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コネタ


コネタ284
 
薬局でグッとくるもの選手権

 そろそろ冬到来、のど飴でも買おうとちょっと寄ってみた薬局。そんな気軽な気持ちで入るだけでも、薬局はつい立ち止まって見てしまうものたちがたくさんあるところでもあります。

 訪れる者の心をつかんで離さない薬局のトラップたち。あらぬ想像の世界にいざなわれます。

 何かがこみ上げてくる薬局でのひととき。胸に去来する思いの輪郭を見極めるべく、薬局でグッとくるもの選手権をお送りいたします。

(text by 法師丸

●下からグッとくる部門




 まずは「下からグッとくる部門」。ここで外せないのはやはり浣腸でしょう。子供のいたずらとしても人気の浣腸、両手を組んで人差し指を突き出すだけで、口元に微笑がこぼれる方もいるでしょう。

 そんな浣腸が薬局では山積み。これはたまりません。

 よく見ればわかりますが、ノーマルタイプの横にひっそりと置かれているのはロングタイプ。ただでさえグッとくるというのに、ここにきてリーチの長さをプラス。考えただけで腰が砕けます。

 

●つらそうな人部門




 続いての「つらそうな人部門」では、痛みを緩和するためのはり薬が入賞です。肩こり・腰痛・筋肉痛・関節痛と、四拍子そろった様子はまさに痛みの波状攻撃。一体なにがここまで彼を追いやったのでしょう。

 かなりつらそうです。ポリゴンになりたくなる気持ちもわかります。




 痛み以外のジャンルからは、鼻炎カプセルも次点として入賞です。決して饒舌ではありませんが、鼻をぐいっと押す大人たちはかなりつらそうです。




 メンタルなつらさからエントリーしたのはイライラ解消薬。言うことを聞かず、散らかし放題の子供たちにイライラするのはもっともです。

 薬を飲んだところで散らかりっぷりには変化がないでしょうが、それはまあいいでしょう。気持ちが落ち着いたところで、一緒に混じって散らかしまくるのも一つの手です。その散らかしぶりに子供が引きはじめたら大人の勝ちです。

 

●達筆部門




 薬の効用を説得力あるものにするのが達筆なはり紙。こんなにうまい字で漢字を連発で書かれたら、意味がわからなくても効きそうな気がしてきます。

 特に赤字部分に注目。「体力があって ノイローゼ気味の方」。

 かなりピンポイントにターゲットを絞ってきています。気持ちは滅入っているけど元気モリモリ。そんな方におすすめのこの薬、よく見ると吐血にも二日酔いにも効くとあって、隙がありません。

 ノイローゼ気味で体力もない方は、あきらめて他の薬を飲んでいただければと思います。




 こちらも達筆により説得力が加速する事例です。畳み掛けるようにさまざまな薬効を説くさまに圧倒されます。特に「腸内異常発酵」が気になります。

 

●ぢ部門




 たった一文字なのに見る者の心に迫る看板です。病んでいない者にもそのつらさを思い起こさせる迫力は、全ての人たちの心に闇を投げかけます。

 決して現代的なスマートさに陥ることなく、独特の字体で迫ってくる「ぢ」。言外にある痛みを想起せずにはいられません。




 こちらはギザギザ爆発でビジュアル的にもストレートに迫ってくる例。患部の形状のメタファーにもなっているのかもしれません。




 個性あふれる作品がひしめくこの部門、こちらは丸っこい字体での変化球です。しかし、そのかわいらしさを差し引いても、「ぢ」という一文字が持つ特有の雰囲気は決して揺るぐことはありません。

 

●相談よびかけ部門




 オレンジの地に漆黒の文字、書いてることは「足のつる人」。夜中に急に足がつる衝撃を、ビビッドなカラーリングでも表現しているように見える作品です。

 今のところ足は別につりませんが、つったらぜひ相談したくなるはり紙です。




 こちらは全く逆のカラーリングの作品です。先ほどのものと比べると落ち着いた雰囲気で迫ってきますが、センセーショナルでない分ジワッと心に効いてきます。

 これまで肝臓のことは別に気になっていなかった私ですが、このはり紙を見ていると、本当に気にしなくていいものだろうかと疑問が湧いてきました。




 ただ「シミ」と書いて突き放すように見えて、下の部分では小さく相談ウェルカムと投げかけるはり紙。シミのことを曖昧にしていた人に、本当にそれでいいのかと呼びかけるただずまいです。

 

●アクション部門




 薬に頼っているだけじゃ始まらない、もっと自分から行動しようよ。そんなアグレッシブな呼びかけも薬局では見られます。そう、50才過ぎたら肛門締運動をしようよということです。

 50才前の者のおしりもキュッとさせる勢いすら感じさせます。

 1日100回はつらいかもしれませんが、そんなに何回もおしりをキュッキュさせてるミドルエイジになりたいと思う気もしてきます。




 痛みのある方大集合です。痛みのというネガティブを背負う人たちをフランクな感じで募集。痛い、痛いんだよとみんなで気持ちを分かち合うことで、とりあえず自分だけじゃないんだと勇気が湧いてくるかもしれません。

 

●ネーミング部門




 薬局にはグッとくる名前をもつ商品たちが競うようにそろっていますが、その中でもやはりネーミング部門として看過できないのがダイエット関連の棚です。

 「でるでるダイエット」「どっさりダイエット」など楽しい語感で親しげに呼びかける商品があるかと思えば、「便学のすすめ」と妙に堅苦しく迫ってくるものもあります。

 いや、堅苦しくと書いてしまいましたが、きっと「勉学」とかけているのでしょう。字面の堅さに反して、言ってることはダジャレです。




 見慣れない栄養ドリンクに出会えるのもまた薬局での愉しみの一つ。今回セール中だったのは「ポリ・ナミンドリンク」。

 たぶん元気が出るんだろうなと思わせるパッケージング。「ポリ」が一体なんなのかはわからないままですが、大事なのは飲むときの気のもちようです。

 

●グッとくる大賞




 さて、今回の「薬局でグッとくるもの選手権」、ついに大賞の発表です。さまざまな角度からグッとさせてくれるものたちとの出会いがありましたが、今回は「エチケット袋ゲロゲロ」を大賞として選出いたします。

 包み隠すことをあきらめたネーミング。エチケット袋という部分だけでも意味は伝わるのに、念を押すようにゲロゲロ。

 抗菌プラスチックを使用しているようですが、そんなものは追いつかないくらいの勢いで大賞です。




 パッケージのイラストの女の子もかなりまずい状態です。そのままぶちまけたらクラスメイトに大ひんしゅくですが、このゲロゲロがあれば被害を最小限にとどめられます。




 裏面の使用方法の男の子はついに決壊です。演技とは思えない表情で、私たちにしっかりと袋の使用方法を教えてくれます。確かに、受け口を口元にあてないで使うのはかなり危険です。

 グッときてます。かなりきています。

 さて、今回の「薬局でグッとくるもの選手権」はいかがでしたでしょうか。個人的にはこうして書いてみたことで、グッときていた気持ちが落ち着いた感じがします。

 今回の選出はあくまで個人的なものに過ぎません。人それぞれ、いろんなものに対して自由にグッとくるというのが本来の姿です。

 また、薬局以外でグッとくることもあると思います。ところ構わずグッときすぎるのも考えものですが、適度にくるのは好ましいことにも思えます。

 これからもホームセンターやおもちゃ売場でグッとくることはあるでしょう。大人としての節度を守った範囲で、これからもそういう気持ちを大切にしていきたいと思います。


 

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