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コネタ


コネタ272
 
鮭のおにぎり徹底解剖

最近、朝起きるのがツラい。
ギリギリまで寝ているため家で朝ごはんが食べられず、出社間際にコンビニに駆け込んで、おにぎりを買う毎日だ。
ある日、ふと「コンビニのおにぎりって、同じようでいて微妙に違うなぁ」と思った。思ったからには調べてみよう。

コンビニとスーパーで、計18個の鮭おにぎりを買い込み、食べに食べた。「食べれば太る」という当たり前なことから「これはどういうことだろう」と疑問に思うことまで、いろんなことが明らかになりました。

高瀬 克子

鮭、人気あります

何軒もコンビニを回ったが、鮭のおにぎりはどこもよく売れていて、買えなかった店もあるくらいだ。その人気を反映してか、鮭には様々なバリエーションがある。「紅鮭炊き込み御飯」だの「鮭トロ」だの「マヨ鮭」といった具も魅力ではあったが、今回は純粋に「鮭」のみに焦点を当てることにした。

では、値段の高い順からさっそく見ていきましょう。


焼さけハラミ(ローソン)180円
 ※201kcal ナトリウム660mg

高級コンビニおにぎりの先駆けともいえる存在。値段設定も強気の180円だ。鮭のあまりの大きさに、少しくらい具がこぼれても「まだ残っているから大丈夫」と大らかな気持ちでいられる、そんな奇跡のおにぎり。大変おいしゅうございます。


炙り鮭(デイリーヤマザキ)165円
 ※189kcal ナトリウム570mg

中の鮭が厚くて豪華だが、ひとくち目で鮭まで到達できないのが惜しいところ。家で焼いた甘塩の鮭をゴロンとそのまま挟んだかのような、当然のおいしさ。パッケージに小さく「御結び屋さん」とあるのはローソンを意識してのことでしょうか。


紅鮭(デイリーヤマザキ)140円
 ※183kcal ナトリウム550mg

ふたたびヤマザキ。一気に25円も安くなり鮭が切り身じゃなくなったが、フレークというより「ほぐし身」といった感じ。さっきの165円のものより、ごはんに粘りがあります。


紅鮭(東急ストア)140円
 ※表記なし

何個もおにぎりを食べてみて「安いおにぎりは具がごはんの中に入っていない」という仮説が成り立つのでは?と思ったが、見事に打ち砕かれた。具、思いっきり外に出てます。これはこれで強気の値段設定。


紅鮭(チコマート)137円
 ※表記なし

BENI SYAKEと書いてありますが、おにぎりはやっぱり「シャケ」と読むのが正しいのでしょうか。上等な鮭フレークの味です。


しゃけ(新鮮組)136円
 ※182kcal ナトリウム470mg

「塩振り仕立て」の意味が分かりませんでした。この鮭は醤油で味付けしてあって、ちょっと他とは違う味。個性的です。


しゃけ(セブンイレブン)136円
 ※176kcal 570mg

脂の乗った鮭のみっしり具合が素晴らしい逸品。かなり満足感があります。安定感バツグン。


アラスカ産紅鮭(ポプラ)135円
 ※168kcal 160mg

ポプラには170円の高級おにぎりもあるらしいのだが、残念ながら売り切れていた。こちらも検討しております。具の量がすごいんだ、もう。


紅鮭(ミニストップ)135円
 ※180kcal 400mg

脇に「契約栽培米」の表記あり。「ふっくら」とあるとおり、ごはんがホロホロと口でほぐれておいしい。最近の機械は優秀ですねぇ。


紅鮭(ファミリーマート)135円
 ※180kcal 210mg

具がきっちり三角に埋まっているところが泣かせます。どこから食べても悲しい思いをしなくても済む、そんな気配りおにぎり。高感度大。




ちょっと休憩

ここで栄養価の欄に注目してみたい。ひとつひとつ見ていて、一番違いが明らかだったのがナトリウム値だ。だいたいが400〜600mgというアベレージのなか、ケタはずれな数値を叩きだしたのが以下の2つ。



ちなみに、味にたいした違いはありませんでした。
うーん。ナゾです。よくわからないまま、後半戦に入ります。




北海道産鮭ほぐし(サークルK)130円
 ※188kcal 509mg

きちんと「ほぐし」と明記してある正直者。あ、今度は「あと塩仕立て」と書いてある。…まったく違いが分かりません。どうしよう。


焼鮭(サークルK)130円
 ※182kcal 643mg

この価格帯にしては珍しく切り身が入ってます。嬉しい。海苔の周りに塩がまぶしてあって、食べながらバラバラとたくさんこぼしました。


さけ(ローソン)120円
 ※180kcal 600mg

ローソンの、高級じゃない方のおにぎり。こちらは至ってシンプルなつくり。おいしさもシンプル。えー、この辺から具の量が若干さみしくなっていきます。


焼鮭(ファミリーマート)110円
 ※210kcal 220mg

地味な色合いのフレークがおいしい。安めの価格でパリパリ海苔じゃないのは珍しいです。


ふっくらおにぎり鮭(新鮮組)110円
 ※164kcal 164mg

おいしいのですが、食べたあと「今のは、鮭…だったよな?」と思ってしまうほど、具の量がささやか。塩分を気にしている方向けかも。


焼サケ(西友)105円
 ※195kcal 1885mg

「ふっくら仕上げ」が流行るのも無理はないと思うほど、ごはんのみっちり具合がスゴイ。木っ端のような鮭フレークが、一気にジャンク的雰囲気を高めてくれてます。


ふっくらやわらか鮭(デイリーヤマザキ)105円
 ※164kcal 410mg

これぞ正しい105円の鮭おにぎり。量の不足は人工香料で補います。特売の鮭フレークって、どう頑張っても憎めないおいしさがありますが、そんな味です。


紅鮭(マルエツ)103円
 ※表記なし

10年くらい前までは、こういうのがコンビニおにぎりの代表格だったような気がする。103円という値段に象徴されるように、消費税が3%だった時代から歩みと止めたかのような存在。重要指定おにぎり。

それぞれの味

食べ比べていると、どうしても「これが好き」だの「いや、こっち」といった感想を持ってしまうが、もし目の前にひとつだけ鮭のおにぎりがあって、それしか食べるものがないとしたら、それはいつだって「すごくおいしい」に決まってる。
18個も食べた自分の行為を根底から覆しかねない意見ではあるが、本当のところはそうだろうと思う。だって、どれもおいしいし。

ただ、やっぱりローソンの180円は別格だった。まるで高校生の陸上競技大会に、ハンマー投げの室伏広治が紛れ込んでいるようなもの、といえば伝わるだろうか。見た目、実力ともに群を抜いている。

あと、特筆すべきはコンビニ各社のおにぎりにかける情熱だろう。どんどん進化しつづける、おにぎり界の5年後10年後がとても楽しみだ。その時、また同じような食べ比べをするかどうかは、…えー、体重の増え具合を見てから決めたいと思います。

…やっぱり4日間で18個は食べすぎでした。げふ。


 

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