「ごめんなさいねぇ、ついクセになっちゃって」とおばさん。
「いえいえ、時節柄ですから。大変ですねぇ」と私。
そんな会話をさえぎるように、横に立っているおじさんと奥でまんじゅうを揚げてるおじさんが、一斉に会話に加わってきた。
「ホント失礼だよ! こんな綺麗なお姉さんが偽札なんて使うワケねーだろ!」
(すごい、身内を叱りながらも客へのフォローを忘れていない)
「でも今年だけでもう4回もやられてんだよ!」
(え、仲見世でも被害が? そんなに?)
「ヤツらは、こんな高い(と大きな包みの商品を掴む)のは買わないでよー、やっすい揚げまんじゅうを一個買って、一万円札で払ったりするんだよ!」
(それって、まんま私のことじゃないスか…)
「それでおつりを丸ごと持ってくんだよ!」
(いや、本当に細かいお金がなくて…。ていうか本物ですから…)
どの話に相槌を打っていいのか分からないほどのサラウンドっぷりだった。家族総出演といったところだろうか。すばらしい連携プレーを見た思いがした。
「いやもう、ほんとすみません…」と恐縮する私に、お店の方々は笑いながら「ううん、ありがとうね!」と快くこたえてくれた。
ああもう、恐縮しすぎて消えてしまいたいくらいだ。本当にすみません。反省してます。 |