特集 2018年8月30日
 

自分のグッズがでるガチャガチャが作りたい

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自分のグッズがでるガチャガチャが欲しい。ガチャガチャの商品になるなんて普通は芸能人しかありえないことだが、自分で作ればそれは簡単に実現することができる。自分の自分による自分のためガチャガチャを作ろう。そして、それを色んな人にやってもらってどんな反応をするのかみてみよう。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。

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まずは完成品を見てほしい

自分のグッズがでる「megayaガチャ」
自分のグッズがでる「megayaガチャ」
説明書も作ったので、中身もそれっぽくなっている
説明書も作ったので、中身もそれっぽくなっている
ガチャガチャといえば昔は子供のための商品だったが、最近では大人を狙ったものの方が多いくらいになってきている。人気のある芸人をモチーフにしたものも数多くあり、江頭2:50、バナナマン、渡辺直美、ダチョウ倶楽部、アンタッチャブル山崎……など様々な人がガチャガチャになっている。そしてガチャガチャになるというのは、一種の成功した人のステータスともいえると思う。
僕が作ったガチャガチャの肝心の中身は、自分の写真で作った缶バッジだ。過去のデイリーポータルZで書いた記事のシーンを集めたものになっている。
僕が作ったガチャガチャの肝心の中身は、自分の写真で作った缶バッジだ。過去のデイリーポータルZで書いた記事のシーンを集めたものになっている。
僕は何も成功も栄光も手にしていないが「megayaさんのガチャガチャが出来たんだって!すごいよね!!」というステータスだけは欲しい。チヤホヤされたい。自分のガチャガチャをやってもらう快感を味わってみたい。

しかし、僕のような型で焼いたたい焼きのようなありふれた普通人間にオファーが来るわけはないし、どこかの会社に「僕のガチャガチャを出してください!!」と直談判したところで、厄介払いどころか門前払いのうえに足払いで転ばされ払い投げで放り出される始末に合うに決まっている。

ということはやっぱり自分で作るしかない。ただし自分で作ったところでそれは発売はされないので、作った上でむりやり知り合いにやってもらおう。なんとしても自分のグッズのガチャガチャをひいてもらう気持ちよさを味わいたいのだ。

自分のグッズが出るガチャガチャを作る

ガチャガチャの本体が必要なので「ガシャポンマシン」という商品を買った。初めはダンボールで作ろうと思ったのだが、お金の力に頼ることにした。なぜなら大人だから。
ガチャガチャの本体が必要なので「ガシャポンマシン」という商品を買った。初めはダンボールで作ろうと思ったのだが、お金の力に頼ることにした。なぜなら大人だから。
ガチャポンマシンはサイズが小さいだけでかなり本格的。本物のお金も入れることもできる。
ガチャポンマシンはサイズが小さいだけでかなり本格的。本物のお金も入れることもできる。
今回買ったガシャポンマシンはバンダイが公式販売しているもので、本物のガシャポンマシンを1/3くらいのサイズにしただけの商品なので、非常にクオリティが高い。これを購入した時点で「自分のガチャガチャを作る」という目的の80%は達成された感がある。

