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コネタ


コネタ356
 
偽一万円札騒動の一端に触れてきました
問題の旧一万円札。当然本物です

このお正月、初詣の客で賑わう神社や寺の露店で、大量の偽一万円札が遣われるという、とんでもない事件が全国各地で起きた。

…な、なんとバチ当たりな!
偽札も当然許せないが、それを神社やお寺の露店で使うという発想がまず許せない。けしからん。

初詣がてら露店をブラついてみて、どんな雰囲気になっているのか、ちょっと覗いてきました。

高瀬 克子

つくづくイヤな犯罪だ

報道によると、露店商のかたは防寒のために手袋をしている場合が多く、それも偽札を見破れなかった原因のひとつだという。たしかに手袋をしていると、微妙な紙の触り心地が分からない。おまけに夜ともなれば、色合いの違いなども分かりづらいだろう。しかも大勢のお客をさばきながらともなれば、気がつかなくて当然だ。本当に気の毒なことだと思う。

ちなみに今回使われた偽札の多くは、旧一万円札をカラーコピーしたものらしい。そして私が銀行から引き出したお札も、たまたま旧一万円札。…もしかしてこれ、露店で使ったら、ものすごくイヤな顔をされるんじゃないだろうか。

不安な気持ちで、明治神宮に出かけてみたのですが。


無情に響く「本日は閉門しました」のアナウンス

…不安の度合いが違ってました。まだ5時前なのに閉門って。

私が訪れたのは1月5日ですが、日本一の参拝客を誇る明治神宮といえども5日ともなれば閉門時間が早いのですね。 「まだ松の内なのに」と心の中で文句を言う私を尻目に、周りの露店も次々と店仕舞いを始める始末。あらー。

 

やっぱりここか

ガッカリしながら、遅くまでやっていそうな初詣の場所へ移動だ!と、なんの根拠もないまま浅草へとやってきた。


来て良かった、と思った瞬間

雷門に行く途中からして、こんな露店が出ている。さすが浅草。じっくり腰を据えて箸を選びたかったが、それは後にして、とにかくお参りをしてしまおう。箸はその後だ。


さすがに夜でもこの通り
仲見世も煌々としております

艶っぽいお姉さんもおみくじ。なんとなく正月っぽい

お参りを済ませ、おみくじを引こうとしたが100円玉がない。というか一万円札しかない。露店で何か物を買ってお金を崩そうと思ったのだが。


え…、まだ6時過ぎですよ
もう閉めちゃうんですか

「浅草寺よ、おまえもか…」という気分だったが、まあ今年は4日から仕事始めの会社も多いことだし、寒いし、暗いし、そんなに遅くまでブラブラする客もいないだろうけれども。それにしても早い。私がのんびりしすぎているのだろうか。

でもまぁ無事にお参りも済ませたことだし帰るかな、と、また仲見世をブラブラしながら、来た道を戻ることにした。
小腹も空いたことだし、揚げまんじゅうでも食べながら歩くか。


揚げまんじゅうのお店「九重」

 

ここが事件の現場だった

「ゴマ入りをひとつ下さい」
「はーい」
「すいません、大きいのしかないんですけど…」

恐縮しながら一万円札を渡した瞬間、おばさんが受け取ったお札を頭の上にかざし、透かしの模様を確認しだした。
やっぱり! 旧一万円札だし、ものすごく用心してるんだ!

「わー!」
驚きを、つい口に出してしまった。


当たり前ですが、かざしてる瞬間の写真を撮れるわけもなく

「ごめんなさいねぇ、ついクセになっちゃって」とおばさん。
「いえいえ、時節柄ですから。大変ですねぇ」と私。

そんな会話をさえぎるように、横に立っているおじさんと奥でまんじゅうを揚げてるおじさんが、一斉に会話に加わってきた。

「ホント失礼だよ! こんな綺麗なお姉さんが偽札なんて使うワケねーだろ!」
(すごい、身内を叱りながらも客へのフォローを忘れていない)
「でも今年だけでもう4回もやられてんだよ!」
(え、仲見世でも被害が? そんなに?)
「ヤツらは、こんな高い(と大きな包みの商品を掴む)のは買わないでよー、やっすい揚げまんじゅうを一個買って、一万円札で払ったりするんだよ!」
(それって、まんま私のことじゃないスか…)
「それでおつりを丸ごと持ってくんだよ!」
(いや、本当に細かいお金がなくて…。ていうか本物ですから…)

どの話に相槌を打っていいのか分からないほどのサラウンドっぷりだった。家族総出演といったところだろうか。すばらしい連携プレーを見た思いがした。

「いやもう、ほんとすみません…」と恐縮する私に、お店の方々は笑いながら「ううん、ありがとうね!」と快くこたえてくれた。
ああもう、恐縮しすぎて消えてしまいたいくらいだ。本当にすみません。反省してます。


写真を撮らせてくださいと言うと、なぜか鼻眼鏡をつけ出した若旦那。すばらしいサービス精神

いくら本物だからといって、100円の揚げまんじゅうを買うのに一万円札を出すのは失礼な行為だというのに、お店の方はイヤな顔ひとつせず、なにか一種の話芸でも聞いているような気分にまでさせてくれた。なんてありがたいんだろう。そして私は、馬鹿者だ。

今度は、細かいお金をたくさん用意してから来よう。

そして偽札犯よ、もう浅草は騙されないぞ! 守りは鉄壁だぞ!(たぶん全国的にそうだぞ!)…そんなことを思った年の始めでした。

揚げまんじゅう、うまいです


 

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