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コネタ


コネタ377
 
消えゆくものたちの国
モダン・チューリップ店内の様子。アンティークに混じり、子供服なども置いてある。

それは、いつでもあなたのそばにあった。

悲しいときや寂しいときには慰めてくれ、嬉しいことがあったときにはあなたを祝福してくれる、そういうものが、まだ幼かったあなたのそばには常にあったはずだ。

そして、それはあなたが成長するにつれ、いつの間にかいなくなってしまった。

そう、あなたの子供時代と一緒に。

この原稿を全てのこどもたちと、かつてこどもだったことのある全ての人に捧げます。

(text by 宮崎ペロ

オーナー・中村ススム氏。見た目の印象通 りに寡黙ながら、アンティーク・トイの魅力を控えめに語ってくれた。
人気のあるという、企業のロゴマーク付きのマグなど。
こちらは文中にも出てくる、マザーグース柄のマグたち。奥の子にも注目。
色遣いが独特の暖かみを感じさせる水差し。

アンティーク・ショップ
「モダンチューリップ」

高田馬場にあるモダンチューリップは、今年で開店10年目になる、アメリカのアンティークを扱うお店だ。
元々ディズニーのコレクターだったという氏は、アメリカの古いアンティークなどを気軽な値段で買えるようなお店を始めようと思い、開店に至ったという。
チップマンクス(注・1958年にアメリカで始まったテレビアニメ。テープ加工を施された虫声で歌うサウンドトラックの原盤は、コレクターズ・アイテムとして高値で取引されている)がBGMとして流れる店内で、オーナー・中村ススム氏にお話を訊いた。

---なぜアメリカのアンティークのお店を開こうと思ったんですか?
「元々ディズニーの古いモノや新しいモノをいろいろコレクションしてたんです。
それで、オープンするときに、これまでコレクションしてきたようなものや、アメリカの古いアンティークなどを集めて、気軽な値段で買えるお店を作ろうと思ってたんです。
例えば、ファイアーキングという食器メーカーの商品は開店当初から他のお店では高い値段で売られていたんですけど、ウチでは少し安い値段で出したりして。
あと、例えば1950年代っていうと、リーゼントとかオールディーズみたいなイメージがあると思うんですけど、そうではなくて、もっと女性っぽいアイテム、ポップで明るい感じのモノを扱うようにしたいなと思っていました」

---ファイヤーキング以外に人気のある商品ってあるんですか?
「ファイアーキングはブランドみたいになっちゃってきてるんです。なので、後は小さい子が使うようなマグカップとかお皿とか。この辺はヘーゼルアトラスという、ファイアーキングほどではないにしろ割と有名なメーカーなんですけどね。僕の好みとしてはマザーグースなどのテーマの柄が入っているような物が好きです」

---仕入れの規準になるものはなにかあるんですか?
「高級なモノはあまり手を出さないんです。アメリカでもコレクターの市場のようなものがあって、すごく安いモノっていうのはないんですよ。ガレージセールではたまに出ているんですけど。アメリカ人の思い入れが凄いものっていうのは、もう全然日本人の価値観からは考えられないくらいの値段が付けられてるんで、だからそういうのはアメリカにいる好きな人に任せて、やはり手軽に買えるようなものを仕入れるようにしています」

---トイと食器はどういう比重でやっていきたいですか?
「開店当初はうちみたいなアンティークの食器とかを扱うお店ってあんまりなかったんですけど、結構最近は増えてきたので、それは他に任せて、ウチではやらなくても良いのかなって思っています。なので、食器は少し減らして、オモチャをもっと増やしていくことで、独自性を出していきたいと思います」


消えてゆくはずのものたち

次に、このお店で扱っているトイたちを一挙に紹介していきましょう。僕が初めてこのお店の存在を知ったのは、4年ほど前に本屋さんに併設されたギャラリーで行われた展示会。そこには、本来ならば捨てられたりしてしまうはずのオモチャ達が、沢山並べられていたのでした。
その時の感動が読者の方にも伝わるように、出来うるかぎり沢山ご紹介したいと思います。



ここに並んだアンティーク・トイたちを観ていると、とても楽しい気持ちになってくる反面 、これらを通して幼かったころの僕の近くに常にいたおもちゃ達の面影が、うっすらと浮かび上がってくるような気がする。

子どもだった僕は、あなたが子どもだったころと同じようにそれらと言葉を交わすことができたし、僕が眠っている間にはそれらは動き出して、楽しげに踊っている筈だった(観たことはないけど)。
今から思えば微笑ましい空想かもしれないが、それは、幼かった僕にとっては、確実にリアリティを持っている現実の一部だった。

このお店にいるおもちゃ達をみていると、今では失われて、そして久しく忘れてしまっていたその声が、子どもの頃の記憶の底からかすかなささやきとなって聞こえてくる。

「僕たちは、いつでもここにいるよ」と、そんな風にささやいているのが、あなたには聴こえるだろうか。


中には使用済みのものもありますが、殆どが一点モノのカード。

と、後半は趣味に走ってしまい、自分好みのおもちゃ達をズラっと並べてしまいましたが、このお店では上のようなアンティークのカードや絵本なども置いてあります。
ちなみに上のはバレンタインカード。 こんなアンティークなカードで想いを伝えるのも、なかなかステキかもしれません。
バレンタインに向けて、一度足を運んでみてはいかかでしょうか?

お店の外観。

モダンチューリップ
東京都新宿区高田馬場2-13-3
営業時間:12:00〜19:00
日曜日定休
年数回 臨時休業あり
http://www.modern-tulip.co.jp/



 
 

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