余談であるが「ガシャポン」という言葉はバンダイが商標登録している製品名だ。僕は圧倒的にガチャガチャと呼ぶ派なのだが、さらにガ「チ」ャポン派までいるらしい。呼び方に地域差があるのだろうか?
缶バッジを作成するのに利用したのは「Canバッチgood!」というおもちゃ
缶バッジを作成するのに利用したのは「Canバッチgood!」というおもちゃ
缶バッジを作るのは非常に簡単で、材料を入れたら、あとは蛇口のようなものを回すだけ。
缶バッジを作るのは非常に簡単で、材料を入れたら、あとは蛇口のようなものを回すだけ。
こちらが見本で用意されている用紙で作ってみた缶バッジ。予想以上に完成度が高い。「Happy Lukey」という世の中の幸せを凝縮して絞りだしたような缶バッジだ
こちらが見本で用意されている用紙で作ってみた缶バッジ。予想以上に完成度が高い。「Happy Lukey」という世の中の幸せを凝縮して絞りだしたような缶バッジだ
缶バッジは数十秒ほどで簡単に作ることができる。印刷したカラーコピーの用紙や、自分で書いたイラストなどでもできるのが楽で良い。ちなみに最初に紹介したガシャポンマシンはバンダイの商品で、こちらのCanバッチgood!もバンダイの商品なのである。ずぶずぶにバンダイに頼っているが、これは宣伝記事などではない。こういうこと書かないと叩かれる可能性があるから世知辛い世の中だ。
缶バッジ用には丸くした画像が必要なのだが、公式で丸画像が簡単に作成できるwebサイトを用意してくれているので便利だ
缶バッジ用には丸くした画像が必要なのだが、公式で丸画像が簡単に作成できるwebサイトを用意してくれているので便利だ
 自分の写真を使った缶バッジが出来た瞬間は恥ずかしいようなうれしいような気持ちになる
自分の写真を使った缶バッジが出来た瞬間は恥ずかしいようなうれしいような気持ちになる
一個目の缶バッジを作ったときは思わず笑みがこぼれた。完成度の高さにも驚いたのだが、生まれて初めて「自分のグッズ」というものができたのでアイドルにでもなったような気分だった。さらに缶バッジが完成したときにいいタイミングで、いきものがかりの「ありがとう」がイヤホンから流れてきて、我が子の誕生に立ち会ったような謎の感動に包まれた。しかし、そのうれしい気持ちは長く続くものではなかった。
紙を切って、缶バッジを作って、ガチャガチャのカプセルにつめていく作業をひらすら繰り返す。駆け出しのインディーズアイドルがいたら、もしかしたらこんなことをやっているのかもしれない。
紙を切って、缶バッジを作って、ガチャガチャのカプセルにつめていく作業をひらすら繰り返す。駆け出しのインディーズアイドルがいたら、もしかしたらこんなことをやっているのかもしれない。
2~3個目までは作るのが楽しかったのだが、それ以降はひたすら地味な繰り返しの作業なので、感情は無になった。僕が小学1年生くらいのときに母が「イカのルアーを作る」内職をやっていたことがあるのだが、その大変さが今になって身にしみた。まさかこんなバカみたいな記事を書くことで、母の苦労を知ることになるとは思わなかった。
ガチャガチャの表紙はこんな感じ
ガチャガチャの表紙はこんな感じ
説明書も同じように作成した
説明書も同じように作成した
ガチャガチャの表紙を作るにあたって、ガチャガチャをお店にいくつか見に行って、主に3つの特徴があることがわかった。

・とにかくゴチャゴチャしていて、インパクトが大事
・吹き出しが多用されていて、人に何かセリフを言わせる(「買ってね!」とか)
・下の方に注意書きとかバーコードを入れる

上記の3つを守ると一気にガチャガチャっぽいものが作れる。さらにこの3つにプラスして、シークレット商品を入れると本物により近づく。

ちなみにどうでもいい話だけど、表紙に書かれている「あのシーンが缶バッジで復刻」という言葉があるのだが、初めは「あのシーン」ではなく「あの名シーン」と書いていた。完成したのを見たときに急に恥ずかしくなってやめた。
そして完成したのがこちら。自分が思っているよりもクオリティが高いものが出来た!!(9割はバンダイの商品のおかげ)
そして完成したのがこちら。自分が思っているよりもクオリティが高いものが出来た!!(9割はバンダイの商品のおかげ)
作ったからにはまずは自分でやってみる。
作ったからにはまずは自分でやってみる。
当たり前であるがやると自分のグッズがでてくるのだが、それがかわかっていてもガチャガチャを回すのは楽しい。あのカプセル同士がぶつかってでてくる音の快感と言ったら他にはない。

ガチャガチャは完成したが、これで終わりではない。僕の当初の目的の一つである「自分のガチャガチャを他人にやってもらう快感を味わいたい」は達成されていない。自分の知り合いに自分の作ったガチャガチャをやってもらうという、自尊心の塊からなる究極のエゴ、スーパーエゴエゴタイムの始まり。ここからが本番なのだ。

