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コネタ


コネタ014
 
DNAを箸でつまむ

佐倉美穂


実感しようよ

イメージ先行の感が否めないDNA。生命の設計図とかデオキシリボ核酸なんて言われても、なにそれ、おいしいの?というくらいなんだか遠い世界だ。

しかし私は理科に魅せられて育ち、バイオ技術者の資格をとるに至った者。
ここで一つ、DNAを目で見てつまんで、その世界を身近に感じていただこうじゃありませんか。

 

家庭にあるものでやってみる

用意するものは、
・ブロッコリー
・消毒用エタノール
・台所洗剤
・塩
・水
・すり鉢
・グラス
・マドラー
・箸
以上。


物言わぬつわもの達

まず、ブロッコリー3、4房に台所洗剤を数滴かけたものを、すり鉢でえいやえいやと潰す。
ミキサーのありがたみが身にしみる作業ですが、今細胞を壊してるんだわあと実感するには力まかせもいいです。


ワイルドかつマイルドな手つきで

それに水道水30mlを加え、茶こしでこしてグラスに注ぐ。
泡をどけたら、みごとな青汁のできあがりだ。


壊れた細胞の中身、うようよ。

塩小さじ1杯を入れ、マドラーで穏やかにまぜます。

 

エタ沈開始

グラスの壁をつたうように、冷やしておいた消毒用エタノール60mlを静かに入れて、グラスをそっと揺する。
ワイングラスをくるくるするようなイメージで。

すると青汁層とエタノール層の間に、ハイ出ました!綿菓子みたいな白いもやもや。
これぞDNAだ。
よく出てくれたね。待っていたよ、君を。


でまくりDNA。

洗剤で細胞を壊し、水に溶けた細胞の中身に塩とエタノールを入れることによって、水に解けなくなったDNAが見えるようになったのだ。
ドッジボールでボールを当てられ、外野に出ないといけなくなったようなものか。

この実験、DNA界ではよく行われる方法で「エタノール沈澱」という。
業界風に言うと「エタ沈」だ。えたちん。
例えるなら、食事と同じくらい必要不可欠で頻繁に行われる作業だ。

 

つまもうよ

DNAは長い分子なので、そーっと扱えば麺のように持ち上がる。
なので、箸でつまみあげてみた。
さらに直にご対面だ。洗剤が入っていなければ、食べてしまいたいくらいだ。


湯葉みたいだけどDNA



ヒトのDNAのうち、遺伝情報が書かれているのは5%程度らしい。残りは無意味なただの物質。
その意味のないところも全て使えたら、棒を使わなくてもブブカ並みにジャンプできたり、泳いで7つの海を渡ったりできちゃうかもしれない。

そんな夢も広がるDNA。
実体は箸でつまめるただの物質なのだけれども。


 

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