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コネタ


コネタ316
 
沖縄 ペンキじか塗り看板の謎

沖縄に行った。私には初めての沖縄だ。

とはいえ、12月なのでさすがに海には入れず、もっぱら料理と泡盛、そして街歩きをたんのう。暇さえあれば街並を見て歩いたが、なんだか妙に目に入ってくるものがある。

それは看板。いや、看板のていを成していないので何ともいえないが、店やアパートの名前を表示する方法が、関東圏に生まれ育った自分にはなんだか奇妙に感じる。県外者の視点で見た微細な発見を、勝手ながら紹介させていだたきたい。

乙幡 啓子

つまりこういうこと。


けっこうでかいアパート。いっそのこと「マンション」と言ってくれてもいいくらいの賃貸住宅。その名前を、このように壁にでっかく、直接ペンキで書いてある。ちらっと見えている隣のアパートにも、同様に名前をペンキ書きだ。大胆である。

しかし、なんで直ペンキなんだ?

以下、アパートでの一例である。


見えにくいが、「ミニコーポ グシケン」。
白くてきれいなマンションにも、黒々と。

そして、それはアパートだけではなかった。気になり始めると、どんどん目に入ってくる。那覇市内・郊外問わずそのような例を発見できた。


さわやかな旅・・・ でかいホテルにも2トーンで。
あの沖縄銀行にもさりげなく。舞うようなレイアウトで。
かつら研究所はいいとして、下にちらっと見える「ギャルド」が気になる。アバンギャルドか?
カデナって、あの嘉手納だ。
隣のビルが低いと、すかさず壁に書く。
聖書の言葉と共に黒々と。

もうすでに、街並みよりも看板にしか目がいかなくなっている。沖縄まで来て何をやってるんだ私。移動中の車内からも休まず目を凝らして探しているのだからあきれる。

ちなみに地元の人に聞いたら、「こっちの人はわざわざ看板なんてめんどくさくて作らないっさー。あれで事足りるからいいんっさー」と言われました。本当のところはどうなんだろう。


給水塔にも、名物を書いとけ、って感じで。
前面・側面とも見える場合は両面に、書いとけ。
ちょっとした斜めスペースにも、堂々と書いとけ。
ヘアサロンの階段にも、 傾斜に合わせて書いとけ。
店全部の情報を、とにかく書いとけ。
会社名も。右には「親兄弟にもほめられるものを」って書いてある。

沖縄といえば、当サイトライター、安藤昌教さんだ。沖縄在住の彼に聞いてみると、「確かに沖縄の看板は塗ってあるのが多いです。県外から来た人が経営しているお店なんかは看板を出してたりしますが、沖縄県人(うちなんちゅー)のお店は大半が直塗りのようです。」

やはり「大半が直塗り」。そして、これには何か理由があるんですか?

「看板を出すと台風で飛んでいくからではないでしょうか。実際家の前にあった看板が今年飛んでいきました。おかげで見晴しが良いです。」

沖縄の家はコンクリそのままの家が多い。材料となる木(杉やヒノキなど)が少なく、台風に強い、ということも理由であるらしい。 そして、生コンの壁に直にペンキで色を塗っている。昔の家はコンクリの代わりに漆喰で塗り固められているが、その流れで、「コンクリに直に塗るのが一番」みたいな文化が出来てるのでは、ということだった。

これはおまけ。アマゾネ「ス」。

他の地方でも、こういった「壁に直ペンキ塗り」の例を見かけないわけではないが、沖縄の場合はその独自の気候によって、「直ペンキ塗り」文化が形成されていったのだ。なんだか話がだんだんアカデミックになってきた。

風雨にさらされて、ところどころ薄くなったペンキ看板。そのこだわりのない、適当な感じが、なんだか気に入っている。


 

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