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コネタ


コネタ346
 
鏡パン

あけましておめでとうございます。

お正月といえば鏡餅なわけですが、筆者の家ではいまいち餅を食べない。だけどやっぱり正月だし、人並みに鏡餅くらいは飾りたい。景気よくでかい鏡餅なんか飾ってみたいものだが、たぶん食べないままにカビさせてしまうだろう。

餅は食べないけど、パンなら毎朝食べるよ

ということでパンで鏡餅、いうなれば鏡パンを作ることにしました。それもせっかくなので素材にこだわって。

安藤 昌教

これが天然酵母。このサイズで2000円くらい。

せっかくなので天然酵母で

普通パンを作るにはドライイーストが一般的だが、それではあまりに簡単に出来上がってしまいそうだったので今回わざわざ天然酵母を使うことにした。今回使ったのはホシノ天然酵母パン種。最近はブームということもあって、オーガニック食品を扱っているお店とかで手に入れることができる。

天然酵母でパンを作るには、ドライイーストと違いまず生種と呼ばれる状態のものを作らなくてはいけない。パン種をぬるま湯に溶かして24時間以上置いて発酵させるのだ。

24時間以上・・

筆者はそれを知らずに小麦粉とか他の材料を準備しながら生種作りをしていた。24時間以上ってことは今日は無理じゃん。いきなりオーガニックの高い壁に行く手を阻まれた気がした。ということで本日の作業はここで終わり。

次の日

昨日仕込んでおいた生種を見てびっくりした。ものすごい勢いでぶくぶく泡立っているのだ。耳を澄ますとその音まで聞こえてくる

ブツブツブツブツ・・・

静かな部屋を満たす酵母の息づかい。こいつら、生きてる。時間をかけたこともあって、なんだか酵母菌に愛情を感じた。


酵母をぬるま湯に溶かした状態。豆乳みたいです。
24時間経過した状態。かなり生きてます。

パンの材料、これだけ。

では改めてパン作り再開

酵母もいい具合にできたことだし、さっそく鏡パンを作っていきたい。今回レシピ本を見ながら用意した材料がこれ。強力粉、薄力粉、塩、生種(酵母)、以上。実にシンプルだ。

ところで強力粉の対は弱力粉ではなく薄力粉。小麦の世界では「強い」の反対は「薄い」なのだ。確かに「弱い人」と言われるより「薄い人」と言われた方がダメージが大きい気もする。ちなみに小麦における強力粉と薄力粉の違いは、グルテンという弾力成分の多少によって分けられているとのこと。コネタのコネタです。


こねすぎてしばらく筋肉痛が続きました

これらの材料にぬるま湯を加えてこねる。このこね具合によって出来上がりの歯ごたえが決まるとのこと。あの甲斐甲斐しい酵母菌の発酵を無にしてしまわないためにも、こねる手に力が入る。

しばらく小麦粉のかたまりをこねていくと、あるところで急激に生地の弾力が増すところがある。それはもうゴムの塊みたいに、体重をかけてこねる筆者の体をはねのけるまでの弾力。眠っていたグルテンが目を覚ましたのだ。こねる手にもますます力が入る。

友達にストレスが溜まるとパンを焼きたくなるという人がいて、筆者にはなんのことやらよくわからなかったのだが、こういうことなのだ。確かにこねている間は無心になれる。


こんなにかわいらしい生地が・・

そしてこねあがった状態が左の写真。意外と小さくまとまっている。この分だと結構かわいい鏡餅になってしまうかもしれない。

さて、次は何をしたらいいのか、とレシピ本を見ると

そのままの状態で24時間以上発酵させます

またか。なんだか予想はしていたが、先にレシピに目を通しておくべきだった。ここで2日目の作業は終わる。


次の日にはこんなに膨らんでます。

そして次の日

この企画の仕込をはじめて3日目の朝だ。昨日こねておいたパン生地を見てまたびっくりした。

すげえ膨らんでいるのだ

想像をはるかに超えた膨らみ具合だ。ソフトボールくらいだったのが、ハンドボールくらいにまで膨らんでいる。天然酵母が息を吹き返させてくれた恩返しをしてくれているのだろうか。ありがとう天然酵母。

膨らんだ生地をもう一度こねて中に溜まったガスを抜く。そして形を整えて2次醗酵へ。え、また醗酵。

そうですこのまま2時間待ちます

レシピ本は筆者をあざ笑うかのように次から次へと時間のかかることを要求してくる。もういい、どれだけでも待ってやるさ。

やっと焼きに入ります

2次醗酵を終えた生地をやっとオーブンで焼き上げる。時間がたつにつれ、部屋中に焼き上がりのいいにおいが立ち込め始める。そしてオーブンオープン。ふんわりもちもちの天然酵母パンの焼きあがりだ。

と、簡単に書いてみたが、実は写真のようなパンが出来るまでに2回失敗している。こげたり割れたり、たいへんだ。そしてそのたびに醗酵を2回、つまり2日かける。やっとまともなパンが出来た日、最初の仕込からすでに1週間くらい経っていた。


焼いている途中にもむくむくと膨らむ生地。
じゃーん、やっと焼きあがったパン。

堂々の鏡パン完成

同じ要領でもう一個パンを焼き、二つを重ねてみかんを載せるとなんとも神々しい鏡パンが出来上がった。思った以上の出来栄えだ。これで我が家も人並みに正月が迎えられそうです(実は昨年末に作業しています)。

天然酵母パンは仕込みに時間がかかる分、うまく焼きあがったときの喜びもひとしおです。そして味もほんのり酵母の香りがして、歯ごたえもしっかりしていて本当にうまい。時間と根気に余裕のある方にはぜひお勧めですよ。


鏡パン。神々しいです。

 

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