特集 2018年9月29日

東南アジアで人気のミロアイスを食べたい

タイで食べたミロアイスをまた食べたいので作ってみた
タイで食べたミロアイスをまた食べたいので作ってみた
東南アジア圏を旅行したことある人なら知ってると思うが、あちらではミロが大人気だ。日本よりも圧倒的に飲まれている。

ココア味の飲料だけじゃなく、アイスも種類が豊富。去年タイに行ったときに食べてみたところ、うっまー!! これ、日本にもないのだろうか。どうやらない。なんでだよ。となった。

ないのなら、作ってやろう! ミロアイス。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。(動画インタビュー

前の記事:ハンダごてを買わされ、そして教わる

> 個人サイト それにつけてもおやつはきのこ

ミロの出現率の高さ in東南アジア

まずはタイのミロ事情を紹介しよう。ざっと見た印象では、市民権的に日本でのコーヒーと同列ぐらいな感じがする。
スティックタイプの粉末コーナーも真っ先にミロ(右は飛行機内での物販)
スティックタイプの粉末コーナーも真っ先にミロ(右は飛行機内での物販)
売店でも当然のようにコーヒー等と同列のミロ
売店でも当然のようにコーヒー等と同列のミロ
どういうシステムなのかよく分からなかったが、コンビニの一角のドリンクコーナーにもミロ
どういうシステムなのかよく分からなかったが、コンビニの一角のドリンクコーナーにもミロ
前知識なしで行ったので、そんなに人気とは知らなかった。

けど、どう考えても普段よりもミロが目に飛び込んでくる率が高い。
どうやらバリエーションがあるミロ
どうやらバリエーションがあるミロ
コンビニにズラリ並ぶミロ
コンビニにズラリ並ぶミロ
これはそのコンビニを出たところでズラリ並んでた犬(関係ない)
これはそのコンビニを出たところでズラリ並んでた犬(関係ない)
ちなみに最も訳が分からなかったのがこれだ。なんでまたこんなところに。
コンビニの雑誌コーナーになぜ
コンビニの雑誌コーナーになぜ
店に置いてあるだけじゃなく、キャンペーンの商品としてもミロが選ばれてる。日本だとポジション的にこんな感じじゃなくないか。
それはそうとこの猫、海外のコンビニでこんな仕事を……
それはそうとこの猫、海外のコンビニでこんな仕事を……
そんな東南アジア圏での目撃情報を、当サイトのライター陣にも聞いてみたところ、いくつか写真が集まった。タイ以外での人気っぷりもここからうかがえる。
まずはタイ。スーパーに並ぶミロ(画像提供:タイ在住のライター・ネルソン水嶋さん)
まずはタイ。スーパーに並ぶミロ(画像提供:タイ在住のライター・ネルソン水嶋さん)
シンガポールのスーパーで山積みのミロ(画像提供:ライター・西村さん)
シンガポールのスーパーで山積みのミロ(画像提供:ライター・西村さん)
こんなに入荷して、本当にちゃんとさばききれるんだろうな!? と心配になるレベルで山積みだ。
ベトナム。缶のミロ(これも西村さん)
ベトナム。缶のミロ(これも西村さん)
どうやら西村さんも東南アジア圏に行くと必ずミロの写真を撮るらしい。「ミロが好きだけど粉のまま食べると罪悪感があるから、粉のまま食べていいミロを売って欲しい」とまで言っていた。

私もミロを少量の牛乳で溶かしてペーストにしてそのまま食べたり、それを加熱してせんべいにしたりしてたので気持ちは分かる……。(せんべいについては7年前のこちらの記事参照)

その流れで、見せてもらった写真をあと2枚紹介。コンビニのジュースコーナーだ。
これはインドネシアのコンビニ
これはインドネシアのコンビニ
ベトナムのコンビニ。「日本でいうと緑茶ぐらいの位置づけでは?(西村)」
ベトナムのコンビニ。「日本でいうと緑茶ぐらいの位置づけでは?(西村)」
こんなのコンビニにあるなんて、うらやましいなぁ。日本にもあればいいのに……。

ミロはドリンクだけじゃない

ドリンクじゃないミロもたくさん見かけた。お菓子、アイス、シリアル……どれだけ豊富なんだ。
左はチョコバー。右のシリアルは買って帰って食べてみたら、牛乳がミロになった。当たり前か……
左はチョコバー。右のシリアルは買って帰って食べてみたら、牛乳がミロになった。当たり前か……
調べてみると、どうやら日本にもミロのチョコは存在するらしいが、こんなに分かりやすくどこへ行っても遭遇することなんかない。

