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コネタ


コネタ172
 
消えてなくなる魚?マンボウを食べる

 独特の形とのんびりした雰囲気で不思議と人気のある魚・マンボウ。

 憎めないヤツといった感じだが、図鑑で他の魚と並んでいる様子を見るにつけても、やっぱりどうかしてるという感は否めない。

 さらに聞くところによると、マンボウの切り身を一晩置いておくと、水になってなくなるという話があるらしい。確かにネットで調べてみても、まことしやかに書いてあるのがちらほら見られる。

 一体それは本当なのか。実際に確かめてみよう。

(text by 法師丸

普通に山盛りで売ってる
きっぱりと書いてある
普通の刺身気取りのマンボウ

そこまでやる気がなくていいものなのか

 置いておくと水となってなくなるという噂の魚・マンボウ。確かに見た目にもやる気がなさそうな魚だが、そこまでするとはいかがなものか。

 私もあまりやる気のある方ではないが、いくらなんでもそれは無理だ。

 そんな話を聞くと確かめてみたくなるのだが、マンボウなんてどうやって手に入れればいいのだろう。普通のスーパーや魚屋じゃ売ってないだろう。

 どうしようと思っていたのだが、近所のスーパーに行ったら普通に売っていた。

 筆者の住む南房総ではマンボウを食べる習慣が古くからあるらしく、港にあがりさえすれば一般的に売られるものらしい。そ、そうだったんですか。

 パッケージにもはっきりとマンボウの表示。オレンジ色の肝もセットになって売っている。

 さて、まずは普通に食べてみるかと切ってみると、本来のとぼけた風情もなくなってすっかり普通のお刺身だ。シャクシャクとした感じの歯ざわりはなじみの魚の刺身とちょっと違うが、特に変わった味がするわけでもなく割と普通。

 うーん、あまり味がない。これなら消えてなくなることもあるかもしれないという期待。

 肝の方はというと、身の部分とは違ったかなりしっかりとしたコク。マンボウにおける生き物としてのやる気の部分は、この部分が担当しているんじゃないかと思う。


えーと、こうやって食べればいいんだよね
ものすごいコクの肝

灼熱のマンボウ
ジュージュー言ってるマンボウ

加熱して実験してみる

 一晩置くとなくなるという噂の検証をしてみるのだが、確かめるまでちょっと時間がかかる。その間ただ待つのではなく、別の調べ方もしてみたい。

 普通は生で食べるものらしいが、ここではソテーにも挑戦してみよう。置いておくと水になるならば、加熱することでもなんらかのリアクションがあるかもしれないからだ。

 刺身で食べた分の残りの身に、塩コショウを振って熱したフライパンへ。さあさあ、どうなる?

 そう思って見ていたが、特にこれといった変化はない。普通に焦げ目がついて焼かれていくだけだ。

 期待に反する結果でちょっと拍子抜けだが、焼けた感じは普通においしそう。食味としては刺身のときと同じようにかなり淡白、味のなさが余計に際立った感じがする。

 この辺には確かに感じるやる気のなさ。一体噂は本当なのだろうか。


フランス料理気取りというのは言いすぎか
中身も特に変わったところはなし

刺身にして1時間後
24時間後…ある意味衝撃の結果

やる気のなさにも限界はある

 さて、刺身の状態に切って1時間、さすがにこれくらいの時間では変化がない様子だ。あくまで普通の刺身としてそこにある。

 やはり噂どおり、一晩置いておかないと変わらないのだろうか。冷蔵庫に入れて様子を見てみよう……。

 ちょこちょこと中の様子を確かめてみたのだが、特に変化はなさそうだ。そして24時間後、やっぱりあまり変化のないマンボウがしっかりとそこにある。

 えー、そうなの…。

 確かにちょっとは水分が出てきたような感じはあるが、なくなるところまでは到底行き着きそうもない。やっぱり噂は噂だったのか。

 なくなっちゃうなんてやる気のなさにも程があると思って始めたこの検証、やる気がなくても無理なものは無理、ということがわかった。

 そんなことわかってどうするのか。

 マンボウが消えるという噂は一種の都市伝説だったということだろうか。





鶏肉に擬態するかのようなマンボウ

やる気のないきみのままでいて

 さすがに消えてなくなるという、物理法則に挑戦するかのような芸当は無理だったマンボウ。

 消えるというのは、そのすっとぼけた雰囲気が作り出した噂だったのだろうか。確かにあの風情を見ていると、調子に乗ってそんなことまで言いたくなる気持ちはわからなくはない。

 マンボウがとぼけた魚であることにはこれからも変わりはない。生態もあまりはっきり解明されていないマンボウ、これからものほほんと海を漂っていてほしい。



 

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