特集 2018年9月10日
 

カンピョウを作ってその正体を知りたい

ユウガオを薄く剥く

さっそく家の中にビニールシートを敷き、カンピョウ作りで一番楽しみにしていた作業へと取り掛かる。

そう、薄くひも状に剥いていく作業だ。これがやりたいからこそ、わざわざユウガオを育てたといっても過言ではない。さて、うまくできるかな。
ヒョウタンの仲間というよりも、青首大根っぽい姿だ。
ヒョウタンの仲間というよりも、青首大根っぽい姿だ。
まずはお尻の部分をスパッと切ってみる。

皮の部分は気持ちよく包丁が入っていくしっかりとした硬さで、内側のカンピョウとなる身の部分は意外とフカフカしている。

まだ若いからか、種のあるワタの部分と身の部分が若干ボーダレスだ。収獲のタイミングが少し早かったかもしれない。
ユウガオの断面。
ユウガオの断面。
こいつをどうやってひも状に切るかだが、ちょっと調べたところ、『カンピョウ皮引』というピーラーの親分みたいな道具が存在するようだ。

よし、買うか。いや、ダメだ。買ったところで何回使うんだよという話である。それにユウガオをクルクル回す機械がセットじゃないと使えないような気もする。

とりあえず今日のところは菜切り包丁で桂剥きにしてみよう。そんなに高いものでもないし、汎用性のない専門道具が好きなので、本当はとても買いたいのだが。
カンピョウの幅ってどれくらいが正解なんだろ。
カンピョウの幅ってどれくらいが正解なんだろ。
まずは硬い皮とフカフカした白い身の境界に包丁の刃を入れ、くるっと一回転させて皮を剥く。

これは皮が途中で切れても問題ないので、よく切れる包丁があれば、特に難しいことはない。
皮と身の硬さにメリハリがあるので、とても剥きやすい。
皮と身の硬さにメリハリがあるので、とても剥きやすい。
さあ本番はここからだ。さっきからフカフカと書いているが、ユウガオの実はちょっとスポンジのような弾力があり、本当にフカフカしているのである。この質感はナスが近いだろうか。

こりゃやっぱり専用の道具を買うべきかなと失敗を微妙に期待しつつ包丁を入れて、カンピョウの厚みを決める。こういう作業はついつい薄くしたくなるけれど、ある程度の厚みがあってこそのカンピョウだろう。厚く均等に剥くというのも難しそうだが。
このくらいの厚さだろうか。まだ仕上がりが想像できない。
このくらいの厚さだろうか。まだ仕上がりが想像できない。

ユウガオは薄く剥かれるためにある瓜

実際に手を動かしてみると、ユウガオとは桂剥きをするために生まれて来たのではという心地良さだった。これは心が落ち着く。

触った感じはフカフカだけど、包丁に対してとても素直なのだ。大根のように薄く剥くのは難しいけど、厚く剥くのにちょうど良い手ごたえをしている。もはや桂由美ならぬ桂瓜と呼んでも差し支えない。

ユウガオをわざわざカンピョウにして食べるのは、この桂剥きの作業が楽しいからなのかもしれない。カンピョウ皮引、なくてもいいな。といいつつ使ってみたさはまだ消えてない。
集中力が切れなければ、ユウガオも切れない(格言のように)。
集中力が切れなければ、ユウガオも切れない(格言のように)。
種のあるワタ部分はフガフガしているので使わない。
種のあるワタ部分はフガフガしているので使わない。
ユウガオをカンピョウにする作業、こんなに楽しいものだったのか。リンゴの皮がむける人なら、問題なくできるレベルの難易度だ。

うまく剥くコツは包丁を持つ右手親指の使い方。包丁の刃先と親指の間でユウガオを挟み、切る厚さと刃の動きを制御する。包丁を動かして切るのではなく、親指で左右に小さなサインカーブを描きながら、ユウガオを回転させて切っていくのだ。ってなにいってるかわかんないな。だから好きにやればいい。

ただ1つのユウガオから輪切りが10個くらいできるので、いいかげん後半は飽きてきた。1/3は煮て食べよう。
親指でユウガオを押さえ、そして回転させて剥いていく。こういう競技会があったら出たいぞ。
親指でユウガオを押さえ、そして回転させて剥いていく。こういう競技会があったら出たいぞ。
一応ピーラーでもやってみたのだが、さすがに仕上がりがちょっと薄すぎるようだ。

だがピーラーで機械的に削る感覚というのは、包丁で切るのとはまた違った悦びがある。専用の道具が生み出すカタルシス。

やっぱり適切な厚さで均一に剥けるであろうカンピョウ皮引を買うべきかなと思ってしまい大変危険だ。
極薄のカンピョウがよければピーラーもよさそうだ。使い道はわからんけど。
極薄のカンピョウがよければピーラーもよさそうだ。使い道はわからんけど。
楽しいんだけど、右手が疲れたので指を切る前に終了。
楽しいんだけど、右手が疲れたので指を切る前に終了。
ユウガオは煮るとトロっとしておいしかった。カンピョウとは全然違って、ほぼトウガンだな。
ユウガオは煮るとトロっとしておいしかった。カンピョウとは全然違って、ほぼトウガンだな。

ユウガオを干してカンピョウにする

剥いたユウガオの干し方だが、魚の干物のように網に入れてという訳にもいかないので、洗濯物を干すピンチハンガーにぶら下げることにした。

ベランダが丸見えのお隣さんには、干されたユウガオが包帯に見えて、誰か怪我でもしたのかなと思われたかもしれない。
いろんな幅で作ってみました。
いろんな幅で作ってみました。
ユウガオは干すことでカンピョウへと変化する。では何日干せばいいのかというと、この夏の猛暑なら丸一日で十分だった。
たった一日でカラッカラ。
たった一日でカラッカラ。
ものすごく余談なのだが、このカンピョウを干した日の夜は家に一人きりで、そんな日に限って一階と二階の間でバタバタバタと動物が歩き回る音が一晩中していて、こりゃハクビシンが住みついちゃったかと焦っていた。

そんなタイミングでカンピョウを干したらエサをあげているようなものだよなと心配だったのだが、バタバタバタと足音が聞こえるたびに、釣竿で一階の天井をドンドンドンと突きつづけてここはおまえの住むところじゃない、森にお帰りとアピールしたところ、どこかへ行ってくれたようだ。カンピョウも無事だった。本当によかった。
そんな苦労をしつつ、できあがったカンピョウがこちらです。
そんな苦労をしつつ、できあがったカンピョウがこちらです。
ところで今更の話で恐縮なのだが、たぶん私は今までにカンピョウというものを買ったことが無いので(カンピョウ巻ならあるけど)、これが市販品と比べてどうなのかはよくわからない。

干すとかなり縮むので、幅広で厚めが正解だったかな。
畳のような青臭さがちょっとある。
畳のような青臭さがちょっとある。

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