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コネタ


コネタ216
 
水戸で納豆まみれになる

水戸といえば黄門様に楷楽園、そして忘れてならないのが納豆だ。

納豆ほど好き嫌いが極端に分かれる食べ物もない。好きな人は毎日のように食べるが、嫌いな人はニオイを嗅いだだけで顔をしかめる。「世の中には2種類の人間がいる。納豆好きと納豆嫌いだ」と言ったのは誰だったろう。…誰も言ってないか。

とにかく、そんな納豆の工場見学が自由にできるところが水戸にあると聞いた。納豆工場。なんと魅力的な響きなことか。納豆好きを自認する者として一度は見ておかねば、との思いから、納豆の聖地とも言える水戸へ行ってきました。

高瀬 克子

いきなり行き詰まり

向かったのは「水戸天狗納豆 笹沼五郎商店」。ここは明治時代創業の、水戸納豆を語るうえで欠かすことの出来ない老舗だ。大手メーカーの巨大工場が郊外にあるのに対し、こちらは水戸駅から徒歩7〜8分という立地の良さ。おまけに駅から一本道ときている。方向音痴にとっては涙が出るほど有り難い。


天狗ののぼりが目印
こちらの天狗はずいぶんとキュートです

しかし、「ごめんくださーい」と建物内に入り、工場見学したい旨を伝えた私を待っていたのは、思いもよらない言葉だった。

「あらー、今日は工場、操業してないんですよー」

…ショック。頭の中に---終了---という文字が浮かぶ。「じゃあ出直してきます」と言えない距離が恨めしい。なんで確認してこなかったんだ、バカじゃないのか、と心の中で自分を責めながらボーゼンとしていると「2階の展示館はやっておりますので、どうぞー」と声をかけられた。

というわけで、いきなりですが予定変更です。すみません。


この先が本来の目的地だった工場。無念

展示館を満喫

足取りも重く展示館への階段を昇っていて「ん?」と思った。なにやら建物全体に、納豆の香りが漂っているのだ。工場が休みの日でもこんなに納豆の匂いってするもんなのか、と思いながら、改めてここは納豆好きのための施設なんだなぁ…と実感。


明るい陽射しが差し込む展示館。アットホームな雰囲気です
モニターには工場の様子が。これが見たかったのだ、これが

展示館には、納豆が水戸の名産になった由来や製造法などが書かれたパネル、昔の道具類が並んでいた。なかでも目を引いたのが、全国各地で生産されている納豆のパッケージ。


西日本でもわりと作られているんですね

チビでも横綱昇進だ
このメーカーは力士が好きなようです
「発祥の地」とは大きく出ましたね
ああ、これは実家でよく食べました
やっぱりキャラクター物は外せません
このメーカーは藤子不二夫びいき
このシリーズ、他が気になります
この娘の名前でしょうか
東京風? でもって大仏?
珍しい沖縄産。なぜかシーサー号泣

ふと気がつけば、さっきまでの匂いがしなくなっていた。鼻が慣れたのだろうか。

そういえば子どもの頃、納豆を作ろうとした父は発酵を促すためコタツに納豆を入れ、その強烈な匂いに激怒した母に「コタツ納豆禁止令」を出されグレていた。あれももう少し我慢していれば、鼻が慣れたかもしれない。熟年夫婦の溝を広げる役目も果たす納豆、おそるべし。

匂いは、いろんなことを思い出させます。


1階には直売店。買い占めたい
水戸天狗納豆
株式会社 笹沼五郎商店
茨城県水戸市三の丸3-4-30
電話 029-225-2121

チャレンジ精神に溢れた駅弁と言えましょう

こんなものにも納豆が

今度来る時はもっとあちこち見てゆっくり過ごそう、そう思いながら水戸駅構内をぶらぶら歩いていたら、駅弁売り場で我が目を疑う物を見つけた。

「納豆弁当」(550円)だ。もちろん購入。

で、これが「開発担当者は苦労したんだろうなー」と思ってしまうほど、ほとんど匂いがしない。いつか「プロジェクトX」で開発裏話を聞かせてほしいものですが、NHKさん、どうでしょうか。


納豆てんぷらの軍艦巻き、納豆手まり寿司、高菜納豆巻き、という布陣

豚肉と炒めた納豆入り。うまい。これ10個ほど食べたい

この弁当なら、納豆嫌いの人でも許せる(食べられる)ような気がする。なんせ納豆が非常におとなしいのだ。箝口令を敷かれた納豆といってもいい。

…そう、つまり納豆原理主義の私には、いまひとつ物足りないものであった。しかし弁当としてのクオリティは非常に高い。うーん。

納豆好きとしては「納豆大主張弁当」の開発を期待します。家に持ち帰って食べますので、ビニールで密閉してくだすって結構です。匂いバンバンのやつを、是非ひとつ。



駅弁で完結した今回の水戸の旅。工場見学は叶わなかったものの、納豆を名産とする街の底力を実感したものとなりました。今度来る時は、電話で工場の操業日を確認するのを忘れません。
箸も折れよとばかりの粘りを発揮。おいしかったです

 

 

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