアマノフーズのマスコットキャラクターでしょうか?
意識するといろんなところにいる「おじさん」
意識するといろんなところにいる「おじさん」
土屋:そちらは、弊社の名物社員の島村です。

井口:社員さんだった!!
ギフトボックスにもなっている。ちなみにおみそ汁が6つ入る
ギフトボックスにもなっている。ちなみにおみそ汁が6つ入る
ギフトボックス裏。島村さんが分裂してる
ギフトボックス裏。島村さんが分裂してる

土屋:島村はおみそ汁発売前から開発に携わっていて、フリーズドライ歴は今年(2018年)で37年です。島村の長年の研究もあり、お粥、にゅうめん、親子丼の素などが作れるようになりまた、後輩がその技術を継承し、ビーフシチューやカレーにまでバリエーションが増えました。パスタが技術的に難しいという話をしましたが、そのパスタが商品化できたのも島村をはじめとしたチームの功績なんです。鍋やチキンカツカレー、コールスローなどの常に進化したフリーズドライ食品のご提案をしている商品は、島村が携わった商品として、「フリーズドライの匠」のアイコンとともに島村のイラストが描かれています。
フリーズドライの匠シリーズのパッケージにも島村さんがいる
フリーズドライの匠シリーズのパッケージにも島村さんがいる
土屋:数量限定の「フリーズドライの匠」シリーズは、毎回好評で通信販売ですぐに売り切れてしまいます。こちらのアンテナショップでは、チキンカツカレーとコールスローは本日発売の商品だったので、まだ在庫があったので安心しました。コールスローに関しては、水で戻せる商品で初のサラダです。

井口:水で戻せる商品があるって驚きました。コールスローも具もベーコンとかブロッコリーとかいっぱいで、シャキシャキしておいしかったです。

土屋:他にも水で戻せるものもいくつかあって、「まるごと素材シリーズ」の山芋ですとか、既に完売してしまいましたが「絶品」シリーズで「冷や汁」とかもありました。

井口:島村さん幅広いですね〜! 最後に、フリーズドライにしようとして出来なかったものにどんなものがあるか教えてください。
日夜フリーズドライの研究をしている島村さん。店内探すと本当にいろんなところにいる
日夜フリーズドライの研究をしている島村さん。店内探すと本当にいろんなところにいる
土屋:和菓子系だと「お餅」は難しいです。調理時に出るおもちの粘り(でんぷん質)がフリーズドライの復元を邪魔するんです。お湯を注いだときに水分をほとんど吸収しなくカチカチのまま。いまだに復元が難しいんですね。

井口:そういえば甘い系のフリーズドライってあんまりないですね。

土屋:そうですね。生クリームはフリーズドライまでは出来るんですけど、お湯をかけたら溶けちゃうんですよね。あとこんにゃくはフリーズドライに向きません。こちらはゴムのようになってしまって、噛みきれなくて全く戻らないんです。

井口:こんにゃくはフリーズドライには向かないんですね。

土屋:こんにゃくつながりだと、おでんセットにチャレンジしてるのですが、生卵はフリーズドライできるようになりましたが、ゆで卵は乾燥中にヒビが入って、中から黄身が出てしまったり、おでんセットになるまで、まだ実現していません。あと、“ご飯”も挑戦していました。こちらはまだ継続して開発中です。

井口:え、ご飯ですか? お粥や雑炊があるから、ご飯はもう出来るのかと思ってました。

土屋:はい、お米を使ったメニューは、既に商品化出来ていますが、炊きたてのホカホカご飯は、まだ難しいんです。それでも、いまも日夜研究中です。島村は根っからの研究者で、これまでに挑戦した種類は約1万ぐらいありますが、そのうち商品化されたのは、500種類です。
井口:挑戦した食品、5%くらいで成功しているんですね。それでもすごいと思いますけど研究者としてはきっともう少し発売したいんでしょうね。

土屋:確かにそうなんですが、島村からすると、失敗ではないんです。『失敗は成功のもと』の考えで、挑戦し続けることで、その食材の特性を学び、次の開発のヒントになります。そんな失敗の経験から、「フリーズドライの大根おろし」などの商品化に繋がったものも沢山あります。島村は、将来、お湯を注ぐだけで、「朝食、昼食、夕食」など、そんなセットができたらいいなと、夢を抱いているようです。家族や大切な人と、テーブルを囲み、「これ凄いね、面白い!美味しい!」など、会話が弾むような商品を提案したいと言ってます。

フリーズドライは奥が深い

お湯かけるだけだけどフリーズドライの調理たのしい
お湯かけるだけだけどフリーズドライの調理たのしい

取材にあたりフリーズドライ不可能そうな食材を何個か考えていったんだけど、おでんやショートケーキなどアマノフーズではこちらの想像以上にいろんなものに挑戦されていた。このまま技術力が上がっていけばいつかこんにゃくやホカホカのご飯なども可能になるのだろうか。それってすごく未来っぽいし、フリーズドライはもはやドラえもんの秘密道具のようだった。

取材協力 アマノ フリーズドライステーション横浜店


住所:〒221-0056 神奈川県横浜市神奈川区金港町1−10(横浜ベイクオーター内)
電話:045-620-9031
アマノフーズ/アサヒグループ食品株式会社
https://www.amanofd.jp/amano/shop/

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