屋台の売店へ行けば、こんなミニカーを見かけた。これはミロマニア(っているのか?)からしたら掘り出し物では……!? ナチュラルにこんなものまで出現するなんて、長年ミロが生活に浸透してる証拠だろう。
どっからどう見ても日本製の招き猫のとなりに積まれてるミニカー。結構な年代物では……? 上の方はロゴも古い(自分が子供時代、このロゴのシンプルな瓶だった気がする)
どっからどう見ても日本製の招き猫のとなりに積まれてるミニカー。結構な年代物では……? 上の方はロゴも古い(自分が子供時代、このロゴのシンプルな瓶だった気がする)
そしてスーパーやコンビニへ行けば、必ずアイスに遭遇した。
わー、ミロアイスだ!
わー、ミロアイスだ!
個人的にキットカットのほうはそんなに気にならず、ミロばっか気にしてた
個人的にキットカットのほうはそんなに気にならず、ミロばっか気にしてた
早速食べてみた。やばい、美味い。

帰国したらこんな美味しいものを食べられなくなるのかと思うと「今のうちだ……!!」となり、5日間の滞在中、毎日2本ずつぐらい食べてた。なのでタイの思い出のかなりをミロが占めている。
コンビニで単品で売ってるものは、4タイプぐらい。連日食べ比べた。サイズがちょっと小ぶりなのも良い
コンビニで単品で売ってるものは、4タイプぐらい。連日食べ比べた。サイズがちょっと小ぶりなのも良い
中からミルクが出てくるやつが気に入った
中からミルクが出てくるやつが気に入った
ネスレのみのアイスケースも
ネスレのみのアイスケースも
かと思えば、ネスレのアイスを売ってる車に遭遇したり
かと思えば、ネスレのアイスを売ってる車に遭遇したり
観光地だから居たのか、どこにでも居るのかはよく分からない
観光地だから居たのか、どこにでも居るのかはよく分からない
本当にとにかくどこへ行ってもミロのアイスを買うことができた。
これは屋台のアイス屋。ミロも気になるが、その小さいのも気になる
これは屋台のアイス屋。ミロも気になるが、その小さいのも気になる
ちょっと食べすぎかな? と思わなくもなかったが、まあいいのだ。
!

ないのなら、作ってやろう ミロアイス

このアイス、日本でも売られているんだろうか。検索してみると「九州や沖縄など、地域限定で販売」という情報は出てくる。

ほんとにあるのか、編集部のツテで聞き込んでもらったが……
!
どうも一時期あったのは間違いないようだが、今はないと分かった。国内でもどこかへ行けば買えるのかと期待したんだけど、難しそうだなぁ。

それなら自分で作れないだろうか。まずは袋に書いてある原材料表示を見てみたい。そう思ったところ、なんとまたまた西村さんが「海外旅行に行ったときのゴミはなるべく持ち帰るようにしてるんです」とか言い出し、この画像を送ってくれた。

こんなのがピンポイントで出てくるってどういうことだ……。すごすぎる。
けどこれ見ても原材料よく分からんなー
けどこれ見ても原材料よく分からんなー
袋を見たところでどうしたらいいのかよく分からず、それならなんとなくの感覚で事を進めてみるか。

簡単に似たようなものを作る方法を考えてみよう。

既製品を利用して作れないか

アイスって、自分で一から作ろうとするとどうしてもガッチガチに固まったり、シャリシャリしすぎたりしてしまう。売ってるような、なめらかアイスを作るのは手間もいる。

それなら既製品を利用して、似たようなものを作ることはできないだろうか。

そこでミルク成分の多そうなアイスを用意してみた。
間違って商品名を「ムー」と覚えてしまってるのは私だけだろうか……
間違って商品名を「ムー」と覚えてしまってるのは私だけだろうか……
このアイスに対し、無遠慮にミロを放り込む。ミロ味に染まれ!!
通常の3倍ぐらいの濃さのミロにするつもりで……!! と思ったが、たぶん計算を間違えて入れすぎた
通常の3倍ぐらいの濃さのミロにするつもりで……!! と思ったが、たぶん計算を間違えて入れすぎた
ええい、混ざれ!
ええい、混ざれ!
この状態で「イタリアのスイーツです」とか言われたら、おお……そうか……! とならなくもない
この状態で「イタリアのスイーツです」とか言われたら、おお……そうか……! とならなくもない
わーい、混ざったぞ
わーい、混ざったぞ
よし、これで完成だ。こんなに簡単でいいんだろうか。食べてみよう。
あ、これ……甘すぎる……
あ、これ……甘すぎる……
甘すぎた。バニラ味もしっかり残りつつ、ミロも濃い。とにかく甘い。薄めなくては……。
牛乳100グラムを入れて混ぜてみた。しまった、アイスの原型がなくなりすぎてる
牛乳100グラムを入れて混ぜてみた。しまった、アイスの原型がなくなりすぎてる
製氷機に流し込もう
製氷機に流し込もう
凍らせて食べてみたが……
凍らせて食べてみたが……
……できる訳がなかった。適当すぎた。当然だがシャリシャリしてて全然違う。

