形を留めないけれども液体ではない、びろびろと伸びたり切れたりするけれども、また一つにまとまる。 その感触に魅了された方も多いだろう。もちろん私もだ。
そのスライム、簡単に手作りできるらしい。しかも動くスライムが。
早速トライしてみました。
(佐倉 美穂)
執念の砂鉄集め
動く原理は、砂鉄をまぜたスライムを作り、それを磁石でひっぱるというもの。 そこで砂鉄を集めに、公園の砂場に行った。 …こんなに取れないものだったっけ。 砂にもぐらせた磁石についてくる砂鉄の少なさに少々もどかしさを感じながら、数十分しゃがみ込んで作業を続けた。 お盆の日中だからか、子供が誰も遊んでいない公園。 いるのは剣道の素振りをする青年と、砂場で磁石を手に黙々と砂鉄を集める私のみ。 二人が言葉を交わすことはなかった。
スライム作成
スライムの作り方は、洗濯糊(PVA)と水とホウ砂の飽和水溶液を同量まぜるだけ。 色を付けたい時は水に食紅や絵の具を、今回は砂鉄を入れる。
洗濯糊溶液にホウ砂溶液を入れて手早く撹拌すると、急にがっつりと手応えがでてきて、すぐにもちもちのスライム状になる。
さあ、遊ぶぞ
できたスライムに、25kgまで引っぱれるという強力磁石を近付けてみた。 びたんっ!! という勢いで、スライムが宙に伸び、磁石に貼り付く。 あれ?もっと「にょ〜」という感じを想定していたのだけれど…。
その勢いは凄い。引き出しの隙間からでも伸びて行き、金網を乗り越えて磁石に近付こうとする。
これは、映画ターミネーター2に出てくる、金属色の流動体になる敵だ。 特にこの鉄格子を抜けて行く様子はそれを彷佛とさせる。
ついでに
砂鉄色だけではさみしいので、赤いものも作ってみた。 ねっとりと手を包み込む。しかし丸めようと思えば綺麗に手からはがれる。 何度触っても不思議な感触だ。
赤といえば口紅。口紅といえばルージュの伝言。 私はそれを残したことはないので、今回鏡にスライムで書いてみました。 鏡に伝言、一度やってみたかったんです。切ない気持ちは伝わるでしょうか…。