デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示
アット・ニフティロゴ

コネタ


コネタ270
 
美味しいマヨネーズができるまで〜工場見学編

マヨネーズが大好物である。

トンカツやウインナーにもマヨネーズをかけるし、マヨネーズご飯だって大歓迎だ。ビールの肴にマヨネーズをそのまま舐めることだってある。

それだけに今まで、各社のマヨネーズをいろいろ試してきた(業務用を取り寄せたこともある)。

そのなかでも特に美味いなァと思ったのが、写真の「セイアグリーマヨネーズ」。少々値は張るのものの、風味の濃厚さとまろやかさには、大手メーカー品 の追随を許さないものがあった。

そして先日、ふと裏面の表示を見たら、このマヨネーズが京都の工場で作られていることを知った。おお、ひとつ工場見学させてもらえないだろうか。

で、さっそく会社に連絡してみたら、取材OKの快諾をいただいたのでした。やった!

そこで今回は、京都は宇治にある、美味しいマヨネーズを作っている工場(株式会社ユーサイド)の見学レポートをお届けしたいと思います。

(text by ステッグマイヤー名倉

社長の久保田さんに話をうかがうの図。

恐縮しながらの取材スタート

近鉄・向島駅を下車して歩くこと10分少々、郊外の一角に工場はあった。

おそるおそる中に入って挨拶すると、社長さん自ら出迎えに来てくださった。そのうえ立派な応接室に通され、すっかり恐縮しながらの取材スタート となる。

で、まずは社長の久保田さんのお話をうかがうことに。こだわりのマヨネーズについてお聞きすると、製品への思いを気さくに、しかし熱く語ってくださった。

「化学調味料って安くて便利なんですけど、これを使うと全部同じような味になっちゃうんです」

「だかこそ添加物を極力使わず、厳選した天然素材だけで勝負したら、大手メーカーには真似のできないモノが作れると思ったんですよ」

美味しいマヨネーズには、やっぱり相応の理由があったのだった。


部外者立入禁止」のドキドキ感。

いよいよマヨネーズ工場に

「じゃ、そろそろ行きましょうか」

久保田さんに引率され、マヨネーズ製造過程へと足を進める。

「部外者立入禁止」と書かれたドアを開けると、入室前のチェック項目が目に飛び込んできた。爪、傷、ヒゲ、下痢、体調。

「ぼくの不精ヒゲ、大丈夫っすかねえ…」
「いや、これは工場内に入る際のチェックですから大丈夫ですよ」
「へ?」
「工場の中には入っていただけないんです。申し訳ないんですが」

そうかァ。工場内部に入れないのは残念だが、考えてみれば当たり前である。見物客が自由に入れる工場で作られてるマヨネーズなど口にしたくない。

ちなみに工場の入口にはエアシャワーが設置されていた。

「ここから殺菌ガスが出てくるんですよね?」
「アハハ、そんなことしたら人間もやられちゃいます」
「え、じゃあ何のために?」
「空気で塵やホコリを吹き飛ばすだけですよ」

とことん莫迦をさらしながら取材は続く。


工場に入室する前のチェック項目。「下痢」と「体調」が区別されていてちょっと謎。
エアシャワー装置。ガス室にあらず。

社長さんも私服では工場に入れません。

たまご割り工程

まず案内されたのが、第一工程の「たまご割り」である。

我々は工場の様子を外から眺めるのみだが、それでも衛生服に身を包んだ作業員たちの姿が間近に見える。

「今日のぶんの割卵はもう終わっちゃってまして。今やってるのは、その後の清掃作業です。すいませんねえ」

そうなのか。かなり残念ではあるが、ここで「明日のぶんの卵もい今割っちゃいましょうよ!」などとゴネて退場処分になっては元も子もない。「いえいえ、清掃を見れただけでもラッキーですよ ー」と心にもないことを答えてお茶を濁しておく。

