(text by 大塚幸代)
先日、実家に帰ったときのこと。家の敷地内に入るとすぐに、ぷ〜んと甘い匂いがしました。
「………なんじゃ、こりゃ」
ずうっと前に、たわむれに買ったブドウの苗の木が、異常に成長し、なんと今年大豊作。
「そうなのよ〜、ご近所さんにあげてるんだけど、食べきれなくって、ぼとぼと落ちてきちゃうのよねえ〜」と母。 「ふええええ〜、なんでこんなに小さな庭で、こんなに育っちゃったの?」と口をあけて驚きながら、とりあえず自分の食べる分の、ブドウを収穫するわたくし。
ついでに庭に生えてる植物なんかを、まじまじと観察してみたら……他にも、食べられそうなブツを発見してしまいました。
「それ、ムカゴよ。天然の、山イモの赤ちゃん。去年もいっぱい生えてきたのよねえ。頭にきて、ずいぶんたくさん引っこ抜いたんだけど、今年も生えてきたのねえ〜」と母。
生えていた茎をていねいに見ると、小皿一杯ぶん収穫できました。
調べてみると、ムカゴの成る時期は、8月末から10月とか。 じゃあ今まさにムカゴ狩りの時期? ひょっとして、そこらへんを歩いて、雑草のある場所をさぐったら、ムカゴとり放題!?
葉っぱの形を、じっと見て覚えて、
ビニール袋を持って、ご近所を歩いてみました。
……田舎なので雑草はそこらじゅうに生えているんですが、なかなか山イモの葉はみつかりません。
……他にもたくさんの場所で、山イモらしき葉っぱを発見出来たのですが、ムカゴはついていませんでした。季節が早すぎたのか? それとも、台風で実が落ちてちゃったのかしら。
1時間ほど歩きまわりましたが、収穫ゼロ。くやしい。なぜ、実家の庭ばっかり豊作なのかナゾのまま……。
とったムカゴは、酒、醤油、ダシで、炊き込みゴハンにしてみました。
売っているイモより、むっと日なたの匂いのするような、ワイルドで力強い味でした。うまし。
これからも秋のあいだじゅう、歩く時は、ムカゴのつるを探しながら歩きたいと思います。 よかったらアナタもゼヒ。