関係性が違う3人にガチャガチャをやってもらい反応を見る

同じようなタイプの人間にやってもらってもおもしろくないので、仕事仲間、友人、肉親とそれぞれ関係性の違う3人にやってもらうことにした。僕との関係性の違いでそれぞれがどんな反応をするのかが見てみたいし、共通してなにか同じ反応があるのかどうか知りたい。
まずはデイリーポータルZライターのハナウタさん
まずはデイリーポータルZライターのハナウタさん
ガチャガチャを見て「え!すごいですね!完成度高い!!」というようなセリフを僕は期待していたのだが、「あー!これいいですね!何かのイベントで使えそうですよね〜」というような完全に仕事目線のコメントが先にハナウタさんからの口から出た。職業病だ。

じっくりガチャガチャを見られている間は、背中がじんわりと熱くなってくるような恥ずかしさと緊張感があった。もしかしたら芸能人も自分のガチャガチャが発売されているところを見たら、うれしさよりも恥ずかしいという気持ちの方が大きいのかもしれない。
ハナウタさん「う〜ん、なんだろう。嬉しいとか恥ずかしいとかの感情じゃないんですよね。困惑……という言葉がぴったりなのかもしれません」
ハナウタさん「う〜ん、なんだろう。嬉しいとか恥ずかしいとかの感情じゃないんですよね。困惑……という言葉がぴったりなのかもしれません」
当たり前であるが、芸能人のガチャガチャをやる場合は「その芸能人が好きであること」が大前提としてある。今回の場合は「ただの知り合いのグッズが出てくる」だけなので、ハナウタさんからしたら鼻をかんだティッシュを渡されるくらい不必要なものが出てくるのだ。

「困惑」という一言は仕事仲間という関係上で、的確な誰も傷つけない最善の答えなのかもしれない。ハナウタさんの優しい人間性がその言葉ににじみ出ているようだった。
ただガチャガチャを開けたときには笑顔になってくれた。この瞬間は天にも昇るようなうれしさがこみあげてきた
ただガチャガチャを開けたときには笑顔になってくれた。この瞬間は天にも昇るようなうれしさがこみあげてきた
困惑しながらも「シークレット当てたいな〜」「あ!これは〇〇のときの写真ですよね!」「表紙のゴチャゴチャ感がガチャガチャっぽいですよね」と、こちらが欲しいコメントも言ってくれるから気持ちが良い。やはり同じ業種の人は見てもらいたいツボをわかってくれるからありがたい。また、こういった奇行じみたことをやっても一緒に笑ってくれるのはうれしい限りだ。

ただし、褒めてはくれたからと言って関係上はあくまでただの仕事仲間だ。終わったあとにハナウタさんは缶バッジを見て「これ……ガチャガチャに戻した方がいいですよね?」と言いながら静かにカプセルの中に戻していた。やはりグッズ自体はいらないようだった。さっきまでのうれしさや高揚感が一気に彼方に飛んでいった。空を飛ぶような夢のような時間は、現実に着地してそのまま両足を粉砕骨折したような気分になった。
学生時代から仲良い友人Aに仕事帰りに自宅に来てもらった
学生時代から仲良い友人Aに仕事帰りに自宅に来てもらった
僕が「自分のグッズしか出てこないガチャガチャを作ったから見てくれ」とお願いすると、「まだそんなことやっているのかよ」と呆れ半分、「変わってないな〜」というような安心半分といった感じで笑って了承してくれた。

しかし、友人Aはあまりネット記事やSNSなどは見ないタイプの人間なので、ガチャガチャを見せた瞬間に「何これ!お前が作ったの?すげー!!」と猿みたいに喜んで笑っていた。そうそう、これこれ!もっと褒めてくれ!!!
「なんだよ、これ。くだらねぇ!!」と言いつつ、ガチャガチャの中身を見てやっぱり笑っていた
「なんだよ、これ。くだらねぇ!!」と言いつつ、ガチャガチャの中身を見てやっぱり笑っていた
仕事仲間のハナウタさんは興味で笑ってくれている感じであったが、友人Aはただたんに写真を見て純粋におもしろがっているように見えた。学生時代の友人のグッズを見るというのは、卒業アルバムを見ているような感覚に近いのかもしれない。