そこで今回は、ドアに張ってあった「割卵シーンの写真」を元に、工程を紹介させていただこう。


たまごコンベアー。コロコロかわいらしい。

新鋭の「たまご割りマシン」

1.卵はまず自動洗浄され、ベルトコンベアーでコロコロと運ばれていく。小動物の行進みたいでかわいらしい。

2.運ばれた卵は次々と、ダイヤモンドカッターで殻をスパッと切断されていく。きれいに真っ二つ。

3.バキュームでゴミを飛ばしつつ黄身だけが集められ、タンクの中にたまっていく。

卵の黄身を取り出すためだけに、コンベアー+ダイヤモンドカッター+バキューム装置という大仰さ。どうしてこんなマシンを使うのか尋ねてみたところ、実に明快な答えが返ってきた。

「だって、手で割ると殻が入るでしょう」

…そ、その通りだと思います。すみませんでした。

あと一言申し上げると、写真のふちをもう少し丁寧に切ると、一層素晴らしいと思いますよ社長さん!!


ダイヤモンドカッターで殻を切断。
バキュームでゴミを飛ばしつつ黄身だけを集める

「遠くから撮るだけならいいですか?」とゴネ続けた末、なんとか撮らせてもらった一枚。

撮影禁止ゾーンに踏み込む

次に案内されたのが、実際にマヨネーズを製造するための装置、「真空乳化機」である。

よっしゃ! と気合いを入れてカメラを構えようとした瞬間、社長さんがぼくの眼前に立ちふさがったのだった。

「ここの機械だけは撮影をお断りしてるんです! ごめんなさい!」

思わずひっくり返りそうになったが、使用機種が漏れるとライバル企業に真似されたりして、いろいろ大変なんだとか。

機械の仕組みを図説するのはOKをもらったので、社長さんの話をもとに描いた図を掲載しておきます(下図参照)。

話をもとに描いた「真空乳化機の仕組み」

1. 卵黄とリンゴ酢と砂糖と塩を真空タンク内で攪拌する
2. そこにホモゲナイズ(分子粉砕)した油を少しずつ散布していく
3. すると油滴のまわりを水分(主に酢)が覆う形になる
4. マヨネーズの完成

なお、真空タンクを用いているのは、油の酸化を極力防ぐためだそうで(真空にしなくてもマヨネーズは普通に作れるらしいです。そういや家庭でも作れるんだった)。ううむ、恐るべきこだわり。


業務用マヨネーズ(5kg袋)。なめたいです。

できあがったマヨさん達

こうして、こだわりまくった末に完成したマヨさんの現物を見せていただいた。

業務用モノはさすがに存在感がある。ああー、スプーンですくってなめたいぜ。

なお業務用モノは、一般向けのマヨネーズよりも一層、濃厚であるらしい。

「全国のホテルとかレストランに卸してるんですけどね。プロはマヨネーズにいろんな食材を混ぜ込ん で使うので、一般用よりも濃くしてあるんです」
「だからウチは普通と逆で、業務用のほうが高いんですよ」

ちなみに市販品でも、瓶入りの濃厚タイプには業務用モノを使っているとのこと。


久保田さんに自慢のマヨを手にしていだく。これは一般市販用の商品。
ギフト用セット4200円。瓶入りマヨネーズには超濃厚な業務用が。

いただいた業務用モノでマヨネーズごはん。

帰宅して即、マヨネーズごはん!

ひととおり工場を見終わったので、そろそろ失礼することに。

すると社長さん、ぼくの物欲しげな視線に気づいていたのか、業務用マヨネーズのサンプル品を土産にくださったのでした。

おお、超濃厚タイプじゃないですか!

帰宅してさっそく、マヨネーズごはんにしていただいてみる。うわー、めちゃくちゃ美味い! 濃厚でクリームのようなコクと食感。

こんなの、いくらごはんがあっても足りません。さながら飯ドロボウ、いや、こりゃあもう飯強盗ですよ!

売り場に並べてみる。

というわけで、あまりにも素晴らしいマヨネーズの新商品名は「飯強盗」でどうでしょうか社長さん!?

マヨネーズ好きなかたは是非 、一度お試しになってはどうでしょうか。周りににマヨネーズ好きがいるかたも、ギフトに贈ると喜ばれると思いますよ。

飯強盗バンザイ!!

株式会社ユーサイドのサイトはこちら
※ネット通販のコーナーもあります


 

▲トップに戻る コネタバックナンバーへ
 
 


アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation