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コネタ


コネタ296
 
人生で初めて食べるラッキョ

(text by 大塚 幸代

あまり仲良くない人と、仲良くなるために、一緒にごはんを食べるとき、
メニューを見ながら
「何にしましょうか、何が食べたいですか? 何か苦手なものとかありますか?」
とかいう話になるじゃないですか。
「いや、とくに苦手ななものはないです」
と答えながら、「あれ、何か食べられないものあったっけ……?」と考えていたら、突き出しにラッキョが出てきた。
ウッ。
そういえば、ラッキョが苦手だ。
いや、正確に言うと、30年以上生きてきて、私はラッキョを食べたことがない、ラッキョ処女なのだ。

コドモの頃、ラッキョは食卓にあった。
しかし、その独特な匂いがもうダメで、箸すらつけなかった。
他にもタコときゅうりの酢の物とか、ヒジキと豆の煮物とか、白菜の漬け物とか、そういう「オトナ向けおかず」は一切食べられなかった。残しては怒られた。
でもラッキョに関してだけは、怒られた記憶がない。人数分の皿に盛ることなく、完全サイドメニューで出されていたせいだろうか。

大人になって、酢の物もヒジキも漬け物も、かなり食べられるようになった。
でもラッキョだけは別だ。なんとなく避けて生きてきてしまった。

でも、みんなラッキョ好きなんだろうか……?
ナゾに思ったので、周囲にリサーチしてみた。

ケース1
「ラッキョを初めて食べたのは20代。カレーライスについていたのをなんとなく。お、結構食べられるじゃん、と思った。その後も、あれば食べるが、積極的に買ったりしない」

ケース2
「ラッキョは実家の食卓にいつも出ていた。子供の頃は美味しく感じられなかった。大人になって、飲み屋で食べて、結構いけるじゃんと思った」

ケース3
「おいしい食べ物だと思う。酒のつまみとして食べる。臭いものの、大人にしかわからない旨味を感じる」

ケース4
「ラッキョは自分で漬けて食うものだ!! 美味い。 泥らっきょうが出回る初夏が、毎年楽しみ」

ケース5
「高校生の時、ドライカレーを出すお店があって、そこについていたラッキョを好きになった。一口ごとに一個のラッキョを入れてもいいぐらい美味だった。 福神漬けよりラッキョだ!」

ケース6
「子供の頃からおやつ代わりに。噛んだ時の冷たい感じがいやだったので、口の中で一枚一枚はがして食べてていた。 大人になってもその食べ方をしているが、自分では購入しない」

ケース7
「ラッキョはセロリくらいに苦手。片手で数えるくらいしか食べたことがないと思う」

ケース8
「好物と言っても良いくらい大好き。ばあちゃんが漬けてくれたのが最高だった。アレだけで酒が飲める。 まるく太ったラッキョよりスレンダーなラッキョが好み。ぱりぱり感が良い」

ケース9
「あの甘い酢の物系の味とにおいが駄目。食卓やレストランで並んでいても見ないふり。自分のなかではラッキョの存在は全否定」

ケース10
「ラッキョは好きだが、は同居人が『絶対ゆるさない派』なので家の食卓に上る事はない」

……ほんとに皆、まちまちまちのラッキョ感。
でも「全否定派」がいるのは分かった。そう、私もラッキョを全否定してきたのだ。

でも試しもしないで否定するのはいけないのかも、と思い、近所のスーパーでラッキョを買ってきた。


200円という、お手ごろ価格。


パッケージを見たら、原材料は中国からの輸入モノだった。遥か遠い大地の地中からやって来たのね……。

ハサミで封を切る。



ぼんわわわ〜ん、と、甘い酢の匂い。
ウッ……。
酢の物食べられるし、ネギ系の臭い野菜も好きなのに、どうしてこれが「ラッキョ臭」となると、ひるんでしまうんだろう。



見た目だって可愛らしいのに。

勇気を持って、かじることにする。
がりっ。

……………。

匂いが花につきぬける。口の中いっぱいに広がる、何重ものラッキョ皮。酢とネギの匂い。ふわわわわわ。ああああああ。ああああああああ。
吐き出すな、飲み込め!

んがくく、と食べ終えて、いそいでウーロン茶を飲んだ。
ラッキョ処女、喪失……。

結論。
私、嫌いなものができました。ラッキョです。

でも人は変わる。
だからもっと大人になってから、美味さが分かる日がくるのかもしれない、と希望は持ち続けていたい。
サムデイ、オーバー・ザ・ラッキョ!

(前回予告した大豆肉調理レポートはまた次回に! ごめんなさい!)


 

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