甘味だけはほど良いが、ミロっぽさも薄いしアイスクリームのなめらかさの欠片もない。ちゃんとやろう。

なめらかさの追求

普通、アイスクリームはなめらかだ。そしてタイで食べたミロアイスは、ミロを飲んだときみたいにミロだった。他の味は当然混じってない。

そういう「ピュアなミロ味のなめらかなアイス」をちゃんと作ろう。

アイスクリームのレシピをいろいろ見ていて分かったのは、どうやらなめらかなものにはもれなく生クリームが入ってる。さらに卵も入っていたりする。
そこで準備した材料がこちら(卵を別撮りしたら、欠席した生徒みたいになった)
そこで準備した材料がこちら(卵を別撮りしたら、欠席した生徒みたいになった)
なめらかさを出すためには、空気を含ませつつよく混ぜると良いようだ。それならミキサーを使おう。人力より良さそうだ。
ガーーーーーーーー……
ガーーーーーーーー……
ミロを牛乳に溶かすときに公式が推奨している分量は、牛乳150gに対してミロ15g。

凍らすときには甘みは強くするのが良いので、なんとなく通常の3~4倍の濃さにしてみた。
【材料】
・生クリーム 200g
・ミロ 80g (通常の4倍の濃さ)
・生卵 1個
またまた製氷機に流し込む
またまた製氷機に流し込む
色もかなりミロアイスっぽい。しっかり混ざってるし、ほどよく泡立ってもいる。さすがミキサー、混ぜるに特化してるだけのことある。これを冷凍庫に入れ、数時間。食べてみると……
おおお……!!
おおお……!!
うまーーー!! 止まらないほどうまい! これ、あのミロアイスと同じじゃないか。いや、けどちょっと違うかもしれない。

普通のアイスよりちょっとこってり? 生チョコとか生キャラメルとか、そんな濃厚さがある。

これはこれですごく好きだが、もうちょっとサッパリとしててもいいかも。

ふつうのアイスクリームっぽさを求めて

そこで登場するのが、このアイスクリームメーカーだ。もう機械に頼ろう。
事前に容器を凍らせておく。そこに材料を入れ、電源を入れると中の棒が回転して混ざりつつ凍るのだ
事前に容器を凍らせておく。そこに材料を入れ、電源を入れると中の棒が回転して混ざりつつ凍るのだ
アイスクリーム液を作るときに、生クリームをやわらかめにホイップさせ、牛乳と混ぜる方法もあるようなので今度はそのやり方にしてみる。分量はなんとなく適当だ。
【材料】
・生クリーム 200g
・牛乳 100g
・ミロ 100g (通常の3.3倍の濃さ)
・生卵 1個
作りすぎた気がしないでもないたっぷりのミロアイス液。たまらん……
作りすぎた気がしないでもないたっぷりのミロアイス液。たまらん……
これを中に注ぎ込む
これを中に注ぎ込む
電源を入れたらかき混ぜが始まり、そこから20分程度待ってみると……
あら? かたまり方がゆるい。どうやら入れすぎた
あら? かたまり方がゆるい。どうやら入れすぎた
仕方ないので、少しのあいだそのまま冷凍庫に入れてかためてみる。そしてできあがったのがこちら。
わーー、紛れもなくアイスクリームだ! できたー!
わーー、紛れもなくアイスクリームだ! できたー!
味も濃厚さもほど良い。ちゃんとミロアイスだ。これから日本国内で食べたいときはこれを作ればいいし、海外旅行中に食べすぎる必要もないぞ! わーい、やった!

……という訳で、情報をまとめておこう。

・生クリームと牛乳の割合は2:1ぐらい
・ミロの濃度は通常の3~4倍
・卵も入れるといいかもしれない
・よく混ぜて冷やす

しばらくはこれでミロアイス欲を満たそうと思う。もちろん公式が発売してくれることも期待してます。

魔のアイスクリーム作り放題

こんな訳で、すっかり夏も終わりつつあるのにアイスクリームマシンを手に入れてしまった。居酒屋でビールを3杯我慢すれば手に入る感じの価格でアイスが作り放題となった。

無心で食べ始め、気が付けば20分も過ぎてたところでふと我に返る。これはやばい。つい食べすぎてしまう……。この機械とはほどほどに付き合っていきたい。
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