「シークレット出るまでとりあえず引き続けるわ!」と言って、何回かやり直し、シークレットの写真を見て再び爆笑していた。めちゃくちゃ僕のガチャガチャにハマってくれている。作ってよかった……!!
しかし結局は友人は持って帰らず、無残に置き去りにされた
しかし結局は友人は持って帰らず、無残に置き去りにされた
ただし、褒めてはくれたからと言って関係上はあくまでただの僕の友人だ。ガチャガチャでひとしきり遊び、昔話しに花を咲かせたあとに友人は帰宅したのだが、テーブルの上を見て驚愕した。さっきまであんなにガチャガチャで笑っていたのに、カプセルと缶バッジが残されていたのである。てっきり持って帰るものだと思っていたのでショックだった。公園の砂場に忘れられたシャベルのような寂しさだけが自宅には残っていた。
ゴリゴリに仲良い愛すべき弟。実家に帰ったら黒髪が金髪になっていた。かわいい。
ゴリゴリに仲良い愛すべき弟。実家に帰ったら黒髪が金髪になっていた。かわいい。
ラストは肉親だ。僕と弟は前世でライト兄弟だったんじゃないかってくらい深い仲である。「自分のグッズのガチャガチャのを作った〜」という説明の段階からもう弟は半笑いであり、見せた瞬間には爆笑して興味津々でガチャガチャの表紙を見ていた。ああ、気持ちが良い。仕事仲間や友人にやってもらったが、結局はこうやって兄弟に褒められるのが一番気持ちが良い。快感だ。この笑い声を録音して残しておき通勤のときに聴いて癒やされよう。
友人Aと同様に弟もシークレットが出るまで回し続けていた。やはりガチャガチャのシークレットというのは、中身が気になる魔力のようなものがあるらしい 
友人Aと同様に弟もシークレットが出るまで回し続けていた。やはりガチャガチャのシークレットというのは、中身が気になる魔力のようなものがあるらしい 
それぞれ3人にやってもらってわかったのだが、知っている人がガチャガチャになっているというのは笑えるものらしい。わかっていても「お前の顔が出てくるのかよ!!」とツッコミたくなる要素もあるから、余計におかしいのかもしれない。あとは、ただ単純に何の種類が出てくるのかわからないというガチャガチャ本来の楽しさも関係していると思った。

ただし、ガチャガチャで爆笑したからと言って関係上は兄弟であって、弟は僕のファンというわけではない。弟は笑いながらもゆっくりと缶バッジをカプセルに戻していた。仕事仲間、友人、弟と結局は誰ひとりとして缶バッジを受け取ってはくれなかった。やはり「知人がガチャガチャになるのは楽しいが、グッズはいらない」という気持ちが共通しているようだ。

このままでは誰ひとりとして僕の缶バッジを受け取ってくれないことになり、それはさすがに悔しいので、弟が寝てるすきにこっそりとカバンにつけておいた。時限爆弾だ。いつこれに気がつくのか楽しみでしかたがない。
【自分のグッズガチャガチャをやってもらってわかったこと】

・知っている人がガチャガチャに笑ってしまう
・カプセルを開けてもらうときの緊張感は背汗をかくほど
・カプセルを開けるときはワクワク感もありみんな笑顔になる
・シークレットはやっぱり気になる
・おもしろがってくれるがガチャガチャの中身はいらない

知人がガチャガチャになるのはおそらく100%ウケるので、会社の忘年会とかホームパーティーみたいなところでやったら絶対に盛り上がると思う。

自分のグッズを作るのは妙な興奮と楽しさがある。それを知人にみてもらうというのは、快感と恥ずかしさの入り混じったある意味で高揚感のある時間だった。ちょっとその感覚に僕はハマってしまったので、次は「キャラが自分しか登場しない漫画」とか、「すべてのキャストが自分のドラマ」とかを作ってみんなに見せて困らせたいと思う。
ちなみにシークレットはブルゾンちえみみたいな顔で写っている幼稚園の頃の僕です
ちなみにシークレットはブルゾンちえみみたいな顔で写っている幼稚園の頃の僕です
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