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コネタ


コネタ144
 
でかいの集まれ!巨大カボチャコンテスト

 ビッグ、ジャンボ、ジャイアント、でかいと日本語で言ってもいい。どういうわけだか知らないが、大きいということには問答無用に人を惹きつける何かがある。

 あられもなく大きいものを前にして、でけえ…と絶句する恍惚感。

 そんな大きさへの憧れは様々な対象に向けられるが、たとえば今回はカボチャ。千葉のとある町で行われたジャンボカボチャコンテストの様子をレポートしてみます

(text by 法師丸

ムンクの叫びのようなポスター

すっかりくつろぎムード

いつか見た夢のよう

●無意味にでかいカボチャたち

 とにかく大きなカボチャが集まると聞いて訪れたのは、千葉県・鴨川市にある市民体育館。普段はスポーツで市民や若者たちが汗を流す体育館も、この日ばかりは巨大カボチャが占拠。そう考えただけでも相当おかしな話だと思う。

 ポスターには「だい11回」との文字が。もうすっかり地元では定着しているイベントのようだ。<

 イラストの人の表情にも、うれしいような驚いているような、人がでかいカボチャを目の当たりにしたときの気持ちがよく表れていると思う。

 会場の体育館に広がっていたのは予想外ののんびりムード。みんなそれぞれ簡易テーブルに食べ物を乗せてくつろいでいる。コンテストといっても厳格に競う会という風ではなく、そこにあるのはゆるい休日の雰囲気だけだ。

 カボチャはどこかと奥に進んでいくと……あった、オレンジ色のがゴロゴロしている。

 この感じは何だ。ちょっとした悪夢か。

 そんな中、そろそろ表彰タイムということで主催者の挨拶がはじまった。

「出品者のみなさん、よくまあ食えもしないカボチャを育ててくれました」

 なげやり気味なことをスカッと明るくいい放つ挨拶。うすうすそうかと思っていたが、やっぱり食用ではなかった巨大カボチャ。一体コンテストが終わったらどうするんだろう。

 ひたすら不毛にでかいカボチャがこんなに集まった、ジャンボカボチャコンテスト。続いて、上位入賞カボチャを見てみよう。


見物者も押し黙りがち
ゆるいあいさつで高まるリラックス感<

軽トラックの荷台を占拠するカボチャ

地面に接してたらしい部分にはあきらめ感も

●うんざりするほどでかい

 軽トラックの荷台に積まれた上位カボチャたち。優勝カボチャの重さは368kg。小錦関の現役時の体重が275kgとのことだから、それから比べても相当大きいことがわかる。

 オレンジ色の巨大な塊といった感じの優勝カボチャ。説明されなければカボチャだとは認識できないかもしれない。

 一体何があったんだろう。何がカボチャをそうさせるのか。

 準優勝のものもかなりの大きさだが、だいぶカボチャらしくなってきている。さらに第3位のカボチャはすっかりカボチャ。おとぎ話に出てくるようなたたずまいに好感が持てる。

 それにしても、3位でも十分に大きい。形のよさもあって、存在自体がハロウィンだ。

 賞を与えられるのは大きさだけによるものではない。たとえば市長賞のカボチャはきれいなヒョウタン型。大きさに加え、楽しい形が市長のハートをがっちりつかんだんだと思う。

ベーシックなカボチャ感高し
変化球でも攻めてくるカボチャ

よしずがセットになっている理由は不明

うん、普通にうれしいと思う

●海外旅行からキッチンペーパーまで

 ゆるめの雰囲気漂う大会ながら、優勝賞品は海外旅行となかなかに豪華。基本的には大きさを競うわけだが、上の写真にはそれほど大きくないカボチャもあったのにお気づきだろうか。

 上位が表彰されるのは当たり前なのだが、このコンテストではかなり下位までちゃんと賞品が出る。順番に賞品がチープになっていくという大まかな原則はありつつ、キリのいい番号にはちょっといい賞品も当たったりする。

 出品者みんながちゃんと楽しめる工夫がある。そういう気の利かせ方がすばらしいと思う。

 ずらっと賞品が並んでいるのをのぞいてみると、たとえば46位は写真のような感じ。雑貨的な日用品の類だが、それらが入ってるカゴごともらえるのは気が利いている。

 賞品を渡す人たちが列になってスタンバイしている中に、大きな丸いザルのようなものを持った人がいた。あれも景品なのだろうか。

 しばらく見ていると、やっぱり贈呈。

 何か干したりするものなのだろうか。個人的にはうっかり当たると置き場に困る気がしたが、当たった人はなんとなくうれしそうな顔をしていたのでよかったんだと思う。

あの丸いのも賞品なんだろうか
やっぱりそうだった

親に説明を求める子供

お父さん、しっかりしてください!

●みんなカボチャにやられてる

 コンテストとしても楽しいのだが、やっぱり大きなカボチャがゴロゴロと並んでいる様はそれだけでどうかしてる。

 もう競うことをあきらめ、ただそこに転がっているカボチャたち。

 明らかに異常な光景を前に、お母さんに説明を求めている子供もいた。大人の側としても、何をどう説明したらいいかわからないだろう。説明などいらない、ただカボチャたちに圧倒されていればそれでいいのだ。

 カボチャの毒気にやられ、大人自身がうつろになっている様子も見られた。すっかりカボチャに溶け込んで、視線うつろに宙を漂うお父さん。

 もちろん遊び盛りの子供にとって、こんなに大きなカボチャは格好のおもちゃでもある。子供が純粋とは言うが、それはここではカボチャによじ登ることだ。

 中には会の趣旨を悟ったのか、くつろぎムードでジャンボカボチャによりかかって座る子供も。もうすっかり突き抜けたんだと思う。

無垢なきみたちがうらやましい
もうそこには何の疑問もない



なぜだかすごいメンバーが並ぶ祝い幕

めまいがしそうな日曜の午後

 オレンジ色の巨大なカボチャがゴロゴロと並んだ体育館。日常を逸脱した異常な光景。いくらおかしな風景でも、普通はしばらくすると目が慣れてくるものだが、今回はいつまで経っても慣れなかった。

 なんなんだろう、この集い。どうしてこんなことになっているんだろう。

 そう打ちひしがれていると、日常生活の中での悩みなんかちっぽけなものにも思えてくる。そんな細かいことをウジウジ気にしていてどうするんだ、カボチャたちはこんなにでかいじゃないか。

 そこに論理はない。でも不思議と悩みがかすんでく。

 疲れた現代人にジャンボカボチャセラピー。これからもつらいことがあったときには、カボチャがゴロゴロ並んだ風景を思い出してみたい。



 

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