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コネタ


コネタ271
 
油絵で描きたくないモノを、あえて油絵で描く

芸術の秋!

ということで
油絵を描きたくなりました。

かといって
果物とか風景とか
油絵でありがちな普通なものを
モチーフにして油絵で描いても
べつにたいして盛り上がりません。

そこで今回は、
あまり油絵のモチーフになりえない
かわいそうなモノたちを
あえて油絵で描いてしまいたいと思います。

まったく絵心がくすぐられない
モチーフとしての素質ゼロのモノたちを、
油絵で淡々と描き続けた
きわめてマゾヒスティックなアートレポ、

とくとご覧あれ!

ヨシダプロ

普通油絵というものは、
果物だったり人物だったり動物だったり風景だったり
アート的に絵心がくすぐられて、絵になるものを
モチーフにして描くものであります。




でも今回は、あえて
絵心がくすぐられない、
モチーフとしての素質ゼロなものたちを、
油絵で描いてみたいと思います!

絵描き的にはきわめて苦痛極まりない
マゾヒスティックなアート
略してマゾアート
はじまりはじまり〜。




ではさっそく
マゾアートのモチーフ探しということで、
きわめて絵にならない
絵心のくすぐられないモノはないかと
周りをキョロキョロ見渡してみたところ
まず目についたのがこちら、




ふせん。

ふせんです。

ちょっとしたメモとして
職場でもおなじみの
ふせん。


いやぁ

くすぐられません
絵心。

どっからみても
ただただ
正方形のシールのかたまり。

見れば見るほど
マゾアートのモチーフとしては
最適です。


ふせんに書くことはあっても
ふせんを描きたいと思うことは
あまりないことでしょう
しかも油絵で。

ていうか
ないでしょう。


というわけで
描いてみたいと思います。

まずは鉛筆で
下描きから。




いやぁ
描き始めてはみましたが、
やはり
くすぐれられません
絵心。


こいつ
かなりモチーフ失格です。
モチーフの素質ゼロです。

でも
描くと言ってしまったので
しかたがありません
描きます。


そして
ちんたら油絵着色作業をしていきましたら、

できました!

おそらく人類史上初、
油絵で描き上げた
ふせんがコチラ!!


マゾアート作品NO.1 「ふせん」



……。

ほら。

メモりたくなりますよね。

レッツ
ポストイット!




ではでは
マゾアートの次のモチーフは
ということで、
周りを見渡してみたところ、

薬箱のなかに
燦然とダメモチーフオーラを放っている
とある一つのモノが。




でました
アンメルツです。


筋肉痛の時には欠かせないというのに
なぜか油絵では
いまいち描かれながちな
アンメルツ。

いやぁ
しかしこれも
くすぐられません
絵心。

ただただ
ツルンと
存在しております。

というわけで
さっそく油絵で
描いてあげましょう!

ではまずは
下描きから!




うん
まぁ見慣れたフォルムとパッケージ。
アンメルツです。



なんだか
アンディーウォーホールのような気分で
これに油絵の具を
塗り塗り塗り塗りと…。


そしてできました!

おそらく人類史上初、
油絵で描き上げた
アンメルツがコチラ!!


マゾアート作品NO.2 「アンメルツ」



わお。

筋肉も
より和らぎますね。




マゾアートが早くもイヤになってきたので
パソコンを立ち上げ
ネットに逃避してしまった僕。

すると
あるニュースサイトを見ていたら
ふと情報の更新をしたくなったのですが、




そんなとき
押すものといえば
ブラウザのこの更新ボタン。

中央の緑矢印が
更新ムードをより助長してくれておりますが、

ここで会ったのも
何かの縁です。

今度はこれを
油絵で描いてみようじゃありませんか。

もちろんこれも
とりたてて
油絵で描いてみたいだなんて
さっぱり思いません。

でもマゾなので
描かなければならないんです。



そして
無味乾燥な下書きのち
無味乾燥な着色作業を経て、
ついにできました!

おそらく人類史上初、
油絵で描き上げた
更新ボタンがコチラ!!



マゾアート作品NO.3 「更新ボタン」



おぉ。

かなり更新な感じ。

ブラウザを見る目も変わりますね。

なんだか
「中止ボタン」とかも
描かなきゃいけないような気になってきましたが、
面倒なのでやめます。




マゾアートは
予想以上に過酷な作業のため
HPも結構に減少するので
なんだかお腹が空いてきました。

よし
今日のご飯は、
と思い
食材を見渡してみたところ、

また
見つけてしまいました




牛肉です。

しかも
生の。


描きがいがないし、
描きにくいし、
描いてるくらいなら食べたいし、
あまり油絵で描かれないのが
この生の牛肉。

こりゃマゾとして
描かなきゃなりません。

では
しっかり正面から彼と向かい合って
描き始めてみましょう!




いやぁ
しかしこれも絵になりません。

ぬべ〜
って
ただただ
だべっています。

絵描き的にも
絵的にグッとこないこと
このうえありません。

こりゃ描かれないでしょう。

でも
マゾなので
描きます。

そしてできました!

おそらく人類初、
油絵で描き上げた
生の牛肉がコチラ!!
 



マゾアート作品NO.4 「生の牛肉」



おぉ。

おいしそうですね。

まぁいいや。

このあと焼いて食べました。





また
マゾアートに嫌気が差して
再びパソコンに逃避してしまった僕。

するとそのとき、
パソコンのUSB差込口付近に
とあるモノが置いてあるのを見つけてしまいました。




USBフラッシュメモリーです。

USB接続で
大容量のデータ移行もらっくちん!
とのことですが、
これも絵的にグッと来ないこと
このうえありません

よしでは
今度はこれを
油絵で描いてみようじゃありませんか。




いやぁ
たしかに綺麗ですが
その予定調和すぎるデザインが
動きも激しさもすべてを抑制しております。

これもモチーフの素質
ナッシングです。

学校の美術の時間とかで
先生に油絵で何か描けと言われて
おもむろにこれを描いてたら
きっと怒られるでしょう。

そして
そんなこんなで
できました!

おそらく人類初、
油絵で描き上げた
USBフラッシュメモリーがコチラ!! 



マゾアート作品NO.5 「USBフラッシュメモリー」



……。

USBフラッシュメモリー。

いやぁ
中にはデータがいっぱいな様子が
よく表されていますね。

 

 

はい。

では以上で
マゾアート

しゅうーーりょーーーー。

 

いかがでしたでしょうか

油絵で描かれにくいものをあえて油絵で描く
油絵マゾアート。

いかがもくそもないですね。

きわめて絵心をくすぐられないモノを
油絵で描き続けるのは
なかなかに苦痛でありました。
マゾアート恐るべしです。

しかしこの
マゾヒスティックなクリエイティブから
アートの新たな地平が見えてきたことは
確かです。


嘘です。

別に何も見えてきていません。


でも
我々が忘れてはならないことは、
この世の中の全てのものは
モチーフになりうる
ということなんです。

この世の中に
モチーフになりえないものなんて
ないんです。

この世に存在する
生きとし生ける全てのものに
それぞれ存在する意味があるものなのです。

今回僕が伝えたかったのは
つまりそういうことだったのです。



それも嘘です。



では
おやすみなさい。

 

ふと気づくと
愛犬の黒ラブラドールのしっぽに油絵の具がついていた。
それを見て僕は愛犬がますます愛おしく思えたんだ。

 

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